SAP、2022年度第1四半期の業績を発表、クラウド事業が引き続き好調

(本リリースは、4月22日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

 

SAP SE(NYSE:SAP)は、2022年3月31日に終了した第1四半期の財務業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「 SAP Quarterly Statement Q1 2022」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • クラウド売上の伸びがさらに加速して31%増、固定通貨換算ベースでは25%増
  • カレント・クラウド・バックログは100億ユーロに迫る28%増、固定通貨換算ベースでは23%増
  • SAP S/4HANA®のクラウド売上は78%の大幅増、固定通貨換算ベースでは71%増。 SAP S/4HANA®のカレント・クラウド・バックログはさらに拡大して86%増、固定通貨換算ベースでは79%増
  • SAPは売上、Non-IFRSベースの営業利益とフリーキャッシュフローに関する2022年度の見通しを再確認

SAP CEO、クリスチャン・クライン(Christian Klein)は、次のように述べています。「ビジネスの持続可能性を高め、サプライチェーンをより回復力に優れたものとし、企業の将来性をより確かなものにするためにSAPを利用しているお客様のおかげで、今四半期もクラウドの伸びは堅調でした。当社の代表的なERPオファリングであるSAP S/4HANAは記録的な伸びを見せ、お客様のビジネス変革を後押しする上でのSAPへの信頼を示しています」

SAP CFO、ルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「今年1年に向けた出だしは堅調で、今後の見通しも好調のままです。現在のマクロ経済環境にもかかわらず、クラウド売上の伸びはさらに加速し、総売上の増大に貢献しています。カレント・クラウド・バックログは順調に増えており、引き続き当社の長期計画と今年度の見通しにおける自信の裏付けとなっています」

 

財務パフォーマンス

ウクライナ情勢の影響

第1四半期において、SAPのビジネスはウクライナ情勢による影響を受けました。3月の初めに、SAPはロシアとベラルーシにおけるすべての新規販売を中止しました。また、SAPは、ロシアにおける自社のクラウド業務からの撤退を開始するとともに、そのオンプレミス製品のサポートと保守の中止も予定しています。既存のクラウド契約の解除によりカレント・クラウド・バックログはおよそ6,000万ユーロ減少、営業利益はオンプレミス売上が減ったことを受けておよそ7,000万ユーロ減少しました。これにより、データセンター資産および資産計上した販売手数料の減価償却を早めることになりました。

通年では、とりわけソフトウェアおよびサポートサービスにおける、新規ビジネスの喪失と既存ビジネスの中止により、総額でおよそ3億ユーロの売上減を見込んでいます。Non-IFRSベースの営業利益については、上述の売上減とその他の費目により、およそ3億5,000万ユーロの影響が見込まれます。

上記に加えて、当社では通年で約8,000万~1億ユーロの構造改革費用を見込んでいますが、これはNon-IFRSベースの業績には影響しません。

このような逆風にもかかわらず、クラウドの好業績によって、SAPではクラウド売上、クラウドおよびソフトウェアの売上、そしてNon-IFRSベースの営業利益とフリーキャッシュフローの見通しについては据え置いています。Non-IFRSベースの営業利益の見通しが変わらない要因としては、クラウド売上の伸びが引き続き好調なこと、経営面での規律、そしてポートフォリオの合理化措置があります。

この急激な進展状況によるその他の影響は今のところ不明であり、状況が現在の範囲を超えてエスカレートするようなことがあれば、SAPのビジネスに重大な悪影響が及ぶことも考えられます。

 

2022Q1業績ハイライト

カレント・クラウド・バックログは、28%増の97億3,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで23%増)でした。ウクライナ情勢により、カレント・クラウド・バックログの伸びは、固定通貨換算ベースで0.8パーセンテージポイントの減少となりました。

ソリューションポートフォリオ全体にわたる2桁成長に支えられて、クラウド売上の伸びは4四半期連続で加速し、31%増の28億2,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで25%増)でした。

当社の次世代クラウド・デリバリー・プログラムへの継続的な投資の中で、クラウドの売上総利益率はIFRSベースで前年同期比1.0パーセンテージポイント増の68.2%、Non-IFRSベースでは前年同期比0.5パーセンテージポイント増の70.0%となりました。売上の増大により、クラウドの売上総利益率の拡大に加えて、クラウドの総利益も堅調に伸び、IFRSベースで33%、Non-IFRSベースで32%(固定通貨換算のNon-IFRSベースでは26%)の増加でした。

IFRSベースの営業利益は、主に構造改革費用の減少を受けて、10%増の10億5,000万ユーロでした。Non-IFRSベースの営業利益は、4%減(固定通貨換算ベースで7%減)の16億8,000万ユーロでした。非常に好調だった前年同期からのこの減少の主な要因は、ウクライナ情勢に関連する費用と、現在および将来の成長機会を捉えるための研究開発と販売・マーケティングへの投資の拡大によるものです。

IFRSベースの1株当たり利益(基本および希薄化後)は、29%減の0.63ユーロ、Non-IFRSベースの1株当たり利益(基本)は28%減の1.00ユーロでした。1株当たり利益の前年比での減少は、Sapphire Venturesによる金融収入への貢献度が、現在の市況を受けて前年同期より低かったことを反映しています。

フリーキャッシュフローは24%減の21億6,000万ユーロでした。この要因は主に、四半期における収益性の推移やクラウドへのSAPの絶え間ない移行による運転資本からの影響、そして2021年度第4四半期におけるソフトウェアライセンス売上の減少です。継続中のビジネス変革により、1年を通してより多くの差額がキャッシュフローに流れ込むため、通年でのキャッシュフローの見通しについてはこれまでどおりです。

1月13日、SAPは、自社の株式報酬プログラムが株式決済へ移ることに備えて、新たな自社株買いプログラムを発表しました。3月31日までに、SAPは平均価格102.26ユーロで5,680,250株の自社株買いを行い、購入総額はおよそ5億8,100万ユーロでした。

 

ビジネスハイライト

 当四半期には、500社以上のお客様にSAP S/4HANAをお選びいただきました。これにより、これまで採用いただいたお客様の総数は19,300社を超え、前年同期比18%増となりました。そのうち13,900社以上が本稼動させています。第1四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様のうちの60%以上が新規のお客様です。

第1四半期には、Accenture社、Canon Production Printing社、シチズン時計株式会社、Daimler Truck社、Grupo Estrella Blanca社、Exide Industries社、日本電気株式会社、Ooredoo Group社、Qinqin Food社、Rising Auto社、TELUS社、Tramontina社、Wipro社など、世界各地のお客様に「RISE with SAP」をお選びいただきました。SAPのソリューションポートフォリオをお選びいただいた主なお客様では、Air France-KLM社、FEMSA社、Heineken社、L’Oréal社、Merck KGaA社、MLP社、日本電信電話株式会社、NHS Shared Business Services社、PetSmart社、Pick n Pay社、Salling Group社、Schaeffler社、Swellfun社などがいらっしゃいます。また、第1四半期には、PT United Tractors社、Schwarz Produktion社、およびVodafone New Zealand社が、SAPソリューションの本稼動を開始しました。

Microsoftは、「RISE with SAP」とSAP S/4HANAを採用して自社のSAP® ERPのデプロイメントを変革する初のパブリック・クラウド・プロバイダーになることを発表しました。これらのソリューションの採用により、Microsoftは新たなテクノロジーをより迅速に配備し、ベストプラクティスを確立することが可能となり、両社共通の顧客に利益をもたらすことになります。

当四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、すべての地域において素晴らしいものでした。米国とドイツにおけるクラウド売上の伸びが顕著で、また、日本、中国、ブラジル、カナダ、スイス、フランス、そして英国も特に好調でした。

SAPは、2021年度についての配当金として、1株あたり2.45ユーロを提案しました。これは前年比で約32%の増加となります。この金額には、SAPの設立50周年を記念しての特別配当金、0.50ユーロが含まれます。この配当は、2022年5月18日に開催予定の年次総会での株主の承認が条件となります。

3月9日、SAPは、運転資金管理ソリューションの大手プロバイダーであるTaulia社の株式の過半数の取得が完了したことを発表しました。Taulia社の取得によりSAPのビジネスネットワークがさらに拡大し、運転資金管理のクラウドソリューションを提供することで、CFOオフィス向けのSAPのソリューションが強化されます。

3月22日、グローバルな戦略コンサルタント企業であるBCGとSAPは、企業がそのビジネスモデルを変革し、持続可能な企業となり、自社の中核的ビジネスにサステナビリティを備えるために必要なデータの透明性を得る支援を行うためのパートナーシップを発表しました。このパートナーシップにより、エンタープライズソフトウェアの大手企業としてのSAPの強みに、サステナビリティ変革戦略に関する顧客への助言におけるBCGの立証された専門知識が加わることになります。SAPとBCGによるサステナビリティ変革のサービスはパイロット段階にあり、より広範な導入は、2022年度第3四半期に予定しています。

3月28日、SAPは、SAP® Signavio®ブランドが、当社のビジネスプロセス管理ソリューションのポートフォリオを表すものとなることを発表しました。またSAPは、SAP Signavio Journey to Process Analyticsの一般提供についても発表しました。この新たなオファリングでは、Qualtricsのユーザーアンケート調査から得られたエクスペリエンスデータと、基盤となるITシステムから得られたオペレーショナルデータとの相関関係を探り、その情報を基に、オペレーショナルエクセレンスとカスタマーエクスペリエンスに対してエンド・ツー・エンドのビジネスプロセスを最適化する最善の方法を把握できるようになります。

 

セグメント別業績概要

2022年の年初に、各「サービス」のセグメントは、それまでの「Applications, Technology & Support」セグメントに統合され、新たに「Applications, Technology & Services」と改称されました。そのため、SAPの報告対象のセグメントとしては、「Applications, Technology & Services」と、「Qualtrics」の2つのセグメントになりました。

SAPの報告対象の2セグメントの業績は以下のとおりです。

Applications, Technology & ServicesAT&S

AT&Sセグメントの売上は、前年同期比10%増の67億ユーロ、固定通貨換算ベースで6%増でした。SAP S/4HANAに加えて、SAP® Business Technology Platformでのクラウド売上が2桁の力強い伸びを見せたことで、セグメントの業績が押し上げられました。ソフトウェアライセンス売上は、「RISE with SAP」オファリングを採用するお客様の増加によるクラウドへの移行を受けて減少しました。セグメントのサポート売上は、前年同期比4%増の29億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで1%増でした。

 Qualtrics

Qualtricsセグメントの売上は、前年同期比58%増の3億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで48%増でした。大幅な伸びが続いていることの要因は、堅調な更新率と契約数の拡大です。オーストラリア国税庁、Chipotle社、EY社、Google Cloud社、Grubhub社、Hyundai Motor Asia Pacific社、Kroger社、Microsoft社、National Australia Bank、Royal Mail Group、株式会社資生堂などの多くのお客様にQualtrics Experience Management Solutionsをお選びいただきました。

 

2022年度の見通し

SAPではそのクラウド主導の戦略を推進しており、これにより新規ビジネスと既存顧客によるクラウド採用の両面でクラウドの伸びが加速しています。SAPのクラウドの勢いのペースと規模のおかげで、SAPは中期的な目標に向けて順調に進んでいます。

2022年度通年の見通しは以下のとおりです。

  • クラウド売上は、固定通貨換算ベースで115億5,000万~118億5,000万ユーロ(2021年度:94億2,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで23%~26%増となる見込みです。
  • クラウドおよびソフトウェアの売上は、固定通貨換算ベースで250億~255億ユーロ(2021年度:240億8,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで4%~6%増となる見込みです。
  • Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで78億~82億5,000万ユーロ(2021年度:82億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで横ばいから5%減となる見込みです。
  • 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計として定義)の比率が約78%(2021年度:75%)に達する見込みです。
  • フリーキャッシュフローは、45億ユーロ超(2021年度:50億1,000万ユーロ)となる見込みです。
  • 2022年度通年の実効税率は、IFRSベースで0%~32.0%(前回見込み:25.0%~28.0%)、Non-IFRSベースで23.0%~27.0%(前回見込み:22.0%~25.0)となると現時点で見込んでいます。実効税率見通しの引き上げは、主に、現在の市場環境に鑑み、Sapphire Venturesの2022年の財務利益 貢献度の見通しを更新したことを反映しています。

SAPの2022年度通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。第2四半期および2022年度の為替の影響の見込みについては下の表をご参照ください。

 

20223月のレートを適用した場合の通年の為替の影響見込み

単位:パーセンテージポイント                      2022年度第2四半期                  2022年度通年
クラウド売上の成長                                                +7pp~+9pp                          +5pp~+7pp
クラウドおよびソフトウェア売上の成長          +4pp~+6pp                          +3pp~+5pp
営業利益の成長(Non-IFRS-ベース)              +4pp~+6pp                           +3pp~+3pp

 

財務以外の業績の目標

引き続き、2022年度の目標は以下のとおりです。

  • 顧客ネット・プロモーター・スコアで11~15(2021年度:10)を達成
  • 従業員エンゲージメントインデックスで84%~86%(2021年度:83%)を達成
  • 二酸化炭素のネット排出量で70キロトン(2021年度:110キロトン)を達成

 

2025年度目標

2020年第3四半期決算発表で公開した中期的な目標に変更はありません。

 

追加情報

本プレスリリースおよびそれに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。

SAPの業績指標

当社の主要な成長指標と業績指標、その算出方法、その有用性、およびその限界に関する詳細については、当社のInvestor RelationsのWebサイト、SAP Performance Measuresをご覧ください。

 

以上

 

SAPについて

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