SAP、企業間コラボレーションを加速する次世代サプライチェーン・ネットワーク機能を発表

2001年6月22 日 by SAP News 0

SAPとBiosGroupが共同で、サプライネットワークの複雑さを解消

Tokyo米国フロリダ州オーランド発 ― 2001年6月13日 ―SAP (NYSE: SAP) は本日、mySAPサプライチェーン・マネジメント(mySAP SCM) の機能強化について発表しました。この強化点の内容は、インテリジェント・エージェントという新しい技術の利用によって、「適応型サプライチェーン・ネットワーク」を管理するというものです。

適応型サプライチェーン・ネットワークとは、サプライチェーンが発展したもので、グローバルな視認性やイベント・マネジメント(追跡管理)、適応性のある計画や実行、また動的な協調処理を独自に組み合わせたものになります。適応型サプライネットワークは、ポータルとエクスチェンジ(電子商取引)を介して、取引企業とのシステム統合やダイナミックな協調処理を実現します。

mySAP SCMの新規コンポーネントであるSAPイベント・マネジメント(SAP Event Management)を使用すると、ネットワーク上においてイベント(情況)の調整と管理をリアルタイムで行うことにより、グローバルな視認性を実現できます。インテリジェント・エージェントはこれらのイベントに対応して、さまざまな問題解決手段を自動的に起動します。その結果、適応型サプライネットワークは最適化されることとなります。インテリジェント・エージェント技術により、新しい適応型サプライネットワークの計画と実行が実現します。この発表は、SAP主催によるe-ビジネス・イベント、SAPPHIRE 2001 Orlando (会期:6月12~15日、米国フロリダ州オーランドにて開催) の会場で行われました。

SAPとBiosGroup, Inc.は、適応性に優れたインテリジェント・エージェントを共同で開発する予定です。BiosGroupは、コンサルティングとソフトウェア開発を手がけている会社です。同社は、複雑系科学とエージェントの概念をベースにした、適応型サプライ・ネットワークの構築技術を提供しています。SAPは2002年第2四半期に、このインテリジェント・エージェントの第一バージョンを出荷する予定です。

この適応性に優れた概念を利用すれば、融通性の利かない直線型サプライチェーンを適応型サプライ・ネットワークに変えることができます。この結果、企業間における製造と物流の管理が高機能化や高速化、効率化され、競争力の強化につながります。具体的には、このサプライ・ネットワーク上のあらゆるポイントで需給データを継続的に収集してそのデータを統合することにより、ある需要の発生に対して供給側が対応するまでの経過時間を短縮することができます。SAPは個々のインテリジェント・エージェント構成を利用することによって、適応型サプライ・ネットワークを構築する企業をサポートします。このサプライ・ネットワークは柔軟性に優れているので、企業のシステム環境に変更が発生した場合、その変更を検知してすばやく対応します。

SAP AGの取締役会の構成メンバーであるクラウス・ハインリヒ (Claus Heinrich) は次のように語っています。「最終的な目標は、急展開する状況を検出して迅速に対応できる、本当の意味で適応力のあるサプライ・ネットワークを構築することです。その結果取引企業は、遂行プロセスにおいて密接な調節と効率的な調整を図ることで、需給バランスを維持し、巧みに連携することができます。グローバルな適応型サプライ・ネットワークに参加する企業が直面する課題は増え続けています。インテリジェント・エージェントは、この課題を解決するうえで重要な存在になることでしょう。」

適応型サプライ・ネットワークはもともと、需要動向の変化を検出し、その情報をネットワーク上でリアルタイムに伝達する能力を備えています。イベント・マネジメントとインテリジェント・エージェントは、部品の調達、製品の組み立てと製造、および顧客への配送を遂行し、顧客の期待を満足させて高い利益を上げるために、サプライ・ネットワークの活動全体を監視および調整します。

META Group Inc. 上級副社長のバリー・ワイルダーマン (Barry Wilderman)氏は次のように語っています。「この分野における競争は、サプライチェーン対サプライチェーンという図式になりつつあります。サプライチェーン参加企業は、グローバル・ビジネスの特徴である相互接続性がますます高まっていることを考慮する必要があります。現在のサプライチェーンは、サプライ・ネットワークの一部分を扱っているだけなので、期待に応えているとは言えません。つまり、結果として特定のステップは最適化されるかもしれませんが、サプライ・ネットワーク全体が最適化されることはありません。SAPとBiosGroupはともに、静的かつ直線的なサプライチェーンを、参加企業に対し大きな価値をもたらす適応型サプライ・ネットワークとして定義し直したい、という野心的な構想を持っています。」

BiosGroupのファウンディング・ジェネラル・パートナー兼CSO(Chief Science Officer)であるスチュアート・カウフマン (Stuart Kauffman) 博士は、次のように語っています。「SAPのサプライチェーン・マネジメント能力とBiosGroupの最先端のエージェント技術は、適応型サプライ・ネットワークを実現するうえで最適な組み合わせです。将来のサプライ・ネットワークは、多数の独立エージェントがそれぞれ意思決定を行い、その決定が複合的なやりとりにつながる、複合的な適応性システムに近づいていきます。たとえば、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)をはじめとする顧客との共同作業では、インテリジェント・エージェント技術を利用することによって過剰在庫や欠品が75%も減らせることが判明しました。」

適応型サプライ・ネットワーク・ソリューションに新しく追加された要素
イベント・マネジメント
mySAP SCMに追加されたSAPイベント・マネジメントを利用すれば、拡張されたバリュー・チェーン上のイベント(出来事)とプロセスを監視し、それらに対応することができるので、結果として適応型サプライ・ネットワークが実現されます。

また、問題のないイベントを除去したり、よくある問題に対する自動応答処理を起動させることができるので、サプライ・ネットワークはネットワーク上で発生する変化に対してより迅速に対応することができます。その結果、ネットワーク参加企業の社員はより付加価値の高い作業に専念することができます。また、ルールや基準点を事前に設定しておけば、アプリケーションを例外的なプロセスに対応させることもできます。たとえば、さまざまな解決手順のシミュレーションやネットワークの自動的制御、あるいは警告を送出して人間による手動介入を促進することなどの一連処理をアプリケーションの上で実行させることができます。

インテリジェント・ソフトウェア・エージェント
ネットワーク上の中心に存在するエージェント・ソフトウェアは、SAPイベント・マネジメントと他のシステムとの間で、システム環境の状態と例外条件を伝達します。業界内で作成された内部ネットワーク・ルールの中では、「企業間電子商取引やピアツーピア・リンク経由を介して、専門化されたエージェントが使うことのできる、より広範囲のサプライ・ネットワークについての対応および伝達を行う方法」を規定します。

エージェントは、ネットワーク上での動作から得られたナレッジを蓄積することにより、想定される場面を予測したり効率的な対応を自動的に行う能力を向上させます。エージェントが自動的に解決できないような異常事態がサプライ・ネットワーク上で発生した場合は、その情報がシミュレーション分析機構に送られ、意思決定者がその中から適切な解決手段を選択することができるよう、その事態を解決する手段がいくつか作成されます。

BiosGroupについて
BiosGroupは、Cap Gemini Ernst & Young社とスチュアート・カウフマン (Stuart Kauffman) 博士によって1996年に共同設立された会社です。同社の事業は、商用のさまざまな戦略的分野 (サプライチェーン・マネジメント、電子調達、危機管理、意思決定支援など) に対して複雑系科学を適用することであり、そのコンサルティングとソフトウェア・ソリューションにおける代表的企業となっています。

BiosGroupの顧客はグローバル企業や政府機関など約1,000社で、主な顧客としては、フォード・モーター、本田技研、Invensys、ナスダック、プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)、ソシエテ・ジェネラル銀行、サウスウエスト航空、Temple-Inland、ユニリーバ、ユナイテッド航空などがあります。BiosGroupの出資者は、Cap Gemini Ernst & Young、プロクター・アンド・ギャンブル、Ford Venture Capital、BiosGroupの役員、従業員および会員、ブルッキングズ研究所などです。BiosGroupの本社はニューメキシコ州のサンタフェにあり、また、ボストン、デンバー、ロンドン、パリに支店があります。(BiosGroupの詳細については、 http://www.biosgroup.com/ をご覧ください。)

SAPについて
SAPは、e-ビジネス向けソフトウェア ソリューションの提供者として世界でもトップクラスの存在です。全世界の企業が、mySAP.comのe-ビジネス・プラットフォームを通して、顧客やパートナーとの関係改善、業務の効率化、サプライチェーン全体に渡る大幅な効率化を達成しています。現在、100カ国以上の国々の1万3000社以上の企業が、3万サイト以上のSAPソフトウェアを使用しています。50カ国以上に支社を持つSAPの株式は、フランクフルト証券取引所とNYSEを含むいくつかの証券取引所において、「SAP」のコード名で上場しています(詳しくは、http://www.sap.com/ をご覧ください)

SAPジャパンについて

SAPジャパンは、eビジネス向けソフトウェアの世界トップ企業(世界120ヶ国、13500社、1000万人ユーザ)であるSAP AGの日本法人として1992年に設立されました。統合基幹業務ソフト(ERP)をはじめ、サプライチェーン・マネジメント(SCM)、顧客関係管理(CRM)、電子商取引市場(eマーケットプレイス)の構築など、日本企業の情報化の推進と国際競争力及び企業価値を高めるため、企業内外のあらゆる業務の効率化を図り、相乗効果をもたらすソリューションを提供しています。日本国内では現在、780以上の企業グループでSAP製品がビジネスに活用されています。

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