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SAP、2023年度第4四半期および通年の業績を発表

(本リリースは、1月24日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2023年12月31日に終了した2023年度第4四半期および通年の財務業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「Quarterly Statement  Q4 and Full Year 2003」のサマリーです。詳細はリンク先のオリジナル資料をご参照ください。

 

SAP CEOのクリスチャン・クライン(Christian Klein)は、次のように述べています。

「2023年は、SAPにとって有言実行の年でした。見通しとして挙げた目標をすべての主要指標において達成しまたは上回りました。好調な受注により、カレント・クラウド・バックログは27%増、過去最高を記録しました。当社は2024年の見通しについても自信を持っています。現在の力強いポジションから、SAPは次の扉を開こうとしています。計画されている変革プログラムで、当社は戦略的成長分野、とりわけBusiness AIへの投資を強化しています。今後このプログラムにより、オペレーティングモデルの拡張性を高めながら、イノベーションでリードし続けることができると確信しています」

SAP CFOのドミニク・アサム(Dominik Asam)は、次のように述べています。

「2023年は変化の年でした。悪条件のマクロ環境にもかかわらず、SAPは皆様との約束を果たし、営業利益はNon-IFRSベースで2桁増を達成しています。2024年、当社は、2025年に向けてさらに高い目標を達成するため、そして堅調な業績拡大を持続させるために、収益の適切な成長勾配の維持に注力いたします」

 

業績ハイライト

 2023年度第4四半期

第4四半期は、SAPのクラウドの勢いがさらに加速し、カレント・クラウド・バックログおよびクラウド売上の両方で成長率が引き続き増加しました。カレント・クラウド・バックログは、25%増の137億5,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで27%増)と、過去最速のペースで増加しました。SAP S/4HANA®のカレント・クラウド・バックログは、58%増の50億5,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで61%増)でした。クラウド売上は20%増(固定通貨換算ベースでは25%増)の37億ユーロとなり、主に、SaaSおよびPaaSのポートフォリオの22%増の成長(固定通貨換算ベースで28%増)がけん引役となりました。SAP S/4HANA® Cloudの売上は、55%増の10億3,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで61%増)となりました。

とりわけ欧州での堅調な業績に支えられ、ソフトウェアライセンス売上はわずか7%減の8億4,100万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、6%増の73億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで10%増となりました。サービス売上は横ばいの10億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで4%増となりました。総売上は、5%増の84億7,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで9%増となりました。

第4四半期の予測性の高い売上の比率は、2パーセンテージポイント増の77%に達しました。

クラウド総利益はIFRSベースで25%増の26億6,000万ユーロ、Non-IFRSベースで24%増の26億9,000万ユーロ、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは30%増でした。クラウド総利益の伸びは、クラウド売上総利益率の堅調な上昇に支えられました。

営業利益は、IFRSベースの場合、5%減の19億ユーロで、Non-IFRSベースの営業利益は、2%減の25億1,000万ユーロでした(固定通貨換算ベースで2%増)。第4四半期の営業利益は、オンプレミス事業関連で資産計上した販売手数料の前倒し償却、および好調な財務実績に関連した賞与引当金の増加によりマイナスの影響を受けました。

また、前年第4四半期におけるIFRSベースの営業利益には、SAP Litmos事業の売却に関連した1億7,500万ユーロの売却益と、その結果であるNon-IFRSベースの営業利益1億900万ユーロが含まれています。

IFRSベースの1株当たり利益(基本)は、60%増の1.02ユーロでした。Non-IFRSベースの1株当たり利益(基本)は、44%増の1.41ユーロでした。実効税率は、IFRSベースで33.8%、Non-IFRSベースで31.4%でした。実効税率が前年同期比で低下した主な要因は、主にSapphire Ventures関連の非課税所得の変動によるもので、繰延税金および源泉所得税に関する評価性引当金の変動により一部相殺されました。

 

2023年度通年

12月31日時点で、クラウド・バックログの総額(将来の期間に見込まれる、契約で約束されたクラウド売上)は、37%増の440億ユーロ(固定通貨換算ベースでは39%増)でした。

通年では、クラウド売上は20%増(固定通貨換算ベースでは23%増)の136億6,000万ユーロとなり、主に、SaaSおよびPaaSのポートフォリオ全体の2桁の力強い伸び(23%増、固定通貨換算ベースで26%増)がけん引役となりました。SAP S/4HANA Cloudの売上は、67%増の34億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで72%増となりました。

ソフトウェアライセンスの売上は14%減の17億7,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで12%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、6%増の269億3,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで9%増となりました。サービス売上は、4%増の42億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%増となりました。総売上は、6%増の312億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで9%増となりました。

2023年通年の予測性の高い売上の比率は、前年同期比2パーセンテージポイント増の81%に達しました。

クラウド総利益はIFRSベースで23%増の97億8,000万ユーロ、Non-IFRSベースで23%増の99億1,000万ユーロ、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは27%増でした。クラウド売上総利益率は、IFRSベースで2.2パーセンテージポイント増の71.6%、Non-IFRSベースで2.2パーセンテージポイント増の72.6%、固定通貨換算ベースでは2.4パーセンテージポイント増でした。

IFRSベースの営業利益は5%減の57億9,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は2.1パーセンテージポイント減の18.5%でした。Non-IFRSベースの営業利益は9%増の87億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは13%増で、Non-IFRSベースの営業利益率は0.9パーセンテージポイント増の27.9%、固定通貨換算ベースでは1.2パーセンテージポイント増の28.2%でした。

IFRSベースの1株当たり利益(基本)は、10%増の3.08ユーロ、Non-IFRSベースの1株当たり利益(基本)は24%増の5.01ユーロでした。実効税率は32.6%(IFRSベース)、29.3%(Non-IFRSベース)となり、見通しの28.0%~32.0%(IFRSベース)、26.0%~28.0%(Non-IFRSベース)を上回りました。これは主に、繰延税金に対する評価引当金の変動によるものです。

通年のフリーキャッシュフローは16%増の50億8,000万ユーロとなり、修正見通しの約49億ユーロを上回りました。フリーキャッシュフローは、税金とリストラクチャリングにかかる支払額の増加が重荷となったものの、SAPの収益性と、運転資本および利息支払の改善がプラス成長をけん引しました。さらに、株式報酬、設備投資、およびリースに対する支払いが減少したこともプラスとなった要因でした。年度末時点の純流動資産は35億2,000万ユーロでした。

 

自社株買いプログラム

5月16日、SAPは、総額50億ユーロを上限とする、期間2025年12月31日までの新たな自社株買いプログラムを発表しました。2023年12月31日現在、SAPは同プログラムに基づき、平均価格125.49ユーロで7,563,796株の自社株買いを行い、購入総額はおよそ9億4,900万ユーロでした。

 

2023年度の非財務パフォーマンス

顧客ネットプロモータースコア(NPS)は、2023年度は前年同期比2ポイント増の9となり、見通しの範囲内でした。

SAPの従業員エンゲージメント指数は80%で安定し、目標範囲の上限を達成しており、引き続き高いエンゲージメントを示しています。2023年度、SAPの定着率は96.4%でした。さらに、経営幹部の女性比率が増加して29.7%になりました。第4四半期には、全従業員に占める女性の割合が35.2%に達しました。

二酸化炭素のネット排出量は0キロトンであり、これは当社が事業活動においてカーボンニュートラルであることを意味しています。

 

ビジネスハイライト

第4四半期に、エンド・ツー・エンドのビジネス変革を推進するために「RISE with SAP」をお選びいただいた世界各国のお客様には、Amer Sports、AusNet、Boots、Christchurch City Council、Coles Group、Covestro、ダイキン工業株式会社、Daimler Truck、Deutsche Telekom、EMS、Harrods、Hilti、IBM、KONE、Kyndryl、Landis+Gyr、Marathon Petroleum、Marks and Spencer、Messe Frankfurt、Munich Airport、日本電気株式会社、NVIDIA、Nestlé、OXG Glasfaser、SLB、Smyths Toys Superstores、Vodafone Group、Wärtsilä Corporationなどがあります。

また、AES Indiana、Allianz、ARAG、DAK-Gesundheit、Tropicana Brands Group、およびZurich Insurance Companyが、第4四半期にSAP S/4HANA Cloudの本稼働を開始しました。

Lowe Enterprises、Mangopay、Merida & Centurion Germany、Okuma Europe、Serrala Group、およびSolidia Technologiesには、クラウドERPのスピーディかつ予測可能な導入を継続的イノベーションにより支援する中堅企業向けのサービス「GROW with SAP」をお選びいただきました。

SAPのソリューションポートフォリオをお選びいただいた主なお客様としては、Ahold Delhaize、Airservices Australia、Beiersdorf、Bosideng、Delivery Hero、Douglas、DZ BANK、Ericsson、マツモトプレシジョン株式会社、Mercedes-Benz Group、NEOM、Robert Bosch、TechnipFMC、TE Connectivity、Volkswagen、Wiproなどがあります。

また、株式会社日立ハイテク、Axpo Holding、Campari Group、Roca Sanitarioなどのお客様がSAPソリューションの本稼働を開始しました。

第4四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、APJ(アジア太平洋)とEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域で特に好調で、南北中央アメリカ地域では堅調でした。ブラジル、ドイツ、フランス、インド、および韓国におけるクラウド売上の伸びが大変好調で、中でも日本とサウジアラビアが特に顕著でした。通年では、ドイツ、ブラジル、インドがクラウド売上の業績が大変好調で、フランス、日本、韓国、オランダ、メキシコ、チリ、スイスが特に顕著でした。

SAPは10月25日、世界有数の医療技術企業であるSiemens Healthineers AGが、同社のデジタルトランスフォーメーションの一環としてRISE with SAPソリューションを採用したことを発表しました。

11月2日、SAPは、SAP TechEdイベントにおいて、すべてのスキルレベルの開発者がAIの時代にビジネスを強化する能力を身に付けることをねらいとする、生成AIの包括的な一連の機能と進化について発表しました。

11月8日、SAPはLeanIXの買収を完了したと発表しました。

11月21日、SAPとMercedes-AMG PETRONAS F1チームは、レーストラック内外の効率化を推進するために複数年のパートナーシップを締結したことを発表しました。

11月22日、SAPは、建設業界に革新的なハードウェア、ソフトウェア、サービスを提供するグローバルリーダーであるHilti Groupが、自社資源の循環性を高めるためにCircelligenceソリューションを活用していることを発表しました。

12月13日、SAPは、AIとQuantumに関してIBMとのパートナーシップを深化させたことを発表しました。IBMはまた、全社的にRISE with SAPを導入し、グローバルなリーチを広げ、SAP® Fieldglass®とSAP® Learning Hubの利用を通じてクラウド活用を継続しています。

2024年1月9日、SAPは、AIの時代にクラウドの恩恵を顧客が受けられるようにする自社の成功を強化することを目的として、エグゼクティブボードの変更を発表しました。2024年4月1日、クラウドの拡大と導入を加速させるために、新たなボードエリアが創設されます。トーマス・ザウアーエシッヒ(Thomas Saueressig)が率いるこのボードエリアは、顧客がクラウド上で継続的にイノベーションを活用できるようにすることに重点を置きます。同時に、ムハマド・アラム(Muhammad Alam)がトーマス・ザウアーエシッヒの後任としてエグゼクティブボードに加わり、SAPの製品エンジニアリングの責任者となる予定です。

1月17日、SAPは、世界で最も持続可能な100社の1つに認定され、再度Corporate Knights Global 100の仲間入りを果たしました。

 

2024年度通年の見通し

SAPの通年見通しは、2024年度の財務見通しおよび2025年度の財務目標を含むものであり、2024年以降、株式報酬費用を含み、株式損益を除外したSAPのNon-IFRS定義に基づく最新の利益指標に基づいています。

さらに、フリーキャッシュフローの2024年度見通しと2025年度目標は、計画されているリストラクチャリングプログラムに関連するすべての支払いが2024年に完了することを前提としています。

 

財務見通し

2024年度について、SAPは次のように予想しています。

SAPの2024年度の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。

 

財務以外の見通し

2024年度のSAPの最新の目標は以下のとおりです。

 

2025年の目標

SAPは、2025年度の財務目標を更新します。この更新は、2023年第4四半期の好調な業績、利益指標のNon-IFRSの定義の更新、および2024年の変革プログラムから期待される利益を反映したものになります。

Non-IFRSベースの営業利益目標の更新には、更新されたNon-IFRS定義に基づく株式報酬費用の算入による約20億ユーロの減少と、変革プログラムから期待される効率向上による約5億ユーロの増加が含まれています。

2025年度までの目標を以下のように更新します:

以下の目標は継続します:

2025年の目標は、1ユーロ=1.10米ドルの為替レートを前提としています。

SAPは、2030年までにバリューチェーン全体で二酸化炭素排出量ネットゼロを達成し、2027年末までに女性管理職比率を25%にするという目標に加え、引き続き以下の目標を目指します。

 

2024年度変革プログラム:事業の拡張性と主要な戦略的成長分野への集中

2024年、SAPは主要な戦略的成長分野、特にBusiness AIへの注力をさらに進める予定です。また、組織シナジーやAI活用による効率化を目指すとともに、拡張性の高い将来の収益拡大に備えるため、組織構造の変革を進める意向です。

この目的のため、またSAPのスキルセットとリソースが確実に将来のビジネスニーズに対応し続けられるように、SAPは2024年、全社的なリストラクチャリングプログラムを実施する予定です。影響を受ける約8,000のポジションの大部分は、希望退職プログラムおよび社内のリスキリングプログラムによってカバーされる予定です。また、戦略的成長分野への再投資により、2024年末には現在と同レベルの人員数になると予測しています。

事前に見込まれているリストラクチャリング費用は約20億ユーロで、その大部分が2024年上半期に認識され、IFRSベースの営業利益に影響します。リストラクチャリング費用を除くと、2024年、当該プログラムによる費用便益はわずかであると予想されます。予測されるコスト削減と再投資は、SAPの2024年度見通しと、更新された2025年度のNon-IFRSベースの営業利益およびフリーキャッシュフローの目標に完全に反映されています。

 

追加情報

本プレスリリースおよびそこに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。四捨五入しているため、数値の合計は正確でない場合があります。

 

SAP の業績指標

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以上

 

 

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