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自己のビジョンを原動力に。元サッカー選手が語る、飛躍を加速させる秘訣とは |Life@SAP Japan vol.12

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SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第12回のインタビュイーは、元プロサッカー選手の久木田紳吾さん。プロ選手としての活動を引退後、さまざまな人との会話の中で「日本はデジタル活用が遅れている」と強く感じたことがSAP入社のきっかけとなりました。2020年4月からSAPジャパンの営業職として大きくキャリアチェンジして早2年。いまのお仕事の様子やキャリアに対する想いをお聞きします。

新たなポジション。SAPのアカウントエグゼクティブ

「私が務めるアカウントエグゼクティブは、お客様の総合窓口です。まずお客様のビジョンや戦略を深く理解し、それらを達成するための課題を把握する。そうするとSAPが貢献できるポイントが見えてきます。そのポイントを見定められたら、チーミングして活動し、SAPの導入を決めていただく。最終的に、システムが本稼働して効果を出していただくためにサポートをするまでが主な業務の流れです。入社時はITの知識が全然無かったので『何がSAPで貢献できるのか』を考えることが特に難しかったですね」

久木田紳吾さん(アカウントエグゼクティブ) 2011年、当時J2だったファジアーノ岡山に入団。長野県の松本山雅FCに1年間在籍。その後2019年までザスパクサツ群馬に在籍し、キャリアを引退。2020年4月、SAPジャパンに入社。

サッカー選手時代から全く違うフィールドへ環境が変化し、戸惑いもありそうです。どのように乗り越えたのでしょうか。

何よりも実践が大事!本番での学びこそ、成長に不可欠

「家で勉強はあまりせず、とにかくお客様に会うことを大事にしてきました。『実践あるのみ』というのは、サッカーで学びましたね。サッカーの若手選手って試合に出ないと伸びないんです、絶対に。練習も大事ですが、試合に出続けて伸びる部分が圧倒的です。だからSAPに入ったときも、『試合に出まくろう!』と思っていました。

お客様の状況や求めていることって、リアルで起きていることですよね。それに対して『一体どのようなメッセージが刺さるのか?』は、本ではわからないんです。本を読んでも、すべての情報が標準化されていて、同じレベルの重要性を持って頭に入ってくるので。

例えばサステナビリティやCO2排出量の話など、最近のトレンドはいろいろあります。それらに対して、SAPがどのような価値を届けられるのかは、やっぱり実践でないとわからない。だからこそリアルな情報に対して、研ぎ澄まされたメッセージをあてていく。これはリアルな現場でないとできません。

サッカーも一緒です。試合を家で見ていて『こうすればいいのにな』と思って試合に入っても、スタジアムの雰囲気や自分のメンタル状況、対面している相手のコンディションや戦術…。いろんな要素がリアルに変化します。本当に必要なのは、サッカー選手であればピッチの中で結果を出すこと。SAPであればお客様に価値を認めてもらうことです。そういう意味で実践が大事だと思います。

だからSAPでは、とにかく実践に出させてもらえたことが非常に良かったです。『半年間これを勉強しなさい。お客様先には出ちゃいけません。』だったら、大変だったかもしれません。サッカー選手時代もありましたけど、試合に出られないのは結構辛いですよね。

また、私は何も武器を持たずに入ってきたので、SAPでは営業プロセスの『型』があることにも助けられました。お客様の『ここは理解すべきポイント』というものがはっきりとあるんです。中計(中期経営計画)はもちろん、ITプロジェクト状況、組織図など。単純に、それらのポイントごとに把握し、理解するプロセスを進めていけば『アカウントプラン』という営業活動の戦略が出来上がります。わかっていないポイントがあれば、『ここは聞こう』『ここは調べよう』と明確に活動に移せます。おかげで基本に忠実に学ぶことができたと思います」

これまでの2年間を通して、仕事の面白さややりがいをどう感じているでしょうか。

経営層から生の声を聴ける魅力

「SAPが扱う基幹システムは、経営判断するための仕組みなので、企業のエグゼクティブの方々に会えることが非常にありがたいです。訪問前にめちゃくちゃ準備をして、お客様に必要な施策について話し合った際に、先方から『自分もそう思っているんだよ』とポジティブな反応が得られたり、『SAPさんのいう方向性には合意している。●●が担当者だから話してみて』と次に繋がる機会を与えてくれたり、自分が思い描いていたネクストアクションに繋げられたときは達成感があります。そういう小さな成功だけでも嬉しいですね。そのお客様とは今年ご契約いただけたので、あの時の会話には意味があったのかなと思っています」

東大出身初のサッカー選手という文武両道を体現し、いまではSAPで急成長し活躍される久木田さん。どんどん高みへ上昇していく、そのエネルギーの根源はどこにあるのでしょうか。

目指したい自分の姿を鮮明に描き、叶えていく強さ

『自分のありたい自分になること』。自己実現したい気持ちですかね。サッカー選手のときは『好きなことで負けたくない!』と強く思っていて、高いレベルで成長して他の人よりも良い選手になりたいという欲求がエネルギーでした。

引退したいまの原動力は、一つ目は『娘にとって良い父親になりたい』という自己実現欲求。まだまだ正解はわからなくて難しいけど…。リスペクトできないような父親の姿は見せたくないと日々意識しています。

そして二つ目は、『何かしら日本の生産性向上に寄与しながら、やりがいを持って働いている自分になりたい』という自己実現欲求。そういう自分のビジョンがあることが燃料になっていると思います」

2年間を通して痛感する、変革を生み出す難しさ

「後者の『自分が日本の生産性向上に寄与できている』という実感は、お客様の資産効率や利益率が上がったり、ROEが上がったり、変化が数字で表れてくれば叶うものだと思います。ただ、この2年間の経験を通して、それがけっこう難しいことだということもわかってきました。表れる結果というのは、システムの影響だけではないんですよね。組織や従業員のマインドセットだったり、業務プロセスだったり。外部環境の影響も大きい。変数が多すぎるんです。正直、どう測ればよいのかよくわからないくらい…。

それに、SAPはセールスサイクルも長いので、この2年間ではまだまだ自分が生産性向上に寄与している実感はできていなくて。だからこれからの活動で、お客様がちゃんと効果を出して価値を届けられるまで、伴走していきたいと思っています。例えば『SAPの機能のおかげで働き方が変わって、人が減っても業務が成り立っているよ。ありがとう!』とか、わかりやすい数字の変化だけではなくて、そういう声をもらえることがいまは目指すべき姿なのかもしれません」

難しさを痛感してこそ、新たなステージで久木田さんが成長する要素となるのではないかなと感じました。今後のさらなる目標や目指す姿についてお聞きします。

本物の価値提供につなげるために。自分のあるべき姿や立場を追求していきたい

「コロナ禍で、確かにデジタルの活用はより叫ばれるようになりました。ただ、デジタルがどのように企業の労働生産性や利益率向上に結び付くのかをわかっていて、その上でビジネス上のゴールと結び付けられる人って、あまりいないと思うんです。どちらも知識と経験があってこそ。その両方をできるようなポジションを目指すことであれば、経験が少ない自分にもチャンスがあるのではないかと思っています。

実はサッカー界も同じで、すごく苦労しているんですよ。サッカーも詳しくわかっていて、ビジネスのこともわかる人って、なかなかいないんです。選手や監督など現場にいる人は、もちろんサッカーのことは詳しいしピッチの中での戦術を持っています。ただ一方で、チームを強くするためにはオーナーが経営的な観点を持つことも絶対に必要。選手をどう集めるか、いかに集客してブランディングしてグッズを売るか…。現場とフロント、両方の知見がないとチームは回らない。自分の仮説では、日本の多くの企業も同じような状況なのではないかと思っているんです。

SAPも『システムを売るだけではお客様が変化することは難しい』ということを理解しているので、多方面から支援をしています。基本的に私はライセンスをご契約いただく立場ですが、SAPサービスと呼ばれる領域では、コンサルタントがお客様をトレーニングしたり変革事例を知っていただいたりするプロセスがあります。

今年からは、自分もそのようなSAPサービスの領域を活動に取り入れなければいけないと意識が変わりました。いまは先輩のSAPサービス担当の方に聞いて勉強させてもらっています。サービス担当とも連携しながら、自分の中での領域をもっと増やしていかないと、自分のありたい姿へは辿り着かないと思っています。

『自分が日本を変えてやる!』とまでは考えていないけれど、日本の労働生産性はあまり高くないし、これからどんどん人口は減少していく。それでも、これまで自分が過ごしてきた環境くらいの日本の豊かさを維持できる一助として、少しでも貢献できる自分になりたいと考えています

新たな環境で新たな課題に直面しながら、さらに高いレベルでの自己実現を描きはじめる久木田さん。ますます飛躍していく姿が、これからも多くの方にとっての良い刺激となってくれることを楽しみにしています。

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