WALLDORF — 注)本資料は、SAP SEが発行している「SAP Q3 2016 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。
■クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで8%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで9%増
■クラウド売上は、IFRSベースで28%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで29%増
■営業利益は、IFRSベースで9%減ながらもNon-IFRSの固定通貨換算ベースで1%増
■営業キャッシュフローは、第3四半期に52%増加し、年初から現在までで12%増
■SAP S/4HANA®が4,100以上のお客様に採用され、デジタル変革を牽引
SAP CEO ビル・マクダーモット(Bill McDermott)は次のように述べています。
「お客様の強固なSAPポートフォリオ導入に支えられ、予想を上回る業績を達成しています。SAP S/4HANAのイノベーションサイクルは弊社の歴史の中で最も早く、すべてのSAP Cloudソリューションのパフォーマンスを促進しています。SAPは成長を続けており、通年計画を確信をもって引き上げます」
SAP CFO ルカ・ムシッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。 「私たちは第3四半期においても勢いを持続し、好調な業績を達成しました。現時点で、年初のすべての予想値を上回る勢いが見られています。強固なパイプラインと合わせ、第4四半期も引き続き優れた業績の達成が見込まれます」
事業ハイライト
業績ハイライト
第3四半期のIFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、前年同期比28%増で7億6,900万ユーロでした。Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、前年同期比28%(固定通貨換算ベースで29%)増で7億6,900万ユーロでした。新規クラウド受注(1)は、第3四半期は24%(固定通貨ベースでも24%)増で2億6,500万ユーロを達成しました。
SAPのクラウドビジネス売上の急速な拡大がサポート売上の堅調な成長とともに予測性の高い売上のシェアを引き続き押し上げています。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上とソフトウェアサポート売上の合計が、2016年第3四半期の全売上の64%を占め、1パーセンテージポイント増加しました。
SAPはクラウドおよびソフトウェア売上の拡大において主要な競合他社を引き離しています。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースでは、8%増の44億5,000万ユーロで、Non-IFRSベースでは、8%(固定通貨換算ベースで9%)増の44億6,000万ユーロでした。
営業利益は、第3四半期におけるSAPの株価上昇の影響を受けて株式報酬費用が増加したことにより、IFRSベースでは9%減の11億ユーロでした。Non-IFRSベースの営業利益は、1%増の16億4,000万ユーロでした。1株当たり利益は、IFRSベースでは、19%減の0.61ユーロで、Non-IFRSベースでは、7%減の0.91ユーロでした。この減少は、株式報酬費用の増加(IFRSベースのみ)と営業外収益および金融収益の減少によるものです。
9月30日を決算日とする9カ月間の営業キャッシュフローは、前年同期比12%増の36億3,000万ユーロ(2015年=32億4,000万ユーロ)で、フリーキャッシュフローは、前年同期比5%増の29億6,000万ユーロ(2015年=28億2,000万ユーロ)でした。
SAP S/4HANAおよびSAP HANA® Cloud Platform
第3四半期にSAP S/4HANAの顧客数は400社以上増加し、そのうちのおよそ40%はSAPの純新規顧客です。大幅にシンプル化されたアーキテクチャーで、リアルタイムビジネスを稼働するというメリットが引き続きお客様にとっての魅力となっています。お客様は、SAP HANA Cloud Platformを使用して、機能の拡張、敏捷な開発ツールによる速いペースでの新しいアプリケーション構築、および、アプリケーションとデプロイメントモデルとの間での統合が可能になります。SAP HANA Cloud Platformは、さまざまなデバイスや機械とのコネクティビティを提供することによってモノのインターネット(IoT)革命に貢献します。SAPのIoTテクノロジーでイタリア最大手の鉄道会社、Trenitalia社のようなお客様は、輸送車両とツールを接続し、センサーからのリアルタイムのインサイトを活用して、資産管理に大きな革新をもたらしています。
Human Capital Management(人材管理)
クラウドベースのHuman Capital Managementソリューションは引き続き好調です。SAPは、正規社員と非正規社員を包含するワークフォース管理のトータルソリューションを全世界で提供しています。募集中のポジションと履歴書の自動マッチングや、職場での差別を根絶し人材の多様性を推進するための機械学習など、インテリジェントサービスを導入しています。SAPのHuman Capital Managementサービスの中核であるSuccessFactors® Employee Centralの顧客数は、第3四半期末に1,350を超えました。
カスタマーエンゲージメント&コマース
SAPは、増大するオムニチャネルの世界に対応するためにカスタマーエンゲージメントとコマース(CEC)をシームレスに連携します。SAP® hybris®のソリューションは、小売、通信、金融サービス、公共セクター、および製造など、さまざまな業種にわたってB2C、B2Bの両方に有効に活用されています。SAPならではの特長は、企業がフロントオフィスとバックオフィスをリアルタイムで繋ぎ、1つの包括的なバリューチェーンでオンライン取引も実現できる点です。CECは、第3四半期に前年度比で2桁の高い顧客数増加を記録しました。
ビジネスネットワーク
SAPは、さまざまな規模のお客様が相互依存が拡大する世界を有効活用できるよう支援しています。SAPのビジネスネットワークソリューションのどれもがお客様、サプライヤー、パートナーからなる大きなエコシステムを結びます。これらのネットワークソリューションは、SAPのそのほかのサービスに高いシナジー効果をもたらしています。
SAPビジネスネットワークセグメントにおけるクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、第3四半期に固定通貨ベースで17%増加しました。
Aribaネットワークでつながるおよそ240万社の企業が行った取引総額は8,400億ドル以上です。Concurを使って旅費や経費を処理したエンドユーザーは過去12カ月で4,400万以上おり、お客様は約130カ国においてFieldglassプラットフォームを使って280万人の非正規社員を管理しました。
地域別業績
EMEA地域は、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで6%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで8%増となり、好調な業績を達成しました。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで34%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで38%増でした。EMEA地域では、ソフトウェアライセンス売上が、ドイツ、フランス、英国、南アフリカにおいて2桁の成長をとげました。
南北中央アメリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで9%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでも9%の増加、また、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上がIFRSベースで24%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでも24%の増加を達成しました。ラテンアメリカではマクロ経済に逆風が続く中でも、ブラジルとメキシコにおいてソフトウェアライセンス売上で2桁の好調な成長を達成しました。
APJ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上が、IFRSベースで13%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで8%の増加、また、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上が、IFRSベースで50%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで46%の増加でした。ソフトウェアライセンス売上では、日本、マレーシア、シンガポールにおいて2桁の成長を示し、中華圏(2)でも堅調に増加しました。
2016年度の見通し
SAPは、2016年度通年の見通しを以下のとおり引き上げます。
– 2016年通年のNon-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで30億ユーロから30億5,000万ユーロの見込みです(2015年=23億ユーロ)。この範囲の上限は、固定通貨換算ベースで33%の成長率を設定した場合のものです。
– 現時点で2016年通年のNon-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで6.5%から8.5%の増加の見込みです(2015年=172億3,000万ユーロ)。
– 現時点で2016年通年のNon-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで65億ユーロから67億ユーロの見込みです(2015年=63億5,000万ユーロ)。
SAPの2016年通年の見通しは、固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も受ける見込みです。仮に為替レートが年間を通じて2016年9月末の水準を維持した場合、2016年度第4四半期と通年については、Non-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上での成長率が、-3パーセンテージポイントから-1パーセンテージポイント、Non-IFRSベースの営業利益の成長率が、-2パーセンテージポイントから0パーセンテージポイントの影響を受けると予想しています。
追加情報
四半期業績報告に関する全般的な注釈
これまでSAPの四半期業績報告は、財務情報要約と中間報告を含む業績のプレスリリースとして構成されていました。今期の決算報告から、財務情報要約と中間報告に代わり、これらに関連する情報をすべて含めることとしました。今後、各会計四半期に四半期決算報告を発行します。なお、これまでと同様、半期レポート、および通年レポートも発行します。
SAPのNon-IFRS指標とその制約に関する詳細な説明、および、固定通貨とフリーキャッシュフローの数値については、オンラインの「Non-IFRS 指標に関する説明(Explanation of Non-IFRS Measures)」をご覧ください。
(1) 新規のクラウド受注は、ある期間のクラウドサブスクリプションおよびサポート売上と、新規の顧客からの発注と既存顧客の発注増の数値として識別される見込みの注文を含みます。したがって、既存契約の更新受注は含まれません。受注総額は、拘束されているものが対象です。したがって、従量課金を特徴とするため、最低使用量の拘束がないビジネスネットワーク取引の料金(SAP AribaやSAP Fieldglassの取引ベースの料金など)は、受注の計算には反映されません。総額は原則的に年間で算定します。
(2) SAPの中華圏は、中国、香港、台湾を指します。
SAPについて
SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして、あらゆる業種におけるあらゆる規模の企業を支援しています。SAPは、企業が市場での優位性を保持するため、バックオフィスや役員会議室、倉庫や店頭で、さらにデスクトップ環境やモバイル環境などにおいて、企業がより効率的に協業を行い、より的確なビジネス判断を行うための様々なソリューションを提供します。
企業が継続的な収益性の高い事業を実現することに貢献するSAPのアプリケーションやサービスは、世界各国およそ335,000社の顧客企業に利用されています。
また、フランクフルト証券取引所やニューヨーク証券取引所を含むいくつかの取引所で「SAP」の銘柄で取引されています。詳細はhttp://www.sap.com(英語)をご参照ください。
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