SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第29回のインタビュイーは、Center of Expertise (CoE) Platform Japanの平山はづきさん。本業だけでなく、組織の活性化や若手への教育に熱心な平山さんの想いを伺います。

教育に関心を持った経緯や、活動内容を教えてください。

振り返って身に染みる、先輩社員の支え

 

「2015年に新卒でSAPに入社し、ITコンサルの部署であるCenter of Expertise(CoE)に配属されました。10年近く経った今、ある程度のことはわかるようになってきましたが、振り返ってみると『最初は本当に何も知らなかった』と実感しています。

例えば2年目の頃、SAP製品に関する機能紹介のワークショップをお客様に提供する機会がありました。私の勉強不足もあり、お客様の方がSAP製品に詳しく、レベルの高い質問にその場で答えられないこともありました。SAPのお客様には、長くご利用いただいている方もたくさんいらっしゃるので、すべてのお客様へ価値を提供することは簡単なことではありませんでした。

最初の3年間程度は、先輩とバディーを組んで仕事をしていたので、一人で大きな失敗することはありませんでした。ただ、その後一人でプロジェクトに参画するようになり、自分の裁量や責任が増えた際、自信が無い分、確証を得るためにテストを繰り返したり、ドキュメントを深く調べ直したり…。一つのタスクを完了するために今までの倍以上の時間がかかり、『こんなに先輩方に支えていただいていたのだなぁ』と痛感しました

Center of Expertise (CoE) Platform Japan Business Processes Consultant 平山はづきさん

SAP “STARプログラム”で、全社をあげて若い世代への教育改革を

 

自分自身が独り立ちに時間がかかった経験を通して、『後輩にはもっと早く自信をつけてもらうための手助けをしたい』と考えるようになりました。そのためには、一人ずつ現場で育成するよりも組織的に教育を施すことが効率的ではないかと考え、『STARプログラム』というSAP全社で行う学生向けのインターンシッププログラムに携わるようになりました。

通常の新卒採用では、限られた時間の中で採用可否を判断せざるを得ませんが、インターンシップであれば、学生の頃から時間をかけて知識をインプットしていただけます。学生にとっても就職先とのマッチングを見極められる貴重な機会になるため、双方にとって非常に良い機会だと思います。

プログラムに参画した当初は、採用方法やトレーニング内容、『どのように学生を評価するのか』、『どの時期に内定を判断するか』など、多くのことを考慮し検討していく必要がありました。私が教育を施すというより、教育プログラム自体の制度設計に取り組ませていただいたイメージです」

■STARプログラムについての詳細はこちらから:https://jobs.sap.com/content/sap-star/

自分が主導となり明るく前向きなカルチャーを広く仲間へ届けたい

 

「STARプログラムへの参画は、本業のITコンサルとは全く違う内容だったので、非常に新鮮でした。

プログラムにおけるグローバルチームのトップがドイツ人で、リージョンの様々な人材に対し非常にウェルカムな雰囲気で、とても明るく驚きました。『職場って、こんなに楽しく明るい雰囲気でも良いんだ!』と実感し、この事がきっかけで人とのコミュニケーションに興味を持ち始めました。

組織が明るければ、自分の意見を臆せずに言える。また『どんな考えを持っていても良いのだ』と思える空気を創れるのだと気づきました。そして、もっと前向きで明るい雰囲気を自分のITコンサル部署にも取り入れたいと思いました。

私は毎年後輩の教育係を担当していますが、可能な限り、新人とは壁を作らない努力をしています。新人の頃は、なかなか質問もしづらく、自分自身もそうでしたが、『全然理解していないと思われたくない』と思ったり、『こんなことを聞いて良いのかな?』と判断がつかなかったり。先輩社員に声を掛けにくいことが多いものです。

しかし、それでモヤモヤした時間が続いても何も良いことはありませんので、気軽に声をかけていただけるような関係性を作れるように心掛けています。

私が教育になぜ興味があるのかというと、自分にしか出せない独自の価値を提供できると考えているからです。技術面での貢献は、私より得意な人がたくさんいますが、コミュニケーション力を発揮できるこの分野では、私自身の強みを生かせると思っています。だからこそ、ここでやりがいや面白味を感じているのです」

Core Value活動を通してチームの絆を深める

 

「若手教育の分野とは別に、CoEジャパンチームの組織作りの一環として、Core Value活動にも取り組んでいます。

Core Valueとは、CoEのメンバーが迷った時に頼れる行動指針のことです。新型コロナウィルス感染症の拡大をきっかけに働き方が変わりました。若い世代は入社時からリモート勤務が当たり前で、シニアの方とはプロジェクトのイメージも全く異なります。メンバーにより仕事に対するイメージそのものがバラバラで、日常的に皆が孤立感を覚え、チームで働いている実感があまりない状況でした。

『そんな今だからこそ、より団結すべきだ!』という上層部の意向があり、この部署における行動指針を明文化しようというミッションが掲げられました。

このCore Value活動には、私と同世代のメンバーが指名されて取り組むことになり、始動して3年目になります。当初のメンバーは今も継続してリードしており、ミドルメンバーのリードスキルを高める機会となっています。

私はCore Value活動の中でも『Culture』というタスクフォースをリードしています。CoE部署の雰囲気・文化を再定義し、広めていくことを目的にしています。まず第一ステップとして『話しかけやすい雰囲気を作ろう』と考え、若手とシニアの垣根を越えて和気あいあいとした雰囲気を醸成できるような取り組みを推進しています。

例えば皇居ランをしたり、自己紹介スライドを各メンバーに作成・共有いただき、これまで他のメンバーと話したことが無くとも、お互いに理解し打ち解け易いように工夫したりしています」

世代間の交流を促し、SAPとしてさらに価値を発揮する

 

「CoEのメンバーは、もともと助け合いの精神が強い方たちばかりで、質問に対してはとても親切に答えてくれます。実はプライベートで面白い方も多いのですが、シャイな一面もあるので、もっと気軽に交流できる機会を作れたら、もっと声が掛け易くなり、サポートし易い雰囲気にも繋がると思います。

これまでの取り組みを通し、若手メンバーは元気になったような気がします。この活動の認知度も向上し、少しずつ浸透してきているという実感が、やりがいに繋がっているのではないかと思います。

組織内の交流が盛んになれば、結果的にSAPのお客様に提供するサービスのクオリティが向上します。シニアの方への質問のし易さのハードルが低くなれば、お客様へ回答する内容もより価値が高く確実なものとなります。また、シニアメンバーに質問をすると『こういう視点もあるのだ!』と新たな学びも得られるため、プラスアルファで価値のある情報を提供しやすい環境が作れると思います。それがお客様の評価に繋がれば、SAPにとっては非常に良いことだと思います。

私はちょうど中間的な世代なので、これからも自分が世代間の掛け橋になれればと思っています」

組織のカルチャーづくりにおいて熱い想いを語ってくれた平山さん。SAPでは産休育休を経て元の部署に復帰されています。仕事と子育ての両立を含め、SAPでの働きやすさについてはどう思われますか?

ライフステージの変化に応じた働きやすい空間

 

「SAPは産休・育休制度が非常に充実していると思います。産後の休暇は2か月ほど取得でき、給与保証される期間が長いため経済的にもメリットがあります。

新卒で入社した時点で、チームの3分の1ほどが女性でワーキングマザーが多く、最初から『出産後も働けるのだ』という印象でキャリアをスタートしました。コアタイム制なため、自分のやるべきことが出来ていれば、勤務時間は自分の裁量で柔軟にマネジメントできるため、ワークライフバランスがとれ非常に助かりました。

育休から復帰した直後は、上司にご配慮いただき、タイムラインに余裕のあるプロジェクトにアサインしていただきましたが、復帰後も育休前と同じ職種でフルタイムとして戻りました。

私の部署にはお子さんがいらっしゃる同僚が多いので、育休取得の状況を理解していただける環境があります。男性も育休を取得する方が増えていて、同じくSAPに勤務する私の夫も、私が産休に入るタイミングで7か月間の休暇を取得しました。皆が活用できる制度なので、あまりプレッシャーを感じることもなく、周囲からの理解を得られやすいと感じながら勤務しております

フレキシブルに働ける環境だからこそ、自分の想いを実現すべく多方面で活躍できるのですね!最後に、平山さんの今後の展望をお聞きします。

育てていただいたこの場所で、自分の強みを生かして恩返ししたい

 

総じて、私は自分の会社が好きです。SAPの製品を見ていても、とても誠実だなと思います。様々なことが考慮されて設計されておりし、お客様が『このような要件で設定したい』と要望される事は大体実現できるため、製品力も高い。社内でも、『このような改善をしてほしい』と正当な理由があれば開発チームは対応してくれるので、会社に対する信頼感も高いです。同時に、会社に守られている感覚もあるので、本当に良い会社で働けているなと実感しています。

ビジネスパーソンとしては、今のCoE部署においては技術力がベースになると思うので、引き続き、この領域でお客様に貢献していきたいと思います。一方、教育や組織作りなど、メンバー間のコミュニケーションの面において、私にしかできない分野で力を発揮しもっとお役に立てればと思います。

このCoEという組織には新卒からずっと所属していて、『ここで育てていただいた』という感覚を非常に強く抱いています。最初は何もできなかったし、初歩的な質問も何度もしていましたが、先輩方には本当に上下隔たりなく助けていただいたので、自分もめげることなく成長できました。だからこそ、このCoE部署に『恩返ししたい』という感謝の気持ちで一杯なのです。

自分も含め、一緒に働く皆さんが幸せになってくれたら本当に嬉しいですね。この部署だけでなく、お客様にも、SAP全体にも、自分にしかできない強みを生かしながら、これからも貢献したいと思います」

平山さんの尽力のおかげで、CoE部署や若手人材にとって、SAPはもっと働きやすく成長しやすい環境に変化していると思います。これからも良いカルチャーを広めるべき、多方面でご活躍されることを期待しています。

 

■SAPジャパンのキャリアサイトはこちらから:SAP Careers

■前回の記事はこちらから:LifeAtSAPJapan vol.28 SAPのAI活用事例(イノベーションサービス)