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SAP 2020年第3四半期決算発表 1株あたり利益とキャッシュフローが2桁の好調な増加 SAPがクラウドへの移行を加速し、2025年までにクラウド売上220億ユーロ超えを目指す

プレスリリース

本資料は、SAP SEが発行している「Q3 2020 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • 進行中のクラウドのバックログは固定通貨換算ベースで16%増の66億ユーロ
  • IFRSベースのクラウド売上総利益率は8パーセンテージポイント増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは0.7パーセンテージポイント増
  • IFRSベースの営業利益率は2パーセンテージポイント減、Non-IFRSベースの営業利益率は固定通貨換算ベースで1.3パーセンテージポイント増となり前年比好調
  • IFRSベースの1株あたり利益は26%増、Non-IFRSベースの1株あたり利益は31%増
  • 営業キャッシュフローは54%増、フリーキャッシュフローは年初から現在までで79%増
  • 2020年の見通しと中期的な目標を更新
  • 2025年までの目標を大幅に拡大し、クラウド売上220億ユーロ超、予測可能性の高い売上の比率約85%、Non-IFRSベースのクラウド売上総利益率約80%を目指す
  • 2023年から2025年までNon-IFRSベースの営業利益は2桁増加が目標

SAP CEOのクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。

「COVID-19はお客様にとって大きな転換点となりました。企業が回復力を身に着け、危機をバネにしてより力強く発展する基盤を整えるには、本物のビジネス変革と結び付いたクラウドへの移行が必須事項となったのです。SAPはお客様およびパートナーと協力して、共同イノベーションを起こし、デジタル世界でビジネスを遂行する方法を再構築していきます。2025年のクラウド売上220億ユーロ超を目指して成長を加速させ、予測可能性の高い売上の比率を約85%まで拡大します」

SAP CFOルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。

「第3四半期、SAPは引き続き営業利益率を改善し、難題の渦中にあって前年比好調の実績を達成しました。1株あたり利益とキャッシュフローはとりわけ急速に増加しました。2020年のフリーキャッシュフローの見通しを、前年11月に公表した目標より上方修正できたほどです。今後もSAPはクラウドへの移行を加速させ、クラウド成長企業としての道を確実に歩み続けます。もちろん、コスト効率の重要性を忘れることはありません。こうした活動と回復力の高いビジネスモデルがあるため、SAPは、不確実性が沈静化するに伴って新しい積極的な目標を十分に達成できる状況にあります」

 

2020年第3四半期最新情報

SAPは第3四半期もまた、総売上が安定し、営業利益および営業利益率(Non-IFRSの固定通貨換算ベース)が増加したことによって、その回復力を実証しました。今回のCOVID-19危機で、お客様は業務の変革と自動化の強いニーズを実感し、新しいビジネスモデルへの適応を急いでいます。コマース、サプライチェーン、Qualtrics®などの革新的ソリューションを活用して、世界で最も重要で失敗の許されないビジネスプロセスの正常な稼動を維持する面で、SAPの専門知識は群を抜いており、お客様が回復力を高めるのに極めて有効です。それでも、SAPのお客様、特に甚大な打撃を受けた業種のお客様は、COVID-19パンデミックの経済的な影響を受け続けています。地域によってはロックダウンが再び実施されており、回復は一様ではなく、企業の直面するビジネスの不確実性が増しています。その結果、規模が大きいプロジェクトほど、精査が必要になっています。取引売上は引き続き影響を受けており、出張関連の売上にまださしたる回復が見られないSAP® Concur®はその度合が顕著です。

SAPは、引き続き、オンライン営業とリモートによる導入支援によって、お客様に効果的にサービスを提供します。2020年の最初の9カ月で、約28,000社のお客様がSAPソリューションを稼働しました。また、収益性を確保するため、出張や施設関連費用の減少、バーチャルイベント化などによる自然的なコスト減に加えて、雇用および裁量的支出に対する規律あるアプローチを維持していきます。

COVID-19危機の発生以来、SAPは、お客様に加えて地域社会が直面している問題の多くに対処するためのソリューションも提供してきました。第3四半期もDeutsche Telekom社との協力を継続し、Corona Warn App(コロナ警告アプリ)の開発を進めました。このアプリケーションはダウンロード回数が2,000万を超え、共有された陽性検査結果は18,000件以上で、感染経路の遮断に役立っています。さらに今では欧州ゲートウェイサービスに対応し、ドイツ、イタリア、アイルランドのアプリ間でデータを交換できるようになりました。最高レベルのデータ保護基準に準拠しながらであることは言うまでもありません。他の国も今後参加する計画です。

お客様のビジネス変革を支援するためクラウドへの移行を加速するSAP

COVID-19危機は変革を加速しています。お客様は、回復力と俊敏性を強化するために、クラウドへの移行を加速させたいと考えています。SAPはテクノロジーと専門知識を提供して、こうした市場の要求に応えています。SAPのビジネス・テクノロジー・プラットフォーム(BTP)が、SAPのお客様の既存IT環境をクラウドに移行し、文字通りエンド・ツー・エンドでの業務変革を支援しています。SAPのプラットフォームは、すべてのSAPアプリケーション、統合、お客様とパートナーエコシステム拡張に加えて、業種別クラウドやビジネスネットワークなどの最新のイノベーションが動作する基盤になります。

最先端のテクノロジーと、25の業種にわたる詳細なグローバルビジネスの専門知識を統合できるのはSAPだけです。デジタル時代に突入し、最終的にインテリジェントエンタープライズになろうとする企業が、最も重要で失敗の許されないプロセスをクラウドで稼動させる方法を再構築する上で、SAPは孤高の地位にあります。

さらにSAPは、クラウドデリバリーの最新化の加速を計画しており、ハーモナイズド・デリバリー・インフラストラクチャという目標に計画よりも早く到達しています。その結果、SAPのクラウドデリバリー業務の効率と回復力は大幅に向上されます。

さらにSAPは、クラウドでお客様の変革を加速し、業種別クラウドなどの新しい分野で首位が取れるように研究開発投資を増やしていきます。

SAPは、これらの新しい戦略指針の影響とマクロ経済要因を背景に中期的な目標を更新しました。

2020年第3四半期の財務業績

第3四半期のSAPのクラウドビジネスについては、COVID-19の影響が続いているにもかかわらず、進行中のクラウドのバックログが前年同期比10%増の66億ユーロ、固定通貨換算ベースで16%増に達しました。クラウド売上は、IFRSベースで前年同期比11%増の19億8,000万ユーロ、Non-IFRSベースで10%増の19億8,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで14%増でした。取引売上の減少が続いたため、特にConcurにおいてはクラウドの成長にマイナス6パーセンテージポイントの影響がありました。インテリジェントスペンドに属さないSAPのSaaS/PaaSサービスと、IaaSサービスのクラウド売上は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでそれぞれ26%増、24%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比23%減の7億1,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで19%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比2%減の55億4,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで2%増でした。総売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比4%減の65億4,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで横ばいでした。

第3四半期の予測性の高い売上の比率は、好調に前年同期比約5パーセンテージポイント増の約74%に達しました。

第3四半期は、IFRSベースの営業利益および営業利益率が減少しました。主に、前年比で株式報酬費用が増加したためです。営業利益はIFRSベースで前年同期比12%減の14億7,000万ユーロ、Non-IFRSベースで1%減の20億7,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで4%増でした。営業利益率は、IFRSベースで前年同期比2.2パーセンテージポイント減の22.5%、Non-IFRSベースで前年同期比1.0パーセンテージポイント増の31.7%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで1.3パーセンテージポイント増の31.9%と、前年より好調に推移しました。

1株あたり利益は、Sapphire Ventures社の好調な業績が反映されて、IFRSベースで前年同期比26%増の1.32ユーロ、Non-IFRSベースで前年同期比31%増の1.70ユーロでした。

最初の9カ月間の営業キャッシュフローは、前年同期比54%増の50億9,000万ユーロでした。営業キャッシュフローの好結果の理由は、構造改革関連費用の減少と所得税支払額の減少でした。最初の9カ月間のフリーキャッシュフローは、前年同期比79%増の41億7,000万ユーロでした。フリーキャッシュフローでは、資本支出が前年に比べて減ったこともプラスに働きました。第3四半期末時点の純負債はマイナス68億9,000万ユーロでした。

 

2020年度第3四半期のセグメント別業績

4つの報告セグメントである「Applications, Technology & Support」、「Concur」、「Qualtrics」、および「Services」の業績は以下に示すとおりです。

Applications, Technology & ServicesAT&S

第3四半期のAT&Sセグメントの売上は、前年同期比2%減の51億7,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで2%増でした。この成長に寄与したソリューションについて以下に説明します。

SAP S/4HANA®
SAP S/4HANAは、SAPのリアルタイムのインメモリープラットフォームSAP HANA®を基盤とする統合型インテリジェントERPシステムです。25業種において実証済みのベストプラクティスで各業界固有の要件に対応し、市場の進化に合わせて新しいビジネスモデルを実現します。AIとロボティック・プロセス・オートメーションがサポートするインテリジェントな自動化により、ビジネスプロセスを刷新します。組み込み分析、会話型インターフェース、デジタルアシスタントを活用した的確かつ迅速な意思決定を支援します。SAPは、オンプレミスのお客様が、重要で失敗の許されないプロセスを自社に合ったペースでクラウドに移行できるよう、オプションを拡張しています。

SAPは最近、Forrester Waveの製造業向けERP分野でリーダーに認定されました。

同四半期にSAP S/4HANAのお客様は500社増加し、採用したお客様の総数は15,100社を超え、前年同期比20%増となりました。そのうち8,100社以上が本稼動しています。第3四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様のうちの45%以上が新規顧客です。

第3四半期は、Lenovo社、イオン社、上海地産(集団)社、Naturgy社など、世界最大級の企業のお客様にSAP S/4HANAをお選びいただきました。Toyota Peru社がSAP S/4HANAの本稼動を開始しました。Rabobank、Iugu社、Basic-Fit社など、SAP S/4HANA® Cloudをお選びになるお客様が、企業規模を問わず急速に増加しています。Sharks Sports & Entertainment社および韓国ガス公社が、SAP S/4HANA Cloudの本稼動を開始しています。

Schwarz Group(Lidl, Kaufland)内の製造企業Schwarz Produktion社に、SAP Digital Supply Chainソリューションをお選びいただきました。Schwarz Produktion社は業種別クラウドに移行中の多くの企業の1つで、高度に自動化された継続プロセスを目指しています。

ヒューマン・エクスペリエンス・マネージメント(HXM
SAP® SuccessFactors® Human Experience Management(HXM) Suiteはコア人事・給与計算、タレントマネージメント、従業員エクスペリエンス管理、および人事アナリティクス向けのソリューションを提供しています。拡張性の高いプラットフォームとして構築されているため、複雑な国際要件に対応し、99カ国42言語で税規制と人事ポリシーの更新を提供し、給与計算については46カ国で提供しています。

HXMは従業員が求めているもの、働き方、モチベーションの向上などを踏まえて設計されています。人事責任者がビジネスの成長を促進できるようになります。

SAP SuccessFactors HXMソリューションはQualtricsのソリューションを利用しているため、従業員からのインサイトを集めて、それをオペレーション(業務)データと結び付け、起こっていることとその理由を理解して行動を起こすことができます。これらのソリューションは、775社を超えるお客様に採用いただいています。Rappi社、Kmart Australia社、Catholic Education Diocese of Parramatta、Bahrain Airport Services社、Garney Holding Company社など、数多くのお客様にSAPをお選びいただきました。

SAP® Customer Experience
SAP® Customer Experience(CX)はコマース、サービス、マーケティング、セールス、カスタマーデータの先進ソリューションを組み合わせたソリューションで、これを利用すれば、企業は顧客の全体像に基づき、あらゆるタッチポイントとチャネルにわたってパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを管理して提供できます。インテリジェントエンタープライズの一環として、SAP CXをSAP S/4HANAと一緒に使うことで、需要の兆候からフルフィルメントまでを、1つのエンド・ツー・エンド・プロセスに統合することができます。

SAP CXのソリューションは、Qualtrics Customer Experience Managementを利用することで、顧客の要望やニーズを理解することもできます。企業は顧客からのフィードバックとオペレーションデータを組み合わせ、顧客の声に耳を傾けて理解し、即座に行動してカスタマーエクスペリエンスを改善できます。

第3四半期はSAPのeコマースソリューションの業績が好調で、前年同期比で2倍以上の新規クラウド受注がありました。

Swisscom AG社、Barilla社、Renault Brazil社、Saudi Ports Authority、Jiangsu Xingda Steel Tyre Cord Co社などの企業のお客様にお選びいただいています。

ビジネス・テクノロジー・プラットフォーム
SAPビジネス・テクノロジー・プラットフォームは、お客様が自社データからビジネス価値を引き出すのに役立ちます。このプラットフォームには、データベースとデータ管理、アナリティクス、アプリケーション開発とインテグレーション、およびインテリジェントテクノロジーが含まれています。SAPビジネス・テクノロジー・プラットフォームは、アプリケーションを構築、統合、および拡張するためのSAPの先進テクノロジーの集合体で、SAP HANA、SAP® Cloud Platform、SAP® Data Warehouse Cloud、SAP® Analytics Cloud、SAP® Intelligent Robotic Process Automationなどが含まれ、お客様のクラウド、オンプレミス、ハイブリッド環境のすべてに対応します。加えて、SAPビジネス・テクノロジー・プラットフォームはハイパースケーラーのテクノロジーとのシームレスな相互運用性を備えており、高いレベルの拡張可能性と柔軟性が確保されます。

第3四半期には、Hewlett Packard Enterprise社、Alpina Productos Alimenticios S.A社、Uniper社、ミュンヘン市などのお客様に、SAPビジネス・テクノロジー・プラットフォームとSAP Analytics Cloudソリューションをお選びいただきました。

SAPは最近、ガートナー社の「Magic Quadrant for Multiexperience Development Platforms(マルチエクスペリエンス開発プラットフォーム分野のマジッククアドラント)」、「Magic Quadrant for Enterprise Integration Platform-as-a-Service(エンタープライズ統合PaaS分野のマジッククアドラント)」の両方でリーダーに認定されました。

AribaおよびFieldglass
SAP® Ariba®は調達、注文から、請求、支払までのコラボレーティブコマース機能と専門知識を提供し、お客様が支出を最適化できるように支援します。何百万ものバイヤーとサプライヤーが直接費と間接費両方のカテゴリーでシンプルかつインテリジェントに取引ができる場です。SAP AribaプラットフォームにはQualtricsが組み込まれているため、エクスペリエンスが向上し、バイヤーとサプライヤーがネットワーク上で継続的にフィードバックをやり取りできるようになります。

SAP AribaとSAP Fieldglass®は、ConcurとともにSAPのインテリジェント・スぺンド・プラットフォームを構成しており、180カ国以上で行われるグローバルな商取引額が年間4兆1,000億ドルを超える世界最大のコマースプラットフォームです。

第3四半期には、Petrobras社、Siemens Gamesa社、Britvic Soft Drinks Ltd社、VELUX Group社、Rumo Logistica社などのお客様に、SAP Aribaソリューションをお選びいただきました。

SAP Fieldglassは外部人材管理とサービス調達の分野のリーダーです。企業が派遣社員やコンサルタント、フリーランスなどあらゆるタイプの外部人材を検索、採用、管理できるよう支援します。第3四半期には、97万5,000人以上の新規外部人材がSAP Fieldglassに追加されました。第3四半期には、Algar Telecom社にSAP Fieldglassソリューションをお選びいただきました。

Concur
第3四半期のConcurセグメントの売上は、COVID-19危機で出張が大幅に減った結果、消費ベースの取引売上が減少したことが原因で前年同期比14%減の3億5,700万ユーロ、固定通貨換算ベースで10%減でした。

Concurは出張管理、経費管理、請求書管理の統合ソリューションを提供し、これら毎日のプロセスをシンプルにして自動化します。SAP Concurモバイルアプリはすべての出張で従業員をナビゲートします。費用は手間いらずで経費精算レポートに入力され、請求書の承認は自動化されています。SAP Concur支出管理ソリューションは、ほぼリアルタイムのデータ統合、およびAIを使用した全トランザクションの監査によって優れた可視性を実現し、従業員主導型の支出を効率良く管理するのに役立ちます。

第3四半期には、Uber Technologies社、ブリヂストン社、Sysmex Europe社、慶応義塾大学などのお客様に、SAP Concurソリューションをお選びいただきました。

Qualtrics
第3四半期のQualtricsセグメントの売上は、前年同期比22%増の1億6,900万ユーロ、固定通貨換算ベースで28%増でした。

SAPはQualtricsで、エクスペリエンスマネージメント(XM)分野の市場リーダーシップと、25業種というエンド・ツー・エンドの業務力を統合し、企業が、顧客、従業員、製品、ブランドというビジネスの4つのコアエクスペリエンスを管理および改善できるように支援します。

Qualtrics XM Platform™は、12,000社を超える顧客企業から信頼されています。企業は、エクスペリエンスデータ(X-data™)をエンタープライズのオペレーションデータ(O-data™)システムと統合することにより、X-dataから顧客の声に耳を傾け、理解し、それに対応することができます。

第3四半期には、Transamerica Life Insurance Company社、Standard Chartered Bank、Lululemon Athletica社、ヤマハ発動機株式会社、Telefónica Mexico社など数多くの企業のお客様に、記録するためのシステムを行動するための新しいシステムに発展させ、画期的な成果を収めることを目的として、Qualtricsをお選びいただきました。

サービス

第3四半期のサービスのセグメントの売上は、前年同期比16%減の7億5,300万ユーロ、固定通貨換算ベースで13%減でした。コンサルティングプロジェクトの大部分は引き続きリモートで効率良く実施されており、SAPのプレミアムサービスも高い需要を維持している一方、特にSAPのトレーニングビジネスが、グローバルトレーニングセンターの再開が遅れている影響を受けました。

SAPは、SAPソリューションとイノベーションに深い知識を持つサービスプロフェッショナルで構成されるグローバルチームを配備し、企業が価値ある成果やエクスペリエンスを生み出してインテリジェントエンタープライズになれるように支援しています。

サービスの組織は、以下のサービスによってデジタル変革を目標とするお客様の価値実現までの期間を短縮します。

  • エンド・ツー・エンドでお客様をデジタルトランスフォーメーションへと導く、成果重視型のサービスと事前対応型のサポート
  • 提供とサポートを自動化するインテリジェントツール
  • 優れた業界プラクティスとプロセスに基づいてパッケージ化されたリファレンスソリューションが含まれるEmbeddedサービス
  • あらゆる環境で成功してきた大手システムインテグレーターとの価値あるパートナーシップ

 

2020年第3四半期の地域別業績

欧州・中東・アフリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで2%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで3%増となり、業績は回復の兆しを見せました。クラウド売上はIFRSベースで22%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで24%増となり、ドイツ、オランダ、スイスで特に顕著でした。ロシア、スペイン、スイスでは、ソフトウェアライセンス売上が好調な四半期でした。

南北中央アメリカ地域は、堅調な業績を達成しました。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで5%減、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは横ばいでした。クラウド売上はIFRSベースで4%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで9%増となり、ブラジル、カナダ、メキシコで特に好調でした。加えて、ソフトウェアライセンス売上では、カナダは堅調な四半期、ブラジルとメキシコは好調な四半期でした。

アジア太平洋および日本地域では、堅調な業績を達成しました。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで1%減、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは4%増でした。クラウド売上はIFRSベースで14%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで19%増となり、日本、シンガポール、および韓国で特に好調でした。ソフトウェアライセンス売上では、日本は堅調な四半期、オーストラリアとインドは好調な四半期でした。

 

2020年度の見通しの更新

2020年4月8日に発表されたSAPの以前の2020年通年の見通しは、COVID-19危機からの回復のタイミングとペースに関する最善の推測に基づいていました。この見通しでは、経済の再開が進み、ロックダウンが緩和されるとの想定の下に、第3および第4四半期に需要状況が徐々に回復すると結論づけていました。

企業が回復力と俊敏性の強化によってこの危機からの浮上を目指しているため、デジタル変革を推進するSAPのソリューションに対して引き続き強い関心が示されていますが、地域によってはロックダウンが再び実施されており、需要の回復は期待されていたよりも弱くなっています。同じ理由でSAPは現在、2020年中にSAP Concurの出張関連の売上が多少なりとも回復するとは予測していません。

そのため、SAPは2020年通年の見通しを更新しました。具体的には以下のとおりです。

  • クラウド売上は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで80~82億ユーロ(以前は83~87億ユーロ)
  • クラウドおよびソフトウェア売上は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで231~236億ユーロ(以前は234~240億ユーロ)
  • 総売上は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで272~278億ユーロ(以前は278~285億ユーロ)
  • 営業利益は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで81~85億ユーロ(以前は81~87億ユーロ)

予測可能性の高い売上の比率は約72%との見通しに変更はありません。

SAPは年初から現在までの好調なキャッシュフロー業績に基づいて、2020年のキャッシュフローの見通しを上方修正しました。現在の見通しは、営業キャッシュフローが約60億ユーロ(以前は50億ユーロ以上)、フリーキャッシュフローが45億ユーロ以上(以前は約40億ユーロ)です。

SAPの2020年通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。第4四半期および2020年度の為替の影響の見込みについては原文の表を参照してください。

2020年には、SAPは財務目標に加えて3つの非財務目標にも努力を傾けます。それはお客様のロイヤルティ、従業員のエンゲージメント、および二酸化炭素の排出量です。COVID-19危機の結果としてCO2排出量の多い事業活動が減ったことに伴い、SAPでは二酸化炭素の排出量が大幅に減少しました。それを受けて、SAPは現在、二酸化炭素排出量150キロトンを目標にしています(以前は238キロトン)。お客様のロイヤルティおよび従業員のエンゲージメントに関する2020年の目標は変わっていません。

中期的な目標の更新

以前にSAPの中期的な目標が発表されたのは2019年4月24日で、COVID-19危機の前でした。このたびSAPは、以下の要素を理由としてこの中期的な目標を更新します。

  • 最近の為替レート(2020年10月)の影響で、2019年4月以来、売上と営業利益が3~4パーセント減少している。
  • COVID-19パンデミックは、特に甚大な打撃を受ける業種では少なくとも2021年の前半が終わるまで、需要状況に影響を与えると考えられ、1~2年間はNon-IFRSベースのクラウド売上、総売上、営業利益などの主要な指標の達成を難しくする。
  • お客様のクラウドへの移行が加速し、ビジネスの変革がそれに続くという状況で、2025年までに220億ユーロ超という新しいクラウド売上目標が設定された。SAPは、この影響で2023年の営業利益率が、以前の中期的な目標と比較して約4~5パーセンテージポイント低下すると見ている。
  • SAPクラウド配信の統合を加速するために2021年と2022年には投資の段階的な増額が必要になり、Non-IFRSベースのクラウド売上総利益率約80%を2025年までに達成できると考えられる。

SAPがクラウド移行を迅速化する結果として、ソフトウェアライセンス売上は2020年の水準を下回る傾向が続くと見られます。

上記の要素の複合的な影響、および関連するビジネスモデルの切り替えがもたらす状況が原因で、今後2年間はNon-IFRSベースの総売上の増加が弱まり、Non-IFRSベースの営業利益は横ばいかわずかに減少すると考えられます。その時期が過ぎた2023年以降は、Non-IFRSベースの総売上が急激に上昇し、Non-IFRSベースの営業利益は2桁の増加を示す見込みです。

こうした変化を経て、SAPは2025年までに以下の状況に達すると予測されます。

  • Non-IFRSベースのクラウド売上が220億ユーロ以上
  • Non-IFRSベースの総売上が360億ユーロ以上
  • Non-IFRSベースの営業利益が115億ユーロ以上
  • 予測可能性の高い売上の比率が約85%にまで大幅に拡大

追加情報

今四半期の決算発表、および、そこに含まれるすべての情報は未監査のものです。

2019年の最初の9カ月間の比較数値には、Qualtrics社の売上および利益が買収日である1月23日以降分のみ含まれます。

主要な成長指標の定義

進行中のクラウドのバックログ(Current cloud backlogCCBとは、特定の基準日時点から12カ月間で見込まれる、契約で約束されたクラウド売上です。この指標はIFRS 15.120に従った全体の残存履行義務の構成要素です。CCBと見なされるのは、確約された案件のみです。事前の確約のない利用ベースのモデルと、基準日以降に成約した確約された案件は新規も更新も除外しているため、CCBは今後12カ月で見込まれるクラウド売上の下限と見なすことができます。この指標は成約した新規契約と既存契約の更新の両方を反映しているため、SAPが注力するクラウドビジネスにおいては、ある期間にわたってCCBの拡大が見られた場合、市場投入が成功していることを示す貴重な指標になると考えられます。

予測可能性の高い売上の比率とは、総売上に占める、Non-IFRSベースのクラウド売上とNon-IFRSベースのソフトウェアサポート売上の合計の割合です。

グローバルな商取引額とは、直近の12カ月間にSAP Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglassのネットワーク上で行われた取引額の合計です。SAP Aribaの取引額には、調達とソーシングの支出が含まれます。

以上

 

SAPについて
SAPはインテリジェントエンタープライズを基盤とするエクスペリエンス企業として、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアの市場をリードし、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えています。世界中の商取引売上の77%は何らかのSAPシステムを使用しており、SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、企業のビジネスを「インテリジェントエンタープライズ」に変革していくことに寄与しています。SAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan

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