全社規模のプロダクト・コンテンツ・マネジメント機能とデータ集約機能をSAP NetWeaverプラットフォームに統合消費財および小売業界向けに、世界規模でのデータ同期化を実現するソリューションを提供
(本リリースは、7月13日に弊社独本社から発表されたものを和訳したものです)
Tokyo — 【独ワルドルフ発】― SAP AG(NYSE: SAP、以下SAP)は、株式非公開のソフトウェア企業であるA2i, Inc.(以下A2i)を実質的にすべて買収し、オープンな統合アプリケーション・プラットフォーム「SAP NetWeaver(エスエイピー・ネットウィーバ)」に備わるマスタデータ・マネジメント機能を拡充する、と発表しました。SAPは、最も革新的な製品群を提供するため、その一翼を担う企業を特定、獲得するという戦略を継続的に採用しており、今回の買収はその一環です。顧客企業が競争優位性を得られるよう、それぞれのビジネス課題への対応を支援します。買収の金銭的な条件は公開されていません。
A2iは、ロサンゼルスに本拠を置く1993年設立の企業です。同社は、全社規模のプロダクト・コンテンツ・マネジメントおよび複数のメディアを利用したカタログの出版で業界をリードするプラットフォーム、xCatの開発と販売を行っています。今回の買収に伴い、SAPはこの分野で深い経験を持つスタッフと、工業製品、製造、自動車、医薬、小売など幅広い業種で成功を収めた実績を持つ、世界有数のソリューションを手に入れることになります。統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」の戦略に沿って、A2iの xCatソリューションは「SAP NetWeaver」の階層の一部として完全に統合されるため、顧客は異なる技術を統合する必要がなくなります。
SAP AGの会長兼CEOのヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)は、次のように述べています。「今回の買収は、最も完全かつ革新的な製品セットをお客様に提供するというSAPの継続的な戦略の好例です。われわれは巨大な企業を買収しようとしているわけではなく、買収によって市場シェアや顧客数を拡大しようとしているわけでもありません。われわれの技術を補完する性質の、自ら開発しようとすれば、買収するよりも大きなコストや期間を要する技術を買収して、統合したいと考えています。
われわれの戦略は、信頼するアドバイザーが提供する、真に統合された完全な製品に対するお客様の期待に沿って決定されます。今回の買収によって、SAPは今後、さらにシームレスに統合されたソリューションを提供することができるようになり、お客様が既存のIT投資を活用して技術関連のコストを抑えながら最大限のROI(投資回収率)を実現できるよう、支援を強化します。」
「SAP NetWeaver」の最新版「SAP NetWeaver 2004」へのアップデートとして2004年秋に発表される「SAP Master Data Management(SAPマスタデータ・マネジメント、以下SAP MDM)」には、A2iのxCat製品群獲得によって得られた新機能が組み込まれる予定です。具体的には、全社規模でのプロダクト・コンテンツ・マネジメント(PCM)機能、より強力なデータ集約・調和機能、販売と調達の双方に対応するウェブ上の電子カタログ機能に対する包括的サポートにより、xCatは「SAP MDM」の既存の機能を補完・拡張します。この強化されたソリューションには、高性能の検索、高度な画像・文書管理、印刷カタログ発行などの分野において、新たな機能が付加される予定です。
SAPはさらに、小売および消費財業界に特化した統合型グローバル・データ・シンクロナイゼーション(GDS)ソリューションを提供します。これはEAN.UCC標準*1に準拠し、特にUCCnet*2およびTransora*3データ・プールに対応しています。
*1:EAN.UCC標準:世界的な標準化組織である国際EAN協会により開発された電子商取引の国際標準
*2:バーコードやRFIDなどの商品統一コード、生産者識別コードなどの発行と管理を行う標準組織(UCC)のインターネット関連部分
*3:標準ベースのデータ同期サービスのプロバイダ
SAPとA2iは、製品や顧客データ管理の分野において、特定のソリューションではなく、オープンなテクノロジー・プラットフォームを提供するという共通のビジョンを持っています。今回の買収によって、高度な拡張性と柔軟性を備えた、実績のあるアーキテクチャを通じ、あらゆる種類のマスタデータ管理を実現する革新的なソリューションが誕生します。拡張されたSAP MDMソリューションはさまざまな業種からの要求に対応できます。また、顧客企業の既存エンタープライズ・アーキテクチャにシームレスに統合されるよう設計されており、データ複製を不要にするだけでなく、顧客、サプライヤ、製品情報を集約し、組織の枠を越えて他のアプリケーションにも利用できるようにします。
ガートナー・リサーチの副社長兼調査部門責任者であるイボンヌ・ジェノベーゼ(Yvonne Genovese)氏は次のように述べています。「ビジネス・アプリケーションが網羅する範囲が拡大するにつれて、企業内ではデータソースが飛躍的に増大しています。これらの肥大したデータに一貫性を持たせて解釈することは、より改良されたビジネス・プロセスを実現する際の難関となっています。重複データや不要な情報を排除したデータを調和させることにより、バリューチェーン全体を通じた効率性の向上および緊密な統合が実現できるだけでなく、異なるアプリケーションが混在する環境に伴うコストの増大を防ぐ、あるいは削減することも可能になります。」
A2iの創立者兼CEOのアリエル・ハジ(Ariel Hazi)氏は次のように述べています。「この10年間、A2iはデスクトップ・アプリケーションの簡潔さと使いやすさを備えたプロダクト・コンテンツ・マネジメントに最適なエンタープライズ・プラットフォームの開発に取り組んできました。SAPがSAP MDMによって提示しているビジョンはこれを補完するものであり、SAPによるxCatの買収は自然な組み合わせと言えます。SAPのソリューション群への戦略的な組み込みを通じ、われわれのビジョン、スタッフ、ソフトウェアにふさわしい、確実な将来が得られたと確信しています。」
SAP MDMの詳細については下記URLをご参照ください。
http://www.sap.co.jp/japan/solutions/netweaver/masterdata/index.asp(日本語)
http://www.sap.com/solutions/netweaver/masterdata(英語)
SAP NetWeaverの詳細については下記URLをご参照ください。
http://www.sap.co.jp/japan/solutions/netweaver/(日本語)
http://www.sap.com/solutions/netweaver/(英語)
SAPについて
SAPは、ビジネス・ソフトウェア・ソリューションの世界的リーディングプロバイダーです。同社が提供するソリューションによって中堅企業からグローバル企業に至るまであらゆる規模の企業ニーズに対応しています。複雑性と維持管理総経費 (TCO)を低減し、ビジネスの変革と革新を促進するオープンな統合アプリケーション・プラットフォームである「SAP NetWeaver」を基盤とした「mySAPビジネス・スイート」ソリューションは、顧客関係の改善、パートナーとのコラボレーションの強化、サプライチェーンおよびビジネスオペレーションの効率化などで世界中の企業をサポートします。SAPの25業種におよぶソリューション・ポートフォリオは、航空宇宙産業から公益産業まで、さまざまな業種において効率的で独自のコアプロセスをサポートします。
SAPのソフトウェアは、すでに120を超える世界各国の22,600社以上の企業、76,100サイト以上で利用されており、企業内・企業間のあらゆるビジネス・プロセスの統合・効率化を達成しています。SAPは世界の50ヵ国以上に現地法人を持ち、またフランクフルト証券取引市場やニューヨーク証券取引市場を含む幾つかの取引市場で「SAP」の銘柄で取引されています。同社の詳細についてはhttp://www.sap.comをご参照ください。