一株あたり利益は大幅増の0.65ユーロに
売上は若干増加して17億ユーロに
世界市場で引き続きシェアを拡大
Tokyo — 【ドイツ・ワルドルフ発-2002年10月17日】eビジネス・ソリューションのリーディング・プロバイダであるSAP AG(NYSE:SAP)は本日、2002年9月30日を末日とする2002年第3四半期(7-9月)および9カ月間通期(1-9月)の決算報告を発表しました。2002年第3四半期の営業利益は大幅に増加し、3億3600万ユーロ(約408億円、2001年同期=1億5900万ユーロ:約193億円)となりました。第3四半期における社員持株制度適用前および買収に伴う費用計上前の営業利益は、前年同期から増加して3億1600万ユーロ(約384億円、前年同期=2億100万ユーロ:約244億円)となり、営業利益率は前年同期の12%から19%に上昇しました。
第3四半期の総売上は前年同期から若干増加して17億ユーロ(約2070億円、前年同期=16億5000万ユーロ:約2000億円)となりました。固定通貨レートでは、売上は2001年第3四半期と比較して10%増となります。利子・税金・減価償却および割賦償還を引く前の利益(EBITDA)は、3億9000万ユーロ(約474億円、前年同期=2億3500万ユーロ:約286億円)となりました。
2002年第3四半期の純利益は2億200万ユーロ(約245億円、前年同期=3700万ユーロ:約45億円)、一株あたり利益は0.65ユーロ(約79円、前年同期=0.12ユーロ:約15円)となりました。特別利益、買収に伴う費用およびその他の少数株式投資の減損費用(Commerce Oneを含む)を除いた2002年第3四半期の純利益は2億2800万ユーロ(約277億円、前年同期=8600万ユーロ:約104億円)、一株あたり利益は0.73ユーロ(約89円、前年同期=0.27ユーロ:約33円)となりました。
「ポータル、ビジネス・インテリジェンス、エクスチェンジ・インフラストラクチャなどSAPの卓越したテクノロジーと、ソリューションおよびサービスを組み合わせることにより、当四半期に多くの戦略的に重要な契約を獲得することができました。このようなテクノロジーとソリューションの組み合わせによって、SAPソリューションへのニーズは今後も高まることでしょう」とSAP AGの共同会長兼CEOのハッソ・プラットナーは述べています。「このことは、テクノロジーの取得を目的としたTopTierの買収とCommerce Oneとのパートナーシップが予想よりも早く利益を上げていることを示すものです。両社への投資は売上増加に大きく貢献してきました。」
2002年第3四半期におけるヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)の売上は9%増の9億1300万ユーロ(約1110億円、前年同期=8億4100万ユーロ:約1020億円)となりました。ヨーロッパでは経済の不況が懸念されていますが、SAPは通常EMEAで好業績をあげており、こうした傾向は今後も続くと予想しています。南北アメリカ地域の売上は4%減の5億8600万ユーロ(約712億円、前年同期=6億1300万ユーロ:約745億円)となりました。南北アメリカの売上は減少しましたが、固定通貨レートでは、南北アメリカの売上は11%増になりSAPは当四半期の業績に満足しており、同地域の業績は安定化したとみています。アジア・太平洋地域(APA)の売上は4%増の2億300万ユーロ(約247億円、前年同期=1億9500万ユーロ:約237億円)となりました。
第3四半期における製品売上は、10億4000万ユーロ(約1260億円、前年同期=9億9500万ユーロ:約1210億円)に増加しました。ライセンス売上は4億3500万ユーロ(約529億円、前年同期=4億4700万ユーロ:約543億円)でした。コンサルティング売上とトレーニング売上は、それぞれ5億4500万ユーロ(約662億円、前年同期=5億2400万ユーロ:約637億円)と9700万ユーロ(約118億円、前年同期=1億1300万ユーロ:約137億円)を計上しました。フルタイムに換算した従業員数は2002年9月30日現在28,909人と、2002年6月30日時点に比べて2%減少しました。
2002年第3四半期のmySAP CRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)に関連するソフトウェアの売上は前年同期比19%増の約9300万ユーロ(約113億円、前年同期=7800万ユーロ:約95億円)に達し、ソフトウェアライセンス売上全体の21%を占めました。mySAP SCM(サプライチェーン・マネジメント)関連のソフトウェアの売上は前年同期比3%減の約9500万ユーロ(約115億円、前年同期=9800万ユーロ:約119億円)となり、ソフトウェアライセンス売上全体の22%を占めました。これらの売上には、単体のソリューション契約による売上に加え、統合ソリューション契約による売上のうち、使用状況の調査に基づいて計算した割り当て分が含まれています。
「多くの企業が不安定なビジネス環境においても、継続的に大規模かつ長期的なソフトウェア投資を行っています。しかし、これらの企業がソフトウェア投資において求めているのは柔軟性の高い包括的なソリューションが提供可能なプロバイダであり、SAPはまさにそうした能力を備えていると言えます」とSAP AGの共同会長兼CEOのヘニング・カガーマンは述べています。「SAPは確固としたリーダーカンパニーであり、今後もITバリューチェーンの進化に伴いリーダーであり続けます。SAPは、『製品のライフサイクル全体を通じて信頼の置けるビジネスパートナー』という業界他社が提供できないものを提供できると確信しています。」
当社の経営基盤が磐石であることを示すものとして、2002年5月の株主総会で承認された株式買戻しプログラムを通じて、SAPは今後数カ月以内に1億ユーロ(約122億円)分の株式を追加購入する計画であることを発表しました。SAPは既に、2002年に2億5000万ユーロ(約304億円)分の株式を買い戻しています。SAPは前回同様、関連する法律と規制に従って株式の買い戻しを行う計画です。また、ドイツの法律に定められている通り、買戻しに際しては株価に大きな影響を与えない形で行います。
過去9カ月間の決算報告
2002年9月30日を決算日とする9カ月間通算では、売上は前年同期比2%増の51億4000万ユーロ(約6250億円、前年同期=50億3000万ユーロ:約6110億円)となりました。社員持株制度および買収に伴う費用計上前の営業利益は8億7700万ユーロ(約1070億円、前年同期=8億5800万ユーロ:約1040億円)となりました。
当期のライセンス売上は14%減の13億3000万ユーロ(約1620億円、前年同期=15億5000万ユーロ:約1880億円)、コンサルティング売上は16億3000万ユーロ(約1980億円、前年同期=15億1000万ユーロ:約1830億円)、そしてトレーニング売上は3億2200万ユーロ(約391億円、前年同期=3億4900万ユーロ:約424億円)となりました。当期において、APA地域の売上は1%増加して5億9700万ユーロ(約725億円、前年同期=5億9300万ユーロ:約720億円)に、EMEA地域の売上は7%増の27億8000万ユーロ(約3380億円、前年同期=26億ユーロ:約3160億円)に、南北アメリカ地域では4%減の17億7000万ユーロ(約2150億円、前年同期=18億3000万ユーロ:約2220億円)になりました。
見通し
SAPは、引き続きコスト削減と顧客の長期的なIT投資パターンに合わせたリソースの配置に取り組んでいます。この結果、SAPはこれまでのところコスト削減および効率性向上計画において一定の成果を上げています。さらに、売上も順調な伸びを見せていることから、SAPは引き続きシェアを拡大できると予想しています。一方、政治的・経済的環境が全体的に予測不可能な状況であるため、売上の予測が困難になっています。このため、SAPは当初の2002年度業績見通しを控えました。現在のところ新たな業績見通しも控えています。しかしながら、2002年の売上が前年と横ばいの結果となった場合でも、社員持株制度と買収に伴う費用を除いた営業利益率は、2001年の20%から少なくとも1ポイント増加すると予想しています。
2002年第3四半期のハイライト
- SAPは南北アメリカ地域の新社長兼CEOにビル・マクダーモットを任命しました。ビル・マクダーモットは米国およびカナダにおけるSAPのすべてのビジネス活動を統括し、SAP AGのグローバル・フィールド・オペレーション担当社長兼エグゼクティブ・ボード・メンバーであるレオ・アポテカーの直属となります。Siebel Systemsワールドワイド・セールス・オペレーションの前取締役副社長であるビル・マクダーモットは、テクノロジー業界で20年以上の経験を持ち、これまで様々な取締役レベルの職務を歴任してきました。
- SAPは引き続きシェアを拡大し、製品ライン全体にわたって大規模契約を獲得しました。第3四半期の主な契約相手先としては、南北アメリカ地域ではAdobe、ブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)、Caterpillar、Ford、EMEA地域ではadidas-Salomon、Benetton、DaimlerChrysler、Winterthur、APA地域ではLee Kum Kee Foods、Oil & Gas Corp.、Sinopecなどが挙げられます。
- SAPは国際的なe-ビジネス会議SAPPHIRE ’02をリスボンおよび東京で開催し、17,000名を超える参加者を集めました。SAPは新たな革新的ソリューションを発表するとともに、SAPのテクノロジーを採用して今日のグローバルなビジネス環境の課題を解決している主要顧客を紹介しました。86社を超える企業が出席し、現実世界のビジネス問題の解決に向け、SAPのソリューションを採用した経緯と理由を示しました。
- SAPはmySAPカスタマ・リレーションシップ・マネジメント(mySAP CRM)の最新バージョンを発表しました。これによって世界初の100%ポータルベースのCRMソリューションが実現しました。SAPのCRMソリューションに統合されたポータル・テクノロジーは、包括的なCRM機能、使いやすさ、そして役割に合わせた情報を提供します。
- SAPはクロス・アプリケーション(xApps)のポートフォリオを拡充しました。これには、新製品のSAP xAppエンプロイー・プロダクティビティ(SAP xEP)とSAP xAppリソース・アンド・プログラム・マネジメント(SAP xRPM)の開発も含まれています。SAPはこのほど、既存のアプリケーションを活用したxAppsを発表しました。SAP xAppsは、企業内および企業間の境界を超えてさまざまな機能にまたがるビジネスプロセスに対応することにより、戦略的資産の最大化、投資回収率の改善、総所有コストの削減を実現します。
- SAPはSMB戦略を継続し、契約を獲得するとともに機能を拡充しました。SAPは中小企業(SMB)向け製品・サービスの提供を継続しています。また、先日はSAP Business Oneを採用した最初の企業の一社としてOsram Light Consultingを挙げ、同社が親会社との業務連係にSAP Business Oneを導入したことを発表しました。現在、Goebel und Mattes、Scherer Werbung、Reha Vision、Alex und Gross、Maeder Computer Systems、Metallicaなどの企業がSAP Business Oneを試験的に導入しています。
- SAPはSAPグローバル・カスタム・デベロップメント・サービス部門の設置を発表しました。この新しい部門は、カスタム開発に関連するSAPのすべてのリソースを単一の国際的組織に集約し、顧客が技術に対する投資から最大の価値と競争力をより効率よく得られるよう支援します。
- SAPは7月にR/3 Enterpriseの出荷を開始しました。顧客企業70社がR/3 Enterprise へのアップグレードを開始しました。比類のない柔軟性を提供するR/3 Enterpriseは、JAVA、ABAP、エクスチェンジ・インフラストラクチャ、ウェブサービスなど最新のテクノロジーを使用して構築されています。顧客企業はこれらのオープンなテクノロジーによって、より柔軟にエンタープライズ・ソリューションのアップグレードを行うことができます。
地域別収益 (単位:100万ユーロ)
SAPグループ
収益 3Q 2002 |
収益 3Q 2001 |
変化 | % 変化 | |
合計 | 1,702 | 1,649 | 53 | 3 |
– 固定通貨レート | 10 | |||
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA) | 913 | 841 | 72 | 9 |
– 固定通貨レート | 10 | |||
アジア・太平洋地域 | 203 | 195 | 8 | 4 |
– 固定通貨レート | 12 | |||
南北アメリカ地域 | 586 | 613 | -27 | -4 |
– 固定通貨レート | 11 |
主要数値一覧 (単位:100万ユーロ)
SAPグループ
3Q 2002 | 3Q 2001 | 変化 | % 変化 | |
収益 | 1,702 | 1,649 | 53 | 3 |
ライセンス収益 | 435 | 447 | -12 | -3 |
税引き前収益 | 298 | 109 | 189 | 173 |
純利益 | 202 | 37 | 165 | 446 |
従業員数(フルタイム換算) (2002年9月30日現在) |
28,909 | 27,884 | 1,025 | 4 |
SAPについて
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