世界トップクラスのアプリケーション、技術、専門知識を有するクラウド市場のグローバルリーダーが誕生
急成長市場であるクラウドベースの人事管理の分野を増強
(本リリースは、12月3日に弊社独本社から発表された発表文の抄訳です)
Tokyo — SAP AG(NYSE:SAP、以下SAP)とSuccessFactors, Inc.(NYSE:SFSF、以下SuccessFactors社)は本日、SAPの子会社であるSAP America, Inc.が、クラウドベースの人事管理(HCM)ソリューションのマーケットリーダーであるSuccessFactors社との正式な合併契約を締結したことを発表しました。SuccessFactors社の企業価値は約34億ドルであり、本契約に基づき、SAPの子会社は、SuccessFactors社のすべての発行済み普通株式を対象とする1株当たり40.00ドルの公開買い付けを実施します。買収に伴い、SuccessFactors社の定評ある人材と技術がSAPの強力なクラウド資産に加わることで、クラウド分野のアプリケーション、プラットフォーム、インフラストラクチャーのプロバイダーとしてのSAPの勢いは大幅に加速することになります。SAPとSuccessFactors社が一つになることで、クラウドとオンプレミスの先進的かつ包括的なソリューション群が実現し、関連するビジネスプロセスのすべてを管理できるようになります。
SuccessFactors社の取締役会は、今回の取引を満場一致で承認しています。1株当たりの買い付け価格は、12月2日の終値と1カ月間の出来高加重平均価格の両方に対し、52%のプレミアムを上乗せした額となります。今回の取引には、SAPの手元現金のほか、10億ユーロの証書貸付(タームローン)が充てられます。株式公開買い付けの完了には、SuccessFactors社の発行済み普通株式(完全希薄化後ベース)の過半数以上について、同社の株主が買い付けに応じることと、関連する規制当局の承認を得ることが条件となります。取引の完了は2012年第1四半期中を予定しており、これに伴い、SAPの2012年中のNon-IFRSベースの1株当たり利益は、若干希薄化しますが、その後数年間は増大すると予想されます。
オンプレミス、クラウド、オンモバイルの形態でソリューションを提供するというSAPの戦略は、今回の買収によって、またさらに前進しました。コアアプリケーションとアナリティクスにおけるイノベーションの推進、メモリ技術の飛躍的な進化、エンタープライズ向けモビリティ分野でのリーダーシップの確立、およびクラウドポートフォリオの成長を実現させるためSAPでは、ターゲットとする成長分野で一連の戦略を実施しています。今回の買収もそうした戦略をさらに発展させるものです。SAPの中核的なHCM製品や、クラウド市場向けのSAP® Business ByDesign™およびSAP® Sales on Demandに代表される、大企業の各事業部門向けのクラウド製品群などSAPの強力なクラウド資産とSuccessFactors社のソリューションは極めて相互補完的な関係にあります。
SAPの共同CEOであるビル・マクダーモット(Bill McDermott)は、次のように述べています。「クラウドは、SAPの将来の成長の中核のひとつであり、SuccessFactors社の業界をリードする人材・技術とSAPが一緒になることで、強力なクラウド組織が誕生します。今回の買収により、私たちは、人と人材の管理という、世界中のCEOの最優先課題に対応することができます。SAPとSuccessFactors社が一つになることで、クラウド分野での成長を加速する強力なシナジー効果が生まれ、お客様にビジネスバリューを提供することができます」
SAPの共同CEOであるジム・ハガマン・スナーベ(Jim Hagemann Snabe)は、次のように述べています。「SAPがクラウドとオンプレミスのポートフォリオを通じてお客様に提供する豊富な知識や経験は、SuccessFactors社が提供する世界トップクラスの高性能・低コストを持つネイティブ・クラウド・アプリケーションの専門知識と適合します。両社が力を合わせることで、今後、包括的なソリューションの提供で業界をリードし、オンプレミス、クラウド、モバイルを問わず、あらゆる展開オプションに引き続き対応できるようになります」
SuccessFactors社の創設者でCEOのラース・ダルガード(Lars Dalgaard)は、次のように述べています。「この度両社の実績ある製品群が統合されることで、SuccessFactors社は今後、我々のロードマップを10年前倒しできると同時に、クラウドを通じて、世界最大のアプリケーションの顧客基盤に対して、世界をリードするアプリケーションの知識と知的財産を瞬時に提供することができます。自社のビジネス向上のため、企業各社がクラウドを採用する中、我々の迅速な価値提案に基づき、SAPの17万6,000社のお客様との関係を拡大することで、モバイル端末やWeb上での使いやすいインターフェース、クラウド内でのSAPソリューションの提供がこれまで以上に加速されて行くでしょう。SuccessFactors社は、お客様1社あたりのユーザーや国の数、また、柔軟性と拡張性に優れた同一のクラウドプラットフォームによる、お客様1社あたりのアプリケーション数において、世界最大規模のクラウド展開を実行できる技術と人材を保有していることを既に実証しています。経済界では、エンタープライズ向けのクラウドアプリケーションへの準備が整っており、両社が力を合わせることで、グローバルビジネスに対し、これまでにない驚愕のイノベーションを実現することができます」
SuccessFactors社は、1,500万の有料クラウドユーザー数を誇り、クラウドの有料ユーザーでは、最大の運用規模と推定されます。世界168カ国に3,500社以上のお客様を持つSuccessFactors社は急激に成長しており、2011年第3四半期の売上高において前年同期比77%増、2011年の年初からの9カ月間の売上高において前年同期比59%増を達成しています。SuccessFactors社の拡張性に優れたクラウド・アプリケーション・プラットフォームは、数十人から数百万人単位まで、あらゆる規模の企業をサポートします。また、SuccessFactors社は幅広い業界の企業において、SAP環境での導入実績があり、SAPのお客様の従業員数が5億人以上、HCMの導入事例が1万5,000件以上であることを考えると、両社が統合されることで、著しく成長することが可能です。
カリフォルニア州サンマテオに本社を置き、1,450人以上の従業員を擁するSuccessFactors社のチームは、革新的な技術の開発で広く評価されており、5年前には存在しなかったアプリケーションが新規売上の80%以上を占めており、クラウドアプリケーションの分野では、急成長リーダー企業の1つとなっています。買収取引の完了によって、SuccessFactors社のCEOであるラース・ダルガードは、現職に加えて、SAPのクラウド部門の責任者も兼任します。SuccessFactors社は今後も独立した企業としての経営を行い、名称は
「SuccessFactors, an SAP company」となります。なお、SAPの監査役会会長であるハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)は、ラース・ダルガードがSAP AGのエグゼクティブ・ボードの一員として任命されるよう、同氏を推薦しています。
アプリケーションと技術基盤の統合が、SAPとSuccessFactors社のお客様にもたらすメリット
- SuccessFactors社とSAPの組み合わせによって、包括的なHCMソリューションが実現し、エンタープライズアプリケーションに関する強みと、人を中心としたクラウドアプリケーションが一体化します。
- SAPのお客様の5億人以上の従業員にとって、SuccessFactors社の相互補完的なソリューションは、魅力的な選択肢となります。
- SuccessFactors社のアプリケーションは、あらゆる規模の企業向けに設計されており、SAP® Business Suite、SAP Business ByDesign、SAP® Business All-in-One、
SAP® Business Oneのお客様にとっては、容易に導入可能なソリューションとなります。
- SAPのお客様は、SuccessFactors社のクラウドに関する専門知識とノウハウ、クラウドに関する迅速なイノベーション、そして大規模なクラウド展開の成功実績により、クラウドアプリケーションをこれまで以上に短期間で導入することができます。
- SuccessFactors社のモバイルアプリケーションとSAPおよびSybaseのモバイルに関する専門知識が組み合わさることで、お客様に、企業・従業員間(B2E)の強力なモビリティポートフォリオを提供することができます。
- SuccessFactors社の、ビジネスに関する洞察力と実行力を重視する方針が、SAPのビジネス・アナリティクス・プラットフォームと親和性が高いため、エンタープライズ全体における、かつてない高水準のリアルタイムな意思決定が約束されます。