製造現場から経営までの計画的なエネルギー管理と「見える化」を実現
Tokyo — 三菱電機株式会社(東証第一部、以下三菱電機)とSAP AG(NYSE:SAP、以下 SAP)は、製造現場から経営までのエネルギーを計画的に管理し、製造業の省エネルギーを効率的に推進するソリューションの共同開発に合意しました。
共同開発の背景
製造業では、ますます激化するグローバル競争に打ち勝つため、品質向上による製品競争力の強化や、生産性向上によるコスト削減、省エネルギーによる生産コスト削減などが課題となっています。
これらのうち、生産現場の稼働率や品質情報、歩留まりなどをはじめとする生産情報を「見える化」して改善を進める現場が増えつつありますが、省エネについては生産情報とエネルギー情報が結びつけられていることが少なく、生産品個々の消費エネルギー管理(原単位管理)もできていないのが実情です。製造業に求められる効率的なエネルギー管理を遂行するためには、製造ライン、装置、製品ごとのきめ細やかな生産情報、エネルギー情報などのデータ計測と、それらデータの「見える化」が必須となってきています。
こうした中、FA制御機器分野で多くの実績を持つ三菱電機は、製造現場を起点とした経営改善をめざし、生産情報とエネルギー情報を可視化することにより、省エネや企業のTCO(総所有コスト)削減と品質向上を支援する「e&eco-F@ctory」をコンセプトに推進しており、SAPでは、「SAP Perfect Plant」という構想の下、世界各国に広がる製造業の生産現場において、SAPのソフトウェア活用による効率化とコスト削減を支援してきました。
今回、両社は、三菱電機が注力してきた製造現場でのエネルギー管理技術と、生産管理・経営分野の可視化をサポートするSAPのソリューションを連携させることで、製造現場から経営にいたるまでのエネルギーを管理し省エネを支援する新たなソリューションの共同開発を行うことに合意しました。
三菱電機とSAPの共同開発について
この共同開発は、工場の生産情報とエネルギー情報を「見える化」する三菱電機の「e&eco-F@ctory」ソリューションと、製造業向け統合ソフトウェアである「SAP MII(SAP® Manufacturing Integration and Intelligence)」および工場の製造現場における部材、製品、設備、作業者など、さまざまな情報を統合する製造実行システムMES(Manufacturing Execution System)を直接連動させて、製造現場末端の多様なデータやエネルギーデータを、途中のシステムで分断されることなく結び付け生産管理者や経営層がリアルタイムで閲覧するととともに、企業全体での計画的なエネルギー管理、およびその「見える化」を実現します。三菱電機とSAPは、工場での経営や生産管理システムが将来クラウド化される事も視野に入れ、2010年内の新ソリューションの本格的な提供を目指し開発します。
※ ソリューションの共同開発にあたっては、システム要件を検討後、システム設定および必要に応じて製品の開発を行うことを視野に入れています。
三菱電機について
三菱電機は、アジアでトップシェアを誇るFA製品のトータルサプライヤーとして、幅広いラインアップの製品をお客様にお届けし、高性能・高品質化に取り組むとともに、お客様の生産設備の設計、製造、保守までを含むTCO(Total Cost of Ownership)の削減に向けた提案を推進しています。