統合AIプラットフォーム「SAP® Business AI Platform」と「SAP® Autonomous Suite」により、組織横断での自律的な業務遂行と競争力向上を支援
SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:堀川 嘉朗、以下SAPジャパン)は、ビジネスデータと業務プロセスに基づき、AIエージェントが組織横断で業務を自律的に支援・遂行する新たな企業変革ビジョン「Autonomous Enterprise(自律型エンタープライズ)」を発表しました。今回の発表には、企業がAIを本番業務で活用するための統合AIプラットフォーム「SAP® Business AI Platform」や、主要なSaaSアプリケーション群にAIエージェントを組み込む「SAP® Autonomous Suite」、業界固有のプロセス知識やデータモデル、規制ロジックを組み込むIndustry AIなどのソリューションと、RISE with SAPやSAP® GROWを通じて企業の移行を支援する変革アプローチが含まれます。SAPジャパンは、生成AI活用を実証実験や個別業務の効率化にとどめず、全社的な業務変革へ広げることで、企業の持続的な成長と競争力の向上を支援します。
SAPとOxford Economicsが実施した最新調査によると、企業によるAI投資が拡大する一方で、AIを業務変革や経営成果につなげるには、データ品質、業務プロセス、人材、ガバナンスの整備が課題であることが示されています。特に、AIエージェントを本番業務で活用するには、AIが企業固有の業務文脈を理解し、安全に管理・運用できる仕組みが不可欠です。
今回発表したプラットフォームおよびソリューション群は、SAPが50年以上にわたり培ってきた業務プロセスの知見および、ERPを通じて管理される業務データをAIと結びつけるものです。企業の実際の業務データ、プロセス、アプリケーション、ガバナンスにAIを組み込むことで、業務の文脈に即した、信頼性の高いAI活用を支援します。
統合AIプラットフォーム「SAP Business AI Platform」の発表
SAPジャパンは、AIエージェントを企業の本番業務で安全かつ効果的に活用するための基盤として、「SAP Business AI Platform」を発表しました。本プラットフォームは、SAP® Business Technology Platform(SAP BTP)、SAP® Business Data Cloud(SAP BDC)、およびAI Foundationを統合し、業務データやプロセスの文脈を理解したAIエージェントの開発と、ガバナンスの効いた安全な活用を支援します。
SAP Business AI Platformは、「開発」「コンテキスト・推論」「ガバナンス」の3つの領域で構成されています。開発領域では、Joule Studioを通じて、開発者や業務部門のユーザーがAIエージェント、アプリケーション、ワークフローを構築できます。コンテキスト・推論領域では、SAP® Knowledge GraphやSAP BDCを活用し、AIエージェントが業務データの意味やプロセス上の関係性を理解できるようにします。ガバナンス領域では、SAP® AI Agent Hub、SAP Signavio®、SAP® LeanIX®などを通じて、全社のAIエージェントの発見、管理、監査、統制を支援します。
本プラットフォームの中核となるSAP Knowledge Graphは、SAPソリューションのお客様の業務データやプロセスの関係性をAIが理解しやすい形で整理します。また、SAP BDCと組み合わせることで、SAPデータだけでなくSAP以外のデータも含めたデータ活用を支援し、部門やシステムごとに分断されたデータを、業務の文脈に沿って活用できるようにします。
さらに、SAP AI Agent Hubは、SAP内外のAIエージェントを一元的に発見、管理、統制するための機能を提供します。SAP Signavioは業務プロセスの可視化・分析・改善を支援し、SAP LeanIXはITアーキテクチャやアプリケーション環境の可視性を高めます。これにより、企業はAIエージェントがどの業務プロセスに関わり、どのシステムやデータを利用し、どのような統制のもとで動作しているかを把握しやすくなるだけでなく、お客様が運用する実際の業務プロセスや関連システムの情報をAIに理解させることができます。
データ基盤「SAP Business Data Cloud」の機能強化
Autonomous Enterpriseの実現には、AIが信頼できるデータに基づいて動作することが不可欠です。SAP BDCは、SAPデータとSAP以外のデータを業務の文脈に沿って統合・活用するためのデータ基盤として、機能を強化します。
主な機能強化は、以下の通りです。
- SAP HANA® CloudをSAP BDCに統合し、トランザクション、分析、空間、グラフ、ベクトルなどの多様なデータ処理を単一のエンジンで実行します。これにより、AIの推論や分析に必要なデータ処理を効率化します。
- マスターデータ管理やデータの名寄せ・統合を支援するReltioの技術とSAP® Master Data Governanceを活用し、SAP内外のデータをクレンジング・統合するとともに、検証済みでビジネス方針に準拠したマスターデータをAIエージェントに提供します。これにより、AI活用に必要なデータの信頼性とガバナンスを強化します。
- Jouleエージェントにより、自然言語での指示を通じて、データプロダクトの検索、結合、変換、分析モデルの作成などを支援します。これにより、専門的なデータ知識を持たないユーザーでも、業務に必要なインサイトを得やすくなります。
- Snowflake、Databricksに加え、2026年第3四半期にはGoogle BigQueryおよびMicrosoft Fabric、2026年第4四半期にはAmazon Athenaに対応するSAP Business Data Cloud Connectを提供する予定です。これにより、SAP Business Data Cloudと各データプラットフォームとの間で、データとメタデータを双方向かつゼロコピーで共有し、データを複製することなく業務の文脈を維持したまま活用できるようになります。
SAP Autonomous Suiteによる業務アプリケーションの進化
SAPジャパンは、AIエージェントを日々の業務に組み込み、企業が部門をまたいだ業務をより迅速かつ効率的に進められるよう支援する「SAP Autonomous Suite」を発表しました。
SAP Autonomous Suiteは、財務、調達、サプライチェーン、人事、カスタマーエクスペリエンスなど、企業の主要な業務領域にAIアシスタントとAIエージェントを組み込むものです。これにより、担当者は情報収集や確認、定型的な処理にかかる負荷を減らし、判断や承認が必要な業務により集中できるようになります。
本スイートは、「Autonomous Finance(自律型ファイナンス)」「Autonomous Spend(自律型支出管理)」「Autonomous Supply Chain Management(自律型サプライチェーン管理)」「Autonomous HCM(自律型人事管理)」「Autonomous CX(自律型カスタマーエクスペリエンス)」の5つの業務領域で展開されます。今後数カ月以内に、200以上のエージェントと50以上のアシスタントが提供される予定です。たとえば財務領域では、決算、債権管理、支払処理、資金管理などの業務を支援し、サプライチェーン領域では、需要変動や供給リスクを把握し、在庫、調達、生産、物流に関わる対応を支援します。
ユーザーはJoule Workを通じて、業務に必要な情報やアクションにアクセスできます。Joule Assistantsが業務の文脈を整理し、必要に応じてJoule Agentsが複数ステップにわたる業務を支援します。これにより、複数のアプリケーションを行き来する負荷を軽減し、部門をまたいだ業務プロセスをより円滑に進めることが可能になります。
SAP Autonomous Suiteは、Autonomous Enterpriseという企業変革ビジョンを、日々の業務の中で実現するための中核となるソリューション群です。
「RISE with SAP」および「SAP GROW」を通じたAI活用支援の強化
SAPジャパンは、Autonomous Enterpriseへの移行を支援する取り組みとして、オンプレミスのSAP ERP環境のクラウド移行とAI活用を支援する「RISE with SAP」および、新たにSAPのクラウドERPを導入する企業向けの「SAP GROW」を通じて、Joule AssistantsをはじめとするAI機能の活用支援を強化します。
「RISE with SAP」では、利用可能な「Joule Assistants」の中からお客様が最大3つを選択し、その有効化をSAPの専門家が支援します(※)。また、「Max Success Plan」を通じて、AI機能の活用計画、業務部門への展開、利用定着を支援します。「SAP GROW」では、導入初日から20以上のAIアシスタントを利用できる環境を提供し、クラウドERPの導入とあわせて、AIを活用した業務運用を短期間で開始できるよう支援します。
※利用可能なJoule Assistantsおよび適用条件は、お客様のシステム環境、契約内容、提供時期などにより異なります。
これにより、企業はクラウドERPへの移行や新規導入と同時に、業務プロセスに組み込まれたAI機能を段階的に活用できます。SAPは、業務知識、データ、プロセス、ガバナンスを組み合わせることで、企業がAI活用を一部の個人のスキルに依存せず、組織全体で再現性をもって展開できるよう支援します。
SAPジャパンは、SAP Business AI PlatformとSAP Autonomous Suiteを通じて、企業の業務データ、プロセス、ガバナンスに基づくAI活用を推進し、生成AIを実証実験から本番業務で活用できる環境を提供します。これにより、財務、調達、サプライチェーン、人事、カスタマーエクスペリエンスなどの主要業務にAIエージェントを組み込むことで、企業のより迅速な意思決定と確実な業務遂行を可能にし、日本企業がAI時代における新たな企業運営モデルであるAutonomous Enterpriseへ移行する取り組みを後押ししていきます。
SAPジャパンは、2026年7月29日(水)に「SAP NOW AI Tour TOKYO」を、8月5日(水)に「SAP Connect Day & SAP Concur Fusion Exchange 2026 Osaka」を開催します。
本リリースでご紹介した、AI時代における経営と業務の進化を、ぜひ会場でご体感ください。
ご登録はこちらから
東京会場:https://www.sap.com/japan/events/sapnowtokyo.html
大阪会場:https://events.sap.com/jp-sap-connect-day-and-sap-concur-fusion-exchange-2026-osaka/ja_jp/home.html
以上
SAPジャパンについて
SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、http://www.sap.com/japanをご覧ください。


