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SAP、2024年度第2四半期の業績を発表

(本リリースは、7月22日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2024年6月30日に終了した2024年度第2四半期の業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「Quarterly Statement Q2 2024」のサマリーです。詳細はリンク先のオリジナル資料をご参照ください。

SAP CEOのクリスチャン・クライン(Christian Klein)は、次のように述べています。

「第2四半期もクラウドの成長の勢いは強く、ビジネスAIが多くの案件を実現しました。私たちは引き続き、大いなる規律で当社の変革を遂行し、2025年の営業利益目標の増大につなげていきます。同時に、ビジネスAIにおけるリーダーとなるべく、今後も当社の変革への投資を続けていきます。これまでの進捗と強固なパイプラインを考えると、2027年までの加速する売上高の伸びを達成できると確信しています」

 

SAP CFOのドミニク・アサム(Dominik Asam)は、次のように述べています。

「私たちは、当社の今年度の目標達成に向けて現在も真剣に取り組んでいます。2024年下半期中の、またとりわけ第4四半期におけるカレント・クラウド・バックログの伸びは、2025年のクラウド売上目標に向けた堅固な基盤の構築を決定づけるものとなるでしょう。同時に、来年にかけてリストラのために3桁万ドル半ばのキャッシュアウトが来年に波及するものの、2025年のフリーキャッシュフロー目標の達成に向けて、当社の変革計画を引き続き遂行していきます」

 

業績ハイライト

 2024年度第2四半期

第2四半期、SAPの力強いクラウドの勢いは続きました。カレント・クラウド・バックログは、28%増の148億1,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで28%増)でした。クラウド売上は25%増の41億5,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで25%増)となり、この主なけん引役となったのはCloud ERP Suiteの売上で、33%増(固定通貨換算ベースで33%増)の34億1,000万ユーロでした。

ソフトウェアライセンスの売上は28%減の2億ユーロ、固定通貨換算ベースで27%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、10%増の71億7,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで10%増となりました。サービス売上は、6%増の11億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%増となりました。総売上は、10%増の82億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで10%増となりました。

第2四半期の予測性の高い売上の比率は、2パーセンテージポイント増の84%に達しました。

クラウド総利益はIFRSベースで29%増の30億3,000万ユーロ、Non-IFRSベースで28%増の30億4,000万ユーロ、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは29%増でした。

第2四半期のIFRSベースの営業利益は、11%減の12億2,000万ユーロでした。この減少の要因は、2024年度変革プログラムに伴う6億ユーロのリストラクチャリング費用です。Non-IFRSベースの営業利益は、33%増(固定通貨換算ベースで35%増)の19億4,000万ユーロでした。Non-IFRSベースの営業利益は、好調な売上の伸びと、2024年度変革プログラムの規律ある執行に支えられて増大しました。

IFRSベースの1株当たり利益(基本)は、22%増の0.76ユーロでした。Non-IFRSベースの1株当たり利益(基本)は、59%増の1.10ユーロでした。IFRSベースの実効税率は33.8%(前年同期:33.8%)、Non-IFRSベースの実効税率は33.6%(前年同期:33.0%)でした。Non-IFRSベースでの前年同期比の増加は、リストラクチャリングに伴う2024年の税務上の欠損金により、ドイツにおける源泉徴収税が一時的に相殺できなくなったことが主因です。IFRSベースでは、源泉徴収税によるマイナスの影響は、主に非課税所得と、繰延税金に関する評価性引当金の変動により相殺されました。

第2四半期のフリーキャッシュフローは114%増の13億ユーロでした。リストラクチャリングのためのおよそ5億ユーロの支出があったものの、利益率の向上と運転資本管理の強化が主因となり、プラスの変動となりました。上半期のフリーキャッシュフローは48%増の38億ユーロでした。

 

自社株買いプログラム
2023年5月、SAPは、総額50億ユーロを上限とする、期間2025年12月31日までの自社株買いプログラムを発表しました。2024年6月30日現在、SAPは同プログラムに基づき、平均価格145.20ユーロで12,895,525株の自社株買いを行い、購入総額はおよそ18億7,000万ユーロでした。

 

2024年度変革プログラム:事業の拡張性と主要な戦略的成長分野への集中
2024年、SAPは主要な戦略的成長分野、特にビジネスAIへの注力をさらに進めていきます。また、組織シナジーやAI活用による効率化を目指すとともに、拡張性の高い将来の収益拡大に備えるため、組織構造の変革を進めています。

このため、1月に発表されたように、SAPは全社的なリストラクチャリングプログラムを実施しており、2025年初頭に終了する予定です。このリストラクチャリングは、SAPのスキルセットとリソースが将来のビジネスニーズに対応し続けられるようにすることを目的としており、9,000~10,000のポジションに影響が及ぶと予想されますが、その大半は希望退職制度と社内のリスキリング対策によってカバーされる予定です。また、戦略的成長分野への再投資により、SAPは、2024年末には2023年末と同レベルの人員数になると引き続き予測しています。

第2四半期、追加のリストラクチャリング費用として6億ユーロが計上されましたが、これは主に、希望退職制度への応募が多かったことを反映したものです。

2024年の上半期に計上されたリストラクチャリング費用は総額29億ユーロに上りましたが、同プログラムに伴う全体的な経費は現在、30億ユーロと見積もられています。

2024年の第2四半期と上半期におけるリストラクチャリングの支出は、5億ユーロに上りました。同プログラムに伴う支出の総額は現在、およそ30億ユーロと見込まれていますが、そのうち5億ユーロほどが、2025年に発生すると予想されます。

 

ビジネスハイライト

第2四半期に、エンド・ツー・エンドのビジネス変革を推進するために「RISE with SAP」をお選びいただいた世界各国のお客様には、Alpargatas、Auckland Council、Blue Diamond Growers、Border States、コペンハーゲン空港、ExxonMobil、Navantia、PANDORA、Porsche Informatik、Powerlink Queensland、Prairie Farms Dairy、ProRail、Prysmian、株式会社資生堂、東京海上日動火災保険株式会社、VistaPrint、ワルシャワ市役所、Xeroxなどがあります。

また第2四半期には、BMI Group Holdings、Co-op、Fiagril、Pure Storage、UBE株式会社、およびWegmansが、SAP S/4HANA® Cloudの本稼動を開始しました。

Consolidated Hospitality Supplies、flatexDEGIRO、Fortera Corporation、La Trobe University、Stern-Wywiol Gruppe、およびTrade Capital Corporationには、スピーディかつ予測可能で、継続的イノベーションを提供するクラウドERPのオファリング「GROW with SAP」をお選びいただきました。

SAPのソリューションポートフォリオをお選びいただいた主なお客様としては、Accenture、Ambipar、Arca Continental、BASF、Buderus Guss、Carl Zeiss、DACHSER、Endress+Hauser、iHerb、Lenovo、Minor Hotels、New Look、Parle Biscuits、Refresco、U.S. Sugar、Veolia Group、Zoomlionなどがあります。

Beiersdorf、E.ON、Gerdau、Hyundai Motor Company、Kia Corporation、SMA Solar Technologyなどのお客様が、SAPソリューションの本稼動を開始しました。

第2四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、APJ(アジア太平洋)とEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域で特に好調で、南北中央アメリカ地域でも堅調でした。ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、日本、および韓国が、クラウド売上の伸びで顕著な実績を上げた一方、中国、米国、およびサウジアラビアもとりわけ好調でした。

4月22日、SAPは、製造業の生産性、効率性、精度に変革の波をもたらすと期待する、サプライチェーンソリューションにおけるAIの進化を発表しました。リアルタイムデータから得られるAI主導のインサイトにより、企業は、自社データを活用してサプライチェーン全体に対して、より適切な意思決定を行い、製品開発を合理化し、製造効率を向上させることができるようになります。

5月6日、SAPは、CEO兼エグゼクティブボードメンバーであるクリスチャン・クラインとの契約を3年延長し、2028年4月までとしたことを発表しました。

5月8日、SAPとIBMは、次の時代の両社のコラボレーションに向けたそのビジョンを発表しました。これには、新しい生成AIの機能と、クライアントがビジネス上の価値を引き出せるようにする業種別のクラウドソリューションが含まれます。

5月13日、SAPは、Charoen Pokphand Foods Public Company Limited(以下、CP Foods社)が、さらなる成長と競争優位性を推進し、将来の同社製品のサステナビリティを確保するために、複数のSAPソリューションを採用したことを発表しました。

5月15日、SAPは、SAP SEの年次株主総会で、ペッカ・アラ・ピエティラ(Pekka Ala-Pietilä)氏がスーパーバイザリーボードの新メンバーに選出されたことを発表しました。その後、同氏は、SAPスーパーバイザリーボードの新たな議長にも選出され、前議長のハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)名誉工学博士からの引き継ぎが完了しました。また、スーパーバイザリーボードのメンバーとしてラルフ・ヘルブリッヒ(Ralf Herbrich)工学博士が選出され、アイシャ・エバンス(Aicha Evans)氏、ゲルハルト・オズワルド(Gerhard Oswald)氏、およびフリーデリケ・レッチュ(Friederike Rotsch)博士が再選されました。年次株主総会では、エグゼクティブボードとスーパーバイザリーボードのその他の議案もすべて、強い支持で承認されました。その中には、スーパーバイザリーボードの議長の報酬の調整も含まれます。さらに、2023年度の1株当たり2.20ユーロの配当案も承認されました。

5月29日、Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services(AWS)とSAPは、現代のクラウドERP体験を変革し、企業による生成AI(人工知能)を活用した新機能の開発と効率の向上を支援するための、戦略的協業の拡大を発表しました。

6月5日、WalkMe Ltd.(Walkme)とSAPは、デジタル・アダプション・プラットフォームのリーダーであるWalkMe社をSAPが100%買収する正式契約を締結したと発表しました。SAP SEのエグゼクティブボードとスーパーバイザリーボード、およびWalkMe社の取締役会は、1株当たり14.00米ドルの現金による買収を承認しました。これは、約15億米ドルの株式価値に相当します。この提示価格は、WalkMe社の2024年6月4日終値に対して45%のプレミアムとなります。この買収は、WalkMe社の株主承認や必要な規制当局の認可など、慣習的な完了条件に従って行われ、2024年第3四半期に完了する見込みです。

6月5日、SAPは、自社の配当方針を、即時発効するべく調整中であることを発表しました。新たな方針は、グループの継続事業で得られたNon-IFRSベースの税引き後利益の最低40%の金額を配当として支払うというものです(従来はグループのIFRSベースの税引き後利益の最低40%)。

 

 

2024年財務見通し

SAPの2024年財務見通しは、SAPが更新したNon-IFRSの利益指標の定義に基づいており、2024年以降の株式報酬費用を含み、株式損益(純額)を除くものになっています。詳細については、当社のInvestor Relations WebサイトのReporting Frameworkセクション(https://www.sap.com/investors/en/reports/reporting-framework.html )をご覧ください。

2024年について、SAPは引き続き次のように予想しています。

 

財務以外の見通し

SAPは現在、2024年の従業員エンゲージメント指数を70%~74%の範囲になると予想しています(前回:76%~80%)。

2024年について、SAPは引き続き次のように予想しています。

 

2025年度目標

SAPは、変革プログラムから得られる成果の増大が見込まれることを反映して、2025年度の財務目標を更新しています。

2025年度までに達成を目指す最新の目標:

2025年について、SAPは引き続き次のように予想しています。

2025年の財務目標は、1ユーロ=1.10米ドルの為替レートを前提としています。

 

2025年度の非財務目標

2025年について、SAPは、従業員エンゲージメント指数の向上を目指します(これまでは、従業員エンゲージメント指数の着実な向上)。

SAPは引き続き次のことを目指します。

この2025年度の非財務目標は、2030年までにバリューチェーン全体で二酸化酸素排出量ネットゼロを達成するとともに、2027年度末までに役員に占める女性の割合25%を達成するという当社の中期目標に追加されるものです。

 

追加情報

本プレスリリースおよびそこに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。四捨五入しているため、数値の合計は正確でない場合があります。

SAP の業績指標
当社の主要な成長指標と業績指標、その算出方法、その有用性、およびその限界に関する詳細については、
当社のInvestor RelationsのWebサイト(https://www.sap.com/investors/performance-measures )をご覧ください。

以上

 

 

SAPについて

SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com

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この文書には、将来の事象に関する予測、見通し、その他の将来予想についての記述が含まれています。これらの記述は現在の期待値、予測、仮定に基づいており、実際の結果や成果が予想と大きく異なる可能性があるリスクや不確実性を伴います。これらのリスクや不確実性に関する詳細情報は、証券取引委員会(SEC)に提出された資料に記載されています。特に、SAPの2023年度の年次報告書(様式20-F)のリスク要因セクションに詳細が記されています。

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