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(本リリースは、10月13日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2021年第3四半期業績の初期レビューの後、2021年9月30日に終了した第3四半期の予備財務業績を発表しました。

本発表の予備的な性質のゆえに、このリリースに記載されたすべての2021年の数値は概算値になります。

SAP Cloudの勢いで通年の見通しの上方修正が大幅に加速

  • 進行中のクラウドバックログが24%増(固定通貨換算ベースで22%増)
  • SAP S/4HANA®の進行中のクラウドバックログが60%増(固定通貨換算ベースで58%増)
  • クラウド売上が20%増
  • Non-IFRSベースの営業利益が2%増(固定通貨換算ベースで2%増)
  • 好調な第3四半期を背景に通年の売上および利益の見通しを上方修正

SAP CEO クリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「当社の戦略が機能していることは明らかです。お客様は、クラウドによるビジネス変革の推進にSAPを選択されています。当社のアプリケーションとプラットフォームの導入状況は過去最高を記録しています。その結果、当社のクラウド事業の成長が力強く加速しました」

SAP CFO ルカ・ムチッチ(Luka Mucicは次のように述べています。「主要財務指標がすべて素晴らしい四半期でした。SAPのトランスフォーメーションが力強く進展し続けていることがわかります。当社のクラウドビジネスが成長するペースは加速しており、その結果、通年の見通しが上方修正されました」

2021年第3四半期最新情報

世界中の企業が、パンデミックを原因とする激烈な変化、およびデジタルトランスフォーメーションを今後も推し進めるという方針を前提として、ますます切迫感をもって自社ビジネスモデルを再評価しています。SAPは、その明確に差別化された機能でお客様に選ばれています。SAPは、お客様による技術的移行の管理だけでなく、エンドツーエンドのコアビジネスプロセスの再定義および最適化も支援します。こうした専門知識は、さまざまな業界と地域にわたってあらゆる規模のお客様と協力してきたSAPならではの、業界別ベストプラクティスに関する比類ない知識に基づいています。この点は、市場の期待を上回った、SAPの好調な第3四半期の業績に反映されています。

「RISE with SAP」サービスの需要および導入が好調を維持しています。ビジネス変革を管理できるこのサービスは、増加する大企業のお客様を含め、あらゆる規模のお客様に選ばれています。この包括的なサブスクリプションサービスを導入するお客様の増加に伴い、ソフトウェアライセンス売上は予想通り減少しました。

クラウドポートフォリオ全体、特にSAP S/4HANA Cloudで、進行中のクラウドバックログが好調に増加しています。クラウド売上の増加も引き続き加速しました。

2021年度第3四半期の業績

進行中のクラウドバックログは、24%増の81億7,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで22%増でした。SAP S/4HANAの進行中のクラウドバックログは、Non-IFRSベースで60%増の12億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは58%増でした。クラウド売上は、20%増の23億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで20%増となりました。SAP S/4HANAのクラウド売上の増加は予想通り加速し、46%増の2億7,600万ユーロ、固定通貨換算ベースでは46%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、前年同期比8%減の6億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで8%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、7%増の59億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%増となりました。サービス売上は、前年同期比6%減の9億3,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%減でした。この減収は、主に2020年11月のSAP Digital Interconnectの売却によるものです。総売上は、前年同期比5%増の68億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで5%増となりました。

第3四半期の予測性の高い売上の比率は、前年同期比3パーセンテージポイント増の77%に達しました。

IFRSベースの営業利益は15%減の12億5,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は4.3パーセンテージポイント減の18.2%でした。これは株式報酬費用の増加(主にQualtricsに関連)によるものです。Non-IFRSベースの営業利益は2%増の21億ユーロ、固定通貨換算ベースでは2%増で、Non-IFRSベースの営業利益率は0.9パーセンテージポイント減の30.7%、固定通貨換算ベースでは0.7パーセンテージポイント減でした。営業利益には、SAPとDediq社が共同所有する専門の金融サービス業界ユニット、SAP Fioneerの立ち上げに関連する7,700万ユーロの売却益が含まれます。

1株あたり利益は、Sapphire Ventures社の引き続き好調な業績も含め、IFRSベースで10%減の1.19ユーロ、Non-IFRSベースで2%増の1.74ユーロでした。

Non-IFRSベースの調整

2021年第2四半期にSAPのNon-IFRSの定義が変更され2021年通年に適用されることになったため、SAPのIFRSベースの売上値の調整は行われなくなりました(2020年第3四半期=0億0万ユーロ)。この変更された定義、個々の調整済み費用カテゴリー、SAPがNon-IFRSベースの売上値を提供する理由、およびSAPのNon-IFRSベースの測定値の制限事項の詳細については、「Non-IFRS指標に関する説明(Explanation of Non-IFRS Measures)」をご覧ください。

第3四半期は、Non-IFRSベースの営業利益とIFRSベースの営業利益の差額に以下の数値が含まれています。

  • 1億6,000万ユーロ(2020年第3四半期=1億5,000万ユーロ)の買収関連費用調整額
  • 7億ユーロ(2020年第3四半期=4億5,000万ユーロ)の株式報酬費用調整額
  • -1,000万ユーロ(2020年第3四半期=-1,000万ユーロ)の構造改革費用調整額

2021年の見通し

SAPは、業績が好調であり、クラウド売上の成長が加速し続けると見込まれることから、2021年度通年の見通しを上方修正します。一方、ソフトウェアライセンス売上は、ミッションクリティカルなコアプロセスで「RISE with SAP」サブスクリプションサービスに切り替えるお客様が増えているため、通年で減少すると見込んでいます。この見通しにおいても引き続き、ワクチン接種プログラムの世界的な実施に伴ってCOVID-19危機が収束し続けると想定されています。

SAPの最新の見込みは以下のとおりです。

  • クラウド売上は、固定通貨換算ベースで94~96億ユーロ(2020年度=80億9,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで16%~19%増となる見込みです。前回の報告では固定通貨換算ベースで93~95億ユーロと見込んでいました。
  • クラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで238~242億ユーロ(2020年度=232億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで2%~4%増となる見込みです。前回の報告では固定通貨換算ベースで236~240億ユーロと見込んでいました。
  • 営業利益は、固定通貨換算ベースで81~83億ユーロ(2020年度=82億9,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで横ばいから2%減となる見込みです。前回の報告では固定通貨換算ベースで79億5,000万~82億5,000万ユーロと見込んでいました。

予測可能性の高い売上の比率が約75%に達する(2020年度=72%)との見込みについては修正していません。

SAPは引き続き、営業キャッシュフローは約60億ユーロ(2020年度=72億ユーロ)となり、フリーキャッシュフローは45億ユーロを超える(2020年度=60億ユーロ)と見込んでいます。

以上

 

SAPについて

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