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社会貢献活動の自分ごと化プロジェクト“CSR for Everyone” – 第4回 プロボノという社会との関わり方、今年も3団体を支援

Teacher and children analyzing wind turbine model outdoors

SAPジャパンは、今年も昨年に引き続き中期計画 “SAP Japan 2023 Beyond”に基づき、CSR for Everyoneの一活動として、プロボノプロジェクトを始動しています。昨年参加した社員は、身近でありながら意外と知らなかった社会課題の深刻さと、その課題に取り組むNPO法人の方々の情熱を肌身に感じ、微力ながらも自分が社会課題に貢献できること発見できたと思います。

本年も、企業のプロボノ活動を支援する認定NPO法人サービスグラントにご協力いただき、5月より、3つの社会支援団体で活動をしています。

本稿では、各NPO法人と彼ら、彼女らが抱える課題と8月4日に行った社内での中間進捗共有会での各チームの活動進捗状況についてご紹介します。

団体1.にじーず

「LGBTの子ども・若者が安心して思春期をサバイバルできるつながりを作ること」をミッションに、10歳から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む) の孤立を防ぐべく、2016年8月に任意団体として東京で発足、その後は全国8都市(札幌・埼玉・東京・新潟・京都・大阪・神戸・岡山)に毎月〜隔月1回の居場所事業を実施している団体です。

課題

LGBTの子ども・若者が、親の許可や送迎なしに公共交通機関などで通える範囲に居場所があることが理想と考えていますが、にじーず主催の拠点だけでは十分とは言える状況にありません。居場所を全国に増やすためには、各地にある既存の子ども・若者支援機関(児童館、青少年施設、子ども食堂など)と連携することが必要です。そのためには各支援機関の大人が、当事者を取り巻く環境について自分事として捉え、自ら子どもたちを支えるためのプログラムを作り、彼らが自走して全国へ横展開していくことが急務と考えています。

プロジェクト進捗

にじーずの方と相談し、青少年施設向けのガイドブックの作成を行っています。子ども・若者を孤立から守りその成長を支援する居場所であるためには、LGBTなど性の多様性を前提とした青少年施設であることが必要という考えから、ガイドブックには、働く職員の方の「男はこうあるべき、女はこうあるべき」というアンコンシャスバイアス「無意識の思い込み」が原因となり、居心地の悪い場所となってしまわないよう、いじめや差別のきっかけにならないよう、できるところから行動を起こし意識を変えられるような「ヒント」を取りまとめています。また、作成途中のガイドブックが実際に青少年施設で働く職員の方にとって有用なものになっているか、アンケートやヒアリングを行い、内容をブラッシュアップしています。

中間進捗会での参加メンバーの声

団体2. 里地里山研究所(さともん)

「すべてのママが、心ゆるせる仲間と共に自分を磨き、輝くことで自分や家族を大切にでき、子育てを楽しめる社会を目指します」を理念に、里山問題研究所の活動のうち、子育て・子育ち交流運営として立ち上げた「プティプリ」事業。「孤育て」に陥りやすいママが「心の余裕」を持って“petit=小さな prix=贅沢”として、過ごすことが出来る施設を、現役子育てママスタッフが運営しています。地域で孤独な子育てをしている母親に、横の繋がりを持ってもらうことで、共に子育てを学び、楽しめる環境を作ることで、過疎化する地域社会の活性化に繋げていきたいと考えています。

課題

現状、「旧こども園」の施設を使って、未就学児の親子を対象としたプレイルームやイベント、勉強会などを実施していますが、将来的には、この施設を多世代が交流できる地域のコミュニティスペースとしても活用し、豊かな農村を守る担い手を増やしていきたいと考えています。そのためにも施設や団体の活動についての認知度を向上させる事が必要と考えていますが、現在は、イベント開催時は一時的に利用者が増えるものの、普段の利用者が少ないことと、利用者であっても、子供が保育園や幼稚園に入園してしまうと、せっかくの繋がりが切れてしまうことが課題です。将来を見据えた際に、どのような方向性で、どのように活動していけば良いかを模索しています。

プロジェクト進捗

旧こども園を利用したことのある子どもを持つ母親(8名)とプティプリが開いている未来運営会議に参加されている5名の方にヒアリングを実施しており、更に、成果物の内容を充実させるために、さともんと似たような活動をしている他のNPO法人からの情報収集も行っています。

中間進捗会での参加メンバーの声

団体3. ゴールドリボン・ネットワーク

「小児がんの子どもたちが安心して 笑顔で生活できる社会をつくる」ことを理念に2008年に設立、小児がんの子どもたちとその家族の支援活動に取り組んでいる団体です。小児がんは15歳未満のこどもの悪性腫瘍「がん」の総称で、日本では年間2,000-2,500人が新たに診断を受けており、大人のがんと比較して生存率は高いものの、治療後も約半数が晩期合併症「障害」に向き合うことになり、また、種類が多く、ひとつひとつが希少がんであるというのが一つの特徴です。希少がんのために、情報収集が難しい、研究が進みにくい、専門的な治療を受けられる病院が少ないため住んでいる地域によって治療のために大きな経済負担がかかるという課題があり、以下3つを活動の柱に、小児がんの子どもたちの支援活動に取り組んでいます。

  1. 小児がん患者・経験者のQOL「生活の質」向上支援
  2. 小児がん研究支援
  3. 小児がんの理解促進

課題

運営資金のほとんどを寄付金で賄っており、且つ、2年前より寄付者の拡大に加えて助成金やクラウドファンディングで不足分を補ってはいるものの、十分とは言えず、安定的な事業運営や活動の拡充のためには、継続的な寄付者「特にマンスリーサポーター」を更に増やすことが急務と考えています。

プロジェクト進捗

GRNの方々とは各週で打ち合わせをしており、その中で、マンスリーサポーターを増やすための施策を考える上で必要な情報を集める必要があるという話に至っています。現在、既にいらっしゃる7名のマンスリーサポーターの方々に対して「なぜマンスリーサポーターをしているのか『動機』」を中心に、アンケートを実施しようと動いており、また、同様のアンケートを用いて、潜在寄付者に対するアンケートも実施して情報収集することで、団体の課題を解決するアイデアを提示しようとしています。

中間進捗会での参加メンバーの声

編集後記

昨年の経験もあり、各チーム今年はよりスムーズにNPO法人の方々とのコミュニケーションを取ることが出来ているように感じています。チームによっては通常業務で使っているツールを利用するなどの工夫も見られ、効率的に各NPO法人の抱える課題を深く理解しようとしています。

次回のブログでは、最終報告会の様子と共に、各NPO法人が得られた成果、SAPが得られた成果、両方の観点でご報告させて頂きます。

 
 

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