第2四半期営業利益3億4000万ユーロ、前年度比6%増で、マーケットシェアをさらに拡大
Tokyo — (本リリースは、7月17日に弊社独本社から発表されたものを和訳したものです)
【米ニューヨーク/独ワルドルフ発 – 2003年7月17日】 – SAP AG (NYSE: SAP、以下SAP) は本日、2003年6月30日を決算日とする第2四半期および上半期の決算報告を発表しました。
経営業績
2003年度第2四半期営業利益は、3億4000万ユーロで前年同期の3億2000万ユーロに比べ6%増加、社員持ち株制度適用前および買収に伴う費用計上前見込営業利益(注1)は、前年同期の3億2400万ユーロに比べ20%増加の3億8800万ユーロとなりました。営業利益率は、前年同期に比べ3ポイント増の21%となり、社員持ち株制度適用および買収に伴う費用計上前見込営業利益率(注1)は、前年同期比6ポイント増の24%となりました。
2003年度第2四半期のソフトウェア関連の売上は4億3100万ユーロ(2002年同期、4億9600万ユーロ)で、前年同期比で13%の減少となり、固定為替レート換算においては5%の減少となりました。
ソフトウェア関連の売上に鑑み、SAPを含む企業向けソフトウェアー・ベンダー(SAPおよび注2にある5社)中の2003年度第2四半期におけるSAPのマーケットシェアは引き続き拡大しています。具体的には、直近の連続4四半期ベースを踏まえると、2003年第2四半期末時点のSAPのソフトウェアのグローバル・マーケットシェアは55%となっています。これに対し、2003年第1四半期末では54%、前年同期末では45%でした。
2003年度第2四半期の総売上額は、16億ユーロ(2002年同期、18億ユーロ)で、前年同期に比べ8%の減少でしたが、固定為替レート換算では、2002年第2四半期に比べ2%増となりました。ソフトウェア関連売上と保守関連売上を合わせた全製品関連収益は、11億ユーロ(2002年同期、11億ユーロ)でした。このうち保守関連売上は、6億3300万ユーロ(2002年同期、5億9500万ユーロ)です。コンサルティングおよびトレーニング関連の売上は、それぞれ4億7900万ユーロ(2002年同期、5億4500万ユーロ)、7500万ユーロ(2002年同期、1億1500万ユーロ)でした。
2003年度第2四半期の純利益は2億1900万ユーロ(2002年同期は、△2億3200万ユーロ)、1株あたり利益は0.71ユーロ(2002年同期は1株あたり△0.74ユーロ)でした。2002年第2四半期の純利益には、Commerce Oneの簿価切下げ2億9700万ユーロに伴う減損処理が反映されています。社員持ち株制度適用、買収、減損処理に伴う費用を計上前の2003年第2四半期の見込純利益(注1)は62%増の2億5100万ユーロ(2002年同期は1億5500万ユーロ)、1株あたり利益は0.81ユーロ(2002年同期は0.49ユーロ)でした。
2003年6月30日現在のフルタイム従業員は28,961人で、2003年3月31日現在のフルタイム従業員数に比べると、307人増加しました。
地域別経営実績
2003年度第2四半期のヨーロッパ、中東およびアフリカ (EMEA) 地域の売上は3%減の、9億4200万ユーロ(2002年同期、9億7600万ユーロ)でした。ドイツ市場では、1%の売上減となりました。南北アメリカ地域における2003年度第2四半期売上は、15%減の5億600万ユーロ(2002年同期、5億9300万ユーロ)となりました。ただし、南北アメリカ地域での売上は固定為替レート換算では6%増加しています。
この地域においてはさらにマーケットシェアを拡大したと想定でき、引き続き米国系競合他社に勝る業績を上げることができました。さらに、米国内でのソフトウェア関連の売上(注3)に鑑み、SAPはこの第2四半期も米国においてトップのビジネスソフトウェア・アプリケーションベンダの地位を確保したといえます。アジア太平洋 (APA) 地域での2003年第2四半期の利益は9%減の1億9000万ユーロ(2002年同期、2億900万ユーロ)でしたが、ただし固定為替レート換算では5%増となりました。
「ビジネス環境は厳しい状況が続いていますが、SAPは大半の競合他社よりも優れた業績を上げました。さらに重要なことは、営業利益率の改善とマーケットシェア拡大というゴールを再び達成したとということです」と、SAP AG 会長兼CEO、へニング・カガーマン (Henning Kagermann) は述べています。「SAPは製品の革新に向けて投資を行うこと、さらに変化し続ける業界環境からの要求に応えて常にSAPの業務を飛躍させ続けることに今後も集中していきます」
ソリューション別ソフトウェア売上
2003年第2四半期における「mySAP CRM(顧客関係管理)」関連のソフトウェア売上は、16%減の約8500万ユーロで(2002年同期、1億100万ユーロ)でしたが、ソフトウェア関連売上総額の20%を占めました。2003年第2四半期の「mySAP SCM(サプライチェーン・マネジメント)」関連のソフトウェア売上は、17%減の8600万ユーロ(2002年同期、1億400万ユーロ)となりましたが、ソフトウェア関連売上総額の19%を占めました。これは、個別ソリューション契約による売上と統合ソリューション契約による売上を含み、恒例の調査に基づいて計上されています。
上半期業績
2003年6月30日を末日とする半年間において、総売上は8%減の32億ユーロ(2002年同期、34億ユーロ)でした。固定為替レート換算では、前年同期比1%増となりました。
同半年間の営業利益は26%増の6億3800万ユーロ(2002年同期、5億600万ユーロ)でした。社員持ち株制度適用および買収に伴う2003年上半期の費用計上前見込営業利益(脚注1)は23%増の6億9200万ユーロ(2002年同期、5億6200万ユーロ)でした。
2003年上半期のソフトウェア関連売上は、13%減少して7億8300万ユーロ(2002年同期、8億9800万ユーロ)、固定為替レート換算では当上半期の売上は前年同期比5%減でした。また、当上半期のコンサルティング関連売上は9億5500万ユーロ(2002年同期、11億ユーロ)、トレーニング関連売上は1億5200万ユーロ(2002年同期、2億2500万ユーロ)でした。
2003年上半期におけるヨーロッパ、中東およびアフリカ地域の売上は4%減の18億ユーロ(2002年同期、19億ユーロ)でした。南北アメリカ地域での売上は17%減の9億7400万ユーロ(2002年同期、12億ユーロ)、アジア太平洋地域では2%減の3億8800万ユーロ(2002年同期、3億9400万ユーロ)でした。
2003年上半期において、SAPは7億1700万ユーロのフリー・キャッシュフロー(注1)(上半期の営業キャッシュフローから資本支出9000万ユーロを差し引いたもの)を生成し、2003年6月30時点での流動資産額は18億ユーロでした。
今後の見通し
SAP、社員持ち株制度適用、買収、減損処理に伴う費用を計上前の2003年の純利益見通し(注1)は1株あたり3.45ユーロから3.60ユーロの範囲になると引き続き予想しています。社員持ち株制度適用および買収費用を計上前の営業利益見通し(注1)の目標額はわずかに引き上げています。これまでSAPは、2003年の営業利益見通し(注1)を2002年の実績と比較して約1%増加すると予想してきましたが、現在のところ、2003年の営業利益見通し(注1)は2002年の実績と比較して1~1.5%の増加を見込んでいます。売上の予想は、今回も引き続き発表を控えますが、現在の市場環境に加えて従来の動向に沿った季節変動の中で、マーケットシェア拡大とコスト削減を通じて営業利益見通し(注1)と1株あたり利益見通し(注1)の目標値を達成する見込みです。
第2四半期ハイライト
- SAPはビジネスアプリケーション市場におけるシェアの拡大を継続します。当第2四半期に締結された主な契約は、以下の通りです。[南北アメリカ地域]:Coca-Cola
Enterprises、Fender、Sony Pictures、シンシナティ大学。[EMEA地域]:欧州中央銀行、Ferrero、Telecom
Italia、Vattenfall。[APA地域]:新東京国際空港公団、シャープ、首鋼 (Shougang) 、豊田通商。 - SAPは米国フロリダ州オーランドで毎年恒例の顧客会議「SAPPHIRE ’03」を開催、7,000人を超える入場者数を記録しました。SAPは、「SAP
NetWeaver」に依然として勢いがあること、また「SAP NetWeaver」が継続して価値を生み出していることを強調し、また、複数の主要なパートナーシップを発表しました。これらのパートナーシップは、IBMおよびBearingPointとの共同で、中堅企業
(SMB) 向けソリューションを開発・提供するものです。さらに同社は、卸売販売向け「SAP Business One」をベースとしてAmerican
Expressによって開発された初の垂直型ソリューションを発表しました。 - また、オーランドの「SAPPHIRE ’03」では、「mySAP CRM」最新版の発表も行われました。これは、CRM市場で最も包括的なソリューションを提供するもので、業界固有の環境に適合した強力な業界別エンド・ツー・エンド・プロセスを備えています。また、合わせて発表された「mySAP
SCM」最新版は、組立製造業、プロセス製造業、消費財産業のカスタマに20を超える新たなプロセスと30を超える強化プロセスを提供し、アダプティブ(適応型)サプライチェーン・ネットワークの構築を支援します。 - SAPは、「SAPカスタマサービス・ネットワーク」を発足しました。このイニシアティブは、SAPサービス全体に対して、より簡単で効率的なアクセスを提供するためのものです。この中には、アップグレードおよびリスク管理、ビジネスおよびベネフィット・マッピング、コンサルティング、カスタム開発、グローバルカスタマ・コンピタンスセンター・プログラムの品質を向上させる新たなサービスが含まれています。
- SAPは5月に年次株主総会を開催しました。監査役会および取締役会で提案されたすべての項目は、投票権を有する株式の99%以上の賛成をもって承認されました。SAP取締役会の前共同会長兼CEOのハッソ・プラットナー
(Hasso Plattner) は、監査役会メンバー、そして監査役会会長に選出されました。SAPの株主には、無額面株式1株につき0.60ユーロの配当金が支払われました。
以上
注
- このプレス・リリースでは、EBITDA(金利・税金・償却前利益)、フリー・キャッシュフロー、見込営業利益、見込純利益および純EPSといった会計方式を使っています。これは非GAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)と考えられています。このプレス・リリースの非GAAP方式は、非GAAP会計方式の使用に関するSEC(証券取引委員会)の規則で必要となっているため、最も近いGAAP方式に調整されています。
- 世界市場シェアに関しては、SAPが最も有力と考えている5社、i2 Technologies、Inc.、J.D. Edwards & Company、Oracle
Corporation、Peoplesoft, Inc.、Siebel Systems, Inc.の米ドル換算ソフトウェア売上に基づく世界市場シェア(ソフトウェア売上の発表あるいはアナリストの推定額を利用)を基準としています。 - 米国内市場シェアに関しては、SAPが最も有力と考えている5社、i2 Technologies、Inc.、J.D. Edwards & Company、Oracle
Corporation、Peoplesoft, Inc.、Siebel Systems, Inc.の米ドル換算ソフトウェア売上に基づく米国市場シェア(ソフトウェア売上の発表あるいはアナリストの推定額を利用、またいくつかのベンダーについては、米国におけるソフトウェア売上額を推定)を基準としています。
SAPグループ 地域別収益 (単位:百万ユーロ)
2003年 第2四半期収益 | 2002年 第2四半期収益 | 増減 | 増減率(%) | |
合計 | 1,638 | 1,778 | -140 | -8 |
-固定通貨換算 | +2 | |||
ヨーロッパ・中東・アフリカ | 942 | 976 | -34 | -3 |
-固定通貨換算 | -2 | |||
アジア・太平洋 | 190 | 209 | -19 | -9 |
-固定通貨換算 | +5 | |||
南北アメリカ | 506 | 593 | -87 | -15 |
-固定通貨換算 | +6 |
SAPグループ 主要指標 (単位:百万ユーロ)
2003年 第1四半期 | 2002年 第1四半期 | 増減 | 増減率(%) | |
売上 | 1,638 | 1,778 | -140 | -8 |
ソフトウェア売上 | 431 | 496 | -65 | -13 |
税引き前利益 | 347 | -107 | +454 | +424 |
純利益 | 219 | -232 | +451 | +194 |
フルタイム換算従業員数 (2003年6月30日現在) | 28,961 | 29,354 | -393 | -1 |