SAP S/4HANA Cloud Public Edition 2402 Update | SAP News (原文)
SAPは、SAP S/4HANA® Cloud Public Edition 2402アップデートを通じて、一連の新たなイノベーションを提供します。製品に組み込んだAIによって、処理を迅速化し、より適切な意思決定を導き、ビジネスプロセスを自動化することで、個人や組織の生産性を大きく向上させる可能性があります。
Jouleに尋ねるだけです
SAPは、SAP Early Adopter Care プログラムを通じて、AIを活用したコパイロットのJoule(ジュール)の提供を開始しました。このコパイロットは、ユーザーとの対話の再定義、ビジネスプロセスの合理化、生産性の向上に役立ちます。例えば、コンテンツやアプリケーションへのアクセスを状況に応じて迅速に提供できます。ユーザーは、Jouleにガイドを求めるだけで適切な指示が得られます。
SAP S/4HANA Cloud Public EditionでのAIやJouleの進展について、詳細をこちらでご確認ください。
組み込みのAIで生産性を向上
最新のSAP S/4HANA Cloud Public Editionでは、組み込みのAI機能を通じてさまざまなビジネスプロセスで生産性を高めています。例えば、次のような機能があります。
- 受注の自動入力機能は、入力フィールドのスマートレコメンデーションを提供して、受注の登録や処理にかかる時間を短縮します。
受注入力用の入力レコメンデーション。
- 自動品目検査機能は、顧客からの返品に対する品目検査を合理化し、ロジスティクスの効率性と柔軟性を高めます。
顧客からの返品に対する自動品目検査。
モダンでコラボレーティブなユーザーエクスペリエンスの導入
SAP Fiori®の設計システムではスペースとページの表示が始まります。より直感的なユーザーエクスペリエンスで、タスクが整理しやすくなり、リソースにもよりすばやくアクセスできます。ハイライトをご紹介します。
- 新しい [My Home] スペースは、パーソナライゼーションのエクスポート/インポート機能追加や [System News] の言語サポート改善などでエンドユーザー向けのパーソナライゼーションを強化します。詳しくはビデオをご覧ください。
- コラボレーティブなステージビュー統合は、Microsoft Teamsでの情報共有を容易にして、プラットフォーム間のコラボレーティブな活動を充実させます。活用例をビデオでご覧ください。
Microsoft Teamsでのコラボレーティブなステージビュー統合。
- コンタクトカードのコラボレーションが可能になり、チャット、通話、ビデオ会議を [My Home] の [To Do] セクションから直接開始できるようになりました。手順をビデオでご覧ください。
[My Home]の新機能。
インテリジェントでサステナブルな財務・リスク管理
重要な側面の1つとなるのが財務/リスク管理です。この分野でSAPは、IDC MarketScapeによってSaaSおよびクラウド対応の企業向けアプリケーションのリーダーに認定されました。SAPの最新の財務機能強化は特に、インテリジェントで持続可能な企業への進化を支援することを目的としています。
- リスク管理の向上によるコンプライアンスの強化によって、透明性とプロセスの健全性が高まり、財務業務の強固なコンプライアンス体制を確保することができます。
財務のコンプライアンス管理にリスク管理を統合。
- SAP® Analytics Cloudでの財務計画とCO2eに関するインサイトの統合によって、経済的なサステナビリティ目標に沿った計画が可能になります。この結果、2つの視点から財務指標や環境への影響を評価できるようになり、環境に対する責任に配慮した戦略の策定や、関連する財務リスクの特定に役立てることができます。
統合された財務計画のサステナビリティ計画。
- Planon Real Estateとの統合では、不動産および契約管理プロセスの効率化を進めるため、シームレスなデータ管理に重点を置いています。
サービス中心型企業の強化
サービス中心型企業の間では、SAP S/4HANA Cloud Public Editionの利用が急速に拡大しています。SAPは、ガートナー社によってこの分野のリーダーに認定されました。お客様やパートナー企業からのフィードバックを基に、引き続き製品エクスペリエンスを改善していきます。例えば、次のような機能があります。
- 「プロジェクト管理 – プロフェッショナルサービスプロジェクト」アプリは、プロジェクトの全体像を詳細に示します。マネージャーは、プロジェクトの状態をモニタリングしながら、時間エントリーの漏れ、請求書の保留、ロールの未割り当てなどの問題に対処することができます。このように、事前対応的かつ効率的なプロジェクト管理が可能になります。
「プロジェクト管理 – プロフェッショナルサービスプロジェクト」アプリ。
- 請求ソリューションの改善により、収益損失の防止と柔軟で正確な請求プロセスの合理化を促進します。請求期日の編集、料金計算計画明細のマージ、仮請求伝票の登録などの機能拡張が、プロジェクト請求管理アプリに追加されます。
- SAP® Subscription Billingの SAP® Business Technology Platform(SAP® BTP)ベースのモジュールは、緊密かつシームレスに統合されており、サブスクリプションベースの商業モデルに移行するお客様を支援することができます。効果的で詳細な収益性分析は、利益センターのシームレスなサポートによって適切に調整されたサブスクリプション価格モデルの活用により、収益を最大化するための手段になります。最新のインタラクティブバリュージャーニーをご覧ください。
- 拡張ソリューションオーダー管理機能を利用して、販売戦略の強化が可能になります。ソリューションオーダーへの販売キットの統合により、ソリューション販売手法の強化に役立つツールを入手し、これを活用してすべての営業案件から最も望ましい成果を最大限に引き出し、受注から請求および会計にいたるプロセスを強化することができます。
ソリューションオーダーの販売キット。
製造および製品中心型企業の支援
製品中心型企業向けの機能強化は、業務効率の向上、プロセスの合理化、新しい収益機会の開拓を助けます。ガートナー社は、SAP S/4HANA Cloud Public Edition を製品中心型企業向けクラウド ERP の市場リーダーに認定しました。2402アップデートのハイライトをご紹介します。
- 標準製品の製造・販売モデルに従って事業を運営する製造セクター向けに、SAP S/4HANA Cloud Public Editionと需要向けSAP® Integrated Business Planningアプリケーションの統合機能を提供しています。この相乗効果によって実現されるのが、包括的なデータインサイトの活用による正確な製造計画です。製造プロセスを市場の需要にシームレスに連携させるのが容易になります。
- 効率的な仕入先直送発注処理(TPOP)は、2層のERP設定で各企業向けに調整されており、強化されたオーダーフルフィルメント、調達の柔軟性強化、ロジスティクス費用の削減によって、サプライヤーから顧客への直接出荷をシンプルにします。
効率的な仕入先直送発注処理。
- 設備からサービス契約への自動連携は、物理的な商品とサービスのパッケージ販売を消化します。物理的な商品、1回限りのサービス、定期サービスを組み合わせて販売することで収益の増大が期待できます。ミスの回避や手作業の削減にも効果があります。
設備からサービス契約への自動連携。
グローバル展開の強化
SAPは、ローカリゼーションへの投資を進めてきました。このため、当社のソフトウェアは、現地の法規制や文化的な規範に準拠しています。
- 2402アップデートでは、地域固有の要件を満たすため、クウェート、オマーン、カザフスタン、スロベニアのローカルバージョンを新たに導入しました。
- 顧客のニーズに応えて現地への適合を強化するため、59のスタンダードローカルバージョンでビジネススコープの拡張を行いました。
- カスタマーローカルバージョンの国でのスコープ(以前のCLT)を強化するため、ベースライン、財務、製品中心の機能を加え、より広範な顧客ニーズに対応しました。
さらなるイノベーション
今年1年を通して、お客様のビジネスに価値をもたらす数々のイノベーションをお届けします。2402アップデートの提供内容に関する詳細は、SAP S/4HANA Cloud Public Editionリリース情報をご覧ください。SAP S/4HANA Cloud Public Editionの詳細については、以下のリンクをご覧ください。
- SAP S/4HANA Cloud Public Editionコミュニティ
- SAP S/4HANA Cloud YouTubeプレイリストの製品ビデオ
- 早期リリースウェビナーシリーズはこちら
- 新機能はこちら
- SAP Help Portalサイトの製品ページ
- SAP Extensibility ExplorerツールでSAPのサンプルシナリオを使用して、拡張オプションをご検討ください。
- SAP Business AIの詳細
Arpan Shah( アルパン・シャー)、SVP of Public Cloud ERP Product Management (SAP のパブリッククラウドERP製品管理担当SVP)による寄稿記事です。