SAP、運転資金管理ソリューションの大手プロバイダーTaulia社の買収を発表

(本リリースは、1月27日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、運転資金管理ソリューションの大手プロバイダーであるTaulia社の株式の過半数を取得する意向を発表しました。これは、企業に対し、流動資産の活用を容易にしてキャッシュフローを改善するためのソリューションを提供することを目指したものです。この買収により、SAPのBusiness Network*がさらに拡張され、CFO向けSAPソリューションが強化されます。Taulia社は今後、SAPグループ内で独自のブランドを有する独立企業として運営され、セドリック・ブルー(Cédric Bru)氏が引き続きTaulia社のCEOを務め、SAPのCFOを務めるルカ・ムチッチ(Luka Mucic)が取締役会長に就任します。

Taulia社は、サプライチェーンファイナンス、ダイナミックディスカウント、売掛債権の流動化を通じた早期資金化を支援します。世界的な経済状況の悪化やサプライチェーンの混乱を受けて、企業の間では早期資金化に対する需要が高まり、運転資金管理市場が急成長しています。Taulia社は、運転資金管理市場で屈指の広さを誇るプラットフォームおよびソリューションポートフォリオを展開し、その先進的なテクノロジーが高く評価されています。また、J.P. Morgan社やUniCredit社などの大手銀行を含む金融パートナーと提携して、資金調達を支援するための強力なエコシステムを構築しています。

SAPのCFOを務めるルカ・ムチッチは次のように述べています。「Taulia社のソリューションはSAPのポートフォリオを強化し、すべての企業にとって重要な財務の柔軟性と安定性の点で付加価値をもたらします。このことは、サプライチェーンの回復力の向上につながります。Taulia社の運転資金管理に関する深い知識と、SAPの幅広いCFOソリューションポートフォリオの組み合わせ、そしてコアビジネスソフトウェアやBusiness Networkソリューションとの統合を通じて、SAPは運転資金管理市場のリーダーを狙える位置にあります。今後は、これらの機能を拡充して、企業の財務状況の改善と成長機会の創出を支援していく予定です」

Taulia社は以前から、SAPソリューションとの統合実績が高く、SAPの重要パートナーでした。Airbus社、日産自動車株式会社、AstraZeneca社をはじめ、Taulia社の顧客企業の80%以上がSAP® ERPシステムを導入しています。SAPは、Taulia社のソリューションとSAP® Business NetworkおよびCFOソリューションスイートとの統合を強化して、SAPの運転資金管理ポートフォリオの中核として展開する計画です。同時に、SAPを使用していないお客様がTaulia社のソリューションを引き続き利用できるよう、単体製品としての提供も続けていきます。

Taulia社のCEOを務めるセドリック・ブルー氏は次のように述べています。「SAPおよびそのエコシステムと統合することで、より多くのお客様にサービスを提供し、SAPのビジョン実現に協力できることをうれしく思います。キャッシュは企業にとって、景気変動を乗り越え成長に向けて走り続けるために必要な酸素です。SAPとの統合は、サプライチェーン内で滞りがちな資金の流れを活性化することによって企業の成長を支援するというTaulia社のミッションを加速させるでしょう」

 

大手銀行との戦略的パートナーシップを維持

 Taulia社の支配権はSAPに移りますが、J.P. Morgan社とTaulia社との関係は変わらず、今後も戦略的パートナーとして互いに協力し、フィンテック事業における株式保有率も維持されます。

J.P. Morgan社のトレード&ワーキングキャピタル担当グローバルヘッドを務めるスチュアート・ロバーツ(Stuart Roberts)氏は次のように述べています。「このニュースは、当社のすばらしい戦略的アライアンスパートナーであるTaulia社と新しい筆頭株主であるSAP社の双方にとって非常に有益です。SAP社が加わることで、J.P. MorganとTaulia社の戦略的アライアンスは、新型コロナウイルスの感染拡大がグローバルなサプライチェーンに与えた影響を世界が乗り越えようとする中、お客様へのサービス提供の面でもサプライヤーへの流動資産の投入と移動の面でも新たな機会を切り開くでしょう」

SAPは、金融機関パートナーを増やして、その顧客にも運転資金管理プラットフォームを使用してもらえるよう取り組む考えです。Taulia社を独立企業という形態にすることで、SAPの長期的な筆頭株主としての立場を維持しながら、戦略的パートナーとして迎えた金融機関にエクイティパートナーを兼ねてもらうことも期待できます。

今回の買収は、SAPのエコシステムにもメリットがあります。SAPのお客様であるサプライヤー企業は、早期支払オプションを導入し、簿外資金を計画的に調達することで、資産の流動性を高めることができます。一方、バイヤー企業は、支払までの期間をフル活用しながら、サプライヤーとの関係を強化できます。さらに、銀行などの出資者は、信用力のある大規模取引で短期的な融資を行う魅力的な投資機会を追求できます。SAPは今後、銀行や保険会社向けの金融サービスを拡充してソリューションやプラットフォームに組み込んでいく計画です。SAPの強力なパートナーエコシステム、特にSAP Fioneerは、こうしたサービス提供において重要な役割を果たします。

SAPとTaulia社は取引の詳細を公開しないことで合意しています。

以上

*SAP Business Network

SAP Business Network により、サプライヤー、ロジスティクス/サービスプロバイダー、設備資産オペレーター、保守契約業者をはじめ、サプライチェーンに参加するあらゆる取引パートナーとのリアルタイムな協業を通じて、かつてないほど迅速かつ効率的にビジネスを遂行できます。サプライチェーン内のプロセスをすべて可視化し、ビジネスのレジリエンスを強化することができます。

Taulia社について

Taulia社は、カリフォルニア州サンフランシスコを本拠地に運転資金管理ソリューションを提供するフィンテック企業です。企業での買掛金、売掛金、在庫などの資産の流動化を支援しています。200万社を超える企業がTaulia社のプラットフォームを使用して、支払や回収のタイミングの柔軟性を高めています。2009年の創業以来、運転資金管理とサプライチェーンファイナンスの領域で先進企業として存在感を発揮し、年間売上は5,000億ドル以上に達します。Taulia社は株式非公開企業で、Trinity Ventures社、Matrix Partners社、Zouk Capital社などの投資会社から出資を受けています。現在、SAPの前CEOであるレオ・アポテカー(Léo Apotheker)氏が社外取締役を務め、同社の株式を保有しています。詳細は、www.taulia.com をご覧ください。

SAPについて

SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術により、従業員がより価値の高い成果に集中でき、持続可能な成長を実現する企業のあり方である「サステナブル・インテリジェントエンタープライズ」へとすべての企業が変革できるよう支援することを戦略に掲げています。さらに、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan