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Japan2026始動。SAPジャパンビジョンの実現に向けた中期変革プログラムが新たなフェーズへ

Japan --- Tokyo skytree tower and cherry blossoms --- Image by © Top Photo Corporation/Corbis

SAPジャパンでは2032年を見据えた長期ビジョンのもと、3ヶ年毎の中期変革プログラムを実施しています。「SAP Japan 2023(以下Japan2023)」で得た経験と成果を礎に、いよいよ新しい中期変革プログラム「Japan2026(以下Japan2026)」がスタート。今回はJapan2026に込められた思い、「Customer Success(顧客)」「People Success(人)」「Society Success(社会)」「Growth(成長)」という4つのカテゴリーにおける具体的な目標、それらを社員が一丸となって実現するための取り組みについて、代表取締役社長の鈴木さんと、同プログラムのPMO(Project Management Office)メンバーである五十嵐さんに話を聞きました。(聞き手:SAP Japan 2026 PMO 編集部)

 

 

仲間と日本が世界に躍進する未来を描いたJapan2026

 

――まずはJapan2026の概要を教えてください。

 

鈴木:SAPジャパンが40周年を迎える2032年に向けて、2012年に策定した長期ビジョン「SAP Japan Vision 2032」を実現するための中期変革プログラムです。この長期ビジョンでは、「ニッポンの“未来”を現実にする~世界の叡智と革新性をもって、変革を目指すすべての人と共により良い明日を創る~」ことを掲げています。2032年の最終的なゴールに向けて、その時々の環境に合わせた直近のビジョンを設定した中期変革プログラムを3年毎に実施しており、昨年Japan2023を終えて新たにJapan2026がスタートしました。

 

五十嵐:私は社内外の変革を担うトランスフォーメーションオフィスの所属で、Japan2026の活動をリードするPMO(Project management office)のリーダーです。Japan2023の活動にも関わっていました。

 

鈴木:Japan2026が掲げるビジョンは、 「Bloom with Japan~世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。さあ、No.1クラウドカンパニーへ」です。2023年2月に経営陣全員でオフサイトワークショップを行い、2日間にわたる議論を実施しました。その後、9ヶ月かけて様々なメンバーや社員と対話を重ね、正式な策定へと至っています。

 

 

――今回のビジョンには、どのような意味が込められているのでしょうか。

 

鈴木:SAPジャパンの社員である我々が、ロールモデルとして世界に誇れる人材になろうという意思、そしてグローバルの仲間たちや協業でビジネスを推進する人々を含めたエコシステム全体で、共に飛躍したいという思いを込めました。皆が世界中の憧れの存在となり、日本の成長と発展に貢献することで、2026年のゴールであるNo.1クラウドカンパニーを目指しています。

 

日本人の時にシャイで謙虚な性質は、グローバルでは自信のなさの表れと判断されることがあります。外資系の会社においても、世界規模でリーダーシップを発揮するポジションに日本人が着任するケースは極めて少ないため、Japan2026の活動を通してリーダーシップを磨き、世界で活躍できる人材を育てていきたいです。さらには、国内企業や政府の業務効率化に寄与することによって、競争力のある国家としての基盤を築き、日本が世界に返り咲く未来を実現したいと考えています。

SAP Japan 代表取締役社長 鈴木 洋史

 

 

3つの「成功」と「成長」を両輪で回すことによって好循環を生む

 

――SAP Japan 2023で得られた成果についてお聞かせください。

 

五十嵐:まず、以前は限定的であった社員のエンゲージメント向上です。2020年以降は、約8割の社員が会社に前向きに活動している状態をキープできています。社員一人ひとりのミッションやパーパスが達成できる形で動機付けを行ってきたからでしょう。

 

次に、SAPジャパンはオンプレミスからクラウドへ移行する変革期の最中で、そのビジネスモデルはもちろん個々のスキルや価値観、マインドセット等に大きな変化が必要です。 SAPグループの2020年のクラウド売上は40%程度でしたが、2023年は50%を大きく超えており、日本もこれに追随しています。当社はオンプレミス型のERPでトップシェアを獲ってきたからこそ数多くのチャレンジが生じますが、Japan2023を経て本格的な変革への準備が整いました。

 

また、SAPジャパンというプラットフォームを通じて、日本全体の社会課題解決を図ることにも挑戦してきました。SAPジャパンの仕組みを社会に還元すべく様々な取り組みを行い、数千万人の人々の生活にポジティブな影響を与えることができました。

 

鈴木:2022年9月に大手町に移転した本社オフィスは、働き方の多様性やウェルビーイングに配慮した設計が評価され、日本初のWELL認証プラチナを取得、第36回日経ニューオフィス賞では「クリエイティブ・オフィス賞」を受賞しました。1万社超が参加する世界最大規模の働きがい調査「Great Place To Work®」でも、8位にランクインしています。このような評価もまた、Japan2023の成果の一つと言えるでしょう。

 

 

――その成果を受けて始動したJapan2026について、具体的な内容の紹介をお願いします。

 

鈴木:Japan2026ではJapan2023から絞り込む形で、3つの成功「Customer Success(顧客)」「People Success(人)」
「Society Success(社会)」と、SAPジャパンの「Growth(成長)」の4つのカテゴリーを設けています。具体的な活動は各カテゴリーのメンバーの元、ボトムアップで進めていきます。

 

五十嵐:「顧客」のカテゴリーのテーマは、「お客様の成功を、ずっと」。お客様の成功のために伴走し、真の意味でご満足いただけるようなモデルを作り、Customer NPSを大きく上げることを目標にしています。眼識ある日本のお客様に対してこのミッションを実現するには、お客様を主軸に置いた組織設計が特に求められます。組織を変え、考え方を変え、行動を変えていかなければなりません。

 

「人」のカテゴリーは、「世界に誇れる仲間と共に躍進を」をテーマに、社員がワクワクできる環境づくりを目指しています。世界に躍進できるリーダーシップを磨きながら、各々が自分らしく、新しい時代に適応した多様なキャリアを描いていく。そのために、リーダーの信頼性を測るLeadership Trustや、社員のエンゲージメントを測るEmployee Engagement Index、ウェルビーイングの指標であるBusiness Health Cultureに、それぞれ目標値を定め、達成を目指しています。

 

「社会」のカテゴリーで目指すものは、「ニッポンを価値づくり大国に」です。近年は国力の低下が指摘されていますが、日本や日本人は高いポテンシャルを持っています。「ものづくり」を優先する時代が終わり、「価値づくり」の時代へと変わった今、社会貢献や社会課題の解決に積極的に取り組むことで、先進国としての価値を高めていくことを目指し、日本におけるデジタルタレントの数やサステナビリティに関する取り組みの指標を目標値で定めています。

 

「成長」のカテゴリーでは、「さらなる成長への挑戦」をテーマに掲げました。より多くのお客様にSAPのクラウドソリューションを活用してもらうこと、業界のイノベーションに加えて、SAPジャパンの仕組みを中小企業にも浸透させる、パートナー企業様を介した拡販を図る等、様々なチャレンジが待っています。

 

――4つのカテゴリーに対する、鈴木社長の考えをお聞かせください。

 

鈴木:お客様の満足度を上げるためには、社員はもとよりパートナー企業様を含むエコシステム全体が働きがいを感じ、支え合い助け合いながら成長することが重要だと考えています。社会に対しては単にボランティアをするというよりも、SAPジャパンならではの活動を模索していきたいですね。

直近の事例では、防災・減災のプラットフォームを担当しているメンバーが能登半島地震の折に自ら手を挙げ、避難所支援システムを構築しました。人手不足に悩む中小企業の事業を強化・サポートする基盤の提供や、育児等で思うように働けない女性をデジタル教育から就労支援する取り組みも行っています。システムや人材育成で社会に貢献することにより、顧客・人・社会の「三方良し」が実現できるのではないでしょうか。

 

「成長」は、Japan2026で新たに立ち上げたカテゴリーです。3つの成功を確実にするにはSAPジャパンの成長が不可欠ですし、成長がさらなる成功へと繋がりますので、「成功」と「成長」の両輪で回すことを決めました。グローバルの戦略にマッチさせていくためにも、「成長」を含めるのは大きくこだわったポイントです。

トランスフォーメーションオフィス コーポレートトランスフォーメーション リーダー 五十嵐 剛

 

 

社員一人ひとりの魂を込めながらイノベーションを推進

 

――Japan2026のビジョンを浸透させるために、ユニークな取り組みを行っていると伺いました。

 

鈴木:このビジョンを「自分ごと」として認識してもらうことを重視しています。各々の業務や役割と照らし合わせて「自分にはどんな貢献ができるのか」を考えるきっかけにして欲しいのです。目的に向かう推進力を高めるためには、皆が自分たちの役割を超えて気持ちを一つにしていくことが大切なので、検討と工夫を重ねながら環境づくりを進めています。2023年9月には、Japan2026のビジョン策定ワークショップを開催しました。100名以上の社員に「わたしにとってJapan 2026とは」という問いへの回答を書いてもらい、オフィスのパネルに貼っていくという内容です。皆が楽しんで参加し、思い思いに自分の言葉を紡いでいたのが印象的でしたね。

 

五十嵐:「ニッポンの価値最大化で恩返し」「お客様を幸せにするための仕組み」「子どもたちが日本に住んでいて良かったと思える土壌づくり」など、色とりどりのメッセージがありました。自身が「こうありたい」と思うものと会社の戦略がリンクすれば見え方も変わってきますし、自分ごと化できるのではないかと思います。

 

 

――よろしければ、お二人が示された内容をお聞かせください。

 

五十嵐:私は「人」の側面から、「一人ひとりのポテンシャルが最大化され、働き続けられる環境づくり」を掲げました。私はこの活動のPMOとしていくつもの変革の触媒の役割を果たしていければと思います。

 

鈴木:「この活動を通じて人々の絆を深める」です。社員同士、エコシステムにおけるパートナー企業様、そしてお客様。このネットワーク全体が、どんどん信頼の絆で繋がっていくことをイメージしています。

 

 

――Japan2026のビジョンを今後さらに浸透させていくため、直近のアクションや今後のご予定はありますか。

 

五十嵐:この3月に、前述のJapan2026のビジョン策定ワークショップを、コアチームを超えて全社向けに開催しました。ビジョンを真に浸透させるまでは長い道程になるので、一歩一歩進んでいきたいですね。その過程には二つの軸が存在します。一つはビジョンのエンゲージメントの「深さ」で、認知し、共感し、実践し、最終的には定着化という段階があります。もう一つはエンゲージメントの「広さ(社員の数)」で、コアメンバーからそのフォロワー、そして多数派を巻き込んでいきます。全社向けのワークショップは、まさに各々の価値観やミッションと会社のビジョンがリンクし、共感した人の数を増やすための取り組みでした。

 

一方で、次のステップに進んでいくためには、具体的な活動を日々の行動や業務プロセスに入れ込んでいくことが鍵となります。立場や年代の垣根を超えて集まったフォーカスチームのメンバーが、Japan2026のビジョンを日常業務に落とし込んで皆をリードし、行動変化とエンゲージメントの向上を促す。その積み重ねによって、「ニッポンの未来を咲かせよう」という考え方を浸透させていきたいですね。

 

 

――最後に、お二人から社外の方々に向けてメッセージをお願いします。

 

鈴木:当社の製品やサービスの導入は大きな投資になるでしょう。企業様の心臓や毛細血管すべてを司る仕組みであり、入れ替えには大手術が必要になるからです。しかし、企業様の成長のために必要なものであることは間違いなく、だからこそ必ず成功させなければなりません。お客様の成功が、私たち自身や協業するパートナー企業様、そして社会の成功へと繋がり、その成功が私たちを成長させて次なる成功へと繋がっていく─。このサイクルの基盤となる「お客様の成功」のために、あらゆる組織や部門の仲間同士で力を合わせ、一枚岩で邁進して参ります。「SAPを選んで良かった」と思っていただけるように活動を続けていきたいですし、私たちの変革の姿をご覧いただくことで、お客様方の変革にも寄与できましたら幸いです。

 

五十嵐:ソリューションや製品の提供を核としつつ、イノベーションに必須となる「人」や「知見」「コミュニティ」など様々な要素を大きく変えていくことで、世の中に貢献していきたいと強く思っています。変革には苦しみも伴いますが、私はPMOという立場で「成功確率をどのように高めていくか」を常に考え、検証し、実践して、その結果を共有しながら進めていきたいです。これから発信していく内容は、皆様の変革にもお役立ていただけるでしょう。Japan2026のプロセスをご覧いただき、ときには一緒に活動していくことで、ニッポンが咲く未来を共に描いていけたらと思います。

世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。「SAP Japan 2026」始動。

 

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