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(本リリースは、4月23日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

サステナビリティは、永遠のビジネス課題です。

人々はますます環境について考慮するようになっており、環境への悪影響を最小限に抑えた製品やサービスを求めています。投資家は気候リスクをポートフォリオ戦略に組み込み、二酸化炭素の排出、廃棄物管理、製品設計、生産者責任に関する政府の規制は世界中で強化されています。さらに、環境に関する雇用者のポリシーや行動に対して声を上げる従業員が増え、環境に対する確かなビジョンと実績を持たない企業は優秀な人材を獲得することが難しい状況です。

Accenture社の調査*によると、環境、社会、ガバナンス(ESG)のパフォーマンスで高い評価を得ている企業は、ESG評価が低い企業と比較して営業利益はほぼ4倍、年間の株主利益総額は2倍となっています。Accenture社と国連(UN)グローバルコンパクトによる調査では、CEOの54%がサステナビリティは自社の将来の成功を大きく左右すると回答し、投資家の71%が気候変動に関連するリスクへの対応指針を定める動きがパンデミックによって加速すると回答しました。

ビジネスの中心へ
企業は、ESGパフォーマンスによって説明責任を示し、環境への責任を果たしながら業務全般を管理していかなければなりません。事業をインテリジェントに運営し、環境への悪影響を最小限に抑え、ERPの新たな指標を導入するには、ビジネスモデルを新しい視点から見直すことが必要です。意思決定者は、このインテリジェンスを活用することで、製品設計を改善し、魅力的なエクスペリエンスを生み出し、従業員を繁雑な業務から解放して彼らの能力を最大限に引き出すことができます。また、効率的かつ倫理的で、適応力の高いサプライチェーンを構築し、自社組織と一次サプライヤーの枠を超え、世界中の取引パートナーとともにパフォーマンスとリスクを積極的に管理することもできます。

ほかのコアビジネス機能と同様に、サステナビリティパフォーマンスもリアルタイムで管理し、より幅広いビジネス上の意思決定に組み込む必要があります。真の統合レポートを実現するにはESG管理が不可欠であり、さらに、情報を透明化することで業績とサステナビリティパフォーマンスを同時に最適化する強固な基盤が構築されます。

多くの企業では、ESGパフォーマンスを単に報告するだけの初歩的な段階から、高いサステナビリティ目標の達成に向けて事業運営全体を積極的に管理するという段階まで、長い道のりが待っています。UNグローバルコンパクトのSDG Ambitionプログラムは、企業に対して国連の持続可能な開発目標(UN SDGs)に対するコミットメントの強化を求めていますが、社会的、環境的なニーズに応じた目標を設定している企業は25%にすぎません。多くのCEOはより良く、より持続性の高い未来を世界的に実現するための行動喚起には賛同していますが、事業運営でサステナビリティを考慮している企業は半数にも達していないのが現実です

 発言を行動へ
UN SDGsを2030年までに達成するには、すべてのプロセスと製品のパフォーマンスをサステナビリティ目標に照らして測定して、管理し、それらの目標を達成する必要があります。これは、設計に関する主要な意思決定から製品ライフサイクル管理まで、企業のバリューチェーン全体で必須となる事項です。

SAPとAccenture社は、財務的観点だけではなく社会的、環境的な観点からも収支を明らかにする包括的な企業管理によって、経営上の意思決定が改善され、バリューチェーンの回復力が向上すると考えています。SAP S/4HANA®は、業務の効率化、総売上の向上、適応力の強化によって企業の最終的な収益性向上を支援します。企業は、SAP S/4HANAを使うことで、柔軟なビジネスモデルイノベーションを達成し、環境責任を透明化することができます。SAPとAccenture社の目標は、サステナビリティと収益性を結び付け、それにより持続的な収益力を実現することにあります。

これを達成するには、企業がサステナビリティを企業戦略およびコアビジネスシステムの中核に据える必要があります。SAPとAccenture社はこの考えに基づいて提携を進め、以下のような4つのサステナビリティ市場投入イニシアチブにおいてイノベーション、開発、サステナビリティの拡大に共同で取り組んでいます。

SDG Ambition:「行動の10年」における企業の行動促進
1つ目は、SDG Ambitionに関するUNグローバルコンパクトとのパートナーシップです。  2020年にダボスで開催された世界経済フォーラムで、3M社をPatron Sponsorに迎えて発表したように、SAPとAccenture社はSDG AmbitionのベンチマークとガイダンスUNGCアクセラレータープログラムによって公開しています。これには、システムレベルにおけるこれらの目標の実行方法や、SAPテクノロジーに基づく新機能の開発方法が含まれており、現時点ですでに600社を超える企業がこのプログラムに登録しています。

また、SAPとAccenture社は、サステナビリティの課題を解決し、既存のコアテクノロジーを強化することを目指し、共同で新しいSAPソリューションのイノベーションと開発を進めています。以下の3つの共同サステナビリティイニシアチブでは、新しいソリューションと既存ソリューションの両方が、それぞれ役割を果たします。

循環経済:廃棄物ゼロの経済に向けた行動
SAPとAccenture社のパートナーシップを駆動力として、企業のサプライチェーンにおけるマテリアルフロー管理を改善し、ビジネスプロセスの変革を進めることで、循環経済を加速させていきます。このイニシアチブの最初の取り組み領域は、消費財および小売業界の梱包分野で、とりわけSAP® Responsible Design and Productionソリューションの開発と提供が急がれています。再利用可能な製品を設計し、販売促進を行うことで、廃棄物を管理していくことが、循環経済の基本原則です。

脱炭素化:企業のゼロ炭素経済への貢献を支援
SAPとAccenture社は、特に天然資源、エネルギー、公益事業関連企業における二酸化炭素排出量の記録、分析、管理、および最終的な削減をサポートする、インテリジェントテクノロジーの提供に共同で取り組んでいます。二酸化炭素の排出総量を記録、管理できない企業は、競争力を失う可能性があります。Climate 21イニシアチブやSAP® Product Footprint Managementなどのソリューションは、企業が自社の分析アプリケーションやトランザクションアプリケーションに新たな成功指標としてサステナビリティを組み込み、企業単独ではなく、製品ライフサイクル全体のバリューチェーンを通じてリソースを最適化するERPやインテリジェントエンタープライズを実現できるように支援します。

スタートアップ:社会とビジネスの両面で良い影響をもたらすイノベーターとの連携
SAPとAccenture社は、それぞれのグローバルなイノベーションネットワークを活用し、気候変動対策アクション、炭素レポート、循環経済に関する課題の解決を業界の枠を超えて支援するサステナビリティにフォーカスしたスタートアッププログラムにより、スタートアップの育成と連携も進めています。また、スタートアップの高い創造力を生かして、サステナビリティに関する企業の主要課題の解決を支援します。

企業の「Twin Transformer」実現を支援
デジタルテクノロジーとサステナビリティを融合させることで、これまでにない価値が生み出されます。しかし、Accenture社が「Twin Transformer」と呼ぶ、この融合を達成した企業はまだわずかです。

今後は、サステナビリティの推進とテクノロジーの導入にリソースを分割するのではなく、サステナビリティの効果とテクノロジーの力を融合するイニシアチブにイノベーション投資を行う「Twin Transformer」が成功を収めていきます。新しいテクノロジーを活用しながら、新たな価値のソースを見出し、環境に優しい事業を推進する企業が、競争力を獲得します。

SAPソリューションがいかに現在の状況に即したものであるかは、日々お客様によって実証されています。SAPとAccenture社は、お客様が掲げる高いサステナビリティ目標の達成に向け、お客様とともに取り組んでいきます。

4月28~29日開催の「SAP Sustainability Summit」では、持続性の高い未来を共同で構築していくためのSAPのビジョンが発表されました。これについては、また改めてお知らせします。

ヤン・ギルク(Jan Gilg)、SAP S/4HANA 担当プレジデント
ピーター・レイシー(Peter Lacy)、Accenture 最高持続可能性責任者兼グローバル・サステナビリティ・サービス・リーダー
*出典:Arabesque S-Ray社による調査

以上

 

SAPについて
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