日本の 86% の中小企業が、退職などによる従業員の変動が自社のデジタル変革計画に直接影響を及ぼしていると回答


SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下 SAPジャパン)は、従業員の定着率向上とデジタル変革の関係性に関する調査レポート「変革に必要な人材の確保」を発表しました。

今回の調査「変革に必要な人材の確保」は、Dynata 社が委託を受け、日本を含むアジア太平洋地域の 8 カ国 1,363 人の中小企業経営者と意思決定者(うち日本の中小企業経営者 207 人)を対象に行われた調査です。今回の調査では、経済協力開発機構(OECD)の定義に基づいて、11 人から 250 人の従業員を擁する組織を中小企業としました。

調査によると、日本の中小企業のほぼ 10 分の 9(86%)が、従業員の変動(退職など)が自社のデジタル変革計画に直接影響を及ぼしていると回答していることが明らかになりました。一方で、アジア太平洋地域全体では、中小企業の 74% が、来年の企業の存続にとってデジタル変革が「ある程度重要」または「非常に重要」だと回答しているのに対し、同様の回答をした日本の中小企業は、わずか36%にとどまりました。

従業員の変動が日本の中小企業のデジタル変革に与える影響

調査によると、アジア太平洋地域全体で 中小企業の40% が、12 カ月前と比較して、退職する従業員が増えていると回答する中、同様の回答をした日本の中小企業は、わずか 17% にとどまりました。しかしながら、従業員の離職率は低くても、従業員の確保と定着が課題であることには変わりありません。事実、日本の中小企業の43%が、1年前と比較して、後任者の採用や補充が難しくなったと感じています。また、31%が、採用時に適任者がほとんど、あるいはまったく見つからないと回答しています。

人材不足は企業のデジタル変革力に影響を与えています。実際、熟練した人材の不足は、サイバーセキュリティや予算不足といった従来の問題よりも、日本の中小企業の変革を実現する上での最優先課題としてランク付けされています。

SAPアジア太平洋地域プレジデント ポール・マリオット(Paul Marriott)は次のように述べています。「デジタル変革は、中小企業がレジリエンス(混乱への対応能力)を強化するだけでなく、スピーディかつ革新的に成長へと道を切り開いていく根本的な方法です。しかしながら、適切な人材なくして、変革は困難です。日本の中小企業が確実に生き残り、繁栄していくには、人材に対しても、イノベーションに対する投資と同等の投資を行っていく必要があります」

従業員定着を目的とした人材と教育への投資

企業のデジタル変革力を強化するために、日本の中小企業は従業員への投資を行っています。今回の調査の回答者は、今後 12 カ月間にわたって従業員の定着率を向上させるための重点課題として、柔軟な勤務形態の導入(46%)と金銭的インセンティブの改善(40%)を挙げています。また、これらの重点課題以外に教育も重視しており、主要な人材を維持するために今後 12 カ月間でスキルアップの機会を提供すると回答した割合は、3 分の 1(33%)にのぼっています。

教育に力を入れるのであれば、早いに越したことはありません。中小企業の半数以上(52%)が、デジタル変革の推進には従業員のスキルアップが急務だと回答しており、日本の中小企業の 39% が今年 1 年を通して、デジタルトレーニングに注力する予定です。

マリオットは次のように述べています。「従業員は、適切な報酬、柔軟性、明確なキャリアアップの道筋を必要としています。従業員のスキルアップとキャリアアップを優先し、適切なテクノロジーとパートナーを活用して従業員をサポートすることが、日本において従業員と中小企業の双方にメリットがある、ということは証明されています」

中小企業が主軸をレジリエンスから成長に移すにつれ、広がる楽観的見通し

過去 2 年にわたり、重大な課題を克服してきた日本の中小企業は今、レジリエンスのその先を見ています。

日本の中小企業の 4 分の 3(78%)が、パンデミックの影響に対し「レジリエンスが高いとも低いとも言えない」、「レジリエンスが高い」、または「極めてレジリエンスが高い」と回答しています。「全くレジリエンスがない」と回答したのは、わずか 3% にとどまりました。

このような自社のレジリエンスへの自信から、成長に対する楽観的な見通しが生まれています。日本の中小企業の 54 % が、今後 12 カ月間の自社の成長について、「ある程度自信がある」、「非常に自信がある」、または「極めて自信がある」と回答しています。

マリオットは、このような考え方は日本にとって望ましいことだとし、次のように述べています。「中小企業は、アジアの企業の 97% を占め、労働人口の 50% を雇用し、より広い経済の指標となります。つまり、中小企業が繁栄すれば、経済が成長し、アジア全体が栄えるのです。この楽観主義を利用して、優れたイノベーション、人材計画、そして強力なパートナーエコシステムを組み合わせることで、日本の中小企業の次なる 10 年の成功への道筋を描くことができるのです」

SAP の調査レポート「変革に必要な人材の確保」について

SAP は、独立した調査サービスプロバイダーである Dynata 社に、2021 年 12 月から 2022 年 1 月までの期間、対象者のオンライン定量調査の計画と実行を委託しました。

この調査は、日本を含むアジア太平洋地域における中小企業の経営者および意思決定者の代表的サンプルに対して行われました。この調査では、経済協力開発機構(OECD)の定義に基づいて、11 人から 250 人の従業員を擁する組織を中小企業としました。この調査では、主要な 8 カ国から 1,363 人が回答していますが、国別の回答者の内訳については、以下をご覧ください。回答者は、企業戦略とテクノロジー導入における主要な意思決定者または影響力のある人物に限定しています。今回の調査の対象国は、オーストラリア(n = 105)、ニュージーランド(n = 101)、シンガポール(n = 100)、タイ(n = 207)、インドネシア(n = 210)、日本(n = 207)、インド(n = 212)、および韓国(n = 221)です。

以上

 

SAPジャパンについて
SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術により、従業員がより価値の高い成果に集中でき、持続可能な成長を実現する企業のあり方である「サステナブル・インテリジェントエンタープライズ」へとすべての企業が変革できるよう支援することを戦略に掲げています。さらに、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan

Copyright © 2022 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.

SAP、SAPロゴ、記載されているすべてのSAP製品およびサービス名はドイツにあるSAP SEやその他世界各国における登録商標または商標です。またその他記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。