三菱商事の人事システムをSAP R/3により統合、大幅コスト削減を実現

2003年5月30 日 by SAP News 0

~「SAP R/3」に新機能を追加し、グローバル企業向けソリューションとして新システムを構築~

Tokyo株式会社アイ・ティ・フロンティア(本社・東京都中央区、社長・木寺隆造、以下アイ・ティ・フロンティア)と、SAPジャパン株式会社(本社・東京都千代田区、社長・藤井清孝、以下SAPジャパン)、ヒューマンリンク株式会社(本社・東京都港区、社長・藤田 潔、以下ヒューマンリンク)の3社は、三菱商事が導入している「SAP R/3」の標準人事システムに「発令」「海外給与」「退
職年金」「寮・社宅管理」などの機能を追加した新人事システムを構築しました。この度の新人事システムの構築は、これまで、別々のシステムによって管理されていた機能を「SAP R/3」をベースとした単一の人事システムに統合したことにより実現されました。その結果、システムの維持管理面で大幅なコスト削減が図れました。今後3社は、新人事システムのテンプレート(雛型)化を行い、他企業に対して導入可能な形で提供することを予定しています。

今回の三菱商事の新人事システム構築に際し、今回追加された4つの機能を3社が共同で開発しました。また、アイ・ティ・フロンティアがシステム構築を担当し、ヒューマンリンクは三菱商事より受託している人事業務のBPR (Business Process Re-engineering:業務の改革・見直し) の実施を担い、SAPジャパンはコンサルティングサービスを提供しています。

三菱商事は、1996年~1998年にかけてBPRを実施、基幹システムを刷新し、既に会計、販売管理に関する業務システムをSAP R/3上で稼働させていました。人事業務に関しては、一部で「SAP R/3」の人事業務向けの機能を採用していましたが、「発令」「海外給与」「退職年金」「寮・社宅管理」などの個別業務については既存の自社開発システムを使用し、結果として複数のシステムが混在する環境で稼働させていました。

今回、「SAP R/3」がバージョンアップされ、人事業務向けの機能が拡張されたことにより、これらの個別に稼働していた人事システムの統合が可能となりました(図参照)。3社は、新機能として、グローバル展開する日本企業に重要である下記機能を共同開発し、「SAP R/3」の人事業務向け機能に追加しました。

1.「発令機能」: 組織とリンクした人事異動承認のワークフロー化、及び部門を跨ぐ大規模異動の一括自動処理化などを実現。
2.「海外給与機能」: 海外赴任者に支払う海外給与について、各国別手当、各種手当(別居・出向など)の支給と精算、複数為替レート対応などの機能を実現。
3.「退職年金機能」: 企業年金の3パターンに対応し、発令からの連動に基づき対象者選定、支払・振込・精算から送金案内のはがき印刷までを対応。
4.「寮・社宅管理機能」: 寮・社宅の入居予約から退居までの管理を行ない、社宅使用料の給与控除への連動を行なう。

今回の新人事システム構築により、「SAP R/3」、ホストシステム、クライアントサーバーなど複数の環境で稼働していたシステムを「SAP R/3」サーバーに統合しました。加えて、「SAP R/3」の旧バージョン (30D) ではアドオン(標準機能に対する追加)であった多くの機能が、バージョンアップ後の「SAP R/3」においては標準機能に置き換わり、今後の法令改正対応も含めSAPからのサポート範囲が拡張されています。その結果、システム運用や維持管理コストを大幅に削減することが可能となり、三菱商事としては同コストについて、今後2年程度で50%の削減を目指しています。

また、新システム構築により人事関連のデータを一元管理出来るようになったことから、ヒューマンリンクでは人事業務のBPRを実施し、担当者一人の業務範囲の幅を広げることにより、組織変更へ迅速に対応するなど、サービスレベルの向上を目指します。同時に業務効率も向上することから、年間30人月の業務量の削減効果を想定しています。

これまで日本企業は人事業務に関して特有の機能要求を有していましたが、今回の三菱商事での新人事システム構築ではこの課題を解決したといえます。この成功事例をもとに、今後3社は、大幅なトータルコスト (TCO) 削減と業務効率化を可能とする、SAPの人事業務向けシステムのテンプレートを提供する予定です。また、本テンプレートを基盤とした人事業務向アウトソーシングの提供については、ヒューマンリンクが中心となって進めていくことを予定しています。

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