
SAPジャパン Talent Discoveryチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。
第35回のインタビュイーは、CS&Dアカデミーのトレーニーの栗原孝汰さん、Tran Mai(トラン・マイ)さん、鄭 淇元(テイ・キゲン)さん。3名の対談を通じて、アカデミーでのプログラム内容やその魅力をお伺いします。
CS&D アカデミーとは:
SAPのCS&D(カスタマーサクセス&デリバリー)部門が主宰する本プログラムでは、Project Manager(PM)・Technical Quality Manager(TQM)・Business Transformation Services(BTS)の3職種のいずれかで、しっかりとキャリアを築くために必要な基礎スキルを習得できます。SAPの会社概要・戦略・製品といった基本知識から、導入方法論、各種ミッション、OJT(On-the-Job Training)に至るまで体系的に学べるため、SAP製品に触れたことのない方でもゼロから成長できるよう設計されています。
プログラムはグローバルで統一されていますが、リージョンごとに編成されるため、APAC地域の各国の仲間と共に学んでいきます。参加者のバックグラウンドは様々で、SAP内で他職種を経験した社員もいれば、他社で数年の経験を積んだ後、このアカデミーを前提に選抜を経て中途入社した社員が大半を占めます。
通常の中途採用では即戦力としての活躍が期待されますが、本プログラムではまずアカデミーでしっかり学んだ上で実務に入ることができます。さらに、アカデミー出身者ならではの手厚いサポートが受けられることも、大きな魅力です。
まずは自己紹介とCS&Dアカデミーに参加されたきっかけを教えてください。
SAP未経験からでも挑戦できる ― CS&Dアカデミーの魅力
栗原:私はSAPジャパンに新卒で入社し、現在5年目です。社内異動の候補先としてCS&Dアカデミー生の募集があり、応募しました。 私はコンサルタントとしてキャリアをスタートしましたが、もともとPMを志望していたので、本プログラムは自分に合っていると考えました。
マイ:私は栗原さんとは違い、前職では外資系のITコンサルタント職を2年半ほど経験しました。以前からSAPに興味はありましたが、SAPのプロジェクト経験はありませんでした。ただ、このアカデミーは未経験者でも参加できるプログラムだったため、応募することにしました。私もPM職を目指しています。
テイ:私も転職でSAPに入社しました。新卒ではフランス系のIT企業に勤務していました。その時はMES(製造実行システム: Manufacturing Execution System)を3~4年間担当していたのですが、もっと多くの人が使うシステムに関わりたいと思うようになったことからERPに興味を持ち、SAPに応募しようと考えました。
当時はMESの経験しかなかったので、SAPに入社できたとしても実務でついていけるか不安がありました。そんな中、若手育成プログラムであるCS&Dアカデミーを知り、参加を決めました。現在はTQMを担当しています。

栗原 孝汰(くりはら こうた)さん CS&D APAC Regional D&I Early Talent JP
CS&Dアカデミーでは、具体的にどのようなことに取り組んでいますか?
グローバル研修とOJTで広がる、世界の仲間とともに学べる環境
マイ:このプログラムはAPAC共通の研修で、全体で大きく二つのパートで構成されています。
最初の3ヶ月は、APAC全体でオンラインでのクラスがあります。フィリピン、インドネシア、オーストラリアなどにいるエキスパートから、SAPが掲げる重要な戦略やSAPの様々な製品についてのレクチャーを受け、勉強しました。
APAC共通の研修が終了した後は、「ジョブローテーション」というOJT期間に入ります。一つのローテーションは3~6ヶ月で、アカデミーを卒業するまでには2~3つ程度のプロジェクトを実際に経験することできます。
テイ:アカデミーのフォローアップ体制としては、オーストラリアにいるAPAC担当者、OJTの担当者、自分のマネージャー、そしてメンターを交えての面談を毎月行っています。
栗原:面談では、基本的にアカデミーを卒業するまでのデベロップメントプラン、つまり自己開発計画をベースにして、「今月は何を実施したのか」「来月は何に取り組むのか」を共有します。
マイ:このプログラムはAPAC共通の研修であるため、グローバルのメンバーとの人脈も広がったと思います。アカデミー生同士のつながりを通じて情報を共有できるので、将来さまざまな面で仕事にも生かせると思います。
栗原:長くSAPで活躍してほしいと思える方々に入っていただくプログラムだと思いますし、その中でグローバルメンバーと長期的な関係を築けるのは強みだと思います。

鄭 淇元(てい きげん)さん CS&D APAC Regional D&I Early Talent JP
アカデミーで特に印象に残っていることは何ですか?
ケーススタディで学ぶプロジェクト推進力
栗原:APAC全体のクラスでは、ケーススタディの機会が2〜3回あります。10日間ほどみっちり取り組むのですが、最終的にはチームでソリューションプロポーザルをまとめて提案します。
各チームに対して点数を付けられ、グローバルのチームとも競い合う形式だったので、非常に大変でした。パワーポイント作成ひとつをとっても意見をぶつけ合い、マイさんとも夜遅くまで、時には土日も使って取り組んだことを覚えています。
マイ:私も研修で一番大変だと感じたのは、このケーススタディです。グローバルからの期待やプレッシャーも大きく、「良い成果を出さなければ!」という思いが強かったですね。
テイ:私は「大変だった」というよりも、新鮮な気持ちで取り組んでいました。APAC全体での研修だったので、さまざまな国籍の人が参加していて、まるでオンライン留学をしているような気分でした。
私はあまり意見を言えないタイプなので、海外の参加者は発言や質問を積極的にしていて、「こんなに自由に発言できるなんて、すごいなぁ。」と驚きました。
マイ:チームワークでは、意見が多すぎてなかなか方針が決まらず、長時間のミーティングになることもありました。誰かがリーダーシップを発揮して意見をまとめ、皆で決断することが大切だと痛感しました。
栗原:PMの立場から言うと、時間管理やスケジュール管理、リソース管理をどう考えるかが重要だと思いました。プレゼン準備の時間は限られていますし、各個人の強みも違います。パワーポイントが得意な人、話すのが得意な人など、それぞれの資源を最適に割り振ることを考えながら取り組むことが大事だと思います。
テイ:さらに言えば、大変な課題に取り組むときこそ、チームの雰囲気を良くすることも大切だと感じました。ときには冗談を言って場を和ませることで、楽しく取り組めるように努めることも、私たちの役割だと思います。

アカデミーを通じてどのような気づきがありましたか?
SAP流のプロフェッショナルマインドを養う
マイ:前職での経験を通して、今までシステム開発は「一から作る」という考え方でしたが、SAPに入社してからは、「標準のベストプラクティスがあり、それをベースにお客様のニーズに合わせていくこと」が大事だと考えるようになりました。
前職では、毎回システムのバージョンアップをすると様々なバグが発生していたので、SAPが目指す方向性はとても正しいと感じます。
テイ:SAPが推奨する「なるべくカスタマイズはしない」という考え方は、最初は私にとってすごく難しく感じました。特に日本はアドオン開発が強い文化があり、工場などの現場からは個別開発の要望が多く寄せられるので、遂行するのは大変なことです。
ただ、SAPでは「クリーンコア」などの概念がきちんと整えられており、実際に私たちTQMやPM、ソリューションの担当者がその考え方をお客様に伝え、成功できている現状はすごいと感じます。

Tran Mai (とらん まい)さん CS&D APAC Regional D&I Early Talent JP
CS&Dの3つの職種、それぞれの役割の違いは何ですか?
CS&Dの3職種、それぞれの使命と連携とは ― BTS・PM・TQM
栗原:まずBTSは、導入プロジェクトが本格的に始まる前の段階で関わることが多いです。お客様のマインドセットやチェンジマネジメントといった領域にも関わることが特徴だと理解しています。
その後、SAP製品の導入が始まったプロジェクトについては、SAPがプロジェクト進行の主体となる場合はSAPのPMが主導し、SAPのパートナー企業が主導する場合はTQMが入ってパートナー企業と協力しながら、お客さまの円滑なプロジェクトの進行を支援する※という役割の違いがあります。(※ お客さまがPremium Engagementsを購入した場合、製品提供元だからこそ保有している知見や技術をTQMがリードしてアドバイスを提供します)
テイ:パートナー企業はSAP製品や考え方をすべて理解しているわけではなく、ときにはアドオン開発を勧める場面が多くなる傾向があります。そこで私たちTQMがSAPの概念を正しく理解してもらえるようサポートをします。
CS&Dアカデミーへの応募を検討している方へ伝えたいことは何ですか?
アカデミーだからこそ得られる実践的な経験と深い学び
マイ:私はSAPの経験がなかったので、始まる前は本当についていけるのか不安でした。けれども、この半年間でたくさんのことを勉強させてもらい、少し自信がつきました。SAPの経験がなくともついていけるこの研修は貴重だと思います。
テイ:通常、中途入社の方は、人手が足りないといきなり実際の案件に入ることもあります。しかも、TQMというポジションは世の中に一般的に存在する職種ではないので、ベテランの中途入社の方でもTQMとしてどう進めればいいか分からず困っている方がいるのを見かけます。
一方、私たちはOJTとして1年間しっかり実務を学べるので、先輩から案件の進め方を学べることはもちろん、さまざまなお客様やパートナー企業の進め方も学ぶことができます。
栗原:「TQMは世間で一般的にはあまり知られていない」という話がありましたが、PMも同様です。「PM」という役職名としては一般的に存在しますが、SAP導入のプロジェクトとなると、これまでにほかのPM経験がある方でも、SAPのPMを務めるのは難しいことが多いです。この点を踏まえながら、SAPの戦略や製品の特性をOJT形式で学べることは、大きな強みだと思います。

今後の展望、そしてSAPへ入社を検討している方々へのメッセージをお願いします。
信頼を勝ち得るSAPパーソンを目指して
マイ:日本で仕事をする上では特に、「信頼」がとても重要だと思います。将来的に、信頼されるリーダーとしてお客様へさまざまな価値を提供できる存在を目指したいです。
テイ:本当にマイさんのおっしゃる通りです。お客様からも同僚からも「この人なら信頼できる」と思っていただけるような存在でありたいです。その上で、気軽に相談してもらえるような人になりたいですね。
栗原:先輩から教わった言葉に「ラストマンシップ」というものがあります。いざというときに最後まで責任を持つ姿勢は、PM職に特に必要だと思います。そうした姿勢を持ち、社内外の関係者から信頼を得られるビジネスパーソンになれたらと思っています。
主体的に挑む人こそ、成長が加速する
マイ:SAPは非常に柔軟性のある会社だと感じています。「これをやりたい」と手を挙げれば、必ずチャンスや道が広がります。本当に良い会社だと思いますし、ERPやクラウド製品に興味がある方にはぜひお勧めしたいです。
栗原:マイさんが触れたように、志や目標を持っている人に対しては、SAPは親身になってサポートを提供してくれる会社です。自分の意志がきちんとある方にチャンスが広がる会社ですし、CS&Dアカデミーもお勧めしたいプログラムだと思います。
テイ:自分から能動的に動ける人にとっては、とても向いている会社だと思います。受け身ではなく、自分から積極的に動きたいという人に是非入ってもらいたいですね。

皆さんの成長意欲、そしてCS&Dアカデミー生として多様な学びを得られることの魅力が伝わってきました!今後、たくさんのプロジェクトで皆さんが活躍されることを期待しています。
【CS&Dの各職種について】
TQM(https://jobs.sap.com/job-invite/433661/)
PM(https://jobs.sap.com/job-invite/433664/)
BTS(https://jobs.sap.com/job-invite/433474/)
■SAPジャパンのキャリアサイトはこちらから:SAP Careers
■前回の記事はこちらから:LifeAtSAPJapan vol.34クラウド時代の最前線に立ち、世の中を変えていく!パブリッククラウドのプロが語るSAPの使命とは



