Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が固定通貨換算ベースで38%増、クラウドへの移行に成功
(本リリースは、4月17日に弊社独本社から発表された発表文の抄訳です)
Tokyo —
- 通年見通しの成長範囲を上回るクラウド分野の急成長: Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が、固定通貨換算ベースで38%増(実通貨ベースでは32%増)
- クラウド売上の力強い成長: Non-IFRSベースの算定クラウド売上は、固定通貨換算ベースで36%増、クラウド分野の年間予測売上(ランレート)は11億ユーロ近くに
- ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上が、年間見通しの成長範囲を上回る成長: Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで9%増(通貨面での大きな逆風の影響を受け、実通貨ベースでは4%増の30億6,000万ユーロ)
- リアルタイム・ビジネス・プラットフォームとしてのSAP HANAの広範な普及: HANAのお客様企業数は3,200社以上、HANA上でBusiness Suiteを使用しているお客様は1,000社近く、HANAプラットフォーム上で開発中の新興企業は1,200社以上で、活気あるエコシステムを構築
- 営業利益の拡大とクラウドへの移行の加速: Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで7%増(通貨面での大きな逆風の影響を受け、実通貨ベースでは2%増の9億1,900万ユーロ)
- 通年の見通しに変更なし
SAP AG(NYSE:SAP、以下 SAP)は本日、2014年3月31日を決算日とする2014年度第1四半期の決算を発表しました。
2014年度第1四半期の事業ハイライト
クラウド分野での急速な成長やコア事業での確固たる実績からも明らかな通り、SAPは、クラウドへの移行を順調に進めており、これらは、2014年度第1四半期の増収を牽引する結果となりました。Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで38%(実通貨ベースでは32%)増加しました。Non-IFRSベースのソフトウェアおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで7%(実通貨ベースでは2%)増加しました。Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで9%(実通貨ベースでは4%)増加となりました。
SAPの共同CEOのビル・マクダーモット(Bill McDermott)とジム・ハガマン・スナーベ(Jim Hagemann Snabe)は、次のように述べています。「クラウド分野での急成長とリアルタイムビジネスプラットフォームとしてのHANAの広範な普及を受け、『powered by SAP HANA』による真のクラウドカンパニーへの道のりは順調です。我々は、Business Suite全体をクラウド上で提供しており、最も包括的・網羅的なHRクラウドソリューションで市場をリードしています。そして、弊社のお客様は、SAPクラウド上の世界最大のビジネスネットワークを通じ、従業員、商品、サービスのすべてを管理できるのです」
SAPのCFO、ワーナー・ブラント(Werner Brandt)は、次のように述べています。「Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで9%の成長率を達成しましたが、これは、通年見通しの成長範囲の上限をも上回る値となっています。また、営業利益率は微増で、クラウド事業は勢いを増しました。四半期の営業利益がNon-IFRS・固定通貨換算ベースで7%増加した結果、営業キャッシュフローも好調で、9%増の23億5,000万ユーロとなりました。過去2年間でいくつかの大型買収を経験したにも関わらず、今回の結果に伴い、純流動資金は、比較的短期間でプラスに転じました」
SAPのクラウド年間予測売上(ランレート)は現在、11億ユーロ /15億ドル に近づいています。Non-IFRSベースの算定クラウド売上 は、固定通貨換算ベースで前年同期比36%増となりました。Non-IFRSベースの繰延クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、2014年3月31日時点で4億5,400万ユーロとなり、固定通貨換算ベースで前年同期比29%増でした。SAPのクラウドアプリケーションの総利用者数は、3,600万人を突破しており、今日の業界の全ベンダーの中で最多を誇ります。
SAPの顧客対応ソリューションは、次世代のカスタマーエンゲージメント(顧客対応)のあり方を決定付けるものとなっています。企業各社が、カスタマーエンゲージメントや顧客保持のあり方を見直し、クロスセルやアップセルの新たな機会をリアルタイムで活用する中、hybrisのオムニチャネルE-コマースプラットフォームとSAP Cloud for Salesの組み合わせは、ソフトウェア売上とクラウドサブスクリプションおよびサポート売上の合計で、3桁の成長率を達成しています。
調達クラウドの分野では、世界最大のウェブベースの企業向け取引コミュニティを拡張し続けており、Aribaネットワークで行われた直近12カ月の取引総額 は5,000億ドルを超えています。また、同社のネットワークを利用する企業は約150万社に及んでいます。
SAP HANAの第1四半期の普及率は好調で、業界をリードするリアルタイムビジネスプラットフォームであることを実証しました。SAP HANAが2011年6月に市場投入されて以来、現在の利用企業の数は3,200社を超えています。ちょうど1年前に発売された、SAP Business Suite powered by SAP HANAのお客様数は1,000社近くに達しています。SAP HANAは、業界をリードする技術プラットフォームへの進化も遂げています。現在、57カ国・1,200社以上の新興企業が、SAP HANA上でアプリケーションを開発しています。こうした新興企業のうち、現在すでに市販製品を展開している企業の数は60社以上に上ります。
SAPは、活気あるパートナー・エコシステムについても、その拡張に取り組んでいます。アクセンチュアは、自社の調達ビジネス・プロセス・アウトソーシング業務で、Aribaネットワークを活用していきます。この結果、企業のネットワーク化と取引量の拡大が大幅に進むとSAPは予想しています。このほか、両社は、双方の専任エキスパートで構成される「アクセンチュア&SAPビジネス・ソリューションズ・グループ」を結成しており、クラウド経由で提供されるpowered by SAP HANAの統合型業種別ソリューションを共同開発していきます。
また、アドビとの間には、Adobe Marketing CloudとSAP Hybris Commerce SuiteおよびSAP HANAプラットフォームの組み合わせによる、新たな戦略パートナーシップも締結しています。アドビとSAPは今後、さまざまなマーケティング・チャネルと顧客のタッチポイントを横断する形で、状況に応じた、適切な体験を提供することで、リアルタイムのカスタマーエンゲージメントを実現していきます。これは、急速に変化する、競争の激しい一般消費者の世界で、カスタマーエンゲージメントと顧客保持のあり方を問い直すものとなります。
2014年度第1四半期の地域別業績
クリミア危機による独立国家共同体(CIS)の先行き不透明な情勢にも関わらず、SAPは、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)地域で好調な業績を達成しました。Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで前年同期比8%増を達成しました。これは、Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が、固定通貨換算ベースで39%増を達成したことや、アフリカ、南欧、フランスといった市場での、ソフトウェア売上の力強い成長の結果です。
南北中央アメリカ地域では、Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上が固定通貨換算ベースで10%増、Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が固定通貨換算ベースで37%増を記録するなど、第1四半期の業績は好調でした。北米では、クラウドへの急速な移行が継続したほか、カナダのソフトウェア売上の業績が好調でした。中南米では、引き続き旺盛な需要が見られており、すべての市場で極めて大きな成長機会が存在しています。中南米での主な業績としては、コロンビアとベネズエラで、ソフトウェア売上が固定通貨換算ベースで3桁成長を達成したほか、アルゼンチンでは、ソフトウェア売上が固定通貨換算ベースで2桁台後半の成長を記録しました。
アジア太平洋・日本地域は、好悪混在の業績となりました。Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで43%増と、非常に好調な四半期となりました。Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで1桁台中盤の伸びを示しました。日本の業績は予想を下回るものでしたが、中国は著しい好業績となりました。中国では、ソフトウェア売上が固定通貨換算ベースで力強い2桁成長を達成し、SAPの中国に対する長期的なコミットメントと成長戦略の成功を裏付ける結果となりました。
業績の詳細
2014年度第1四半期の業績ハイライト
SAP – 2014年度第1四半期1) |
|||||||
IFRS |
Non-IFRS 2) |
||||||
単位:特に記載のない限り百万ユーロ |
2014年度 第1四半期 |
2013年度 第1四半期 |
増減率(%) |
2014年度 第1四半期 |
2013年度 第1四半期 |
増減率(%) |
固定通貨換算ベース増減率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クラウドサブスクリプションおよびサポート |
219 |
137 |
60 |
221 |
167 |
32 |
38 |
ソフトウェア |
623 |
657 |
−5 |
623 |
657 |
−5 |
1 |
サポート |
2,213 |
2,109 |
5 |
2,214 |
2,113 |
5 |
9 |
ソフトウェアおよびサポート |
2,836 |
2,765 |
3 |
2,838 |
2,770 |
2 |
7 |
ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上 |
3,055 |
2,903 |
5 |
3,058 |
2,937 |
4 |
9 |
総売上 |
3,698 |
3,601 |
3 |
3,701 |
3,636 |
2 |
6 |
総営業経費 |
−2,975 |
−2,955 |
1 |
−2,782 |
−2,734 |
2 |
6 |
営業利益 |
723 |
646 |
12 |
919 |
901 |
2 |
7 |
営業利益率 (%) |
19.5 |
17.9 |
1.6pp |
24.8 |
24.8 |
0.0pp |
0.1pp |
税引き後利益 |
534 |
520 |
3 |
667 |
689 |
-3 |
|
基本1株当たり利益(€) |
0.45 |
0.44 |
3 |
0.56 |
0.58 |
-3 |
|
算定クラウド売上 |
227 |
164 |
38 |
228 |
186 |
23 |
36 |
フルタイム換算従業員数 |
66,750 |
64,598 |
3 |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
1)全ての数値は未監査のものです |
|||||||
2) SAPのNon-IFRS指標に関する詳細な説明については、オンラインの「Non-IFRS指標に関する説明(Explanation of Non-IFRS Measures)」をご覧ください。個々の調整の詳細については本プレスリリース付表のF7ページをご覧ください。 |
|||||||
クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースの場合、前年同期比60%増の2億1,900万ユーロ(2013年=1億3,700万ユーロ)となりました。一方、Non-IFRSベースでのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、前年同期比32%(固定通貨換算ベースでは38%)増の2億2,100万ユーロ(2013年=1億6,700万ユーロ)でした。ソフトウェアおよびサポート売上は、IFRSベースの場合、前年同期比3%増の28億4,000万ユーロ(2013年=27億7,000万ユーロ)となりました。一方、Non-IFRSベースでのソフトウェアおよびサポート売上は、前年同期比2%(固定通貨換算ベースでは7%)増の28億4,000万ユーロ(2013年=27億7,000万ユーロ)を記録しました。ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上については、IFRSベースの場合、前年同期比5%増の30億6,000万ユーロ(2013年=29億ユーロ)となりました。Non-IFRSベースでのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、前年同期比4%(固定通貨換算ベースでは9%)増の30億6,000万ユーロ(2013年=29億4,000万ユーロ)でした。総売上については、IFRSベースの場合、前年同期比3%増の37億ユーロ(2013年=36億ユーロ)となりました。Non-IFRSベースの総売上は、前年同期比2%(固定通貨換算ベースでは6%)増の37億ユーロ(2013年=36億4,000万ユーロ)でした。
営業利益については、IFRSベースの場合、前年同期比12%増の7億2,300万ユーロ(2013年=6億4,600万ユーロ)となりました。これは、Non-IFRSベースの営業利益(2014年=9億1,900万ユーロ、2013年=9億100万ユーロ)の成長率2%(固定通貨換算ベースでは7%)を上回るものとなっています。この主な理由としては、2013年度と比べて、買収による影響(繰延売上の償却および買収関連費用)が低かったことが挙げられます。営業利益率については、IFRSベースでは、前年同期比1.6パーセンテージポイント増の19.5%(2013年=17.9%)となりました。Non-IFRSベースの営業利益率は、24.8%(2013年=24.8%)となり、固定通貨換算ベースでは、前年同期比0.1パーセンテージポイント増の24.9%でした。
税引き後利益については、IFRSベースの場合、前年同期比3%増の5億3,400万ユーロ(2013年=5億2,000万ユーロ)となりました。一方、Non-IFRSベースの税引き後利益は、前年同期比3%減の6億6,700万ユーロ(2013年=6億8,900万ユーロ)でした。基本1株当たり利益については、IFRSベースの場合、前年同期比3%増の0.45ユーロ(2013年=0.44ユーロ)となりました。Non-IFRSベースの基本1株当たり利益は、前年同期比3%減の0.56ユーロ(2013年=0.58ユーロ)となりました。2014年度第1四半期のIFRSベースの実効税率は24.1%(2013年=16.3%)、Non-IFRSベースの実効税率は25.9%(2013年=21.4%)となりました。
2014年度第1四半期のキャシュフロー
営業キャッシュフローは、前年同期比9%増の23億5,000万ユーロ(2013年=21億6,000万ユーロ)でした。フリーキャッシュフローは、前年同期比8%増の22億2,000万ユーロ(2013年=20億5,000万ユーロ)でした。総売上を占めるフリーキャッシュフローの割合は、60%(2013年=57%)でした。2014年3月31日時点での現金および現金等価物、短期投資を含むSAPグループ全体の流動資金は、50億6,000万ユーロ(2013年12月31日=28億4,000万ユーロ)でした。2014年3月31日時点での純流動資金は、2013年12月31日時点でマイナス14億7,000万ユーロだったのに対し、7億5,000万ユーロでした。
今後の見通し
2014年度通年の見通しは、2014年1月21日の発表内容からの変更はなく、以下のとおりです。
- 2014年度通年のNon-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで約9億5,000万~10億ユーロ(2013年=7億5,700万ユーロ)の見込みです。この範囲の上限は、2014年度の成長率を、買収による影響を調整した後の2013年度の成長率と同様な32%に設定した場合のものです。
- 2014年度通年のNon-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上は、固定通貨換算ベースで6%~8%拡大する見込みです(2013年=140億3,000万ユーロ)。
- 2014年度通年のNon-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで58億~60億ユーロ(2013年=55億1,000万ユーロ)の見込みです。
SAPの2014年度通年の見通しは、固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動によるマイナスの影響を今後も受ける見込みです。仮に為替レートが年間を通じて2014年3月の水準を維持した場合、Non-IFRSベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス売上とNon-IFRSベースの営業利益の実通貨ベースでの成長率は、2014年度第2四半期については、それぞれ約6パーセンテージポイントと8パーセンテージポイント、2014年度通年については、それぞれ約4パーセンテージポイントと5パーセンテージポイントのマイナスの影響を受けると予想しています。
予想為替レートが実通貨ベースでの報告値に及ぼす影響に関する上記の記載は、2014年3月21日に提出されたSAPの年次報告書(Form 20-F)で公開された以前の記載を置き換えるものです。
なお、本社プレスリリースの原文はこちらをご参照ください。
SAP Announces First Quarter 2014 Results
以上
1) 年間予測売上(ランレート)は、2014年度第1四半期のNon-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上(2億2,100万ユーロ)とNon-IFRSベースのクラウド関連のプロフェッショナルサービスおよびその他サービス売上(4,300万ユーロ)の合計を4倍したものです。これは、前年度とは異なる定義となっています。詳細については、中間報告書をご覧ください。
2) 読者の便益を図るため、2014年度第1四半期末時点の米ドルとユーロの為替レート、1.38ドル=1.00ユーロに基づき、米ドルに換算された値となっています。
3) 算定クラウド売上は、ある期間のクラウドサブスクリプションおよびサポート売上と、繰延クラウドサブスクリプションおよびサポート売上の収支における各期の変動分の合計です。
4) ネットワーク上で行われた取引総額は、直近12カ月間にAribaネットワーク上で発生した注文書の総額です。
SAPについて
SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして、あらゆる業種におけるあらゆる規模の企業を支援しています。SAPは、企業が市場での優位性を保持するため、バックオフィスや役員会議室、倉庫や店頭で、さらにデスクトップ環境やモバイル環境などにおいて、企業がより効率的に協業を行い、より的確なビジネス判断を行うための様々なソリューションを提供します。
企業が継続的な収益性の高い事業を実現することに貢献するSAPのアプリケーションやサービスは、世界各国258,000社以上の顧客企業に利用されています。
また、フランクフルト証券取引所やニューヨーク証券取引所を含むいくつかの取引所で「SAP」の銘柄で取引されています。詳細はhttp://www.sap.com(英語)をご参照ください。