(本リリースは、9月15日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE: SAP)は、SAP傘下企業であるPrior Labsの新しいAIモデル「TabPFN-3.5」の提供開始を発表しました。
ビジネス全体でAIの価値を迅速かつ確実に実現
このモデルは、表形式AI(Tabular AI)の次の飛躍を示すものであり、企業はモデルの学習やチューニングを行うことなく、構造化されたビジネスデータに対して業界最高レベルの予測機能を利用できるようになります。SAPのお客様向けには、TabPFN-3.5 Plusが現在SAP® AI Coreで利用可能です。
キャッシュフロー予測、支払い遅延の予測、サプライヤーリスク評価といった企業の重要な意思決定は、構造化された表形式データに基づいて行われています。大規模言語モデル(LLM)が言語理解や知識処理に優れている一方で、Tabular Foundation Model(TFM)は構造化データ向けに特化して設計されており、支払い遅延、サプライヤーリスク、アップセル機会、顧客離反リスクなどのビジネス成果を高精度で予測できます。
TabPFN-3.5では、SAPのお客様はシステム内に存在するデータをそのまま利用できます。欠損値、異なるデータ型、不整合なフィールドなどはモデルが自動的に処理し、事前のデータ加工を行うことなく高精度な予測結果を返します。
Prior Labsの表形式AIモデル群の最新モデルであるTabPFN-3.5は、インコンテキスト学習(In-Context Learning)を活用し、生の表形式データから直接予測を行います。製品コードや顧客IDのように数千種類もの固有値を持つ列や、複数のデータ型が混在するデータにもネイティブに対応しており、従来の機械学習モデルで必要だった試行錯誤的な設定作業を不要にします。また、TabPFN-3.5 Plusは、実世界データに対する予測性能を評価する外部ベンチマークであるTabArenaおよびBeyondArenaに基づき、現時点で最も高精度かつスケーラブルな表形式基盤モデルとなっています。
SAP CTOのコメント
SAP SEの最高技術責任者(CTO)であるフィリップ・ハーツィク(Philipp Herzig)は次のように述べています。「現実のデータは完璧ではありません。データセットには複雑な関係性や多様な条件が含まれており、従来の機械学習では扱いが難しいことが少なくありません。TabPFN-3.5はこうした課題に特化して開発されており、表形式データに対して業界最高水準の精度と拡張性を、より少ない手作業で実現します。その結果、現時点では業界で最も効果的な表形式AIモデルとなっています。TabPFN-3.5とSAP-RPTモデルファミリーにより、お客様はラベル付けされたビジネスデータから数分で高精度な予測を得ることができ、追加の学習も不要です。私たちにとって、表形式AIはAutonomous Enterprise(自律型エンタープライズ)を支える補助機能ではなく、その基盤そのものです」
SAP AI Coreでの利用開始
詳細情報やSAP AI Coreでの利用開始方法については、SAP Communityブログおよび「TabPFN-3.5 Technical Report」を参照してください。
Prior Labsの買収について
SAPは2026年7月にPrior Labsの買収を完了しました。これにより、世界有数のTFM(Tabular Foundation Model)研究チームがSAPグループの一員となりました。Prior Labsは引き続き独立した組織として運営されます。SAPは以前、同社に対して10億ユーロ超の投資を約束しており、世界の企業活動を支える構造化データ向けの最先端AI研究所として、Prior Labsをグローバルリーダーへと成長させる計画です。
以上
SAPについて
SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com


