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自己主導で切り開く!グローバル展開をリードするSAPプロジェクトマネージャーの成長戦略とは|Life@SAP Japan vol.26

SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第26回は、SAPのプロジェクトマネージャー(PM)として活躍されるお二人の対談企画です。インタビュイーは、ヴェヌゴパル・プラディープさんと、金森英明さん。キャリアバックグラウンドの異なるお二人に、PMのお仕事の魅力ややりがいをお聞きします。

 

システム開発者 vs人事のプロ!異なるキャリアはSAPで生かせる?

 

まず、お二人のご経歴を教えてください。

プラディープ:2004年にインドの大学を卒業後、最初は日本の会社に入りました。1年目はずっと日本語を勉強しながらITの仕事をしていて、2005年に日本に来ました。

最初は証券会社に開発者として入社し、コーディングやテストを担当していました。当時は自分が得意とするドメインがなく、将来のキャリアを心配していたのですが、2008年のリセッション(リーマンショック)直後、プロジェクト自体が無くなってしまったことをきっかけに会計の勉強を始め、その後は会計・ERP分野のコンサルタントとして経験を積むことができました。

2011年からは、日系企業でグローバルプロジェクトマネージャーとして、システムのグローバル展開プロジェクトに携わった経験があります。

デリバリーサクセス プリンシパルプロジェクトマネージャー  ヴェヌゴパル・プラディープさん

 

その後、外資系大手ERPの会社に勤めました。事業ドメインはSAPと同じでしたが、テクノロジー自体は違いました。でも、グローバルプロジェクトマネージャーとして求められる業務はいまのSAPのPM職と基本的には同じでしたね。

SAPに入ったのは2019年です。最初はSAP Success Factors(人事管理システム)のグローバルプロジェクトマネージャーとして入りました。大手化粧品会社のグローバル展開のプロジェクトで、APAC(アジア太平洋)やEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、アメリカへの展開を進めていきました。

そのあと、SAP Success Factorsの人事系プロジェクトから、また会計系のプロジェクト担当に戻りました。いまはSAP S4/HANAのデリバリープロジェクトマネージャーとして仕事をしています。

金森:プラディープさんは、大学を卒業されてから開発者として仕事を始め、一貫してIT業界ですね。直近はERP分野での経験を積まれてこられたようですが、以前はSAP Success Factorsのプロジェクトで人事分野も関わっていたのですね。得意なビジネスドメインは会計ですか?

プラディープ:会計ですね。とはいえ、会計が強ければ、MM(購買管理/Material Management)もわかるし、SD(販売管理/Sales and Distribution)の要件も理解できるので、広くカバーできます。

会計システムの中には、例えば受発注の管理、お客様の管理、インボイスの管理、一般会計など、いろいろなモジュールがあります。技術的な話までは避けますが、お客様と要件について話をするときに、なにか問題があれば、ビジネスの業務プロセスの視点で問題が何なのかを理解する必要があります。それを理解した上で、技術者にどのようなサポートが必要なのかを伝えるためのコミュニケーションが重要です。会計のバックグラウンドがあれば、社内のコミュニケーションも、チームワークもうまくいくと思います。

続いて金森さん、ご経歴をお聞かせください。

金森:私は、大学を卒業してから、最初はSE(システムエンジニア)として日系企業で働いていました。当時はいわゆるITバブルで、世の中にSEが枯渇している状態でした。専門知識がなくても、文系出身でもSEになる方がたくさんいました。

いまSAPが提供しているようなシステムのパッケージ製品というものが世の中にまだあまり無い時代で、お客様の要求を聞いてゼロからフルスクラッチでシステムを作るような仕事でした。従って、SEとはいえ営業から要件定義、設計開発、アフターフォローまで全部1人でやるような、個人事業主に近い仕事をしていましたね。

そこから5年後、いわゆる事務転換でエンジニアから人事スタッフになりました。人事システムの刷新をリードする役として入り、その後、他の人事領域の仕事を全般的に経験することができました。

人事データを使い、人の配置や組織をどう組み立てるかというのをデータドリブンでアプローチする仕組みを作り上げたのですが、日本でも先進的な取り組みであることがわかりました。

クラウドサクセス事業部 プロジェクトマネージャー 金森 英明さん

 

その後SAPには2年半前に入り、いまは人事とITの知見を自分の武器として、コンサルテーションやシステムの導入支援をしています。PMとしてSAP SuccessFactors導入のプロジェクトマネージャーが本職ではあるものの、より上流工程として「人事としてあるべき姿は?人事DXをどう戦略立ていくべきか?」というようなテーマで、ストラテジックパートナーのような形で携わっています。

恐らく、私自身は今のSAPのPM職の中にはあまりいない立場でして、業務プロセス寄りの人間として「トライアル1号」という感じだと思います。もともとPM職は、SAPの製品を導入することが決まったお客様に対してしっかりと導入をするために本番稼働まで支援することがメインの役割なのですが、プロジェクトが決まる前に、IT戦略・人事戦略全体をお客様と対等して話せる人を採用してみようという位置づけだと思います。

プラディープ:日系企業で、SEの仕事から、その後突然人事になったきっかけは何だったのですか?

金森:簡単に言うと、いろんな仕事を経験してみたいという理由だけでしたね。大手日系企業はジョブローテーション制度があり、ひとつの仕事に固定されないものですから。

プラディープ:そうなのですね。いまSAPでは、日本国内のプロジェクトだけを管理していますか?グローバル展開はどうでしょうか。

金森:グローバル展開もあります。まだまだ日本企業は日本のヘッドクォーターを中心に管理する部分が多いし、プロジェクトの数はまだ少ないものの、お客様はもちろんグローバル展開を視野に入れています。SAPが持っている、SAP SuccessFactors活用のベストプラクティスを用いてお客様と共有し、グローバル展開に向けた支援をしています。

新しい分野への挑戦も、自らが望めばチャンスがある

 

金森:プラディープさんのキャリアの話を聞いて、ご意見をお聞きしたいのですが…。

私はいまのところ、HR・人事としての専門性を強みにキャリアを生きてきています。でも、今の時代、データ活用そのものは人事領域だけには収まらず、企業としては人事と会計データを連携させて分析し、経営戦略に活かしていくことを考えていかなければいけない時代に来ていると思っています。

私も簿記1級は持っているし会計は得意だけれども、これからもっと勉強したいし、会計に関するプロジェクトにも携わりたいとは考えているのですが…。プラディープさんから見て、私のような人間が会計領域のPMになれる可能性はあると思いますか?

プラディープ:もちろん、できますよ!100%できます。

金森:本当ですか?(笑)

プラディープ:前提として、アカウンティングのバックグラウンドが必要とされますが、今はインターネットでいろいろ情報収集できるし、1日でも2日でもかければ、基本的な勉強は簡単にできます。

もしSAPの社内で会計関連の資格を受けることにも興味があるのなら、マネージャーの承認を取って無償で研修を受けることも可能です。コーチングセンターで2~3週間でも研修を受ければ、必要な会計知識の9割くらいは理解できます。その後、細かいレベルの知識は自分で勉強していけば良いのです。

でも、一度会計の仕事に入ると、他の仕事には興味がなくなると思いますよ(笑)

金森:それは会計が面白いから、という意味ですか?

プラディープ:面白い。面白いし、山ほど多くのことを勉強することになるので、他のプロジェクトに興味が薄れるかもしれません。私自身、いまは自ら選んで会計関連のプロジェクトだけに関与していますので…。

金森:そうなんですね。私は、いまのところは人事領域に特化した人間ではあるものの、お客様のボードメンバー(経営陣)から見れば、人事とか会計だとか、横断的に考えるべきデータマネジメントに関して、個別最適させた内容で経営戦略が検討されていくことはほとんどありません。

だから、経営層の方々と対峙していくために、少しずつ自分の対応できる領域の幅を広げたいなと思っていて。今後のキャリアとして、将来的にはSAP S4/HANAにも関わりたいなと考えています。ありがとうございます。参考になりました。

 

SAPが”One Team”として、製品ベンダーの責任を果たすために大切なこと

 

他の会社のPMではなく、SAPのPMポジションとして大事な点を教えてください。

金森:SAPは製品ベンダーなので、他社のPMよりもSAP製品に詳しくないといけないことは当然です。特に、いまはまだ製品に無い機能や、表には出ていない製品開発のロードマップ見据えながら、お客様に一番良い形で導入をしていかなければいけない立場です。

従って、単純にお客様の要件を聞きながら仕様を固めていくというよりも、SAP社内での動向を察知して、その流れを踏まえて「3年後はこうなると想定されるので、いまはこうしましょう」と提言できることが、他のコンサル会社のPMとは違うところです。

最新のテクノロジーを熟知した上でコンサルテーションや導入支援ができる点が非常に面白いところだと感じます。

とはいえ、SAPが将来目指している姿というのはお客様に簡単に腹落ちをしてもらえるものではなく、大体そんな先の話をしても「夢物語でしかない」「まずは目の前の困っていることを解決したい」という反応をされがちです。それでも、単なる絵空事で終わる前に、「まず第一歩として、ここを目指しましょう」と、地に足の付いたロードマップに落とし込むことが非常に重要かなと思います。

そのためにはSAP社内の人への働きかけや交渉も必要です。SAPの営業やプリセールスは、SAP製品がいかに素晴らしいかを伝えることに長けているけれども、現場レベルからすると「天の声」に聞こえるようなことが多い。それを綺麗ごとで終わらせてしまわれないように、うまく繋げることが自分の仕事だと思っています。

プラディープ:以前勤めていた日系企業でのPMと比較すると、SAPでのPMの方が、プロジェクトメンバーのリソースの管理自体はやりやすいと感じます。

例えば、以前勤めていた会社では、プロジェクトに関わるチームメンバーを、多くて60名ほど管理していた経験があります。そのときは、各メンバーのアベイラビリティを管理したり、仮に空きがない状況であればどうすべきかを考えたり、すべてPMが管理しなければならず、なかなか大変でした。

でもSAPでは、基本的には各リージョンにプロジェクトマネージャーがいて、彼らが自分のリージョンを管理していたので、グローバルプロジェクトマネージャーとしては各メンバーをすべてマイクロマネジメントする必要がありません。

当初手掛けていたSAP SuccessFactorsのプロジェクトから移り、今手掛けているS4/HANAのプロジェクトでは、ベンダーマネジメントがメインです。例えば、システム開発をSAPのパートナー企業が実施する際に、その会社がSAPの最新のテクノロジーを使っているかどうかを確認しながらプロジェクトを管理することが必要になります。

ただ、金森さんがさきほど言われたことに関して言うと、いまのSAPのPMの立場として、一番大変なのは「SAP社内の人にどう動いてもらうか」というピープルマネジメント(目的を達成するために組織内の人々を効果的に指導・管理すること)です。

営業、プリセールスの方や、別の部門のメンバーとアラインメント(連携)を図って、SAPがひとつのチームとして同一の見解でお客様へ話をすることが大事です。

それは、簡単なことではありません。理由は、お客様とのフェイシング(対応窓口)となるのは私たちPMであって、他のメンバーはその機会があまり無いからです。

従って、システム導入プロジェクトを始動する上では、お客様と会話をする機会が少ないメンバーとも、うまくチームを組んで動いていかないといけないのです。メンバーによって、お客様の期待値への理解も一致していないこともあります。だからPMがうまく認識を擦り合わせて、チームとしてまとめていく必要があるのです。ここが一番難しく、PMとしての重要な役割です。

もちろんそれは日本のチームだけでなく、海外でも国が違えば難易度が上がります。例えばインドは日本とは進め方が違うし、アメリカも日本とは大きな違いがあります。日本は日本独自の仕事の進め方がありますからね。ナショナリティ(国籍・国民性)ベースでの違いもあると思いますので、その特徴を理解する必要があります。だからこそ、PMとしてグローバルプロジェクトに関わる場合には、ピープルマネジメントスキルが一番大切だと思います。

金森:私が務めるPMとしての仕事は上流工程ではあるものの、社内のいろんな人を自ら巻き込んで進めなければいけないのは確かにSAPならではという点で同意です。よくわかります。

一般の企業だと、上司が「この人たちと、こういうチームでやってくれ」と指示があることの方が多いかなと思うのですが、SAPはゼロから自分で人を探すところ始め、どういう意図でその方に関わってもらうのかも含めて、PMが主導で決めていきます。

厳しく言えば、「全部自分でやれ」という感じに聞こえるかもしれませんが、良く言えば「自分の思い通りにできる」ということ。自分で考えてドライブしようという気概がないと、SAPでは生きていけないと思います。

「どのようなプロジェクトにしたいのか」、「誰を巻き込みたいのか」、「どのような最新テクノロジーを使いたいのか」など、すべて自分でコントロールできることが、この仕事の醍醐味であると思います。

SAPなら、将来のキャリアパスも自分で築いていける

 

改めて、SAPのPMポジションの魅力は何ですか?

プラディープ:SAPで働く上で一番良いと思うのは、自分が学びたいエリアや興味のあるプロジェクトをどんどん自分で挑戦できることです。例えば会計領域で1年間仕事をした後、違う領域でプロジェクトに挑戦してみたいと思ったら、SAPのPMポジションのまま、担当する領域をスイッチできます。

他のコンサル会社などでは、評価制度などの社内の仕組みの中で、様々なことが考慮された上でポジション異動が決まっていくと思いますが、SAPでは非常に柔軟ですね。私自身もSAPに入ってからこれまで3回ポジションが変わっています。

金森:私はコロナ禍に名古屋で入社したこともあり、プラディープさんと物理的には今日初めてお会いしましたし、まだSAPに入って3年目なので、初めて出会う人も多いです。でも、ここまでの経験からでも、本当にSAPは製品ベンダーでありながらも働き方が非常に自由だなと実感しています。

さきほどのプラディープさんの話にもあったように、キャリアの選び方も自分次第で、社内でいろいろな方向へチェンジすることができるし、ひとつの仕事の中でも自分の裁量がとても大きいと感じます。

自分を生かすも殺すも本当に自分次第の会社です。そういう環境を望む人であれば、とても良い会社だと思います。そのことを、今日の対談で改めて実感しました。

プラディープ:これからも、SAPのPMとしての仕事を続けていこうと思っています。次のキャリアとしては、できればS4/HANAのプロジェクトで、マネージャーとしてやっていきたいなと考えています。そのために、今後も日々のプロジェクトの中で頑張っていきたいと思います。

異なる経歴のお二人ですが、それぞれ独自の強みを生かし、自分が成長できる環境を自ら選んで切り開いていくことが大切であり、SAPでならそれが叶えられることが伝わってきました。お二人のお話を参考に、様々なバックグラウンドを持つ方がSAPのPMに挑戦し、活躍されることを期待しています。

 

■SAPジャパンのキャリアサイトはこちらから:SAP Careers

■前回の記事はこちらから:LifeAtSAPJapan vol.25 関共晶さん

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