(本記事は、2月4日に本社で掲載されたものです)
公平で透明性の高い給与体系や報酬制度を備えた企業ほど、従業員からより大きな信頼を得られ、ブランド評価も高まることは、今や広く知られています。最新のMercer Global Pay Transparency Report によると、求職者や従業員が、組織内でどのように報酬が決定されているかを明確に理解している場合、その企業では一般的にエンゲージメントの向上、生産性の改善、さらに優秀な人材の獲得と定着の強化が見られると報告されています。
これまで、多くの企業はそれぞれのペースで給与の公平性に取り組んできましたが、EU 全域の企業において給与体系や報酬制度、そして職場文化を再定義する新たな時代が始まろうとしています。2026 年に EU 加盟国で施行される「EU 給与透明性指令(EU Pay Transparency Directive / EU Directive 2023/970)」は、EU 法で定められた「同一労働または同一価値労働に対する同一賃金」の原則を一段と強化するものです。これにより企業は、透明性の高い給与制度の導入と男女間賃金格差の是正が求められ、違反した場合には法的・財務的な制裁を受ける可能性があります。
SAP SuccessFactors® HCMは、EU の給与透明性要件への対応に不可欠な、データに基づく重要なインサイトを一元的に提供する基盤となります。本日 SAP は、EU 各国における要件対応をさらに容易にする新機能を発表しました。
2026 年上半期に提供開始予定の EU Pay Transparency Insights は、SAP® Business Data Cloud (SAP BDC) のピープルインテリジェンスのパッケージに含まれる新機能です。これは AI を活用したインテリジェントなアプリケーションであり、リーダーがより適切な意思決定を行えるよう、即戦力となるインサイトを提供します。EU Pay Transparency Insights により、企業は報酬の分析、例外値の特定、および給与格差への対処が可能になります。これにより、報告要件を満たすと同時に、真の給与の公平性を実現することで得られる、人材面やビジネスパフォーマンスへのメリットを引き出すことができます。
すべての雇用主が満たすべき 3つの要件
― SAP SuccessFactors HCM による支援
EU 給与透明性指令は、職場における報酬制度に関して、ここ数十年で最も大きな変革のひとつです。 この要件を満たすためには、企業は現在の人事データ管理能力やプロセスを見直し、今すぐに計画を開始する必要があります。各加盟国は 2026 年 6 月までに指令を国内法として整備することを求められており、一部の義務はすでに適用されている国もあります。その他の義務についても、国内法の制定とともに順次施行される見込みです。また、賃金格差の報告期限は企業規模によって異なり、従業員 150 名以上の雇用主は 2026 年の人材データに基づき、2027 年から報告が開始される ため、企業は早急な準備が求められます。
SAP SuccessFactors HCM は、この指令で求められる 3 つの主要要件(男女間賃金格差の報告、従業員への給与情報の透明性、採用候補者への給与情報の透明性)に対応するうえで、企業を強力に支援できる独自の優位性を備えています。すでに利用可能ないくつかの機能に加え、2026 年上半期には EU Pay Transparency Insights を通じて、男女間賃金格差の報告に向けた高度な分析機能も提供される予定です。
1. 男女間の賃金格差の報告
国内法が整備され次第、雇用主はあらかじめ定められたスケジュールに従って、男女間の賃金格差を公表することが義務付けられます。また、5%以上の格差が認められる場合には、その理由を説明するか、共同給与アセスメントを通じて是正措置を講じる必要があります。 SAP BDCのピープルインテリジェンスに含まれる EU Pay Transparency Insights を活用することで、企業は豊富なワークフォースインサイトにアクセスし、報酬データの分析や賃金格差の要因特定を行うことができます。これにより、組織内の公平性を一元的に把握し、具体的な改善アクションにつながるレポートを作成するための情報を得ることができます。

2 . 従業員に対する給与の透明性
本指令により、従業員は同等の職務に従事する男女別の平均給与水準に関する情報を請求する権利を持つようになります。SAP SuccessFactors HCM の強力なドキュメント生成機能を活用することで、雇用主は従業員向けのセルフサービス型の情報提供を実現できます。従業員は、SAP SuccessFactors Employee Central から自らの給与透明性通知を直接確認 でき、この通知には本人の年間給与に加え、男女別に分解された同一職種カテゴリーの平均給与が明確に示されます。

3. 採用における給与の透明性
雇用主は、求人広告内、または面接実施前に給与レンジを開示することが義務付けられます。また、応募者に対して過去の給与履歴を尋ねることは禁止されます。
SAP SuccessFactors® のソリューションは、SAP SuccessFactors® Recruiting や SmartRecruitersなどの採用ソリューションを通じて掲載される求人情報に給与レンジを直接表示できるようにすることで、採用プロセス全体の給与透明性を高めます。

これらの SAP SuccessFactors の機能に加え、SAP は広範なパートナーエコシステムと連携し、同一労働同一賃金(ペイ・パリティ)および給与透明性の強化に向けた取り組みを継続して支援しています。
責任あるリーダーシップを発揮する機会
EU 給与透明性指令は、企業が給与を管理し開示する際の説明責任において、新たな基準を確立するものです。早期に準備を進め、SAP とパートナーシップを築くことで、企業は透明性の高い報酬インサイトを提供できるようになります。これにより、従業員は自身のトータルリワードやキャリアパスを明確に把握でき、人事担当者は自信をもって一貫性のある測定可能な意思決定を行えるようになります。 SAP は、絶え間ないイノベーションと信頼性の高いローカルの専門知識を通じて、企業が変化に柔軟に対応し、EU 全域で給与の公平性に向けた持続可能かつ従業員中心のアプローチを構築できるよう支援します。
SAP SuccessFactors HCM が EU 給与透明性指令へのコンプライアンス維持にどのように役立つかについては、ウェビナー 「Ready on Day One: Confidently Navigate the EU Pay Transparency Directive(施行初日から万全に:EU 給与透明性指令に自信を持って対応するために)」 をご覧ください。
ダン・ベック (Dan Beck) は、SAP SuccessFactors のゼネラルマネージャー兼最高製品責任者です。


