(本リリースは、3月30日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、製薬業界のサプライチェーンにおける間接的な取引関係の信頼性を自己主権型アイデンティティ(SSI)認証情報を活用して向上させることを目的とした、業界を挙げたパイロットプログラムが完了したことを発表しました。

このパイロットプログラムは、製薬会社のコンプライアンス違反リスクを低減するための業界標準確立に向けた、最初のステップになります。

米国医薬品サプライチェーンセキュリティ法(DSCSA)は、製薬サプライチェーンの関係者に対し、相手と直接的な取引関係がない場合でも製品の確認と追跡に関する情報を交換するよう求めています。さらにDSCSAは、このような情報交換を認定された取引パートナーとの間でのみ行うように定めています。

DSCSAが規定する法的要件の1つとして、販売可能な返品についての検証がありますが、このプロセスはSAP® Information Collaboration Hub for Life Sciencesですでに確立およびサポートされており、月あたり数万件にのぼる検証が行われています。パートナーのアイデンティティと認定取引ステータスを確認し、コンプライアンスを確保する最善のソリューションをお客様に提供するため、SAPでは、競合他社を含め製薬サプライチェーンの全ステークホルダーを検証できるオープンかつ相互運用性を備えたテクノロジーを採用しました。

その上で、SAPは、SAPのパートナーでウォレットプロバイダーのSpherity GmbH社や、検証可能な認証情報を発行するLegisym LLC社、大手製薬会社と米国の卸売業者、その他のシリアル化ソリューションプロバイダーと連携し、間接的な取引において、米国法が定める製品梱包の確認時にSSIによって認定取引パートナーステータスを確認できることを証明しました。

Novartis Americas社のサプライチェーンコンプライアンスおよびシリアル番号化の責任者であるデイブ・メイソン(Dave Mason)氏は次のように述べています。「検証を依頼する会社のアイデンティティと認定取引パートナーステータスを確認できなければ、コンプライアンスに違反するリスクがあります。検証可能な認証情報を使用することで、サプライチェーン全体の信頼性が増し、法律遵守の確保ができます」

この機能は、コンプライアンスの早期達成を支援するため、早ければ2021年5月にはSAP Information Collaboration Hub for Life Sciencesをご利用中のお客様に対し提供されます。業界全体におけるSSIテクノロジーの利用を推進するため、SAPは新たに設立されたOCI(オープン・クレデンシャル・イニシアチブ)への参加も計画しています。

SAPの消費財業界担当グローバルゼネラルマネージャーを務めるマット・ローカイティス(Matt Laukaitis)は次のように述べています。「ライフサイエンス業界が公衆衛生のニーズに迅速かつ効果的に対応していくには、デジタル変革が非常に重要です。ライフサイエンス業界特有のソリューション要件に取り組んだこの事例は、ライフサイエンス業界のパートナーと顧客のエコシステムにおいてSAPが果たすリーダーシップをさらに明確にした一例と言えるでしょう。認定取引パートナーのステータスを送信して検証する効率的なプロセスを確立したことで、サプライチェーン全体がより安全なものになるのです」

以上

 

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