(本記事は、9月26日に本社で掲載されたものです)
今日のカスタマーエクスペリエンスにおける成功は、大規模なキャンペーンや単発の取引で測られることはほとんどありません。あらゆるインタラクションを構成する無数の小さな瞬間、瞬間の積み重ねで築かれるものです。質問への瞬時の回答、知的な洞察に基づいた提案、あるいはニーズが口にされる前にそれを察知する対応――そうした瞬間の積み重ねが組織を成功へと導きます。
こうした瞬間こそが、シームレスで記憶に残る体験、そして永続的なロイヤルティを生み出す礎となるのです。
SAP では、あらゆるタッチポイントは単なるニーズを満たす機会以上のものだと考えています。信頼を深め、生み出す価値を実証し、顧客と企業との関係を強化する機会になります。この考えこそが、AI の力を取り込んだ SAP® Customer Experience (SAP CX) ポートフォリオの中核を支えています。
2025 年第 3 四半期リリースはこのビジョンを体現するものになっています。インテリジェンスがカスタマージャーニー全体に組み込まれています。サービス担当者がケースを受信すると、瞬時に生成 AI が分類を開始します。コマース領域では、自律型エージェントがリアルタイム在庫を可視化し、顧客を適切な商品へと導きます。マーケティング領域では、AI がキャンペーンをパーソナライズして、セグメントの説明と翻訳を生成し、適切なターゲティングを大規模に実現できます。さらに営業チームにとって AI は、データをクリーンで実用的な状態に保ち、重複を排除し、適切なタイミングで適切なビジネスチャンスを提供してくれるものです。
AI は単に効率化のためだけのものではありません。あらゆるインタラクションを、信頼を深め、ロイヤルティを獲得できる瞬間へと昇華させることができます。
10 月 6 日~ 8 日開催の CX Connect at SAP Connect で、これらのイノベーションをご紹介します。同イベントでは、最新の AI を組み込んだ SAP CX ソリューションがどのようにオペレーションを最適化し、実践的なインサイトを創出し、カスタマージャーニーのあらゆる段階で魅力的なエクスペリエンスを提供できるのかを解説します。
以下、2025 年第 3 四半期の SAP CX のハイライトをご紹介します。
成果を生み出す AI
意思決定からカスタマーエンゲージメントまで、AI を活用したインテリジェンスとエージェントがプロセスを効率化し、フリクションを解消します。対象部門は迅速な対応能力を獲得し、よりスマートな対話を実現して、信頼性が高く、パーソナライズされスムーズなカスタマーエクスペリエンスを提供しながら、確信を持って企業を成長へと導くことができます。
SAP® Service Cloud
- ケースからのビジネス情報抽出:あらかじめ用意されているビジネス情報抽出用要素を使って、ケース説明から登録済み製品情報を自動抽出することで、時間を節約できます。

SAP® Sales Cloud
- 連絡先および個人顧客データの重複チェック:重複する連絡先および個人顧客データを管理し、正確でクリーンな記録を維持します。この生成 AI 機能は重複をチェックした後、信頼度スコアを返します。そして、最終判断は人間の手に委ねられます。
SAP® Emarsys
- AI 支援プロダクトファインダー:マーケティング担当者が自然言語プロンプトやキーワードを使用して、ターゲットキャンペーン向け商品を迅速に検索・特定できるよう支援します。自動商品カタログ同期により、常に最新データを利用できます。
- AI 支援セグメント説明生成機能:人間による読解可能なセグメント要約を生成します。この直感的で分かりやすい説明文により、既存セグメントを発見しやすくなります。
- AI 支援キャンペーン翻訳機能(パイロット版):編集ワークフロー内でメールキャンペーン文案を柔軟かつシームレスに翻訳。製品説明を多言語にローカライズし、多言語対応キャンペーンの迅速な構築・最適化・展開を実現します。

SAP® Commerce Cloud
- ショッピングエージェント:商品在庫検知機能を使って在庫データをリアルタイムで取得するショッピングエージェントは、おすすめ商品の紹介画面に在庫切れ情報を表示したり非表示にしたりできます。これにより、よりスマートなおすすめ商品の紹介が可能となり、購入時のトラブルやカート放棄を減らすことができます。B2B 取引では、ショッピングエージェントが大量購入の在庫状況に関する質問に回答できるかどうかを販売者側で設定することもできます。

SAP® Revenue Growth Management
- AI 支援プロモーション作成:プロモーション名、実施時期、対象商品、使用すべき支出タイプ、割引タイプの推奨を受けて、新しいプロモーションを迅速に作成できます。

より柔軟によりスマートに規模を拡大する
効率的な規模拡大を実現しつつ顧客に柔軟性を提供するには、業務の最適化、チャネルオプションの拡充、顧客とパートナーへの可視性の拡張が不可欠です。
SAP Emarsys
- Microsoft 広告の統合:Bing、Yahoo、AOL、その他の Microsoft サイトを含む Microsoft Search Network 全体にパーソナライズされた広告体験を拡大できます。
- LINE 向け対話型メッセージング(SAP Early Adopter プログラム):第 2 四半期リリースで WhatsApp への対応を開始しましたが、今期、人気の対話型チャネルである LINE へのサポートが始まります。これにより、マーケティング担当者は顧客と、彼らが日常的に利用するチャネルで直接つながることが可能となり、エンゲージメントをコンバージョンへと結びつけることが容易になります。
SAP Commerce Cloud
- セントラルオーダーサービス:この SAP Order Management 基盤向け機能は、オンラインとオフラインの取引をシームレスに統合し、「オンライン購入・店舗返品」(BORIS) や「店舗購入・オンライン返品」(BISRO) といった柔軟なカスタマーエクスペリエンス・シナリオを実現します。
- 在庫状況プッシュ機能:SAP® Order Management for sourcing and availability で、ウェブショップやマーケットプレイスなどの外部システムへリアルタイムの製品在庫情報を積極的に送信できるようになりました。これにより、リクエストの必要なく、最新の在庫情報を発信できます。
SAP® Sales and Service Cloud
- SAP Preferred Success:ビジネスプロセス管理 (BPM) マスタークラスを通じて、お客様の SAP への今までの投資を最大限活かせるよう支援します。この対話型ワークショップにご参加いただくことで、最大の効果を得るために最適化、外部委託、または廃止すべきプロセスを特定できます。さらに、必須プロセスの特定方法、役割と責任の定義、プロセスガバナンスに対する持続可能なアプローチについて学ぶことができます。
- 統合レビュー V2:SAP Sales Cloud and SAP Service Cloud Version 2 統合向けの包括的なソリューションローンチチェックリストは、ロールアウトの成功と SAP ベストプラクティスへの準拠をサポートします。このチェックリストは、認証メカニズム、インターフェース設定、ミドルウェア設定、および SAP Integration Suite の実装を体系的に評価します。
SAP® Enterprise Service Management
SAP Enterprise Service Management の更新内容は以下のとおりです。
- ケース概要強化:顧客についての追加情報を得るために、インタラクション概要内にセンチメントトレンドとセンチメントグラフを表示できるようになりました。内部/外部ケースノートを設定して、解決概要の生成に使用できます。
- カスタムサービス:コアアプリケーションを変更せずに柔軟性を高め、機能を拡張します。カスタムサービスにより、外部機能を SAP Service Cloud V2 に統合できます。
- テンプレートへのアクセス制限:あらゆる文書は信頼を築く機会でもあります。必要なユーザーのみにテンプレートへのアクセスを制限することで、文書のセキュリティを強化できます。
SAP® Revenue Growth Management
SAP Revenue Growth Management の新機能は以下のとおりです。
- カスタム KPI:アカウント/プロモーション計画のパフォーマンスをカスタム KPI で評価し、計画・報告プロセスに適した指標を追跡します。事前定義済みの標準 KPI セットを定義する KPI プロファイルを作成することで時間を節約できます。

- プロモーションカレンダーの PDF エクスポート:年間プロモーションおよび顧客との EDLP 合意事項をより適切に調整することで、不確実性の低減、コスト削減、関係構築を実現します。キーアカウントマネージャーは、プロモーションカレンダーと関連プロモーション情報を PDF ファイルで共有できるので、コラボレーションが容易になり、意思決定が迅速化します。
AI を活用したカスタマーエクスペリエンスが生み出す強い信頼性
今や AI は SAP CX ロードマップに組み込まれ、データ、プロセス、エクスペリエンスのさらなる融合を導いています。この深い統合は、新たなカスタマーエンゲージメントの時代を切り開く基盤となります。そこではインテリジェンスがニーズを予測し、リアルタイムでニーズに対応し、あらゆるタッチポイントで継続的にロイヤルティを強化できるのです。
2025 年第 3 四半期 SAP CX 新機能の詳細については、以下のサイトをご覧ください。
- Customer Experience Connect at SAP Connect
- SAP Commerce Cloud リリースブログ
- SAP Sales and Service Cloud Version 2 イノベーションブログ
- SAP Enterprise Service Management イノベーションブログ
- SAP Emarsys リリースブログとティザー動画
- SAP Revenue Growth Management ウェビナー
- ロイヤルティ革命:価値共創のためのビジネスアーキテクチャーの構築
- AI パイロットを超えて:インテリジェントなカスタマーエクスペリエンスの構築



