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SAPの見解:サプライチェーンの問題解決を脅かすオミクロン

(本リリースは、1月7日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

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物流の混乱やインフレの急上昇を招いていると非難されたグローバルサプライチェーンの問題はついにピークを迎えた可能性があることが、ニューヨーク連邦準備銀行の新たな評価基準によって明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株の急速な感染拡大に伴い、労働力およびサプライチェーンの新たな問題が発生しています。

背景
先日、ニューヨーク連邦準備銀行はブログ記事で投稿されたように、COVID-19によるパンデミックの発生以来、サプライチェーンの混乱はグローバル経済の大きな課題になっています。

アジアを中心に工場が閉鎖され、ロックダウンと移動制限が広がったことで、ロジスティクスネットワーク全体で混乱が生じ、出荷コストの上昇と配送の遅延につながりました。

このブログ記事で、ニューヨーク連邦準備銀行は新たな評価基準としてグローバルサプライチェーン圧力指数(GSCPI)を発表しました。この指数は、グローバルサプライチェーンに影響を及ぼしうる混乱について、より包括的な概要を提供することを目的とし、一般に使われている多数のメトリクスを統合するものです。

この新しいツールに基づいて、ニューヨーク連邦準備銀行は、パンデミックの初期に中国がロックダウンを強行した際に、物流が止まり、インフレが加速したことによってサプライチェーンの圧力が急上昇したと述べています。

しかし最近では、この指数が「グローバルサプライチェーンの圧力は依然として歴史的に高い状況であるものの、すでにピークを迎えており、今後はある程度緩和していく可能性を示している」と、ブログ記事の著者は述べています。ヨーロッパと米国で実施された購買担当マネージャーへのアンケートでも、サプライチェーンのボトルネックは12月に緩和されており、中国やアジアの他の国ではロックダウンを経て工場が操業を再開しはじめていることが示されました。

しかし、非常に感染力の強いオミクロン株の拡散によって新たな課題が生じており、医療を含む主要セクターで労働力が不足しています。各国政府は新たなロックダウンおよび隔離要件の実施またはその検討を行う必要に迫られています。

SAPの見解
SAPの北米デジタルサプライチェーンおよび製造担当SVPを務めるダーシー・マクラーレン(Darcy MacClaren)は次のように述べています。「厳しい現実として、混乱が絶えない状況がニューノーマルです。現在はオミクロンですが、今後はまた別の変異株も出てくる可能性もあります。企業は、次に何が起ころうとも、回復力と俊敏性を万全に備えておく必要があります」

現時点で最大の問題は、この新しい変異株で多くの人が体調を崩しており、サプライチェーンの問題が広範に発生していることです。マクラーレンは「これは人間の問題であり、全世界に及んでいます」と述べています。その結果、製造業者は必要な原材料を入手できず、物資を手に入れたとしても、製造と物流を担う人手が不足しているという状況です。

次のステップ
マクラーレンは将来の見通しについて、エコシステム全体に対する可視性と、新たなサプライチェーンの問題にコスト効果の高い方法ですばやく対処するのに必要なテクノロジーを備えている企業は、混乱が生じるたびに慌てて対応する企業よりも、はるかに優位に立つだろうと述べています。

一方、特に米国では、オミクロンが引き起こす労働力不足により、半導体から木材に至る主要構成品目不足の問題が悪化して、消費者物価のインフレが急上昇する一因となっています。

米国の政府関係者や中央銀行関係者は、今後の数四半期でオミクロンの波は収まり、差し迫ったサプライチェーンの問題が解決してインフレが弱まるという希望的観測のもと、回復しつつある世界経済を失速させかねない急激な金利の引き上げを回避したいところです。

以上

 

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