(本記事は、1月15日に本社で掲載されたものです)
最近のホリデー・ショッピング・シーズンは、人々とブランドとの関わり方における大きな転換を象徴するものとなりました。従来の検索から、単に質問に答える以上の役割を果たす対話型エージェントへと移行しつつあるのです。これらのエージェントは、ユーザーの意図を先読みし、情報の検索、選択肢の要約、アクションの実行、そしてタスクの完結に至るワークフロー全体をオーケストレートします。
こうした変化は、単なる消費者のトレンドに留まりません。あらゆる業界において、お客様とのエンゲージメントモデルそのものを再構築しています。
2025年第4四半期SAP® Customer Experience(SAP CX)の最新リリースは、カスタマーサービス向けに新たな標準エージェントを搭載し、さらに Joule Studio を用いてカスタムエージェントを容易に構築できるようにすることで、お客様の変革をさらに加速します。さらに、予測セグメンテーションや AI 支援レポーティングといった AI 機能により、計画策定や意思決定のスピードが向上し、未来に備えるビジネスの基盤づくりを力強く後押しします。
SAP CX アプリケーション全体で WalkMe Premium が利用可能になったことで、現場のチームは、リアルタイムのガイダンスを通じて、速やかにスキルの習得や再習得を行えるようになります。また、SAP® Customer Loyalty Management は、新たなエンゲージメントモデルを次のレベルへと引き上げ、企業がお客様との関係性を強化し、長期的な成長を推進できるよう支援します。
2025 年第 4 四半期リリースの主要ハイライトをさらに詳しくご紹介します。
標準エージェントとカスタムツールによる、より優れたカスタマーエンゲージメント
SAPによって、カスタマーエクスペリエンス (CX) アプリケーション、データ、そして AI が SAP® Business Technology Platform 上で一つに統合されます。課題対応であっても、在庫管理であっても、SAP® ERPに接続された CX アプリケーションは、プロセスを円滑に進めます。さらに AI エージェントは、コアプロセスの中で自ら推論し、実行することで、ビジネスを一段上のステージへと引き上げ、複雑な状況を明快なものへと変えていきます。そうした中で、極めて重要な領域の一つとなるのがカスタマーサポートです。
- デジタル・サービス・エージェント:必要なナレッジを瞬時にお客様の手元へ届けることで、迅速かつ正確なセルフサービスを実現します。定型的な問い合わせを自動で解決し、複雑な質問には AI が対応。必要に応じて有人エージェントへスムーズに引き継ぐことで、コンタクトセンターの負荷を軽減しながら顧客満足度を向上させます。
デジタル・サービス・エージェントをショッピングエージェントと組み合わせれば、商品の発見や決済から購入後のサポートまで、カスタマージャーニーのすべてを 1つの対話型 AI で完結させることができます。お客様は、摩擦のない対話の中で、質問し、回答を得て、購入を完了できます。これら 2つのエージェントが連携することで、エージェンティックコマースとインテリジェントなサービスが実現します。それは、お客様との関係を強化し、他社とは一線を画す、真に際立った体験を届けることにつながります。

- Joule スタジオのエージェントビルダー:SAP® Customer Experience Cloud アプリケーション向けに、ビジネス仕様のカスタム AI エージェントを、複雑な工程なく迅速に構築できます。SAP Build の一部である Joule スタジオは、ローコード/ノーコードの強力な開発環境をエンジニアに提供します。これにより、AI エージェントの作成やデプロイ、さらには Joule、SAP CX アプリ、サードパーティ製システムとのシームレスな連携までが可能になります。これらのエージェントは、SAP CX や SAP® Knowledge Graph、非SAPシステムのエンタープライズデータに基づき、情報検索やタスクの遂行、さらには自律的なアクションの実行を担います。
例えば、過去の購買履歴を瞬時に取得し、購入パターンを分析した上で、最も関連性の高い製品やオファーを推奨する販売アシスタントエージェントを構築することができます。これにより、営業チームはコンバージョン率を高め、販売サイクルを短縮することができます。Joule スタジオを有効化し、AI エージェントの構築、テスト、デプロイを開始する方法については、こちらをご覧ください。
AI を活用したガイダンスで、インサイトと従業員スキルを強化
AI はもはや選択肢の一つではなく、よりスマートで迅速なカスタマーエンゲージメントを支える原動力です。デジタルエクスペリエンスの基準が高まる中、お客様はあらゆるやり取りにおいて、スピード、パーソナライゼーション、そしてシンプルさを求めています。こうした期待に応えるためには、単なる自動化だけでは不十分です。組織全体で拡張できるAI駆動のたインサイトとスキルが求められています。
- SAP CX ソリューション向けWalkMe Premium:SAP は、SAP CX ソリューション向けの WalkMe Premium を通じて、AI スキル習得をCXアプリケーションの中核に組み込んでいます。このソリューションにより、従業員はよりスマートに働き、より早く学べるようになり、初日からより良い成果を生み出せるようになります。リアルタイムかつ役割ベースのガイダンスと自動化により、SAP® Commerce Cloud、SAP® Sales Cloud、SAP® Service Cloud、SAP® Enterprise Service Management全体で、チームは複雑さを抱えることなく SAP CX ソリューションの可能性を最大限に引き出すことができます。

- AI支援レポートビルダー:SAP® Emarsys でカスタムレポートや比較分析を簡単に生成でき、キャンペーンやお客様に関するインサイトを瞬時に把握できます。
- 公益事業における生成 AI を活用した消費量サマリー:SAP Service Cloud のサービス担当者が、需要場所の主要な消費傾向を迅速に把握できるようになります。消費量グラフを AI が要約することで、担当者は使用量の変動や異常値、重要なパターンを直ぐに特定でき、公益事業のお客様への迅速なトラブル解決を支援します。
- ボリューム・パイプライン・マネージャ:SAP Sales Cloud において、販売パイプライン全体の健全性をチェックし、販売数量や成約確度スコアに基づいて案件を照会できます。
- プロモーションおよびアカウントプランの設定:SAP® Revenue Growth Management では、プロモーションタイプやアカウントプランタイプを設定し、適用範囲、階層、支出、およびベースライン管理を定義することができます。これにより、柔軟なプランニングが可能になり、将来的な間接プロモーションにも対応できます。

- エンゲージメントイベント:SAP Emarsys において、外部データソースからインバウンドイベントを取り込むことができます。これにより、カスタマージャーニー全体を通じて、セグメンテーションやパーソナライゼーションをさらに強化することが可能です。
- モバイルプッシュ向け予測 AI セグメント(パイロット版):SAP Emarsys で予測AIセグメントを活用し、コンタクトの行動、ステータス、チャネルの好みに基づいて、エンゲージにつながる可能性の高いオーディエンスにアプローチできます。

SAP Customer Loyalty Management で永続的なつながりを築く
顧客ロイヤルティは、単なる指標ではなく、長期的な成長を支える戦略です。お客様の期待が高まる中、企業には、意味のある持続的な関係を構築できるソリューションが求められています。SAP Customer Loyalty Management は、パーソナライズされた体験の提供、お客様の信頼に応える施策、そしてあらゆるタッチポイントでのエンゲージメント強化を支援し、日々のやり取りを長期的な関係へと育みます。
- SAP Customer Loyalty Management: SAP Customer Loyalty Management は、AI によるインサイトを活用し、動的でクラウドベースのロイヤルティプロファイルに顧客データを収集・統合できるようビジネスを支援します。これらのプロファイルは、個々の動機に関する深いインサイトを提供し、よりスマートなセグメンテーションや、高度にターゲットされたマーケティングキャンペーンを可能にします。統合プラットフォーム上でのグローバルプログラムの管理から、戦略的アライアンスの形成やインパクトを最大化するための施策拡大まで、SAP はロイヤルティを、持続的なエンゲージメントと成功につながる測定可能で強力な原動力へと変革します。さらに SAP Customer Loyalty Management は、SAP Service Cloud および SAP S/4HANA Cloud Private Edition との連携により、この変革をより迅速に実現します。

SAP とともに、エンゲージメントの未来へ
エンゲージメントのあり方は、これまでになく急速に変化しています。
SAP の 2025 年第 4 四半期のカスタマーエクスペリエンス領域におけるイノベーションは、この変化をあらゆるレベルで先取りするものです。SAP CX は、企業が従来の受動的なアプローチから脱却し、能動的かつパーソナライズされた体験を提供できるよう支援します。
こうした新しいモデルを企業全体に取り入れ、エージェンティック AIと人間の知性や創造性を融合させる企業は、顧客ロイヤルティと成長の新たなスタンダードを築くことになるでしょう。
2025 年第 4 四半期の SAP CX 詳細情報
これらの新機能を使い始めるにあたり、SAP Help のドキュメントをご参照ください。
- SAP Commerce Cloud:新機能
- SAP Sales Cloud:新機能
- SAP Service Cloud:新機能
- SAP Enterprise Service Management:新機能
- SAP Emarsys:新機能
- SAP Customer Loyalty Management について
- SAP イノベーションガイド
バラジ・バラサブラマニアン (Balaji Balasubramanian) は、SAP Customer Experience および消費財業界担当プレジデント兼最高製品責任者です。


