WALLDORF — SAP SE(NYSE: SAP)は本日、2016年12月31日を決算日とする2016年度第4四半期および12カ月間の決算を発表しました。
注)本資料は、SAP SEが発行している 「SAP Q4 2016 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。
•新規のクラウド受注は第4四半期に40%増加し、クラウドのバックログは年度末時点で47%増の54億ユーロを達成
•通年のクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで31%増の29億9,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで31%増の30億1,000万ユーロを達成
•通年のクラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで8%増
•通年の営業利益は、IFRSベースで20%増の51億2,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで4%増の66億ユーロを達成
•通年の1株当たり利益は、IFRSベースで18%増の3.03ユーロ、Non-IFRSベースで3%増の3.89ユーロ
•クラウドの目標額を2.6倍以上とし、2020年度に総売上で290億ユーロの達成を目指す
SAP CEOビル・マクダーモット(Bill McDermott)は次のように述べています。「SAPは2016年度に傑出した業績を上げ、7年連続で利益を拡大しました。対応可能な市場を拡大し、業界最高水準の資産を獲得したほか、SAP S/4HANAによる新世代のERPを開発しました。ビジネスソフトウェア業界のリーダーとして、好調なソフトウェア販売、クラウドの急成長、営業利益の拡大という3つの優れた成果を引き続き達成しています。SAPのイノベーション戦略は、機械学習、モノのインターネット(IoT)、ブロックチェーンの推進を目指しています。SAPは引き続き大きな成功を収めており、2020年度の目標を早期に達成できると確信しています」
SAP CFOルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「SAPは計画どおりの成果を一貫して上げており、通年ですべての目標を上回りました。さらに、2016年度の営業キャッシュフローは27%増と好調です。新規のクラウド受注が第4四半期に40%増加したことは特筆すべき成果です。好調なバックログと強固なパイプラインのおかげで、2017年度も利益が拡大する見込みであり、自信を持って、2020年度目標を強気に引き上げることができます」
事業ハイライト
業績ハイライト
2016年度通年
2016年度通年では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで8%増となり、10月に引き上げた通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで6.5%から8.5%に成長)の中間値を超えました。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで29億9,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで30億1,000万ユーロとなり、10月に引き上げた通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで30億ユーロから30億5,000万ユーロ)を達成しました。クラウド事業における順調な売上達成の主要な指標である新規のクラウド受注は、通年で31%増の11億5,000万ユーロでした。クラウドサブスクリプションおよびサポートのバックログは47%増となり、年度末時点で54億ユーロを達成しました。新規のクラウド受注およびクラウドのバックログは、クラウドの継続的な高成長を示す先行指標となっています。
通年では、営業利益がIFRSベースで51億2,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで66億ユーロとなり、10月に引き上げた通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで65億ユーロから67億ユーロ)を達成しました。1株当たり利益は、IFRSベースで18%増の3.03ユーロ、Non-IFRSベースで3%増の3.89ユーロでした。
SAPのクラウドビジネス売上の急速な拡大がサポート売上の堅調な成長とともに予測性の高い売上の比率を引き続き押し上げています。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上とソフトウェアサポート売上の合計が、2016年度通年の総売上の61%を超え、2パーセンテージポイント増加しました。
12月31日を決算日とする12カ月間の営業キャッシュフローは、前年同期比27%増の46億3,000万ユーロ(2015年=36億4,000万ユーロ)で、フリーキャッシュフローは、前年同期比21%増の36億3,000万ユーロ(2015年=30億ユーロ)でした。
2016年度第4四半期
第4四半期では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで前年同期比7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで6%増となりました。SAPはクラウドおよびソフトウェア売上の拡大において主要な競合他社を依然として引き離しています。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで前年同期比31%増の8億2,700万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで29%増でした。新規クラウド受注は、第4四半期に40%増の4億8,300万ユーロを達成しました。
第4四半期では、営業利益がIFRSベースで前年同期比14%増の19億4,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで2%増でした。1株当たり利益は、IFRSベースで前年同期比18%増の1.26ユーロ、Non-IFRSベースで9%増の1.52ユーロでした。
SAP S/4HANA
S/4HANAの採用が前年同期比で2倍になり、5,400社を超えました。第4四半期には、およそ1,300社のお客様が新たに契約し、そのうちのおよそ30%はSAPの純新規顧客です。新しいデジタル経済では、大幅にシンプル化されたアーキテクチャーでリアルタイムビジネスを稼働することがますます多くのお客様にとって業務上不可欠になっています。第4四半期には、Nike社とAmeco Beijing社がS/4HANAを選択しました。
SAP Cloud Platform
お客様は、SAP Cloud Platformを利用して、機能の拡張、敏捷な開発ツールによる速いペースでの新しいアプリケーション構築、およびアプリケーションとデプロイメントモデルとの間での統合が可能になります。SAP Cloud Platformは、人とプロセスを急増するインテリジェントデバイスや機械とつないで優れたビジネス成果を生み出し、モノのインターネット(IoT)革命に貢献しています。Burger King Brazil社は、SAP Cloud Platformを採用しました。売上をリアルタイムで分析し、マーケティング戦略の改善や店舗の業績管理を行い、モノのインターネット、ゲーミフィケーション、モビリティによってカスタマーエクスペリエンスを向上させています。
Human Capital Management(人材管理)
クラウドベースのHuman Capital Managementソリューションは引き続き好調です。SAPは、正規社員と非正規社員を包含するワークフォース管理のトータルソリューションを全世界で提供しています。募集中のポジションと履歴書の自動マッチングや、職場での差別をなくし人材の多様性を推進するための機械学習など、インテリジェントサービスを導入しています。Forrester社は先ごろ、SAP SuccessFactors を学習およびパフォーマンス管理における長期にわたる世界的リーダーと選定しました。SAPのHuman Capital Managementサービスの中核であるSuccessFactors Employee Centralの顧客数は、第4四半期末に1,580を超えました。第4四半期には、Mercedes-AMG社やValentino社などの企業がSAPのワークフォース管理ソリューションを購入しています。
カスタマーエンゲージメント&コマース
SAPは、増大するオムニチャネルの世界に対応するためにカスタマーエンゲージメントとコマース(CEC)をシームレスに連携します。SAP hybrisのソリューションは、小売、通信、金融サービス、公共セクター、および製造など、さまざまな業種にわたってB2C、B2Bの両方に有効に活用されています。SAPならではの特長は、企業がフロントオフィスとバックオフィスをリアルタイムでつなぎ、1つの包括的なバリューチェーンでオンライン取引も実現できる点です。CECは、第4四半期に新規のクラウド受注とクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が前年同期比で2桁の力強い成長を見せました。第4四半期には、Brooks Brothers社がSAPの顧客エンゲージメントおよびコマースソリューションを選択しました。
ビジネスネットワーク
SAPは、さまざまな規模のお客様が相互依存が拡大する世界を有効活用できるよう支援しています。SAPのビジネスネットワークソリューションのどれもがお客様、サプライヤー、パートナーからなる大きなエコシステムをつなぎます。これらのネットワークソリューションは、SAPのそのほかのサービスに高いシナジー効果をもたらしています。SAPビジネスネットワークセグメントにおけるクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、2016年度通年では固定通貨ベースで19%増加しました。
過去12カ月間に、ネットワークでつながれたおよそ250万社の企業がSAP Aribaネットワークで行った取引の総額は8,850億ドルとなり、取引数は前年同期比で20%近くまで増加しました。Concurを使って旅費や経費を処理したエンドユーザーは4,500万人を超え、お客様は約135カ国においてSAP Fieldglassプラットフォームを使って310万人の非正規社員を管理しました。
2016年度第4四半期の地域別業績
EMEA地域は、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで9%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで10%増となり、好調な業績を達成しました。クラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、IFRSベースで35%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで37%増でした。EMEA地域では、ソフトウェアライセンス売上が、ドイツ、英国において2桁の成長をとげました。
南北中央アメリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで5%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで2%の増加となり、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上がIFRSベースで27%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでも24%増を達成しました。ラテンアメリカでは、メキシコにおいてソフトウェアライセンス売上で2桁の大幅な成長を達成しました。
APJ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上が、IFRSベースで9%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで5%の増加、また、クラウドサブスクリプションおよびサポート売上が、IFRSベースで54%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで48%の増加でした。APJでは、ソフトウェアライセンス売上が、中国、インド、日本において2桁の成長をとげました。
2016年度第4四半期に締結された契約の主な日本のお客様:株式会社日立製作所、富士通株式会社 (五十音順)
2017年度の見通し
2017年度通年の見通しは以下のとおりです。
– 引き続きSAPのクラウドビジネスの力強い成長によって、2017年通年のNon-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上は、固定通貨換算ベースで38億ユーロから40億ユーロの見込みで(2016年=29億9,000万ユーロ)、2016年の初めに掲げた2017年度目標に沿ったものとなっています。この範囲の上限は、固定通貨換算ベースで34%の成長率を設定した場合のものです。
– 2017年通年のNon-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで6%から8%の増加の見込みです(2016年=184億3,000万ユーロ)。
– 2017年通年のNon-IFRSベースの総売上は、固定通貨換算ベースで232億ユーロから236億ユーロの見込みです(2016年=220億7,000万ユーロ)。これは2016年の初めに掲げた2017年度目標を上方修正したものです。
– 2017年通年のNon-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで68億ユーロから70億ユーロの見込みです(2016年=66億3,000万ユーロ)。これは2016年の初めに掲げた2017年度目標を上方修正したものです。
SAPの2017年通年の見通しは、固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。この固定通貨換算ベースでの2017年通年の見通しは、以前に発表した実通貨ベースの2017年度目標に代わるものです。
2020年度目標
2017年から先を見通し、クラウドでの継続的な急成長、堅調なソフトウェアの勢い、営業利益の拡大、為替レートの変動を反映して、2020年度目標も引き上げています。2016年に近い為替レート環境を想定し、2020年に次の目標を達成することを目指しています。
– Non-IFRSベースのクラウドサブスクリプションおよびサポート売上が80億~85億ユーロ(以前は75億~80億ユーロ)
– Non-IFRSベースの総売上が280億~290億ユーロ(以前は260億~280億ユーロ)
– Non-IFRSベースの営業利益が85億~90億ユーロ(以前は80億~90億ユーロ)
予測性の高い売上(クラウドサブスクリプションおよびサポート売上とソフトウェアサポート売上の合計と定義)の比率が2020年度に70%~75%になると期待されます。
2017年2月9日にニューヨークで開催されるSAPのCapital Markets Dayで、長期的な成長への意欲を掲げた主な理由をご説明します。
追加情報
四半期業績報告に関する全般的な注釈
2015年度までSAPの四半期業績報告は、財務情報要約と中間報告を含む業績のプレスリリースとして構成されていました。今期の決算報告から、財務情報要約と中間報告に代わり、これらに関連する情報をすべて含めることとしました。2016年度より、各会計四半期に四半期決算報告を発行します。なお、これまでと同様、半期レポート、および通年レポートも発行します。
SAPのNon-IFRS指標とその制約に関する詳細な説明、および、固定通貨とフリーキャッシュフローの数値については、オンラインの「Non-IFRS 指標に関する説明(Explanation of Non-IFRS Measures)」をご覧ください。
2016年度統合報告書および年次報告書
SAPの株主向け2016年度統合報告書および年次報告書とForm 20-Fの2016年度年次報告書は2017年2月28日に公表され、www.sap.com/investorからダウンロードして入手できる予定です。
SAPについて
SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして、あらゆる業種におけるあらゆる規模の企業を支援しています。SAPは、企業が市場での優位性を保持するため、バックオフィスや役員会議室、倉庫や店頭で、さらにデスクトップ環境やモバイル環境などにおいて、企業がより効率的に協業を行い、より的確なビジネス判断を行うための様々なソリューションを提供します。
企業が継続的な収益性の高い事業を実現することに貢献するSAPのアプリケーションやサービスは、世界各国およそ345,000社の顧客企業に利用されています。
また、フランクフルト証券取引所やニューヨーク証券取引所を含むいくつかの取引所で「SAP」の銘柄で取引されています。詳細はhttp://www.sap.com(英語)をご参照ください。
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