「mySAP Financials」の機能強化

2003年11月6 日 by SAP News 0

「SAP SEM3.5」、「SAP FSCM2.0」、「SAP Compliance Management for Sarbanes-Oxley」などの新機能を追加し、グループ経営支援機能を強化

TokyoSAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:藤井 清孝、以下SAPジャパン)は本日、mySAP Financials(以下mySAPファイナンシャルズ)の新しい構成要素と、既存構成要素の機能拡張版を2004年 第1四半期より出荷する、と発表しました。

今回SAPジャパンが発表したmySAPファイナンシャルズの新たな構成要素は、以下の3点です:

  1. 「SAP SEM3.5(SAP Strategic Enterprise Management: SAP ストラテジック・エンタープライズ・マネジメント(戦略的企業経営)、以下SAP
    SEM3.5)」
  2. 「SAP FSCM2.0(SAP Financial Supply Chain Management:SAP ファイナンシャル・サプライチェーン・マネジメント、以下SAP
    FSCM2.0)」
  3. 「SAP Compliance Management for Sarbanes-Oxley(以下、SAPコンプライアンス・マネジメント)」

これらの機能強化により、SAPの会計ソリューションは単体企業の基幹業務実行機能だけでなく、企業グループを対象とした、連結ベースの経営管理、財務管理、コンプライアンス管理機能を備えることになり、グループ経営を支援するソリューションとしての位置付けを明確にしました。

連結ベースの企業評価が一般的になった現在、企業は親会社単体だけではなくグループ全体の価値を向上させていく必要に迫られています。このため、連結財務諸表の早期開示にとどまらず、グループ経営管理体制の再構築、即ち、PDCA(計画・実行・チェック・評価)サイクルの早期化・詳細化、事業ポートフォリオの適切な管理、などは必須の条件となりつつあります。また、財務管理分野においては、外為法改正や時価会計導入などの制度変更に加え、株式持ち合いの解消による「間接金融」から「直接金融」への転換、それに伴う資金調達方法の多様化など、企業財務を取り巻く環境は大きく変化しています。このような変化に対応するためには財務取引管理・リスク管理を強化していく必要があるほか、コスト圧力に対応するためのグループ内における財務・決済関連取引の効率化も行っていかなければなりません。

さらに、一連の粉飾決算や企業不祥事の続発を受けて企業活動に対する法規制が大幅に強化されつつあります。事実、米国における企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)の制定に続き、日本においても経済産業省や経団連から新たなガイドラインが発表されています。こういった経営・財務・コンプライアンス管理などの企業グループを取り巻く経営課題に対処するには、グループ本社が非常に大きな役割を果たすことになりますが、生産・販売などの業務実行部門と比較して本社部門の情報化は十分には進んでいないのが現状です。

mySAPファイナンシャルズに新たに追加された上記3点の機能を活用することにより、顧客企業は、グループ本社が行う連結ベースの経営戦略立案と、実行モニタリングのサイクルを早期化することができるようになりました。また、グループ財務管理を集中化することで、財務関連コストの削減・業務レベル向上を実現できます。さらにコンプライアンス管理を強化することによって、法規制に対応できないリスクを大幅に削減します。

今回発表した各構成要素は以下のようにグループ経営を支援します:

【SAP SEM】
SAP SEM3.5では、これまでSAP R/3上にあった連結機能が新たにSEM上で提供され、制度連結のみならず、管理連結も実現します。これにより、これまでSEMで実現していたデータウェアハウス上での顧客独自データ構造(例:製品別・顧客別損益)での、計画・シミュレーション、計画値・実績値などの比較モニタリングなどを連結ベースで行えるようになりました。SAP SEM3.5を使うことで、企業グループ全体の連結ベースPDCA(計画、実行、チェック、評価)関連データはデータウェアハウス上で一元管理されるため、本社部門はマニュアルでのデータ集計・出力・変換などの作業から開放され、本来行うべき分析・意思決定支援に注力できるようになります。

今回発表した各構成要素は以下のようにグループ経営を支援します:

SAP SEMの構成要素

  • SEM-BPS:Business Planning and Simulation
  • 事業計画とシュミレーション:顧客企業が持つ独自のデータ構造に対応した柔軟な計画機能を提供、販売計画などの業務計画と、BS/PL/Cash Flowなどの財務諸表計画を統合、また、SAP R/3との計画統合も実現

  • SEM-BCS:Business Consolidation
  • 事業連結:制度連結、また、顧客企業が持つ独自のデータ構造上での管理連結機能を提供、実績データだけでなく、SEM-BPSで策定された計画データも連結

  • SEM-CPM:Corporate Performance Monitor
  • 戦略管理:バランススコアカードを用いたモニタリング、リスク管理機能、バリュードライバーツリーでの指標シュミレーション機能を提供
    パフォーマンス測定:指標定義、ベンチマーク機能、マネジメントコックピットでのグラフィカルな指標レポーティング

【SAP FSCM(SAP ファイナンシャル・サプライチェーン・マネジメント)2.0】
SAP FSCM2.0は、グループ企業全体を通じた「人」や「物」の流れと平行する「金」の流れを管理します。与信レベル評価、請求書発行、キャッシュフロー予測、運転資本ファイナンス、クレーム処理、入金・支払い、照合消込に至る一連のキャッシュサイクル関連業務全てを効率化し、可視性と各フローにおけるキャッシュフロー予測の正確性を高めるための包括的なソリューションです。FSCMにより企業グループの財務取引管理・リスク分析・資金予測がシェアード・サービス化できるだけでなく、社内銀行設立を可能にするインハウス・キャッシュ機能も提供されるので、グループの資金決済業務を社内銀行内に集中させることができるようになります。

その結果、社外の銀行へ支払う手数料は最小限に抑えられ、グループ所要運転資金も削減されます。また、SAPのEBPP(Electronic Bill Presentment & Payment:電子請求・決済)ソリューションの第一弾Biller Direct (Web請求)もSAP FSCM2.0の構成要素として提供されるため、取引先への請求書送付・入金照合などの決済業務はWeb上で電子的に行えるようになり、取引コストの削減や資金回収期間の早期化につながります。

FSCMは以下の製品を構成要素としています:

  • FSCM Inhouse Cash
  • インハウス・キャッシュ:企業内銀行を設立し、グループ内で発生する債権債務の相殺、グループ外企業との支払·回収取引の集中化などが可能、その結果、銀行に支払う手数料や金利を大幅に削減

  • FSCM Treasury and Risk Management
  • 財務/リスク管理:金融商品、ローン、および為替管理に関わる処理を自動で行いSAP R/3財務会計システムに転記、また、他FSCMコンポーネントや外部から得たデータを元にリスク分析を行い、意思決定を可能に

  • FSCM Cash Management

  • 資金管理:口座別・預金種別の現預金残高の管理、SAP R/3の販売・購買情報と統合された入出金予定表の作成、伝票明細へのドリルダウンなど

  • FSCM Biller Direct
  • Web請求:Web上での請求書送付/表示と支払い/決済機能を提供、請求・決済関連コストを削減し、資金予測の正確性を向上

  • FSCM Dispute Management
  • クレーム管理:請求書に関する顧客の苦情やトラブル処理をサポート、顧客企業の支払い金額の減額、支払いの遅れに対応し、現金回収率の低下や売掛金回収期間の延長を防止

【SAP コンプライアンス·マネジメント】

SAPのコンプライアンス・マネジメント関連ソリューションが拡張された背景には、エンロン、ワールドコムなど一連の粉飾決算事件を受け、2002年7月に米国にて、企業改革法(Sarbanes-Oxley Act.)が制定され、企業不正に対する懲罰が厳格化されたことがあります。企業改革法では、CEO/CFOによる財務諸表の認証(Section302)、内部統制の報告書作成(Section404)、監査委員会の設置と内部通報制度の確立(Section301)などが義務化されており、米国企業、外国企業問わず、米国資本市場で資金調達する企業が対象とされています。

日本においても、経団連が企業行動憲章を改訂し企業倫理ヘルプラインの設置などを含むアクションプランを制定し、また、経済産業省が”リスク管理・内部統制に関する研究会”報告書を発表するなどコンプライアンス関連の要件はますます厳しくなりつつあります。

「mySAP ファイナンシャルズ」にはこれまでも、透明性の高い取引を実現するSAP R/3上でのトランザクション管理設計(伝票改ざんは不可、履歴保持、ドリルダウン機能など)、監査において必要な支援機能を提供する「SAP AIS」、連結決算上の監査証跡の提供・リスクモニタリングを可能にする「SAP SEM」など、コンプライアンス管理の支援機能が備わっていました。今回、「内部統制管理機能」と「内部通報機能」を新たに追加し、内部統制上の課題やリスクへの対応状況などを明確化し、分析・レポーティングすることを可能にしました。これらSAPコンプライアンス·マネジメントの拡張により、ますます厳しくなる法規制対応に必要な機能を追加するとともに、企業統治システムの強化を支援します。

SAPジャパンでは、「mySAPファイナンシャルズ」の投入により、既存の「SAP R/3」顧客企業、および、複数の子会社を持つ企業を対象とし、2004年末までに、SAP SEMは40件、SAP FSCMは15件、そして、SAPコンプライアンス・マネジメントは10件の受注を予定しています。

以上

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