SAP、将来を見据えて経営トップの世代交代を実施

(本リリースは、10月10日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、ビル・マクダーモット(Bill McDermott)が契約を更新せず、最高経営責任者(CEO)の職から退任することを発表しました。SAPの長期的事業継承計画に基づき、SAPエグゼクティブ・ボード・メンバーのジェニファー・モーガン(Jennifer Morgan)とクリスチャン・クライン(Christian Klein)が、SAP SEのスーパーバイザリー・ボードの承認の下、共同最高経営責任者に即時任命されました。


  • 約10年間CEOとして成功を収めたマクダーモットが退任
  • モーガン、クラインの共同CEO体制へ移行

マクダーモットは、円滑な事業継承のために2019年末までアドバイザーとして留まります。

SAP SEのスーパーバイザリー・ボード会長のハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)は次のように述べています。「ビル・マクダーモットがいなければ、今日のSAPはなかったでしょう。ビルはSAPに計り知れない貢献を果たし、今後何年もの間SAPの成長の礎となるであろうクラウドへの移行において、旗振り役を務めました。彼がSAPのために行ってきたすべてのことに感謝しています。また、将来につながる強固な基盤を継承し、さらなる成長を牽引していくことになったジェニファーとクリスチャンに、祝意を表します。マクダーモットと私は1年以上前に、ジェニファーとクリスチャンを次世代のリーダーに育てるための長期プロセスの一環として、彼らの責務を拡大することを決定しました。SAPの成長とイノベーションを次の段階へと推し進める上で、私たちは2人のビジョンと手腕を信頼しています」

マクダーモットは次のように述べています。「CEOであれば誰しも、重職にある次世代の人間に会社を引き継ぎたいものです。今こうして過去を振り返ってみると、この10年間でSAPが達成してきたことに対して、ただただ、これ以上ないほど誇らしい気持ちになります。世界有数の優良企業を率いる機会をいただけたことに感謝しています。今この瞬間から、SAPの全従業員にとって希望に満ちた新しい1ページが始まります。私は、ジェニファーとクリスチャンが傑出した仕事を成し遂げてくれると確信しています。2019年を締めくくり、2020年とその先に向けた土台を築くにあたり、彼らを支えていくことが楽しみでなりません。SAPに信頼を寄せてくださったすべてのお客様、パートナー様、株主様、そして同僚に対して、心からの感謝と、いつまでも変わらぬ敬意を表します」

マクダーモットは2002年にSAPに入社しました。北米事業の責任者として、北米地域でのSAPの市場シェアを大幅に拡大し、世界的な大企業へと成長するための素地を作りました。その後、全世界のカスタマーオペレーションを統括し、2008年にエグゼクティブ・ボードに加わりました。直近の10年間はCEOとして、ポートフォリオの拡大やクラウドコンピューティングへの大胆な移行に着手するなど、SAPの劇的な成長期を監督してきました。マクダーモットの指揮の下で、市場価値、売上、利益、従業員のエンゲージメント、環境サステナビリティなどの主要指標はすべて、2010年以来、大幅に向上しています。

スーパーバイザリー・ボードの正式承認を受けて、SAPは、2020暦年の開始前に、事業の継続性を確保し、次世代のリーダーに権限を移譲することを目的とした、指揮権継承計画を発効します。

プラットナーは次のように付け加えました。「ジェニファーとクリスチャンの相性が抜群であることはすでに実証されているため、共同CEOとして強力なリーダーシップを発揮してくれるでしょう。SAPにおける共同CEO体制の有効性は、過去の数々の成功例によって裏付けられています」

モーガンとクラインには、エンタープライズアプリケーションソフトウェア業界での10年余りの経験があります。両者ともエグゼクティブ・ボード・メンバーです。モーガンは2004年にSAPに入社し、直近ではクラウドビジネスグループのプレジデントとして、Qualtrics®、SAP® SuccessFactors®、SAP® Ariba®、SAP Fieldglass®、SAP® Customer Experience、およびSAP® Concur®を統括しました。そして2017年に、エグゼクティブ・ボード・メンバーに任命されました。

モーガンは次のように述べています。「私とクリスチャンを信頼し、SAPの次期リーダーに任命してくださったハッソ・プラットナーとスーパーバイザリー・ボードには、感謝してもしきれません。身に余る大役ですが、SAPにはまだ成長の余地があると心から信じています。SAPには世界にも類を見ないほど優秀で才能豊かな人材が揃っており、将来に向けて大いに信頼を置くことができます。ビル・マクダーモットは卓越したリーダーであっただけでなく、私たちの多くにとって良き教育者であり、ロールモデルでした。ビルという偉大な先人の功績を受け継ぎ、彼が残したレガシーの上にさらに成功を積み重ねることに挑戦していきます」

クラインは、20年前の学生時代にSAPでのキャリアをスタートさせ、直近ではSAPの最高執行責任者を務めるとともに、主力製品であるERPソリューションSAP S/4HANA®の製品開発を指揮しました。それ以前にはSAP SuccessFactorsの最高財務責任者およびSAPの最高統制責任者を務めました。そして2018年に、エグゼクティブ・ボード・メンバーに任命されました。

クラインは次のように述べています。「生え抜きの私のような人間にとって、ジェニファーとともに共同CEOに任命されるのは光栄の極みです。これまで、ハッソ・プラットナーには多大な機会を与えていただきました。彼とスーパーバイザリー・ボードには深く感謝しています。SAPは、業界で最も包括的なソリューションポートフォリオを展開しています。私とジェニファーには、道半ばのプロジェクトを完遂し、インテリジェントエンタープライズを実現するという、かつてない使命が与えられました。この使命を全うすることこそ、前任者であるビル・マクダーモットに敬意を示す最高の方法です。ビルのように社員の能力を最大限に引き出せるリーダーを目指して、絶えず尽力していきます」

これに先立って別途掲載されたニュースリリースで、SAPは第3四半期の業績を発表しました。売上と収益は力強い2桁成長を記録し、利益率も大幅に拡大しました。

以上

 

SAPについて
SAPは「cloud company powered by SAP HANA」としてエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアの市場をリードし、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えています。世界中の商取引売上の 77% は何らかの SAPシステムを使用しており、SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、企業のビジネスを「インテリジェントエンタープライズ」に変革していくことに寄与しています。
SAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、43万7000の企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。(www.sap.com)

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<参考資料> 

ジェニファー・モーガンのご紹介
ジェニファー・モーガンは、SAPの共同最高経営責任者とSAP SEのエグゼクティブ・ボード・メンバーを務めています。直近ではクラウドビジネスグループのリーダーとして、SAP Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglass、SAP SuccessFactors、SAP C/4HANA®、SAP Customer Experience、およびQualtricsなどのクラウド事業を全面的に統括しました。SAPのクラウド事業全体の売上管理、製品開発、研究、エンジニアリング、オペレーション、営業、マーケティングに携わってきた経歴を持つことから、クラウドへの急速かつ大胆な移行において陣頭指揮を執りました。2018年には、SAPの約50年の歴史で初めて、クラウド売上がライセンス売上を上回りました。

モーガンは、2017年に南北中央アメリカ地域およびアジアのプレジデントに指名されたときに、米国人女性として初めてSAP SEのエグゼクティブ・ボード・メンバーに任命されました。プレジデント時代は、4万3,000人超の従業員と23万人近くのお客様を抱える北米地域、ラテンアメリカ地域、およびアジア太平洋・日本地域の売上と戦略の責任を負い、お客様の成功を支援しました。

エグゼクティブ・ボード・メンバーに任命される以前は、SAPノースアメリカのプレジデントを務め、北米地域での急速なクラウドシフトを指揮し、15万5,000人超のお客様の成長とイノベーションに、より一層注力しました。また、優れた企業文化を形成し、SAPノースアメリカとしてFortune誌の100 Best Companies to Work For(働きがいのある企業100)に初めてランクインしました。さらには、Autism at Work(職場における自閉症)などのプログラムを通じて、北米地域有数の多様性尊重・インクルージョン推進企業としての地位確立を後押ししただけでなく、とりわけEDGE認定の取得で重要な役割を果たしました。この認定は、職場での男女平等および同一賃金に献身的に取り組んでいる企業に対して、世界経済フォーラムが授与するものです。

モーガンは2004年にSAPに入社して以来、このほかにもさまざまなリーダー職を務めました。SAPノースアメリカのパブリックセクター部門の責任者とレギュレーテッド・インダストリー・ビジネスユニットのプレジデントを歴任したときには、政府や公共セクターのテクノロジー・イノベーションに関するソートリーダーと認識され、SAPの代表者として米国政府と関わったほか、米国議会でテクノロジーと買収の問題について証言しました。キャリアの初期には、Siebel Systems(シーベル・システムズ)社およびアクセンチュア社でさまざまなマネージメント職を務めました。

モーガンは、Fortune誌のMost Powerful Women in Business(ビジネスで最も影響力のある女性)に選ばれたほか、Forbes誌のThe World’s Most Powerful Women(世界で最も影響力のある女性)にテクノロジー界からランクインしたこともあります。大学は、バージニア州ハリソンバーグにあるジェームズ・マディソン大学を卒業しています。現在は、投資管理および投資サービスの世界的リーダーであるBank of New York Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)社の取締役、全米アカデミー財団(NAF)の非営利理事会のメンバー、およびジェームズ・マディソン大学ビジネスカレッジの評議員も務めています。

ジェニファー・モーガンの追加情報

  • 2004年:SAP入社
  • 2017年:エグゼクティブ・ボード・メンバーに任命
  • 2025年:現在のエグゼクティブ・ボード・メンバーの任期終了
  • 国籍:米国
  • 生年:1971年

社外の取締役

  • Bank of New York Mellon社(米国ニューヨーク州ニューヨーク)の取締役

 

クリスチャン・クラインのご紹介
クリスチャン・クラインは、共同最高経営責任者とSAP SEのエグゼクティブ・ボード・メンバーを務めています。直近では、インテリジェント・エンタープライズ・グループを率いる最高執行責任者として、SAPコアアプリケーションの世界各地での開発と納入を監督するとともに、グローバルビジネスオペレーションで役職横断的な指揮を執りました。

クラインはインテリジェント・エンタープライズ・グループのリーダーとして、SAPの主力製品であるSAP S/4HANAやSAP® Digital Supply Chainなどのデジタルコア開発および製品管理を推進するとともに、SAPの豊富な産業別ポートフォリオの管理を担いました。また、このグループはSAPをインテリジェントエンタープライズにすることを目指して、業務プロセスのシンプル化、世界規模のITおよびクラウドインフラストラクチャ、製品とサービスの品質、ポートフォリオと投資戦略、インテリジェントデータとアナリティクス、そしてデジタルイノベーションの導入によるお客様と従業員双方への価値提供に注力しました。

クラインは、学生だった1999年からSAPでのキャリアをスタートさせました。これまでに、アクティブ・グローバル・サポート・オペレーション、サービスオペレーション、およびグローバルコントローリングでさまざまな役職を歴任し、2011~2012年にはSAP SuccessFactorsの最高財務責任者を務めました。2014年に最高統制責任者に任命され、その後2016年4月1日には最高執行責任者にも指名されました。

クラインは、ドイツのマンハイムにある職業アカデミーで国際経営学の学士号を取得しています。

クリスチャン・クラインの追加情報

  • 1999年:SAP入社
  • 2018年:エグゼクティブ・ボード・メンバーに任命
  • 2021年:現在のエグゼクティブ・ボード・メンバーの任期終了
  • 国籍:ドイツ
  • 生年:1980年

 特別な責務

  • SAPコアアプリケーションの世界各地での開発と納入
  • グローバルビジネスオペレーション
  • ITサービスおよびクラウドインフラストラクチャ

 

ビル・マクダーモットのご紹介
ビル・マクダーモットは、ビジネスソフトウェアの世界的なマーケットリーダーであるSAPの前最高経営責任者(2010~2019年)です。9万8,000人超の従業員および200万人超が関わるエコシステムのリーダーとして、より良い世界とより豊かな生活の実現に貢献するというSAPのビジョンを実践しました。

2010年にCEOに就任して以来、マクダーモットのイノベーション主導戦略により、SAPの顧客数、総売上、市場価値、利益成長率は大幅に上昇しました。ビジネス界随一の評判を集めるリーダーの1人であり、ウェブサイトのGlassdoor(グラスドア)が集計するSAP従業員の支持率は、99%前後で推移しています。ヨーロッパで最も価値のあるテクノロジー企業を率いた史上唯一の米国人として、世界各国の首脳や政治家に対し、若者の失業、デジタルガバメント、および国際貿易政策に関する助言を行っています。マクダーモットは、欧州産業人円卓会議および米国経済協議会のメンバーです。

マクダーモットは、パフォーマンス・アパレル・メーカーのUnder Armour(アンダーアーマー)社、エンジニアリング・ソフトウェア・メーカーのANSYS(アンシス)社、およびセキュリティ・ソリューションのリーダーであるDell SecureWorks(デル・セキュアワークス)社の取締役も務めています。市民生活においてもリーダーシップを発揮し、これまでに、GENYOUth(ジェンユース)のVanguard Award、City Year(シティ・イヤー)のIdealist of the Year、We Are Family Foundation(ウィー・アー・ファミリー財団)のVisionary Award、Children’s Aid Society(児童支援協会)のPromise Awardなど数々の賞を獲得しています。マクダーモットは、Thomas Jefferson University Hospital(トマス・ジェファーソン大学病院)およびJefferson Health(ジェファーソン・ヘルス)の支援者です。

マクダーモットの人生の歩みとリーダーとしての教訓は、世界的ベストセラーとなった自叙伝『Winners Dream: A Journey from Corner Store to Corner Office』に綴られています。本書は現在12刷に達し、2014年には産業人回顧録部門で金賞を受賞しました。米国、英国、ドイツ、中国で出版されています。

マクダーモットはドイツと米国に住居がありますが、大半の時間を機上で過ごしています。