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SAP、国際的な新規制への対応で銀行をサポート

主要銀行が国際会計基準Sおよび新BIS規制対応に向けmySAP バンキングを採用

Tokyo【ポルトガル・リスボン発 2002年9月4日】SAP AG(NYSE:SAP)は本日、Basel II(自己資本に関する新しいバーゼル合意:新BIS規制)および国際会計基準(IAS)への準備と対応で金融機関を支援する新機能をmySAP Banking(バンキング:銀行・証券)に追加したと発表しました。Basel IIとIASの2つの規制により、欧州だけでなく世界各地の銀行が業務に変更を迫られることになります。

IASとBasel IIの施行は、それぞれ2005年と2006年になる見通しですが、すでに多くの金融機関が規制施行に向けてリスク管理と会計プロセスの強化対策を開始しています。Basel IIは、世界中の銀行を対象とし、資金とリスクの管理ならびに報告において厳しい基準を満たすことを求めるものです。IASは、欧州連合内で上場されている企業を対象に、会計要件を標準化し、各種財務結果の計算方法を規制管理します。

mySAP BankingのBasel II機能によって、銀行はリスク・エクスポージャーや資本の計算における要件を満たすことが可能です。新機能はまた、監査法人による審査や情報開示をサポートし、信用リスク変数の計算や確認に必要な歴史的データベースを提供します。その他にも、オプションでリミット管理や信用ポートフォリオ管理を含む包括的なリスク管理フレームワークとの統合が可能です。このような機能によって、銀行は活発な投資を行い、統合型信用リスク管理プロセスを通じて価値を創造することができます。

mySAP BankingのIAS機能は、1社およびグループ企業全体のどちらのビジネスニーズにも対応できるよう設計されています。規制に従って作成された財務諸表のシームレスな統合と、度量衡間換算係数の排除や通貨の換算、投資の統合整理の自動化が可能になります。1社レベルでは、取引や包括的な報告書作成ツールに基づいてIASによる数値を計算・記録する補助元帳を提供します。新しいIAS基準では、財務報告書における高度の透明性と比較可能性が求められます。mySAP Bankingは、上場企業が単一の国際的な会計基準を活用してIAS基準を満たすことができるよう支援します。

ドイツの大手銀行のうち、DZ Bank(DZバンク)、Hamburgische Landesbank(ハンブルク州立銀行)、Landesbank Rheinland-Pfalz(ラインラント・プファルツ州立銀行)、Landesbank Schleswig-Holstein(シュレスウィヒ・ホルシュタイン州立銀行)、Westdeutsche Immobilienbank(西ドイツ不動産銀行)の5行が既にmySAP BankingのBasel II機能とIAS機能の採用を決定しています。これら5行がSAPを採用する決め手となったのは、バンキング・ソリューションに関し実績のある専門知識と、規制施行までにソリューションを提供するという取り組み姿勢です。

ハンブルク州立銀行のIT部門副責任者であるUdo Mehrens(ウード・メーレンス)氏は、「SAPは、共通の財務データベースに基づいてBasel IIとIASの双方に対応できるソリューションを提供してくれるため、採用を決定しました。これにより一貫したデータと手法を活用して、一貫した結果を出すことができます」と述べています。

ラインラント・プファルツ州立銀行の中央会計部門責任者、Uwe von Knoblauch(ウーヴェ・フォン・クノプラウホ)氏は、「SAPは、IASの規制施行前に要件を満たすことを可能にしてくれるため、時間的プレッシャーが軽減されます」と述べています。

上述の5行のうち4行がBasel IIとIASの両機能を導入し、統合されたソリューションによる相乗効果を狙います。mySAP Bankingが提供するこれら2つの機能を同時に採用すれば、共通の財務データベースを使用することによる一貫性が確保され、またIT環境の均質性が高まるため管理が容易になります。さらにコストと時間の節約も期待できます。

Volksbanken(国民銀行)およびRaiffeisenbanken(ライフアイゼン農業信用金庫)と呼ばれる1400行の消費者/小売銀行を取りまとめる中央銀行であるDZ バンクでBasel II導入を担当するITプロジェクト・リーダー、Rainer Stober(ライナー・シュトーバー)氏は、次のように語っています。「Basel IIにおける課題は、単に規制への対応だけにとどまりません。社内プロセスを社外からの要請に連係させる、より包括的な企業管理という枠組みの中で対処する必要があります。SAPは、こうしたビジョンを理解し、いち早く適切なソリューションを提供してくれました。」

シュレスウィヒ・ホルシュタイン州立銀行のプロジェクト・マネージャー、Jorg Lange(イェルク・ランゲ)博士は、「全社規模で一貫したデータを維持し、2つの規制に同時に対応するためにSAPのIASソリューションとBasel IIソリューションを選びました」と述べています。

SAPは、信頼の置けるアドバイザーとして、世界中の企業にさまざまな通貨、言語、規制環境に対応したソリューションを提供し、財務運用管理の課題を解決します。SAPは、単一通貨ユーロへの移行に伴う変更の際にも何千もの企業を支援しました。

mySAP Bankingは、SAPのeビジネス・プラットフォームであるmySAP.comの業種別ソリューションのひとつです。財務会計やコスト管理から、収益性分析やリスク分析、カスタマ・リレーションシップ・マネジメント(CRM)、そして中核となるバンキング・アプリケーションに使用する業界特有のツールに至るまで、銀行のあらゆる側面を管理するために必要なツールと自動化されたプロセスを提供します。

SAPは、銀行分野に全力を上げて取り組んでおり、世界56カ国で350を超える銀行顧客にサービスを提供しています。SAP AGの金融サービス担当上席副社長、ベルント・デクスハイマー(Bernd Dexheimer)は、「Basel IIならびにIASの施行が近づくのに伴い、多くの銀行が信頼の置けるアドバイザーとしてSAPを選択しています。これは、データ品質の向上とシステム統合の強化に関し、SAPが業界での実績と専門知識を備えているためです」と語っています。

mySAP Bankingの詳細については、mySAP Bankingのファクトシート (www.sap.com/company/publications)をご覧ください。

SAPについて
SAPは、企業向けビジネス・ソフトウェアの分野において世界のリーディングカンパニーです。SAPは、e-ビジネスプラットフォームであるmySAP.comを通じて、統合基幹業務ソフト(ERP)をはじめ、サプライチェーン・マネジメント(SCM)、顧客関係管理(CRM)、電子商取引市場(eマーケットプレイス)、ポータル(Enterprise Portal)、製品ライフサイクル管理(PLM)などの構築を可能にする様々なソリューションを提供しています。SAPのソフトウェアは、すでに世界で120カ国、18,000以上の企業、50,000サイト以上で利用されており、企業内、および企業間のあらゆるビジネスプロセスの統合・効率化を達成しています。SAPは世界の50カ国以上に現地法人を持ち、またフランクフルト証券取引市場やニューヨーク証券取引市場を含む幾つかの取引市場で「SAP」として上場しております。詳細についてはhttp://www.sap.comをご参照ください。