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SAP、2006年度第4四半期および通年の暫定決算を発表

(本リリースは、1月24日の弊社独本社からの発表を和訳したものです)

Tokyo【独ワルドルフ発-2007年1月24日】 SAP AG(NYSE: SAP、以下SAP)は、2006年12月31日を決算日とする第4四半期および通年の暫定的な決算報告を発表しました。業績のハイライトは次のとおりです。

2006年度第4四半期ハイライト

売上

  • 2006年度第4四半期の製品売上は前年同期比で8%(固定為替レート換算では12%)増加して22億ユーロ(2005年=20億ユーロ)となりました。
  • 2006年度第4四半期のソフトウェア売上は前年同期比で7%(固定為替レート換算では12%)増加して13億ユーロ(2005年=12億ユーロ)となりました。
  • 2006年度第4四半期の総売上は前年同期比で7%(固定為替レート換算では12%)増加して30億ユーロ(2005年=28億ユーロ)となりました。

利益

  • 2006年度第4四半期の営業利益は前年同期比10%増の11億ユーロ(2005年=9億8000万ユーロ)となりました。2006年度第4四半期の調整済み営業利益は前年同期比10%増の11億ユーロ(2005年=10億ユーロ)となりました。
  • 2006年度第4四半期の営業利益率は36.6%で、前年同期比で1.0パーセンテージポイント上昇しました。2006年度第4四半期の調整済み営業利益率は37.7%で、前年同期比で0.9パーセンテージポイント上昇しました。
  • 2006年度第4四半期の純利益は7億9900万ユーロ(2005年=6億1900万ユーロ)、1株当たりでは0.66ユーロ(2005年=1株当たり0.50ユーロ)となり、前年同期に比べて29%増加しました。2006年度第4四半期の調整済み純利益は8億2200万ユーロ(2005年=6億4200万ユーロ)、調整済み1株当たり利益は0.67ユーロ(2005年=1株当たり0.52ユーロ)となり、前年同期比では28%増加しました。2006年度第4四半期の純利益、1株当たり利益、調整済み純利益および調整済み1株当たり利益は、主として諸項目に関する各国財政当局とのさまざまな和解に伴って第4四半期の実効税率が低下したことにより、約5500万ユーロ(1株当たり0.045ユーロ)の好影響を受けました。

2006年度通年のハイライト

本プレスリリースに記載されているソフトウェア売上および2006年度通年のその他の特定の財務データは、SAPの2007年1月11日付けプレスリリース「SAP Announces 2006 Preliminary Results(SAP、2006年度の暫定決算を発表)」に当初記載されたソフトウェア売上およびその他の特定の財務データとは異なります。この変更は、特定のお客様のご要望に対応して前年度までの契約内容を修正したことにより、2006年度第3四半期のソフトウェア売上が3000万ユーロ減少したことによるものです。修正は2006年度第3四半期に行われました。

売上

  • 2006年度通年の製品売上は66億ユーロ(2005年=60億ユーロ)で、前年比で11%(固定為替レート換算では12%)増加しました。
  • 2006年度通年のソフトウェア売上は前年比で10%(固定為替レート換算では12%)増加して31億ユーロ(2005年=28億ユーロ)となりました。
  • 2006年度通年の総売上は前年比で10%(固定為替レート換算では11%)増加して94億ユーロ(2005年=85億ユーロ)となりました。

コア・エンタープライズ・アプリケーション・ベンダー・シェア

  • SAPのシェアは2006年も好調な伸びを示しました。4四半期連続で比較したソフトウェア売上に基づくと、コア・エンタープライズ・アプリケーション・ベンダー(業界アナリストの調査に基づくSAPの定義では、ソフトウェア売上の総額で約164億ドルを占める)におけるSAPの世界シェアは、2006年12月31日を末日とする年度においては24.0%に上昇しました。通年での上昇幅は2.8パーセンテージポイントとなり、SAPは次点のベンダーの2倍以上に相当するシェアを維持しました。

利益

  • 2006年度通年の営業利益は前年比10%増の26億ユーロ(2005年=23億ユーロ)となりました。2006年度通年の調整済み営業利益)は前年比12%増加して27億ユーロ(2005年=24億ユーロ)でした。
  • 2006年度通年の営業利益率は、前年比で0.1パーセンテージポイント低下して27.3%となりました。2006年度通年の調整済み営業利益率は前年比で0.5パーセンテージポイント上昇して28.8%となりました。
  • 2006年度通年の純利益は19億ユーロ(2005年=15億ユーロ)、1株当たりでは1.52ユーロ(2005年=1株当たり1.21ユーロ)となり、2005年度通年に比べて25%増加しました。2006年度通年の調整済み純利益は20億ユーロ(2005年=16億ユーロ)、調整済みの1株当たり純利益は1.60ユーロ(2005年=1株当たり1.25ユーロ)となり、前年比で27%の増加となりました。2006年度通年の純利益、1株当たり利益、調整済み純利益および調整済み1株当たり利益は、主として諸項目に関する各国財政当局とのさまざまな和解に伴って第2および第4四半期の実効税率が低下したことにより、約8500万ユーロ(1株当たり0.07ユーロ)の好影響を受けました。

SAPのCEO、ヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)は、「2006年度は、すべての目標を達成できたわけではありませんでしたが、第4四半期にはソフトウェア売上が固定為替レート換算で12四半期連続の2桁成長を記録し、通年では製品売上、ソフトウェア売上ともに固定為替レート換算で堅調な伸びを記録すると同時に、収益性の向上を達成できました。通年の地域別業績も好調で、全地域においてソフトウェア売上が固定為替レート換算で2桁成長を記録しました。これほど好調でバランスのとれた地域レベルの業績を達成できたのは2000年以来のことです。加えて、コア・エンタープライズ・アプリケーション・ベンダーにおける世界シェアについてもSAPは大幅なシェア拡大を続けました。2006年はSAPのシェアは2.8パーセンテージポイント上昇して24.0%に達しました」とコメントしています。

キャッシュフロー

  • 2006年度通年の営業キャッシュフローは18億ユーロ(2005年=16億ユーロ)でした。2006年度通年のフリー・キャッシュフローは15億ユーロ(2005年=13億ユーロ)で、総売上に対するフリー・キャッシュフローの割合は16%(2005年=16%)でした。2006年12月31日現在の現金および現金等価物ならびに短期投資は33億ユーロ(2005年12月31日=38億ユーロ)でした。対前年減少は主として2006年の自社株買戻し増加、買収関連支出、配当支払い増加によるものです。

自社株買戻しプログラム

  • 2006年度に当社は自社株2790万株を1株平均40.97ユーロ(総額11億ユーロ)で買い戻しました。2005年には1290万株を買い戻しました。2006年末現在、自己株式は4925万株、1株平均35.37ユーロとなっています。当社は現行の自社株買戻しプログラムの下で、最大1億2000万株まで購入できます。上記の株式関連の数値はすべて、2006年12月に実施された株式分割発行済み株式数が4倍に増加した影響を考慮して調整されています。フリー・キャッシュフローが好調なことから、SAPでは今後も引き続き株式買戻し機会の評価を行います。

SAPのCEO、ヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)は、「2006年はSAPにとって基礎固めの年でした。CRM On-DemandやDuet、Analyticsおよび業界初のサービス対応ERPソリューションなど、さまざまな新製品を投入した本格的なイノベーションの一年でした。mySAP ERPは、2006年末現在で4000以上のお客様に使用され、生産性向上に役立てられており、すでに急速に採用が進んでいます。新製品に対するお客様の反応は非常に良好です」とコメントしています。

さらにカガーマンは、「2007年は、エンタープライズ・サービス対応版のmySAP Business Suiteと、定評ある中堅市場向けソリューションのSAP All-in-Oneを展開してロードマップを完了する年となります。また、2007年には、中堅市場の新たなセグメント向けに設計された、業界で最も革新的なソリューションを提供開始します。これは迅速な価値実現、ユーザによる迅速で簡単な導入、高い柔軟性と低いTCOなどを特長とし、エンタープライズ・サービス指向アーキテクチャ(エンタープライズSOA)に完全対応した即座に稼動が可能なソリューションです。」と述べています。

今後の見通し

SAPでは2007年度第1四半期より(比較のために提示される2006年度通年についても)、潜在的な新製品収益動向の報告に向けた透明性向上の観点から損益決算書を再編成します。現時点では重要ではありませんが、「サブスクリプションおよびその他のソフトウェア関連サービスの売上」(subscription and other software related services revenue)という新規の勘定科目を追加しました。また、「製品売上」の勘定科目名を「ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上」(software and software related services revenue)に変更しました。従って、「ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上」は、「ソフトウェア売上」(Software revenue)と「サポート売上」(support revenue)(旧称「メンテナンス売上」)と「サブスクリプションおよびその他のソフトウェア関連サービスの売上」の合計に等しくなります。2006年度通年のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの総売上は66億5000万ユーロでした。SAPの2007年度の見通しはこの再編成に基づいています。また、2007年の営業利益率見通しは米国GAAPの数値に基づいています。2006年度までSAPは 営業利益率の見通しを調整済みベースで提示していました。

SAPは2007年度通年の見通しとして次の点を挙げています。

  • 2007年度通年のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上は、固定為替レート換算で前年比12~14%の増加(2006年度は固定為替レート換算で12%の増加)となる見込みです。
  • 中堅市場内の未開拓の新規セグメントに存在する更なる成長の機会を活用するため、SAPは今後8四半期にわたり新規事業の構築に3~4億ユーロの追加投資を行います。この短期集中投資の正確な実施タイミングによっては、2007年度の利益率の約1~2パーセンテージポイント分をさらなる将来の成長機会に再投資することになります。そのため、2007年度通年の営業利益率は、2006年度の27.3%に対して26.0~27.0%の範囲になる見込みです。
  • 2007年度の実効税率は32.5~33.0%になると予想しています。

2006年度第4四半期、および2006年度通年の地域別業績概要につきましては、こちら(PDF, 45KB)をご覧ください。

2006年度第4四半期における主要な結果

  • SAPは、2006年度第4四半期にさらに勢いを増し、すべての主要地域で大型の契約を獲得しました。2006年度第4四半期に締結された主な契約は以下の通りです。

    [ヨーロッパ・中東・アフリカ地域]:ボーダフォングループ、ESPRIT、Bundesamt für Informationsmanagement、クロネス、モスクワ・ヒート・サプライ・カンパニー(MOEC)
    [南北アメリカ地域]:エース・ハードウェア・カンパニー、アインハイザー・ブッシュ、ファーストエナジー、Cementos Mexicanos, S.A. de C.V.、Neoenergia S/A
    [アジア太平洋地域]:株式会社河合楽器製作所、株式会社資生堂、京セラミタ株式会社、シャープ株式会社、新日本理化株式会社、ハウス食品株式会社、松下電器産業株式会社、E&E Linen (Hangzhou) Co.,Ltd.、Shanghai Pudong Development Bank、United Group Limited
    (順不同)

  • 当四半期の大きなマイルストーンとしては、ユニリーバとのグローバル・エンタープライズ契約の締結が挙げられます。ユニリーバは、SAPとの間にこの種の契約を締結した初の一般消費財(CPG)企業です。今回の契約を通じ、SAPはユニリーバのデスティネーション・アーキテクチャの中核的な戦略プラットフォームとしての地位を強化し、同社のビジネス変革を支援・推進する主要ITパートナーとして機能します。
  • 2006年12月15日、SAPは、当社の発行済資本を企業資金により増強するという、2006年5月9日の年次株主総会での決議事項を登記したと発表しました。2006年12月20日水曜の証券取引業務終了後、株主には手持1株あたり3株が追加交付されました。
  • 2006年12月4日、SAPは、林業・製紙業を対象とする業界フォーラム「Industry Value Network (IVN) for mill products」を設立しました。2006年には化学品、消費財、ハイテク、公共部門、小売業向けのIVNが開始されました。
  • 2006年12月4日、SAPは、「mySAP ERP」を対象とする最初のSAP拡張パッケージを発表しました。mySAP ERPを対象とするこのSAP拡張パッケージは、業務に中断を引き起こすことなくイノベーションを活用したいというお客様のニーズに応えるため、新しい製品機能、業界別機能、エンタープライズ・サービスを簡単かつ迅速に導入できるようにし、かつ同時に、複数のアップグレードに伴う煩雑さを解消したものです。
  • 2006年11月15日、マイクロソフトとSAPは、わずか3カ月のうちに20万件を超える「Duet」のライセンスを販売したと発表しました。両社はまた、Office 2007についてもDuetのサポートを提供し、2007年夏には「Duet 1.5」のリリースを予定していると発表しました。
  • 「SAP NetWeaver」プラットフォーム上での革新的なソリューションの開発促進を目的とし、SAPがグローバルに展開している1億2500万ドル規模の「SAP NetWeaver Fund」による3度目の投資として、SAPは2006年11月8日に統合型製造業務向けビジネス・ソリューションの大手プロバイダであるVisipriseの少数株式を取得しました。2度目の投資はArisGlobalの少数株式取得であり、ライフサイエンス分野でのSAPのソフトウェア開発パートナーシップを強化しました。
  • 2006年11月6日、SAPは、コンポジット(複合)アプリケーション「SAP xApp Analytics」に使用する、100種類を超えるアナリティクス・コンポジットの一般向け発売を発表しました。IDCは「Worldwide Business Analytics Software 2006」と題したレポートの中で、ビジネス・アナリティクス市場の一部を構成する、世界のアナリティクス・アプリケーション市場の売上高によるリーダーはSAPであると述べています。
  • SAPでは、パートナー向けのさまざまなプログラムを「SAP Partner Edge」の下に統一し、小・中・大規模のお客様向けのSAPソリューションを中心とする広範なエコシステムを構築、育成、支援することにより、SAPを独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)、システム・インテグレータ、リセラーにとって理想的なパートナーにするという計画を発表しました。
  • SAPは世界110カ国から1万社を超えるHCM(Human Capital Management)のお客様を集めたと発表し、この市場でのリーダーとしての地位を確固たるものにしました。このマイルストーンとなる実績は、ガートナー・データクエストが2006年6月から行った調査で、SAPがHCM市場トップのソフトウェア・ベンダーに選ばれたことによるものです。

以上

オリジナルの発表文はこちらです。