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はじめに
本ブログは「ローコード・ノーコードハッカソン」インタビュー記事第4弾です。「SAPジャパン パートナー様向け ローコード・ノーコードハッカソン」は、SAPパートナー(チームもしくは個人)を対象としたハッカソンイベントで、今後の企業のビジネス改革を推進する欠かせない注目技術領域であるローコード・ノーコード開発に注目した、機能並びに発想力や実現性など、SAP AppGyver(以下AppGyver)およびSAP Business Technology Platform(以下BTP)の特性を活かした課題解決力やイノベーションの推進力を競うものです。2022年6月13日(月)~ 6月17日(金)の期間中に、「『SAPソリューション拡張部門』『フリースタイル部門』のいずれかにおけるソリューション」という出題に対して、40社67チーム181名と数多くの参加をいただき、その中から一次選考を通過したファイナリスト6組が選出されました。
今回は、冷蔵庫内の食品を管理するアプリケーションを作り、フリースタイル部門で最優秀賞を受賞された株式会社JSOLの方々にお話を伺いました。
インタビュー参加者
水本氏 入社9年目。法人ビジネスイノベーション事業本部 カスタマーエクスペリエンスサービス部にて、SaaSの製品やパッケージを活用した開発に従事。今回のハッカソンではアイディア出しやフロントエンドを担当。
小暮氏 入社6年目。同事業本部 デジタルソリューション&イノベーション部にて、他社パッケージのワークフローソリューションを扱っており、導入支援を行っている。今回のハッカソンではアイディア出しやバックエンドを担当。
半田氏 入社10年目。同事業本部 デジタルソリューション&イノベーション部にて、RPAソリューションやワークフローソリューションを取り扱っている。
小島氏 入社6年目。同事業本部 カスタマーエクスペリエンスサービス部にて、SaaSの製品を活用した開発に従事。ハッカソンではフロントエンドの実装を担当。
船渡氏 入社3年目。同事業本部 カスタマーエクスペリエンスサービス部にて、SaaSの製品を活用した開発に従事。ハッカソンではフロントエンドの実装を担当。
※ハッカソン参加メンバーは、上記に加え、野原氏、仲嶺氏、江川氏を加えた8人
作品紹介
インタビュー内容
― 最優秀賞を受賞されたということで、まずは受賞されたときのご感想をお聞かせください。
小暮氏 まず単純に嬉しかったです。社内では優勝の期待があり、67チーム参加されていたので厳しいのではないかと思っていましたが、フリースタイル部門で優勝できたのは非常に嬉しく自信にも繋がりました。私と水本は3年前にDemoJAMのアイディアソン*にも参加させていただいており、その時も優勝させていただいたので、2冠というところでかなりこみ上げるものがあったなと思います。
(* 来たれエンジニア! SAP DemoJAM Tokyo)
― 最優秀賞を受賞したことを社内に伝えたときはどのような反応でしたか?
小暮氏 受賞が決まった際、上司とは直接は話してないのですが、メールで「流石ですね」と言っていただけました。別途会話する機会があり、その時に「おめでとう、お祝いしなきゃだね」とコメントをいただきました。
― 開発されたソリューションについて、何がポイントで最優秀賞の決め手となったと思いますか?
半田氏 実際に使う人を具体的にイメージできたことだと思っています。企業というよりは個人の生活の中で困っている課題をテーマとしたことで、メンバーからのアイディア出しも盛んに行われました。AppGyverはアイディアを簡単に実現できるプラットフォームであったため、課題に対して解決策を短い期間で形にできました。
また機能面に関しては、ツールを初めて使ったメンバーばかりであったため、まずはAppGyverの機能を分担して一通り確認しました。これにより、今回のアイディアの実現に適したAppGyverの標準機能を使うことができた点も良かったのではないかと思います。
― 作品作り上げていく中で、難しかった点や躓いた点などあれば教えていただきたいです。
小島氏 まずフロントエンド側から一つ。APIの使い方についてある程度リファレンスがあったものの、最初は苦労しました。ループの回し方などが少しわかりにくく、初めてやる人にとっては少し難しいなと思いました。
水本氏 しかし実際に問題に行き当たったときも、1時間後には「解決しました!」と連絡がありました。リファレンスですぐに把握できない場合でも、すぐに試せる環境が揃っているため、試行錯誤することですぐリカバリできたのだと思います。
小暮氏 続いてバックエンド側から一つ。AppGyverとBTPとのインテグレーションが少し弱いと感じました*。例えば、今回は撮影した画像をバックエンドにアップロード必要があったのですが、連携がうまくいかず、BTP上にアプリケーションを作ることで回避しました。
(*こちらはロードマップにて強化が進められているところなので、今後の改善に期待してもらえればと思います。)
― 今回開発された作品を今後何かに使うご予定はありますでしょうか。
水本氏 正直そこまではまだ考えていません。アプリそのものというよりは、これまでSAPシステムの経験がなかった我々が社内のSAPチームと今後コラボレーションしていく可能性が見えたことが個人的に良かった点だと思います。
― 作品を開発された際のプロセスやスケジュールについて教えていただきたいです。
水本氏 もともとテーマについて構想があったため、検討から開発までを2~3日で一気に仕上げました。開発終了後の時間はどうしたら視聴者に伝わるプレゼンになるか。に重点を置きました。なぜこのアプリが必要なのかを、具体的な数値を用いながら説得力のあるプレゼンにできるよう準備に時間をかけました。
小暮氏 事前にチームビルディングをしており、バックエンド、フロントエンド、APIの調査など役割分担を事前に決めていたので、実際にハッカソンが始まってからスムーズに検討、開発に入れました。
― 開発する上でAppGyverを使用した感想をお聞かせください。
船渡氏 それぞれの標準機能で出来ることと出来ないことを把握するのに苦労しました。1番手間取った時は半日近く実現方法を悩みました。
小島氏 似たような感想で、AppGyverにおける変数の持ち方が独特であったりと慣れるのが大変でした。しかし、画面はコンポーネントを置くだけですぐ実現でき、スタイルなども簡単に変更できるのは良いと思いました。
― イベントを通して一番プラスだった点をお聞かせください。
小暮氏 優勝できたことで、当社の強みがERPの導入だけでなく、BTPやAppGyverといったSAPの新しい技術もできるというケイパビリティを示せたことがプラスです。また、イベントを通し参加者の様々なアイディアも見られたため、良い刺激になりました。
船渡氏 ノーコードプラットフォームは一つしか経験したことがなかったので、今回AppGyverを経験できたことがとても良かったです。また、2,3日という短期間でアプリを開発できたことも、自分の自信につながったと思っています。
水本氏 SAPのイベントで2冠をとれたという個人的な嬉しさもありますし、会社としてもBTPやAppGyverもできるというアピールができたのが良かったです。
編集後記
過去にSAPイベントで優勝経験のあるメンバーのアイディアとチームマネジメント力に、メンバーの技術力とサポートが加わった素晴らしいチームワークが、自信のある素敵なソリューションの開発およびフリースタイル部門での優勝に導いたのだと印象を受けました。
インタビュワーも審査員も、あったら欲しいと思うアプリケーションをたった3日で作ることを可能にするSAP AppGyverとSAP Business Technology Platformの素晴らしさと、一方でこれからもっと使いやすくもっと複雑なことが開発可能になるAppGyverの未来を感じることのできたインタビューでした。
(インタビュー&編集:吉川優依&加藤舞、アドバイザリー:梅沢尚久)
参考記事
第1弾:SAPソリューション拡張部門ファイナリスト座談会編(リンク)
第2弾:フリースタイル部門ファイナリスト座談会編(リンク)
第3弾:SAPソリューション拡張部門最優秀賞受賞者編(リンク)