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(本リリースは、5月17日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

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米国では、いくつかのブランドで乳児用ミルクが品不足に陥り、保護者の間で動揺が広がっています。また、何百マイルも離れた場所までミルクを探しに行かざるを得ない人や、何時間ものネット検索を余儀なくされている人もいます。このような事態にならないようにする方法があります。

SAPの見解

製造工場がダウンした場合、機械学習や予測計画などの新しいテクノロジーを備えた企業は、別の工場にオペレーションをすばやく切り替えて、大事に至る前に危機を回避することができる、と語るのは、SAPデジタルソリューションマネジメントのデジタル製造担当グローバルバイスプレジデントであるマイク・ラッキー(Mike Lackey)です。

「私たちは皆、おびただしい混乱の中にいます。この状況にどう対応するかによって、人々が将来パートナーを組む相手が決まります。この例は、現在、インダストリー4.0やスマートファクトリーの取り組みが大きく広がりをみせている理由を考える上で重要だと思います」と、ラッキーは述べています。

インダストリー4.0は、機械学習やセンサー検出など、製造産業の自動化システムやデータ交換テクノロジーに影響を与えます。このようなテクノロジーは、予測、解決、迅速な方針転換を可能にする柔軟なインテリジェントオペレーションへと製造を変革し、問題が起こる前の発見と対処を実現します。

そもそも、新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの混乱によって、乳児用ミルクの製造はすでにひっ迫していました。そこに、クロノバクターによる細菌汚染の可能性が、Abbott Laboratories社のSimilac、Alimentum、EleCareの各ブランドを製造する工場(米国ミシガン州スタージス)で発覚しました。このため、2月には製品リコールと工場の操業停止に追い込まれました。4月末までに、最も人気のある乳児用ミルクブランドのうち40%が全国で在庫切れとなりました。スタージス工場は、Abbott社で唯一、AlimentumおよびEleCareという消化器の弱い乳児のためのミルクブランドを製造する工場です。Abbott社は、乳児用ミルクの最大手メーカーです。

月曜日に、アメリカ食品医薬品局はAbbott社に製造再開を許可しましたが、同社は、製品が店頭に届くまで8週間かかると述べています。

しかし、このような事態にならないようにする方法があると、ラッキーは述べています。「製造工程で起きていることは、計画と結び付いている必要があります。需要計画だけが問題なのではありません」

今となっては、想定される、あるいはすでに起こってしまっているリスクシナリオに事欠くことはありません。病気、戦争、橋の落下、火事、洪水、その他聖書に出てくるような厄災に対しては、人間が考え、インプットできるシナリオの下で企業の事業継続を可能にするテクノロジーの必要性が強調されてきました。機械学習を活用し、業務データと運用データを結び付けると、企業は、あらゆるシナリオ向けに、材料、製造、サプライヤー、配送を調整することができます。

また、機械学習を利用すると、工場の問題が危機的になり操業停止に至る前に、問題を検出できるようになります。多くの自動車メーカーがこのような対応をとっています。
「計画があれば、こう言えたでしょう。『制御不可能な細菌汚染が発生しました。製造を停止する予定です。しかし、別の工場で製造しますので、48時間後には店頭にミルクをお届けします』」

生き残る企業とは、俊敏に対応できる企業、プロセスを自動化して混乱に対応できる企業、市場の状況に基づいて次の工場へと生産を切り替える企業、サプライヤーを変更してあらゆる災難に適応する企業だとラッキーは述べています。

彼が、このような危機は競合他社の参入も招くと述べたのが月曜日です。火曜日には、スイスを拠点とする第3位のミルクメーカーであるNestle社が、米国での在庫補充を支援するためにミルクを空輸すると発表しました。

「このような企業が、将来のリーダーを目指す企業です。これまでの方法でビジネスを継続する企業では、リーダーにはなりえません。今回の出来事は、多くの企業に警鐘を鳴らすでしょう。私たちの述べる産業の前進とはつまり、計画のレジリエンス(回復力)、サプライチェーンのレジリエンス、製造のレジリエンスなどのレジリエンス強化と、市場の状況に基づいて次の工場へと生産を切り替える能力の向上を指しているのです」と、ラッキーは述べています。

以上

 

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