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SAP、エンタープライズSOAへの移行を加速させる新サービスを提供

エンタープライズSOA採用の増加を受けて、ガバナンス方法論をリリース
(本リリースは、5月13日に弊社独本社から発表された発表文の抄訳です)

Tokyo【独ワルドルフ発】- SAP AG(NYSE: SAP、以下SAP)は、エンタープライズ・サービス指向アーキテクチャー(以下、エンタープライズSOA)のための設計・開発ガバナンスサービスを発表しました。SAPのお客様は、エンタープライズSOA戦略を展開することにより、これまで以上に短期間で確かな成果を挙げることが可能になります。SAPエンタープライズSOAの戦略は、業績の効率化を実現する多種多様なエンタープライズサービスの設計および再利用をすることです。このエンタープライズSOA戦略を導入する企業が増加していることから、エンタープライズSOAへの移行を加速させる支援として、SAPが実績を持つ設計・開発方法論を含むトレーニングへの需要が高まってきています。

エンタープライズSOAに用意周到でかつ体系的なアプローチを採用すれば、比類のない速度と容易さで、ビジネスプロセスを実装、変更、そして再利用することが可能になります。エンタープライズSOAを活用するには、オープンで柔軟性の高いテクノロジープラットフォームを整備し、ベストプラクティスとサードパーティーが提供するソリューションを統合することが必要であり、ビジネスに主眼を置いた再利用可能なエンタープライズサービスも不可欠となります。企業全体、さまざまな地域組織、各種部門を横断して再利用できるサービスを設計できれば、効率と生産性が向上し、また、こうしたサービスを活用して他社との差別化を行うことで、さらなる成功を迅速に実現していくことができます。エンタープライズSOAのガバナンスが存在しない場合、再利用が不可能なサービス、あるいはビジネスの優先事項に沿わないサービスの開発に、時間と予算を投じるリスクを冒しかねません。

Wm. Wrigley Jr. CompanyのグローバルITシニアディレクター、イアン・ロバートソン(Ian Robertson)氏は、「当社でSAPのエンタープライズSOAツールと方法論を評価したところ、極めて堅牢であることがわかりました。エンタープライズSOAが提供する価値は、既存のSAPコンテンツを容易に活用できる点にあります。これは、SAPへの投資対効果を上げ、SAP、SAP以外を問わず、あらゆるコンテンツを活用してビジネスプロセス・プラットフォームの実現に寄与します」と述べています。

IT組織は、ビジネスニーズに応えるソリューションの提供や、企業が買収合併(M&A)やビジネスモデルの移行を行う時など、絶えず変化するビジネス環境に対応可能なインフラストラクチャーの構築を行う上で、敏捷性を高めることを目指しています。このようなIT組織にとって、企業全体でサービスを設計・再利用する能力を持ち合わせていることが不可欠な原動力となります。エンタープライズSOAを実現する設計・開発ガバナンスサービスを活用することで、再利用可能なサービス設計を前提とした、エンタープライズSOAの確実な採用・実装を支援する正しいプロセスを学ぶことができます。

Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデント、パオロ・マリンベルノ(Paolo Malinverno)氏は、「大規模SOAの実効性を求める組織にとって、設計・開発ガバナンスは重要な役割を担います。ビジネスプロセスに合わせ、企業内のサービス定義担当間で調整・設計されたビジネスサービスは、高い再利用率を実現し、ビジネスとITの間の緊密な連携によってしか実現し得ない敏捷性を発揮します」と述べています。

SAP NetWeaverによる効率的なエンタープライズSOAガバナンス
現在までに3万2,000システムが利用されているSAP NetWeaver®における、Enterprise Services Repository(以下、ES Repository)を開発するにあたり、SAPではベストプラクティスをサポートするツールを作成し、2,000を越えるエンタープライズサービスを構築してきました。エンタープライズサービスのメタデータのすべてが描画・説明される中央ライブラリのES Repositoryは、新しいアプリケーションのモデリングと構築に必要なエンタープライズサービスの再利用を可能にします。ES Repositoryには、ツールベースのガバナンス自動化機能(設計時)が搭載されており、ビジネスに貢献できるサービスが直ちに再利用できる状況を作り出すために、新たに構築されるものと既存のエンタープライズサービスが、いずれも例外なく設計・開発ガバナンスに忠実であるように支援します。

ガバナンストレーニングを提供するSAP ServicesとSAP Consulting
SAPのエデュケーション部門は、3日間のトレーニングコースであるSOA300を提供します。このトレーニングは、SAPのベストプラクティスから生み出されたエンタープライズサービスの成熟した設計とモデリング方法論を実装する際に必要となる、知識と実際的なスキルを提供します。ここには、再利用のためのプロセスコンポーネントとオブジェクトの定義、ビジネスに貢献するエンタープライズサービスの設計・モデリングのための方法論およびツール、データモデルとビジネスセマンティクスの一貫した調和を可能にするベストプラクティスガイドラインなどが含まれます。このコースは、エンタープライズSOAを導入する上でそれぞれ専門分野に特化した教育ツールと方法論ベースのスキルを提供するSAPのエンタープライズSOA課程を強化する内容です。これには、2008年第1四半期に1,000社を越えるお客様とパートナーが参加しました

SAPのエンタープライズSOA提供プログラム担当バイスプレジデント、スティーブン・フィッシャー(Dr. Stephen Ficher)博士は、「企業がITロードマップを検討する際には多くの選択肢が存在します。より多くのお客様がエンタープライズSOAによるアプローチで成果を証明しています。これらのお客様は、エンタープライズSOAに対するSAPの堅牢なアプローチを検証し、アーキテクチャーへの変化を促進する、エンタープライズSOAガバナンスのためのSAPツールとベストプラクティスを求めています。エンタープライズSOAに向けた設計・開発ガバナンスサービスのリリースとSAP NetWeaverのES Repositoryは、成功へのロードマップを示し、迅速なリスク低減と大きな投資対効果を実現します。これらはすべてビジネス目標に合致します」と述べています。

トレーニングを含む設計・開発ガバナンスサービスは、SAPの認定コンサルタントおよびエデュケーションを通じて提供されます。SAP NetWeaverのES Repositoryは、SAP NetWeaver Process IntegrationやSAP NetWeaver Composition Environmentの最新版をはじめとする、SAP NetWeaver製品に搭載されています。また、エンハンスメントパッケージ第3弾で機能拡張されたSAP ERP 6.0を使っているお客様は、エンタープライズサービスのモデルコンテンツを、SAP NetWeaverのES Repositoryで使用することができます。

以上