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SAP、2022年度第3四半期の業績を発表

(本リリースは、10月25日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2022年9月30日に終了した第3四半期の財務業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「 SAP Quarterly Statement Q3 2022」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • クラウドの勢いは引き続き加速
  • クラウド売上は38%増、固定通貨換算ベースでは25%増
  • カレント・クラウド・バックログは38%増、固定通貨換算ベースでは26%増
  • SAP S/4HANA®のカレント・クラウド・バックログは108%増、固定通貨換算ベースでは90%増
  • クラウドの総利益はIFRSベースで44%増、Non-IFRSベースで42%増、固定通貨換算ベースでは30%増
  • 営業利益はIFRSベースで1%減、Non-IFRSベースで横ばい、固定通貨換算ベースでは8%減

SAP CEO、クリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「お客様が将来を見据えた事業展開について、当社を信頼してくださっている答えが、SAPのクラウドソリューションです。このようなSAPへの信頼は、当社のクラウドの勢いが加速していることに反映されています。経常収益シェアは80%を超え、当社の変革が、今後の継続的な成長へと続く重要な変曲点に達したことは明らかです」

SAP CFO、ルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「クラウド事業が好調だった当四半期は、すべての主要なクラウド指標で勢いの加速が見られました。SAPは今、変革の重要な変曲点を迎え、2023年には売上成長が加速し、営業利益は2桁成長すると見込んでいます」

  

業績ハイライト

カレント・クラウド・バックログは勢いを付けたまま112億7,000万ユーロまで拡大し、加速して38%増、固定通貨換算ベースでは26%増でした。

クラウド売上は、SaaSおよびPaaSポートフォリオ全体の2桁成長に牽引され、38%増の32億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは25%増となりました。

クラウド総利益はIFRSベースで44%増、Non-IFRSベースで42%増、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは30%増でした。前年比で、クラウド総利益率は、IFRSベースで2.8パーセンテージポイント増の69.8%、Non-IFRSベースでは2.3パーセンテージポイント増の71.7%となりました。これは主にSaaSの利益率が大幅に増加したことによるもので、効率性の向上が次世代クラウド・デリバリー・プログラムへの投資増を補う形となりました。

IFRSベースの営業利益は1%減の12億4,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は2.4パーセンテージポイント減の15.8%でした。Non-IFRSベースの営業利益は、横ばいで20億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは8%減でした。Non-IFRSベースの営業利益率は、4.0パーセンテージポイント減の26.7%、固定通貨換算ベースでは3.8パーセンテージポイント減でした。これは主に、第2四半期までと同様に、ソフトウェアライセンス収入の減少、現在および将来の成長機会を捉えるための研究開発およびセールス&マーケティングへの投資の加速によるものです。また、前年同期のIFRSおよびNon-IFRSベースの営業利益には、SAP Fioneerの立ち上げに関連した売却益7,700万ユーロが含まれています。

IFRSベースの1株当たり利益は、52%減の0.57ユーロ、Non-IFRSベースの1株当たり利益は36%減の1.12ユーロでした。1株当たり利益の前年比での減少は、Sapphire Venturesによる財務利益貢献度が、現在の市況を受けて前年同期より著しく低かったことを反映しています。実効税率は、IFRSベースで35.7%、Non-IFRSベースで26.0%でした。前年比での増加は、主にSapphire Venturesに関連する非課税所得の変動によるものです。

第3四半期までの9カ月累計のフリーキャッシュフローは、38%減の25億4,000万ユーロでした。前年同期比での減少は、主に収益性の推移と運転資本における悪影響によるものです。第4四半期においては、運転資本管理への注力、ならびに現金課税、株式報酬、および設備投資への支払い抑制により、キャッシュフローはより好調に推移するものと引き続き見込んでいます。しかしながら、年初来のSAPの状況を踏まえ、フリーキャッシュフローの通期見通しを約45億ユーロに修正します(前回は「45億ユーロ超」としていました)。

7月21日、SAPは2022年向け第2回自社株買いプログラムを発表し、9月6日に完了しました。このプログラムのもと、SAPは平均価格87.50ユーロで5,715,512株の自社株買いを行い、購入総額はおよそ5億ユーロでした。買い戻した株式は、主に従業員に対する株式報酬プランに基づき付与される報奨金の支払いに充当されます。

 

ウクライナ情勢の影響

第3四半期までの9カ月において、SAPのビジネスはウクライナ戦争と、SAPがロシアとベラルーシでの事業縮小を決定したことの影響を受けました。

第3四半期末のカレント・クラウド・バックログは、ロシアとベラルーシでの既存のクラウド契約を終了させたことにより約6,400万ユーロ減となり、固定通貨換算ベースのカレント・クラウド・バックログ成長率は約1パーセンテージポイント減となりました。第3四半期のIFRSベース営業利益への影響は約2,000万ユーロ(第3四半期までの9カ月:約3億7,000万ユーロ)、およびNon-IFRSベース営業利益への影響は約2,000万ユーロ(第3四半期までの9カ月:約2億5,000万ユーロ)でした。これは、主に売上の減少によります。

通期では、新規ビジネスの不足および既存ビジネスの中止により、固定通貨換算ベースで総額約2億5,000万ユーロの影響が見込まれます。Non-IFRSベースの営業利益については、上述の売上減とその他の費目により、固定通貨換算ベースでおよそ3億ユーロの影響が見込まれます。

この進展状況によるその他の影響は現時点では不明であり、状況が現在の範囲を超えてエスカレートした場合には、SAPのビジネスに重大な悪影響が及ぶことも考えられます。

 

ビジネスハイライト

 第3四半期に、エンド・ツー・エンドのビジネス変革を推進されるために「RISE with SAP」をお選びいただいた世界各国のお客様には、Alpargatas、Asaí Atacadista、Paul-Ehrlich-InstitutのCenter for Pandemic Vaccines and Therapeutics(ZEPAI)、Dabur India Limited、Fonterra、HELLENiQ ENERGY、株式会社ニコン、Prada、株式会社リコー、株式会社リクルート、株式会社エイト日本技術開発、Roborock、Salzburg AG、Schneider Electric、Wistron Corporation、11teamsportsなどがあります。また、BioNTech、Birlasoft、Bosch BASF Smart Farming、Dufry International、NBA、Petrobras、およびWiproが、第3四半期にSAP S/4HANA® Cloudの本稼働を開始しました。

SAPのソリューションポートフォリオをお選びいただいた主なお客様としては、Allianz Technology、Cognizant、DB Schenker、Domino’s Pizza Enterprises、Endress+Hauser、富士通株式会社、Grupo Energía Bogotá、Gustavo Gusto、Hapag-Lloyd、L.L.Bean、Salzgitter、Schiphol Nederland、Siemens Energy、The Pennsylvania State University、The State of Missouri、Trent Limited、Valioなどがあります。

当四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、すべての地域において非常に好調でした。米国およびドイツにおけるクラウド売上の伸びが顕著で、また、ブラジル、中国、インド、スイスも特に好調でした。

7月21日、SAPは、検索主導型アナリティクスに特化したスタートアップ、Askdataを買収したことを発表しました。Askdataの買収により、SAPは、AIによる自然言語検索を活用して、組織が適切な情報に基づいて意思決定を行うための機能を強化します。

8月17日、SAPとFrancisco Partners(FP)は、FPがSAPからSAP® Litmos®を買収する正式契約を、SAP America Inc.と締結したと発表しました。この買収取引は、規制当局の承認が得られ次第、2022年第4四半期中に成立する予定です。

8月31日、SAPは、SAPスーパーバイザリーボードがドミニク・アサム(Dominik Asam)氏をSAP SEのCFO兼エグゼクティブボードメンバーに任命したと発表しました。ドミニク氏は2023年3月7日付で就任します。現在、同氏はAirbus社のCFO兼執行委員会のメンバーですが、ルカ・ムチッチの後任としてSAPのエグゼクティブボードメンバーに就任し、ムチッチは2023年3月31日まで現職に留まる予定です。

9月13日、SAPは、SAP® SuccessFactors® Human Experience Management(HXM) Suite向けの新しいモジュールを発表しました。これにより、組織が人材開発の統合戦略を実行し、将来を見据えたワークフォースを構築するための強力な手段が提供されます。この新機能は、SAP SuccessFactorsが過去10年間で開発した最も重要な機能になります。

10月20日、TauliaとStandard Chartered Bankは、主にAPJ市場と新興市場において、幅広い運転資金調達ソリューション全体で協業するためのパートナー契約を締結しました。さらに、TauliaはMastercardと契約を締結し、Mastercard Virtual Cardプラットフォームと統合することで、組み込み型決済機能を提供できるようになりました。Mastercard Virtual Cardプラットフォームでは、複数のグローバルバンクに容易にアクセスでき、Taulia/Mastercard Virtual Cardソリューションへの資金調達が可能になります。

第3四半期については、SAPは次のような栄誉を勝ち取りました。

  • 2022 Gartner® Magic Quadrant™ for Digital Commerceでリーダーに認定
  • 2022 Gartner® Magic Quadrant™ for Data Integration Toolsでリーダーに認定
  • The Forrester Wave™: Digital Operations Platforms for Manufacturing and Distributionでリーダーに認定
  • SAP SuccessFactorsがIDC MarketScape for Worldwide Modern Talent Acquisition Suites 2022 Vendor Assessmentでリーダーに認定

 

セグメント別業績概要

SAPの報告対象の2セグメントの業績は以下のとおりです。

Applications, Technology & ServicesAT&S

AT&Sセグメントの売上は、主にSAP S/4HANAおよびSAP® Business Technology Platformに牽引されたクラウド売上の力強い成長により、前年比12%増の71億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは4%増となりました。ソフトウェアライセンス売上は、「RISE with SAP」オファリングを採用する顧客の増加によるクラウドへの移行を受けて、減少しました。セグメントのサポート売上は、前年比5%増の30億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは2%減でした。

Qualtrics®

Qualtricsセグメントの売上は、前年比65%増の3億8,400万ユーロ、固定通貨換算ベースでは42%増でした。大幅な伸びが続いていることの要因は、堅調な更新率と契約数の拡大です。

  

2022年度の見通し

 SAPではそのクラウド主導の戦略を推進しており、これにより新規ビジネスと既存顧客によるクラウド採用の両面でクラウドの伸びが加速しています。SAPのクラウドの勢いは、そのペースと規模から、中期的な目標に向けて順調に進んでいると言えます。

 財務見通し

2022年について、SAPは引き続き次のように予想しています。

  • クラウド売上は、固定通貨換算ベースで115億5,000万~118億5,000万ユーロ(2021年度=94億2,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで23%~26%増となる見込みです。
  • クラウドおよびソフトウェアの売上は、固定通貨換算ベースで250億~255億ユーロ(2021年度=240億8,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで4%~6%増となる見込みです。
  • 営業利益は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで76~79億ユーロ(2021年度=82億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで4%~8%減となる見込みです。
  • 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計として定義)の比率が約78%(2021年度=75%)に達する見込みです。

2022年について、SAPは現在次のように予想しています。

  • フリーキャッシュフローは、約45億ユーロ(2021年度=50億1,000万ユーロ)となる見込みです。前回の見通しでは、45億ユーロ超としていました。

現在の市場環境と資本市場の変動は、2022年通期の実効税率見通しについても(IFRSベース、Non-IFRSベースともに)予測可能性を低下させることにつながっています。現在の予測に基づき、2022年通期の実効税率はIFRSベースで約45.0%(前回:34.0%~38.0%)、Non-IFRSベースで約30.0%(前回:23.0%~27.0%)と予想しています。実効税率(IFRSベースおよびNon-IFRSベース)の今後の推移は、Sapphire Venturesの2022年の財務利益貢献度に強く依存するため、現在の市場環境下では、どちらかに大きく乖離する可能性があります。

SAPの2022年度通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。

財務以外の見通し

2022年について、SAPは引き続き次のように予想しています。

  • 従業員エンゲージメント指数で80%~84%(2021年度=83%)。

2022年について、SAPは現在次のように予想しています。

  • 年初来の調査結果の確認後、カスタマー・ネット・プロモーター・スコアで3~8(2021年=10)。前回は11~15。
  • 二酸化炭素のネット排出量で90~95キロトン(2021年度=110キロトン)。前回は70キロトン。

 

2025年度目標

2023年に営業利益を2桁成長させるというコミットメントを含め、2020年第3四半期決算発表で公開した中期的な目標に変更はありません。SAPは、引き続き好調なクラウド事業と直近の有利な為替レートの推移を反映して、翌四半期以降、中期的な目標を更新すると予想しています。

 

 追加情報

本プレスリリースおよびそれに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。

 

SAPの業績指標

当社の主要な成長指標と業績指標、その算出方法、その有用性、およびその限界に関する詳細については、当社のInvestor RelationsのWebサイト、SAP Performance Measuresをご覧ください。

 

以上

 

 

SAPについて

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