人的資源、情報、プロセスを統合し、SAP R/3 エンタープライズ、mySAP.com、
新たなクロスアプリケーションなどあらゆるビジネスアプリケーション・ソリューションに対応
Tokyo — 【フロリダ州オーランド発 2002年6月5日】 SAP AG (NYSE: SAP) は本日、オープンな業界標準に準拠したmySAP テクノロジーを出荷しました。このmySAP テクノロジーは2001年11月のTechEdにおいて発表されたもので、異種環境下において、また企業間の境界を越えて、人的資源、情報、プロセスを一元管理するプラットフォームを展開し、企業がこれまで投資してきたITの価値を増大します。
SAPは、包括的かつオープンで、さらに統合されたウェブ・サービス・インフラストラクチャと企業が成功するために必要なアプリケーションやデータを結合できる唯一のソリューションプロバイダです。mySAP テクノロジーは、企業内外のユーザのコミュニティーで、ビジネスプロセスを通じた協業を可能にします。また、オープンで業界標準のウェブサービスに基づき、共通で信頼できる単一のウェブ・インフラストラクチャを通して、異なるベンダーのアプリケーションやウェブサービスを統合します。さらに、SAP R/3 エンタープライズ、mySAP.comのあらゆるソリューション、そして新たに発表されたクロスアプリケーションの基礎となります。
SAPの共同創設者であり、共同会長兼CEOであるハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)は次のように述べています。「われわれは、現在そして将来のビジネスニーズに応え、さまざまなベンダーの異なるテクノロジーやアプリケーションによって企業価値を創造する一つのシームレスな環境を作り出すため、mySAP テクノロジーを設計しました。 このオープンな枠組みは、既存のアプリケーションを異種混在環境において活用し、テクノロジーの集成的な性質を活かすクロスアプリケーションなどの新たなアプリケーションの開発を可能にする基礎として機能します」
SAPは、既存のSAPビジネス・インフォメーション・ウェアハウス、SAPエンタープライズ・ポータルに加えてSAPエクスチェンジ・インフラストラクチャを出荷し、SAPウェブアプリケーションサーバをJava対応としたことで、mySAPテクノロジープラットフォームを完成させました。
SAP エクスチェンジ・インフラストラクチャ
SAPエクスチェンジ・インフラストラクチャ(SAP Exchange Infrastructure)は新たに発表されたSAPウェブアプリケーションサーバに基づいており、あらゆるテクノロジーを利用したすべてのベンダーの製品を接続するため、プロセス統合にXML を使用しています。SAPエクスチェンジ・インフラストラクチャの最大の特長は、異なるアプリケーションやシステムの製品群を通じて共同のビジネスを創造し、集約するのに必要な情報の集積場所です。この情報集積場所は当初SAPが管理しますが、企業はそれぞれの経験に基づく情報や、第3者からの提供された情報を新たに付加してビジネスプロセスを柔軟に修正することができます。
ウェブメソッド社のCEOであるフィリップ・メリック(Phillip Merrick)氏は次のように述べています。「ウェブメソッドは非SAPのアプリケーションや業界標準、EDIを選択するためのアダプターを提供することで、SAPエクスチェンジ・インフラストラクチャのサポートにおける第1人者となったことを非常に喜んでいます。これは長期にわたって成功を収めてきたウェブメソッドとSAPの協業関係を強化するとともに、企業に包括的な統合ソリューションを提供するという両社共通の展望とも合致するものです。ウェブメソッドとSAPの協業関係は、顧客企業の異種環境における統合を容易にするという基礎の上に築かれています」
SAP ウェブアプリケーションサーバとウェブディンプロ
SAPはまた同時に、プラットフォームに依存しないネイティブなウェブ技術を通じたウェブサービスとして設計され、ビジネスアプリケーションのホストとして機能するSAPウェブアプリケーションサーバを出荷します。SAPウェブアプリケーションサーバはJ2EEとABAP の両言語に対応し、双方の長所を単一の環境で結合するとともに、マイクロソフト社の「 .Net」(ドットネット)や IBM社の 「WebSphere」といった第3者のアプリケーションとの接続性も提供します。
さらに、SAPウェブアプリケーションサーバ(SAP Web Application Server )は強力なプレゼンテーション層であるウェブディンプロ(Web Dynpro)を使用し、 専門的でかつ利用しやすいユーザインタフェースを作り出しています。ウェブディンプロは開発者に対し、ブラウザに基づくユーザインタフェースを作成する設計時の環境とオープンな業界標準に準拠した実行時の環境を提供します。これは応用性の高い道具であり、J2EE、ABAPとマイクロソフト社の「 .NET」との間の隙間を埋める働きをします。 SAPウェブアプリケーションサーバの初出荷分には、J2EE とABAP対応のウェブディンプロ・ランタイムが含まれます。
LSIロジック社の副社長兼最高情報責任者(CIO)であるブルース・デコック(Bruce Decock)氏は以下のように述べています。「LSI ロジックがSAPを選んだのは、自社のアプリケーションであるProject System 内の取引を一元管理するため、ウェブ上で機能する使いやすいアプリケーションを構築するためのオープンで柔軟性に富む環境を必要としていたからです。最新のSAPウェブアプリケーションサーバはJ2EEをサポートしているため、既存のSAPリソースとスキルをJavaベースのアプリケーション開発者と組み合わせ、IT投資による利益を最大にすることができます」
SAPはまた、SAPエクスチェンジ・インフラストラクチャとSAPウェブアプリケーションサーバに加え、SAPビジネスインフォメーション・ウェアハウスとSAPエンタープライズ・ポータルに新たな機能を追加しています。
SAP エンタープライズ・ポータル
SAPエンタープライズ・ポータル(SAP Enterprise Portal)の最新版は、さらに洗練の度を増しており、ユーザに対し、さまざまな情報やアプリケーションやサービスを通じたシームレスな業務遂行を可能にします。例えば、mySAPテクノロジーのポータルにより、mySAPサプライチェーン・マネジメント(mySAP SCM)のユーザはサプライチェーン全体を見渡し、情報を整理して見られることにより、変化に対してより素早く適応できるほか、計画段階と実行 段階の間にある情報の相違をなくし、関連するものをコンテンツのネットワークに活用することができます。
SAPエンタープライズ・ポータルは、ユーザに対し、オラクル11i、シーベル、ピープルソフト、SAPの取引および分析システム、そして主要なデータベースなどのシステムを通じてシームレスな”Drag&Relate”機能を提供する統合機能を備えています。今回出荷される最新版はまた、ウェブサーバ、ファイルサーバ、グループウェアなどから得られる構造化されていない情報の既存のソースコードを統合・共有する、あるいは検索、分類、発行/契約、協調といったサービスを可能にするナレッジマネジメント機能も提供します。
SAP ビジネス・インフォメーション・ウェアハウス
SAPビジネス・インフォメーション・ウェアハウス(SAP Business Information Warehouse)の最新版は、拡大されたデータ格納やレポ―ティング、分析機能を備えています。これは新しいオープンハブ機能により、多様なシステムから集められた情報の集合体の源となります。新たなネイティブのウェブ機能としては、照会作成、レポート発表、ウェブアプリケーション設計機能があります。ウェブアプリケーション設計機能により、複数のレポートを容易にポータルベースの情報ソリューションにすることができます。SAPビジネス・インフォメーション・ウェアハウスにはビジネスコンテンツが組み込まれており、境界を越えて機能する分析アプリケーションのためのインフラストラクチャとなっています。
より低いコストと柔軟性
SAPはmySAPテクノロジーにより、統合・運営に必要な包括的なインフラストラクチャを提供します。 mySAPテクノロジーは、人的資源、プロセス、情報を統合する共通のアプリケーションサーバ・インフラストラクチャのみならず、低コスト、一貫したセキュリティ、グローバル化を提供するものです。企業は例えば、mySAPプロダクト・ライフサイクル・マネジメント(mySAP PLM)が有する共同プロジェクトマネジメント機能などの新しい戦略的なソリューションを既存のシステムに統合し、テクノロジーの導入や統合に必要とされるコストや時間を削減することができます。
ガートナー・リサーチの副社長、ジェフ・コンポート(Jeff Comport )氏は次のように述べています。「共同のビジネスを運営し、従来の投資を活かすには、オープンな業界標準に準拠したインフラストラクチャが必要となります。プロジェクトごと、または点と点をつなぐだけの統合という落とし穴に陥らないためには、顧客はオープンな統合アーキテクチャに目を向けるべきなのです。近い将来、どんなテクノロジーに基づいたどのベンダーのアプリケーションでも統合できるという能力が、企業にとって成功のカギとなるでしょう」
デロイト コンサルティングのグローバルディレクター(eテクノロジー統合担当)のロバート・フラッツィーニ氏(Robert Frazzini)は、次のように述べています。「顧客の既存システムにおいてテクノロジーの堆積が増大しつづける中、プロセス統合のジレンマを解決することが日々の課題となっています。新しいSAP エクスチェンジ・インフラストラクチャは、顧客のバリューチェーン全体を通じてSAP、非SAPを問わずすべてのアプリケーションを統合する上で基礎となるプラットフォームを提供するものです」
SAPはデロイト コンサルティングをはじめ、アクセンチュア、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングなどの主要なコンサルティング会社と 協力し、従来の投資を活かしつつ、mySAPテクノロジーの機能を最大にするソリューションを開発しています。
SAPについて
SAPは、企業向けビジネス・ソフトウェアの分野において世界のリーディングカンパニーです。SAPは、e-ビジネスプラットフォームであるmySAP.comを通じて、統合基幹業務ソフト(ERP)をはじめ、サプライチェーン・マネジメント(SCM)、顧客関係管理(CRM)、電子商取引市場(eマーケットプレイス)、ポータル(Enterprise Portal)、製品ライフサイクル管理(PLM)などの構築を可能にする様々なソリューションを提供しています。SAPのソフトウェアは、すでに世界で120カ国、18,000以上の企業、50,000サイト以上で利用されており、企業内、および企業間のあらゆるビジネスプロセスの統合・効率化を達成しています。SAPは世界の50カ国以上に現地法人を持ち、またフランクフルト証券取引市場やニューヨーク証券取引市場を含む幾つかの取引市場で「SAP」として上場しております。詳細については http://www.sap.com をご参照ください。