Walldorf — 注)本資料は、SAP SEが発行している「SAP Q2 2016 Quarterly Statement」の抄訳です。
■クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%増
■クラウド売上は、IFRSベースで30%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで33%増
■営業利益は急成長領域への投資で、IFRSベースで81%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%増
■SAP S/4HANA が3,700以上のお客様に採用され、デジタル変革を牽引
■通年の見通しに変更がないことを確信
SAP CEO ビル・マクダーモット(Bill McDermott)は次のように述べています。「SAPの画期的な新しいアーキテクチャーは、クラウド、コアシステム、およびビジネスネットワークなど、すべての事業にわたって勢いを加速しています。その結果、SAPはソフトウェア事業、クラウド事業、営業利益の3つの領域で2桁成長をとげるという目覚ましい結果を成し遂げました。SAP S/4HANAのパイプラインは、かつてないほど堅調に伸びており、通年の計画額達成を確信しています」
SAP CFO ルカ・ムシッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「私たちは有言実行のとおり力強い第2四半期の業績を達成しました。SAPがすべてのビジネスディメンションにわたって傑出した成功をおさめ、前進していることを誇りに思います。イノベーションをリードするお客様とSAP自身のビジネス変革の成功によって、売上も収益も伸長し、競合他社を大きく凌ぎました」
事業ハイライト
業績ハイライト
SAPはクラウド事業で非常に高い伸び率を達成しました。第2四半期のIFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、前年同期比30%増で7億2,000万ユーロでした。Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、前年同期比30%(固定通貨換算ベースで33%)増で7億2,100万ユーロでした。新規クラウド受注1は、第2四半期も順調に伸長し、28%(固定通貨ベースで31%)増の2億5,500万ユーロを達成しました。
クラウドビジネス売上の急速な拡大がサポート売上の堅調な成長とともに予測性の高い売上のシェアを引き続き押し上げています。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上とソフトウェアサポート売上の合計が、2016年第2四半期の全売上の63%を占め、1パーセンテージポイント増加しました。
SAPは、クラウドおよびソフトウェア売上において主要な競合他社を大きく引き離しています。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースでは、7%増の43億6千万ユーロで、Non-IFRSベースでは、7%(固定通貨換算ベースで11%)増の43億6千万ユーロでした。
営業利益は、IFRSベースでは、81%増の12億7千万ユーロで、Non-IFRSベースでは、9%(固定通貨換算ベースで11%)増の15億2千万ユーロでした。1株当たり利益は、IFRSベースでは、73%増の0.68ユーロで、Non-IFRSベースでは、2%増の0.82ユーロでした。
6月30日を決算日とする6カ月間の営業キャッシュフローは、前年同期比5%増の29億2千万ユーロ(2015年=27億8千万ユーロ)で、フリーキャッシュフローは、前年同期比1%増の25億2千万ユーロ(2015年25億ユーロ)でした。
SAP S/4HANA:次世代のビジネススイート
SAP S/4HANAは、大幅にシンプル化されたアーキテクチャーでリアルタイムビジネスを稼働するというメリットがお客様にとっての魅力となり、力強い勢いを持続しています。第2四半期にSAP S/4HANAの顧客数は500社以上増加し、そのうちのおよそ40%はSAPの純新規顧客です。さらに、SAP HANA Cloud Platformとその活気に満ちたエコシステムによって、お客様は機能の拡張、新しいアプリケーションの構築、クラウドとオンプレミスの統合を実現できます。また、SAP HANA Enterprise Cloudは、お客様がミッションクリティカルなプロセスをクラウドに移行するための確実で迅速なオプションを引き続き提供しています。この第2四半期にHershey Company社(米国)、Targin Group社(ロシア)、Cathay Pacific社(香港)、およびRoy Hill Holdings Pty Ltd.社(オーストラリア)がSAP S/4HANAを採用しました。
Human Capital Management(人材管理)
SAPは、クラウドベースのHuman Capital Managementソリューションを引き続き牽引しています。プロセスを自動化するインテリジェントサービスを組み込んだワークフォース管理のトータルソリューションを全世界で提供しています。SAPのHuman Capital Managementサービスの中核であるSuccessFactors Employee Centralの顧客数は、第2四半期末に1,250を超えました。
カスタマーエンゲージメントおよびコマース
SAPは、増大するオムニチャネルの世界に対応するためにカスタマーエンゲージメントとコマース(CEC)をシームレスに連携します。SAP hybrisのソリューションは、小売、通信、金融サービス、公共セクター、および製造など、さまざまな業種にわたってB2C、B2Bの両方に有効に活用されています。SAPならではの特長は、企業がフロントオフィスとバックオフィスをリアルタイムでつなぎ、1つの包括的なバリューチェーンでオンライン取引も実現できる点です。CECは、第2四半期にオンプレミスとクラウドのサービス全般で2桁の高い成長を記録しました。
ビジネスネットワーク
SAPは、さまざまな規模のお客様が相互依存が拡大する世界を有効活用できるよう支援しています。SAPのビジネスネットワークソリューションのどれもがお客様、サプライヤー、パートナーからなる大きなエコシステムを結びます。これらのネットワークソリューションは、SAPのそのほかのサービスに高いシナジー効果をもたらしています。
SAPビジネスネットワークセグメントにおけるクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、第2四半期に固定通貨ベースで21%増加しました。同セグメントにおけるクラウド売上総利益は、1パーセンテージポイント増え、76%でした。
Aribaネットワークでつながるおよそ220万社の企業が行った取引総額は8,200億ドル以上です。2 Concurを使って旅費や経費を処理したエンドユーザーは過去12カ月で4,200万以上おり、お客様は約130カ国においてFieldglassプラットフォームを使って260万人の非正規社員を管理しました。
地域別業績
EMEA地域は、英国の国民投票後の不透明な状況の中でも好調に推移し、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%増となり、堅調な業績を達成しました。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで38%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで41%増でした。EMEA地域では、ソフトウェアライセンス売上が、フランス、オランダ、スイス、および南ヨーロッパ全体にわたり2桁の力強い成長をとげ、ドイツでも再び順調な業績をあげました。ロシアとドイツは、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上で2桁の傑出した増加となりました。
南北中央アメリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで8%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%の増加、また、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上がIFRSベースで26%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで29%の増加を達成しました。北アメリカでは、第2四半期の堅調な業績の結果、半期の業績は順調な軌道に戻りました。ラテンアメリカでは政治的およびマクロ経済的な不安定要素が継続していましたが、ブラジルとメキシコにおいてソフトウェアライセンス売上で2桁の大幅な成長を達成しました。
APJ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上が、IFRSベースで7%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで9%の増加、また、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上が、IFRSベースで44%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで47%の増加でした。ソフトウェアライセンス売上では、日本での3桁台に近い伸び率に加え、中国とインドでは2桁の力強い成長を示しました。この四半期に3カ国すべてでクラウドサブスクリプションおよびサポート売上も2桁成長が見られました。
業績概要
2016年度第2四半期1) |
|||||||
IFRS |
Non-IFRS 2) |
||||||
単位:特に記載のない限り百万ユーロ |
2016年度 第2四半期 |
2015年度 第2四半期 |
増減率(%) |
2016年度 第2四半期 |
2015年度 第2四半期 |
増減率(%) |
固定通貨換算ベース増減率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
新規クラウド受注 3)</ |
N/A |
N/A |
N/A |
255 |
199 |
28 |
N/A |
クラウドサブスクリプションおよびサポート |
720 |
552 |
30 |
721 |
555 |
30 |
33 |
ソフトウェアライセンスおよびサポート |
3,639 |
3,510 |
4 |
3,640 |
3,510 |
4 |
7 |
クラウドおよびソフトウェア |
4,359 |
4,062 |
7 |
4,361 |
4,065 |
7 |
11 |
総売上 |
5,237 |
4,970 |
5 |
5,239 |
4,972 |
5 |
9 |
予想可能性の高い売上の比率(単位:%) |
63 |
62 |
1pp |
63 |
62 |
1pp |
|
営業利益 |
1,269 |
701 |
81 |
1,516 |
1,394 |
9 |
11 |
税引き後利益 |
813 |
469 |
73 |
979 |
960 |
2 |
|
基本1株当たり利益(€) |
0.68 |
0.39 |
73 |
0.82 |
0.80 |
2 |
|
フルタイム換算従業員数 |
79,962 |
74,497 |
7 |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
2016年度上半期1) |
|||||||
IFRS |
Non-IFRS 2) |
||||||
単位:特に記載のない限り百万ユーロ |
2016年度上半期 |
2015年度上半期 |
増減率(%) |
2016年度上半期 |
2015年度上半期 |
増減率(%) |
固定通貨換算ベース増減率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
新規クラウド受注 3)</ |
N/A |
N/A |
N/A |
400 |
316 |
26 |
N/A |
クラウドサブスクリプションおよびサポート |
1,397 |
1056 |
32 |
1,399 |
1,063 |
32 |
33 |
ソフトウェアライセンスおよびサポート |
6,811 |
6,660 |
2 |
6,813 |
6,660 |
2 |
4 |
クラウドおよびソフトウェア |
8,208 |
7,715 |
6 |
8,212 |
7,723 |
6 |
8 |
総売上 |
9,964 |
9,467 |
5 |
9,967 |
9,475 |
5 |
7 |
予想可能性の高い売上の比率(単位:%) |
66 |
64 |
2pp |
66 |
64 |
2pp |
|
営業利益 |
2,082 |
1,339 |
56 |
2,620 |
2,451 |
7 |
8 |
税引き後利益 |
1,382 |
882 |
57 |
1,742 |
1,657 |
5 |
|
基本1株当たり利益(€) |
1.16 |
0.74 |
57 |
1.46 |
1.39 |
5 |
|
フルタイム換算従業員数 |
79,962 |
74,497 |
7 |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
1)全ての数値は未監査のものです |
|||||||
2) SAPのNon-IFRS指標に関する詳細な説明については、オンラインの「Non-IFRS指標に関する説明(Explanation of Non-IFRS Measures)」をご覧ください。個々の調整の詳細についてはこの四半期業績発表資料のF7ページをご覧ください。 |
|||||||
3)受注入力の算定ですので、Non-IFRS調整は含まれません。 |
2016年度の見通し
上半期における堅調な実行とSAP S/4HANAの世代変革サイクルにおける切り替えに牽引された全地域にわたる強固なパイプラインに基づき、2016年度通年の見通しは、変更なく、以下のとおりです。
– 引き続きSAPのクラウドビジネスの力強い成長によって、2016年通年のNon-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで約29億5,000万ユーロから30億5,000万ユーロの見込みです(2015年=23億ユーロ)。この範囲の上限は、固定通貨換算ベースで33%の成長率を設定した場合のものです。
– 2016年通年のNon-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで6%から8%の増加の見込みです(2015年=172億3,000万ユーロ)。
–– 2016年通年のNon-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで64億ユーロから67億ユーロの見込みです(2015年=63億5,000万ユーロ)。
SAPの2016年通年の見通しは、固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も受ける見込みです。仮に為替レートが年間を通じて2016年6月末の水準を維持した場合、Non-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上での成長率とNon-IFRSベースの営業利益の成長率は、2016年度第3四半期については、-1パーセンテージポイントから+1パーセンテージポイントの影響を受けると予想しています(2016年度通年については、-2パーセンテージポイントから0パーセンテージポイント)。
追加情報
四半期業績報告に関する全般的な注釈
これまでSAPの四半期業績報告は、財務情報要約と中間報告を含む業績のプレスリリースとして構成されていました。今期の決算報告から、財務情報要約と中間報告に代わり、これらに関連する情報をすべて含めることとしました。今後、各会計四半期に四半期決算報告を発行します。なお、これまでと同様、半期レポート、および通年レポートも発行します。
1 新規のクラウド受注は、ある期間のクラウドサブスクリプションおよびサポート売上と、新規の顧客からの発注と既存顧客の発注増の数値として識別される見込みの注文を含みます。したがって、既存契約の更新受注は含まれません。受注総額は、拘束されているものが対象です。したがって、従量課金を特徴とするため、最低使用量の拘束がないビジネスネットワーク取引の料金(SAP AribaやSAP Fieldglassの取引ベースの料金など)は、受注の計算には反映されません。総額は原則的に年間で算定します。
2 ネットワーク上で行われた取引総額は、直近の12カ月間にAribaネットワーク上で発生した注文書の総額です。
SAPについて
SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして、あらゆる業種におけるあらゆる規模の企業を支援しています。SAPは、企業が市場での優位性を保持するため、バックオフィスや役員会議室、倉庫や店頭で、さらにデスクトップ環境やモバイル環境などにおいて、企業がより効率的に協業を行い、より的確なビジネス判断を行うための様々なソリューションを提供します。
企業が継続的な収益性の高い事業を実現することに貢献するSAPのアプリケーションやサービスは、世界各国320,000社以上の顧客企業に利用されています。
また、フランクフルト証券取引所やニューヨーク証券取引所を含むいくつかの取引所で「SAP」の銘柄で取引されています。詳細はhttp://www.sap.com(英語)をご参照ください。
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