(本リリースは、12月8日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、世界的なサプライチェーンの混乱に対処するために調達部門が果たす役割の重要性が高まっていることを示す調査結果を発表しました。

米国のサプライチェーンのプロフェッショナルを対象に、Regina Corso Consulting社と共同で実施したこの調査によると、90%以上の人がサプライチェーンとサステナビリティの両方の課題に対処するにあたり、調達部門がより大きな役割を担うようになってきたと回答しました。また、約半数(49%)が、供給の不足や混乱が悩みの種であると回答しており、これらの課題を軽減するためにも、調達部門の役割に期待すべき重要な時期を迎えています。

SAPのインテリジェントスペンド&ビジネスネットワーク部門のマーケティングおよびソリューション最高責任者を務めるエトシャ・サーマン(Etosha Thurman)は次のように述べています。「サプライチェーンの混乱は今に始まったことではありませんが、パンデミックによる慢性的な供給不足や遅延のために、この状況が著しく悪化および長期化しています。このような予測不能な状況を乗り切るために、サプライチェーンのリーダーは調達部門を戦略的に活用することで、サプライヤーとの関係を効果的に管理し、顧客の不満を和らげ、コストをコントロールし、ビジネスの回復力を維持する必要があります」

サプライチェーンのプロフェッショナルを悩ませる主な課題

調査対象となったサプライチェーンのプロフェッショナルが現在直面している問題は、供給の不足と混乱だけではありません。それ以外にも以下のようなものがあります。

  • サステナビリティ(28%)
  • コストの削減/節約(27%)
  • 顧客からのフィードバック(21%)
  • デジタル変革(20%)
  • 法規制の遵守(18%)

サステナビリティが悩ましい課題であると答えた回答者はわずか28%ではありますが、91%が自社にはサステナビリティの具体的な目標が定められていると回答し、95%がサステナビリティ目標を達成するために調達部門が重要な役割を担っていると答えています。

引き続くサプライチェーン問題の影響緩和に向けて高まる調達部門の重要性

世界的なパンデミック、労働力と供給の不足、さらには消費者のサステナビリティに対する要求水準の高まりの中、調査対象となったサプライチェーンのプロフェッショナルは、主要な課題を軽減するために、以下の点で調達部門が果たすべき戦略的役割が増してきていると答えています。

  • 調達部門がサプライチェーンの透明性を高めることで、サプライチェーンの課題を軽減している(50%)
  • 調達部門がサプライヤーとのより良い関係の構築に役立っている(48%)
  • 調達部門がサプライヤーの多様性を高めることで、回復力の向上に寄与している(45%)
  • 調達部門が支払条件を調整することで、取引先の流動性を高めるのに役立っている(33%)
  • 調達部門が人材を再教育することで、より重要なビジネスの優先事項に対応することに役立っている(21%)

今回の調査では、企業とサプライヤーとの間の可視性と透明性を高め、企業が説明責任を果たすために調達部門が一定の役割を担っていることが示されました。この役割は、混乱発生の際には特に重要であり、これにより新しいサプライヤーに迅速に切り替え、ビジネスの継続性を確保することが可能になります。

サプライチェーンの供給不足を緩和するための消費者の役割

調査対象となったサプライチェーンのプロフェッショナルによれば、サプライチェーンの混乱による問題を軽減するために、消費者にもできることがあります。

  • 消費者は商品の配送完了までの時間がこれまでよりも長くなることを許容すべき(54%)
  • 消費者は商品をなるべく近場で購入するようにし、商品の注文は早めに行うようにすべき(46%)
  • 消費者はサプライチェーンのコスト増を考慮し、料金の値上げを受け入れるべき(33%)
  • 消費者は配送の遅延に対してもう少し寛容になるべき(32%)

この調査は、2021年10月15日から25日にかけて、従業員500人以上の企業でサプライチェーン業務を担当する米国在住の210人を対象に実施されました。

IDC社のプログラムバイスプレジデントであるサイモン・エリス(Simon Ellis)氏は次のように述べています。「パンデミック後のサプライチェーンが回復力を持つためには、持続可能でなければなりません。それは単に環境への配慮を謳うだけでは不十分です。サプライチェーンの運用にサステナビリティを組み込む必要があります。一方で、eコマースの台頭や『翌日配送』に対する消費者の期待といったものは、持続可能なフルフィルメントや二酸化炭素排出量削減とは相反するものとなりがちです。消費者の消費行動について、本当に商品が翌日に必要なのかということを問い直すことで、今後サービスの再構築や合理化が必要になっていくでしょう」

以上

 

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