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SAPの見解:来るべき中央銀行デジタル通貨

(本リリースは、1月31日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

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60カ国以上の中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討しています。

こうした中、米連邦準備理事会(FRB)は、このトピックに関する審議文書を10日前に公表して、CBDC(デジタルドル)導入による国内決済の安全性と有効性の向上についてパブリックコメントを募りました。

SAPの見解
パブリックコメント募集にあたりFRBが説明しているように、決済システムが進化を続ける中、CBDCは家庭やビジネス向けの安全なデジタル決済の選択肢となる可能性があり、ひいては迅速な国際決済を実現する選択肢ともなり得ます。一方で、CBDCでは通貨と金融の安定をどのように維持するのか、既存の支払手段とどう共存させるのかといった課題もあると考えられます。ほかにも、市民のプライバシー保護や不法資金供与への対策の維持など、政策上の重要な課題もあります。FRBの文書では、このような点について詳しく説明されています。

CBDCや暗号通貨などの銀行の問題に詳しく、SAP Bankingのチーフテクノロジーイノベーションオフィサーを務めるトルステン・ホフマン(Torsten Hoffmann)は、既存の金融環境においてCBDCへの注目が急速に高まっていると指摘しています。

ホフマンによると、現在、中国は中央銀行デジタル通貨と香港のFast Payment Systemをつなげる計画に積極的に取り組んでおり、イスラエルはデジタルシェケルの可能性について調査と準備を急ピッチで進めています。

ホフマンは、中央銀行がCBDCを導入することによって「銀行の情勢が完全に変わる可能性がある」と見ており、その結果、商業銀行システムだけでなく、税制や社会保障制度までもが根本的に変わる可能性があります。

中央銀行がフルサービスの銀行になれば、中央銀行デジタルウォレット実現に向けた最初の一歩になるかもしれないとホフマンは話しています。そうなれば、新型コロナウイルスの感染拡大のような危機が発生した際、中央銀行が市民に直接資金を提供できます。また、資金の使用目的に制限を課し、資金が利用できる期間を指定することができるようになります。

さらに、CBDCを導入することで、中央銀行が融資業務に参入して政府政策の遂行を支援することも可能になります。例えば、中央銀行が環境に配慮した企業にのみ融資を実行することで、サステナビリティ政策を遂行する助けになります。

ホフマンは、CBDC導入による影響の全容は導入する内容によって変わると見ています。しかし一方で、銀行はCBDCがまもなく登場すると確信しているようです。銀行セキュリティの専門会社であるOneSpanが行った最近の調査では、銀行のリーダーの84%が、今後1年でCBDCに向けた準備を開始する予定であると回答しています。

以上

 

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