独ポストバンク、大容量勘定系システムをSAPの銀行向け新ソリューションで稼働

2003年11月19 日 by SAP News 0

独ポストバンクは、SAP for Bankingの強化機能導入により基幹銀行業務プロセスを標準化、 バックオフィスの業務コストを削減
SAPは銀行業界向けの包括的な標準ソリューションの開発を完了、 銀行業務向け単一プラットフォームによって基幹銀行業務プロセスの合理化とコスト削減を実現

Tokyo(本リリースは、10月30日に弊社独本社から発表されたものを和訳したものです)

SAP AG(NYSE:SAP、以下SAP)は、ドイツ最大のリテールバンクであるDeutsche Postbank AG(以下、独ポストバンク)が、「SAP for Banking」ソリューションにより実現した新勘定系システムを稼働させたことを発表しました。独ポストバンクは、SAP for Bankingによって14の 旧システムを置き換えし、120以上あった標準業務プロセス数を35にまで削減しました。その結果、単一の標準ソフトウェア・プラットフォーム上で、1,000万人の顧客、600万枚のデビットカード、500万の当座預金口座、4,000万の住所録の処理を管理が可能となり、同社では、バックオフィスの業務コストを年間で最大30%削減できると見込んでいます。SAPは、大手銀行や金融サービス会社が単一のITプラットフォーム上で銀行の基幹業務プロセスを総合的に処理できるようにするため、SAP for Bankingの機能強化に向けた広範囲な開発努力を続けてきましたが、今回の独ポストバンクによる同ソリューションの稼働は開発の成功を意味するものです。

今回、独ポストバンクのバックオフィス拠点5カ所の従業員6,000人以上と、ドイツ国内で1万カ所以上にのぼる郵便局の職員が、新しい機能を利用できるようになりました。SAP for Bankingは、同行のオンラインバンキングを利用する150万人全員の口座の管理と取引を処理します。さらに独ポストバンクは、SAPの勘定系システム機能が備える大容量処理能力を有効に活用し、他の銀行にもトランザクション処理サービスを提供することで、新たな収入源とする予定です。柔軟性に優れたSAPベースのプラットフォームは、独ポストバンクが新商品を市場投入するのにかかる期間を従来の数カ月から数週間に短縮することも期待されています。

一般的に大手銀行の口座管理と金融商品管理を処理するインフラストラクチャは、長年をかけて社内で開発されてきた複数の基幹業務システムと無数のプロセスによって成り立っています。独ポストバンクは銀行業界の先陣を切ってSAP for Bankingを導入した初の大規模リテールバンクとして、標準化されたリアルタイムのシングルシステム上で、口座管理、あらゆる種類の入出金決済を対象とする取引処理、新商品の設計・開発を行えることを証明しました。

世界的な金融系調査会社であるTowerGroupの主席アナリスト、ロバート・ハント(Robert Hunt)氏は、次のように述べています。「業務コストの削減と商品の迅速な市場投入を実現しなければ、競争力を維持することができない状況にあって、多くの銀行が柔軟性に欠けるシステムと部門間の連携の欠如によって行き詰まっています。そのような事情があるため、銀行の基幹業務プロセスを包括的にカバーできる、柔軟性の高い、標準ソフトウェア・プラットフォームに対する需要が高まっているのです。独ポストバンクにおけるソリューション導入を成功させたSAPは、そうした基幹業務処理ソリューションを開発するという約束を有言実行したものであり、銀行業界全体でその評価が高まることでしょう。SAPはこの成功を足がかりにして、米国の勘定系システム市場の有力企業になると、TowerGroupは考えています」

独ポストバンクがSAP for Bankingの新機能を稼働させたのは本年10月で、導入にあたっては、独ポストバンクの計画推進をSAPがサポートする形をとりました。SAPは、SAP 標準サポートの全項目のほか、24時間サービスや常駐のコンサルティングなどのプレミアムサービスが受けられるMaxAttention(マックス・アテンション)サポートプログラムも提供しています。

独ポストバンクの最高情報責任者(CIO)であるディルク・ベレンスマン(Dirk Berensmann)氏は、次のように述べています。「当社では、プロセスの複雑さを大幅に解消し、何年もの間に積み重ねてきてしまった複数のシステムの運用コストを引き下げる必要がありました。献身的なパートナーとして信頼関係を築いてきたSAPであれば、長期的観点からも頼れるソリューション・プロバイダになってくれるとの確信がありました。SAPの勘定系システムを導入することで、リテールバンキング業界において最も低い処理コストを実現すると同時に、商品を最も早く市場に投入することを目指しています。強力かつ包括的な機能を備えるSAP for Bankingは、サービスの種類と収入機会を増加させ、収益性の向上を実現してくれるだけでなく、業務プロセスの革新によって競争力の大幅な向上も支援してくれます」

SAPの勘定系システムは、預金口座やデビットカード/クレジットカードの大量かつ高性能な処理を実現し、処理速度の強化、エラーの削減、金融商品と預金口座のより適切な把握を可能にします。標準プラットフォーム上で高度な処理能力を実現した独ポストバンクは、決済処理や口座管理処理のインソーシング・サービス処理を他の銀行にも提供し、コストセンターをプロフィットセンターへと転換する計画です。

競争が激しく、急速に変化する市場環境にあって、金融商品の寿命がかつてなく短くなっています。そうした環境でも、優れた柔軟性を特長とし、部門間を横断して機能するSAPのソフトウェア・ソリューションは、既存商品を組み合わせた新商品設計を容易かつ迅速にするため、独ポストバンクに大きなアドバンテージを与えます。それだけでなく、将来合併があった際にはITと業務の統合が短期間でコスト効率よく実現できるなど、同社は新しいプラットフォームに長期的なメリットも期待しています。SAP for Bankingソリューションであれば、システム統合は1年から1年半で実現し、統合コストは大幅に抑制できると同社は予測しています。

独ポストバンクは、SAP R/3の財務管理・貸付/ 融資・管理会計コンポーネントを長年にわたって利用してきましたが、今後はSAP Basel II ソリューションも採用し、銀行業務に関する国際的な規制に対応する予定です。同社はまた、レポーティング・プラットフォームとしてSAP Business Information Warehouse (SAP BW)を利用しており、同社のBanking Information Center(BIC)はSAPのレコード管理をベースにしています。

2002年11月に開始した、独ポストバンクでのFS-BP(business partner for financial services)コンポーネントの導入は、SAP for Banking同コンポーネントにとって最大の導入事例でした。これにより、1,000万人の顧客が持つ重要なデータの集中管理、および取引先が保有する4,000万件以上の住所録データの集中管理が実現しました。SAPはオープン・アーキテクチャであるため、今後独ポストバンクがSAPアプリケーションを追加することも容易であり、対外決済および口座管理に加えて、消費者ローンや不動産担保ローン、預貯金など、SAP for Bankingの勘定系システムの適用範囲を拡張する計画となっています。

SAPの金融/ 公共サービス担当最高執行責任者(COO)、ジム・ハーグマン・スナーベ(Jim Hagemann Snabe)は、次のように述べています。

「独ポストバンクにおいてシステムが稼働したことは、SAP for Bankingの発展にとって大きな一歩となりました。独ポストバンクにおけるSAP for Bankingの展開は、SAPの歴史の中で最も重要なプロジェクトのひとつであり、技術革新、機能の柔軟性と規模、導入範囲においては、例を見ないものです。単一プラットフォームに勘定系処理機能をすべて統合したことは、次世代のバンキングソリューションの新たな基準を提示したことを意味し、我々は、長年にわたってバンキングと金融サービスセクターに傾注してきた結果、お客様の事業に新しい成功をもたらしたことを誇りに感じます。

また、銀行のITコストを削減し、効率性を向上させることを可能とする標準化された勘定系システムを世界中に提供するという大きな目標の実現においても、独ポストバンクの導入事例は重要な意義を持ちます。今回の事例によって、当社が勘定系システムの分野でも標準化されたソリューションを提供できることが実証されました」

SAP for Bankingの勘定系システムは、2004年から順次海外にも出荷していく予定です。

SAP for Bankingについて
世界56カ国に350行以上の銀行を顧客に持つSAPは、銀行業界に力を注いでいます。SAP for Bankingは、銀行業務の管理に欠かせない以下のような強力なツールを提供します。1) mySAP Financialsのコスト管理モジュール/財務会計モジュールとリスク管理を統合、2) 完全に統合された勘定系システムがmySAP Customer Relationship Managementmy(SAP CRM)によるフロントオフィスとバックオフィスへのアクセスを実現、3) mySAP Business Intelligence(mySAP BI)の機能が収益性データの容易な抽出と分析を実現。4) mySAP Enterprise Portalは、社内外のユーザが効果的に仕事を遂行するのに必要となる、正確な情報、アプリケーションやサービス機能を提供

「SAP for Banking」の詳細については、下記URLをご参照ください。

http://www.sap.com/company/press/factsheets(英語)
http://www.sap.co.jp/japan/solutions/industry/banking/(日本語)

SAPについて

SAPは、企業向けビジネス・ソフトウェアの分野において世界のリーディングカンパニーです。同社はe-ビジネスプラットフォームである「mySAPビジネス・スイート」を通じ、統合基幹業務ソフト (ERP) をはじめ、サプライチェーン・マネジメント (SCM) 、顧客関係管理 (CRM) 、取引先関係管理 (SRM) 、製品ライフサイクル管理 (PLM) などの構築を可能にする様々なソリューションを提供しています。SAPの23業種におよぶソリューション・ポートフォリオは、航空宇宙産業から公益産業まで、さまざまな業種において効率的で独自のコアプロセスをサポートします。

SAPのソフトウェアは、すでに120を超える世界各国の20,500社以上の企業、67,500サイト以上で利用されており、企業内・企業間のあらゆるビジネスプロセスの統合・効率化を達成しています。SAPは世界の50ヵ国以上に現地法人を持ち、またフランクフルト証券取引市場やニューヨーク証券取引市場を含む幾つかの取引市場で「SAP」の銘柄で取引されています。同社の詳細については http://www.sap.com をご参照ください。

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