SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第30回のインタビュイーは、エンタープライズクラウド事業本部 シニアソリューションエグゼクティブの鮎川皓太朗さん。SAPの新たなソリューションであるSAP SignavioやSAP® LeanIX®の強みとその提供価値についてお話を伺います。

鮎川さんのお仕事の役割、そしてSAP Signavioについて教えてください。

SAP Signavioが今注目される背景

 

「私はSAPの営業として、日本の中堅中小企業を担当しています。SAP Signavioを通して実現するビジネスプロセス管理のモダナイズ(システムの現代化・最新化)や、SAPが掲げるインテリジェントエンタープライズ(データと技術を活用した企業の高度化)に向けて、主にSAP Signavioの拡販と、パートナー企業様とのアライアンス活動を促進しています。

SAP Signavioは、2021年にSAPが買収したソリューションで、業務プロセス管理を支援するパッケージ製品です。一貫した業務プロセスの透明性を向上させ、継続的改善を支援する基盤を提供し、ビジネストランスフォーメーションを促進します。

SAPがSAP Signavioに注力する背景には、大きく二つの要因があると考えています。

一つ目は、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代において、働き方改革やCOVID-19、地政学的リスクなど、予測しづらい環境変化が増していることです。二つ目は、ビジネスニーズ自体が変化していることです。多品種少量生産ニーズや突発的な変化など、多様なニーズが生まれるこの環境下で、企業が一貫したサービスを世の中に提供するためには、企業自体が柔軟性を高める必要があります。このために、エンドツーエンドで業務プロセスを把握し、適切にマネジメントすることがますます重要になっています」

ビジネストランスフォーメーション事業部 シニアソリューションエグゼクティブ 鮎川皓太朗さん

 

企業の機動力を高めるために ― ビジネスプロセス管理がなぜ重要なのか

 

「日本企業においての業務プロセスの可視化のレベルは様々で、お客様と会話する中では、業務プロセスを管理するファイルが古くなっていたり、属人化していたり、管理が煩雑化している、見る人によって理解が異なってしまうという課題をお伺いすることがあります。

企業が機動力を高めるためには、同じ言葉や同じ認識で関係者が正確に業務プロセスに関わる情報把握し適切なマネジメントを行い、次のアクションを検討し実行することが重要なのです」

 

これらの背景や企業の課題に対して、SAP Signavioが価値を発揮する点はどのようなところですか?

 

市場でもトップレベルのソリューションを活用し、DX化を加速する

 

「SAP Signavioを使用する最大のメリットは、DX(デジタルトランスフォーメーション)について、『どこから手をつけて良いかわからない』というお客様でも、地に足がついた議論ができることです。なぜなら、感覚値に頼らずに実際のデータを基に業務改善の優先順位付けと目標設定ができるからです。

SAP Signavioは、第三者評価機関からも高い評価を受けており、市場ではリーダーとして位置づけられています。SAP自体も、長らくSignavioを使って業務プロセスの標準化や可視化、改善を進めてきた事例があります。国内外の多くのお客様からも評価をいただいていますし、自信を持ってご提案できるソリューションです。

さらに、いまSAPの中で最も投資しているソリューションなので、製品開発のスピードも速いです。昨年2023年秋に買収完了したSAP LeanIXを含め、新たなソリューションをビジネストランスフォーメーションマネジメントのファミリーに迎えており、今後お客様に提供できる価値は他社と比べても圧倒的な成長速度を誇ります。

SAPにとっては、製品を売り切って終了ではなく、継続的にお客様の経営改善に寄与できるようになります。また、お客様にとっては、ERPを導入すること自体が目的ではなく、一番重要であるその後の継続改善に向けた基盤を整えることができます」

 

SAP LeanIXとSAP Signavioの役割の違いについて教えてください。

 

全方位でシステムのライフサイクルを徹底サポート

 

「SAP LeanIXは、エンタープライズアーキテクチャーマネジメント(EAM:企業全体のITとビジネス資産の統合管理)分野のリーダーとして位置づけられているソリューションです。例えばライセンスの期限、データの流れ、部門ごとのシステム使用状況などをすべて可視化します。現状のITランドスケープを視覚的に評価することで、ビジネス戦略と整合性の取れた最適なITアーキテクチャー構築に向けてナビゲートする役割を果たします。

SAPがLeanIXを買収した背景には、IT環境が複雑化に伴い、サイロ化(部門間の連携不足による情報やリソースの共有が欠如した状態)が起こり、個別最適が進む中で、古いシステムが残存したり、重複したIT投資が行われたりするなど、企業において様々な課題が見受けられたことが挙げられます。

これらの課題を解決し、ITに関わるリスクや運用管理コストの低減、ITのアジリティ(迅速かつ柔軟に対応する能力)向上を目指すためには、SAP LeanIXが必要不可欠であると判断したのです。

SAP Signavioは業務プロセスに関する情報の一元管理や分析、改善施策の検討や目標実績の把握を行うのに対し、SAP LeanIXはIT環境全体の透明性向上を担当します。

この両者を組み合わせることで、システムのライフサイクル全体をサポートし、経営戦略・ビジネスプロセスの可視化と管理を実現します。SAP LeanIXが加わったことで、SAP Signavioチームとして提供できる価値がさらに広がったと感じます」

 

システム導入はゴールではない!新たな価値を生み出すことが重要

 

「私は、前職ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のベンダーに勤務していましたが、多くのお客様がRPAを導入すること自体をゴールと捉えていました。つまり、RPAを導入して『年間2万時間を削減しました』と成果を掲げることが、DXの達成と考えられていたのです。

しかし、本当に重要なのは、その削減された2万時間をどう活用し、どれだけ高付加価値のある業務を生み出せたのか。あるいは、新規事業を立ち上げることができたのかという点です。つまり、いかにITの導入がビジネスの成長に繋げられるかが大切なのです。

従って、SAP Signavioをご導入いただくお客様には、将来的に売上のトップラインを伸ばしていただきたいですし、そのための支援を全力で行いたいと思っています」

鮎川さんが日々の業務において心掛けていることや、今後の目標を教えてください。

 

互いの強みを最大限に活かし、チームに指針を示すリーダーシップ

 

「仕事をする上で大事にしていることは、徹底的に準備をすること。お客様のことも当然調べますし、パートナー企業様の強みもきちんと理解するように努めています。

私は営業ですが、アライアンスマネージャーとしても動いています。多くの中堅中小のお客様へアプローチする際に、パートナー企業様との協業は不可欠です。パートナー企業様にも目標があり、達成すべき数字があります。そこに対していかに貢献できるかを常に伝えています。そうでなければWin-Winではなくただの押付けになってしまうからです。

パートナー企業様の強みとSAP Signavioの価値を掛け合わせて考えることが重要だと思います。ともに試行錯誤しながら、提供価値を高めるべく活動量と質を高めていくのは非常に楽しいです。

目標は、数年後にはマネージャーになることです。そして、その先には会社経営に携わりたいという想いもあります。SAP社内を見ていると、私より少し年上の方々がすでにマネージャーとして部門を牽引している姿があり、日々多くのことを学んでいます。彼らに追いつき、追い越していきたいと思っています」

 

最後に、SAPメンバーとしての誇りや、入社を検討している方へのメッセージをお願いします。

 

SAPを通じて、ビジネスの世界で日本企業をより強くする

 

「SAPはクラウドERPを中心としながら、SAP Signavioを含めてさまざまな業務アプリケーションを提供しています。SAPのメンバーとして、こうした先進的なソリューションをお客様に提供できることにやりがいを感じます。

『世界中のトランザクションの8割がSAPを介して行われている』と言われており、蓄積されたノウハウや知見をお客様に還元できることは素晴らしいことだと思います。また、こうしたナレッジや経験を通じて、日本企業の競争力を高めることに貢献できることを誇りに思います」

 

人を強くするカルチャーがここにある ― SAPに根付くメンバーを支える風土

 

「これまで私は、日本企業、アメリカ企業、イギリス企業と、様々な企業文化を経験してきました。そして現在、ドイツに本社を持つSAPに勤務していて実感するのは、一言で表現するならば、SAPは非常に優しい会社であるということです。

社員に対して支援を惜しまず、部門の垣根を越えて助け合う文化がしっかりと根付いています。上司も全力でサポートしますし、失敗しても次に活かそうとする前向きな姿勢が特徴です。クラウドカンパニーへの移行という転換期でも、この文化が揺らぐことなく確立している点が素晴らしいと思います。

SAPが提供できる価値は幅広く、お客様の経営に大きなインパクトを与えます。非常にやりがいを感じられると思うので、もし入社を迷われている方がいれば、ぜひ参画していただきたいですね。

ここには、自分のキャリアを自由に描ける環境が整っています。目指すキャリアを実現しながら、自分の価値を最大限に発揮できる場所、それがSAPです。自信を持ってお勧めできる会社です」

最新のソリューションを世の中に届けるべく邁進される鮎川さんの信念と、SAPに対する想いが伝わってきました!これからも多くの日本企業やパートナー企業を巻き込みながら活躍されることを期待しています。

 

■SAPジャパンのキャリアサイトはこちらから:SAP Careers

■前回の記事はこちらから:LifeAtSAPJapan vol.29 若手教育と組織文化の改革者