(本記事は、7月24日本社で掲載されたものです)
SAP S/4HANA Cloud Public Edition 2408 アップデートにより、SAP のインテリジェントな ERP ソリューションに、効率的かつ効果的なビジネスを支援する最新の拡張機能が加わります。
IDC が選出した中堅企業向け SaaS およびクラウド対応 ERP アプリケーション市場のリーダーとして、SAP は、お客様に継続的な価値を提供することをお約束しています。ここでは、SAP S/4HANA Cloud Public Edition 2408 アップデートのエキサイティングな新機能をご紹介します。
AI による生産性の向上
SAP S/4HANA Cloud Public Edition の最新の AI イノベーションは、ビジネスのあり方を再定義します。組み込まれた AI 機能を活用することで、企業は業務を効率化し、データに基づいた意思決定を行い、今日の競争市場における成長と成功を推進することができます。
最先端の AI イノベーションでビジネスの未来をつかむことができます。
SAP の AI コパイロット Joule により、ユーザーは自然言語でビジネスニーズを伝えることができます。SAP Help Portal ドキュメントに基づいた回答を得て、必要なアプリケーションに迅速にナビゲートされ、ビジネスオブジェクトに関する役割ベースのインサイトを得られます。
SAP Fiori の AI アシストイージーフィルター機能と AI アシストスマート集計機能は、ビジネスユーザーのユーザーエクスペリエンスを向上させます。ビジネスデータの効率的な自然言語フィルタリングとシームレスな集計が可能になり、ユーザーは関連情報を素早く抽出し、コラボレーションを迅速に開始することができます。これにより、意思決定の迅速化、生産性の向上、チーム間の効果的なコミュニケーションが実現します*。
インテリジェントリソースマッチングは、高度なスキルマッチングにより、業務に適したリソースを見つける時間を短縮できます。*
生成 AI を活用した原価センターレビューブックレットは、原価センターデータの迅速な分析と把握を可能にし、よりスピーディなインサイトの獲得と情報に基づいた意思決定をサポートします*。
*これらの機能は現在ベータ版でのご利用になります。ご登録はこちらへ
モダンでコラボレーティブなユーザーエクスペリエンス
このたびのアップデートの目的は、ユーザーの働き方変革であり、ユーザーエクスペリエンスの強化によって、ユーザーは重要なアプリケーションやインテリジェントな意思決定機能に直接アクセスできるようになります。
Microsoft Teams の To Do 通知により、ワークフロー項目への直接アクションが可能になり、時間を節約でき、アプリケーションの切り替え回数を削減できます。
認証済みアダプティブカードベースの Loop コンポーネントとして共有することで、アプリから直接同僚との共同作業が可能になり、Microsoft Loop コンポーネントを使用してライブ情報を共有することができます。カードは Microsoft アプリケーション間、例えば、Microsoft Teams から Microsoft Outlook へコピーすることができます。
SAP S/4HANA Cloud Public EditionのMicrosoft Copilot 統合 と、認証済みカードベースの Loop コンポーネント共有の組み合わせにより、ユーザーは日常的に使用しているアプリケーションやアクティビティから、簡単に共同作業に参加したり、ライブデータを共有したり、ビジネスデータに直接アクセスしたりできます*。
*この機能は現在ベータ版でのご利用になります。
My ホームのアップデートには、日常業務のためのワークフロー関連情報とインプレースアクションの強化、生産性を高めるインテリジェントなホームページエクスペリエンス、インテリジェントなアプリレコメンデーション、新規クラウド顧客向け事前配信カードが含まれます。このアップデートにより、ビジネスユーザーは My ホームで迅速かつ正確に業務を実行できるようになります。
SAP Mobile Start では、アプリのお気に入り機能を使ってスタート画面から最も重要なアプリケーションに直接アクセスできるので、SAP Analytics Cloud の KPI をモニタリングアプリやウィジェットとして表示したり、To Do 添付ファイルを管理したりして意思決定に役立てることができます。
インテリジェントで持続可能な財務機能
最新の財務機能強化では、透明性の強化、財務データの分析、そしてプロセスの合理化により業績を向上させるツールが提供され、よりインテリジェントかつ持続可能な未来に向けた事業運営が推進されます。
原価センターレビューブックレットは、間接費会計担当者に透明性の高い原価センターレポートを提供します。実績データ、計画データ、コミットメント、統計主要数値に対する日常的な分析がひとつのレポートで行われ、ビジネスニーズに応じて、ガイド付きビューや適応可能なスライス、ダイス、ピボットの切り替えが可能です。
サービス収益性レビューブックレットは、サービス収益性に関連する財務 KPI をインタラクティブかつ包括的に表示します。
Manage Operating G/L Accounts アプリは、最新の SAP Fiori アプリでプロセスを合理化し、パフォーマンスを向上させます。高い生産性および精度で総勘定元帳を管理できるユーザーフレンドリーなインターフェースと効率的なワークフローを提供します。
サービス中心型企業向けアップデート
サービス中心型企業向けの最新のアップデートでは、サービス事業の成長がサポートされ、オペレーションの有効性がさらに高まります。
プロフェッショナルサービス企業は、顧客とリスク共有アプローチを交渉できる新しいビジネスモデルを導入し、自動化することができます。これは、より正確なリアルタイムの収益性につながり、追加業務のために低コストレートを交渉する際の手作業の必要性を軽減します。
最新のオーダー管理の一環として、レコメンデーションを自動化し、受注プロセスをシンプル化することで、営業担当者の作業効率を高めます。これにより、管理業務が軽減され、ビジネスユーザーの日常業務がシームレスにサポートされます。
ソリューションオーダーで高度なソリューションバンドル化を利用することで、企業は、1 回のオーダーにさまざまなコンポーネントを含めた、事前定義済みの選定可能なバンドル製品を使って、製品の販売からより利益率の高いサービスやソリューションへの移行を促進することができます。
ソリューションオーダーの変更可能受注では、ソリューションオーダーキャプチャと受注フルフィルメントにおける職務分掌を通じて、業務上の役割を柔軟に定義でき、ビジネスユーザーの生産性を向上させることができます。
また、ソリューションオーダーの料金プラン選択によって、サブスクリプションビジネスモデルのバリエーションに対応するために必要なサブスクリプションマスターデータを最小限に抑えることができます。
計画外の簡易サービスに対するサービス証明を、既存契約を参照することで作成でき、サービス入力シートの作成時に適切な契約明細へとユーザーをガイドします。これにより、計画外サービスでも契約ベースの購買コンプライアンスを確保でき、サービス証明の提出時に、契約から製品またはサービスを選択できる柔軟性をサプライヤーに提供します。
製造および製品中心型企業向けアップデート
製品中心型企業向けのアップデートは、業務効率の向上、プロセスの合理化、新たな収益機会の創出をサポートするものになっています。
分割入庫転記により、倉庫スタッフは、最初から完全入荷をチェックするのではなく、荷役単位ごとに受領して、荷降ろし後すぐに在庫受入プロセスを開始することができます。入庫に対して即座に対応できるようにすることで、倉庫業務のワークフローが合理化され、在庫記録の精度が高まり、リソース利用が最適化され、全体的な生産性の向上と運用コストの削減が実現します。
割り当てられた荷役単位に基づいて梱包明細を自動生成し、在庫検数を効率的に追跡して梱包材を管理します。SAP Returnable Packaging Management との統合により、ビジネスパートナーとの正確なデータ交換や勘定照合が容易になり、サプライチェーンの透明性と業務効率が向上します。
クラウド輸送管理によるサプライヤーへの返品(スコープアイテム BMK)により、サプライヤー返品に対する効率的輸送計画のための高度なシナリオがサポートされるようになりました。この機能強化により、ロジスティクスが最適化され、タイムリーでコスト効率の良い返品出荷が可能になるので、最終的にサプライチェーンの効率改善が実現します。
動的仕入先直送オーダー処理に拡張ATP機能が加わることで、引当可能在庫情報に基づく、オーダーフルフィルメント率の向上と柔軟性の高い調達が実現します。サプライヤーから顧客へ直接出荷することで、物流の工程とコストを最小限に抑えることができます。
堅牢な SaaS 基盤の構築
最新の SaaS 基盤の機能強化は、ユーザーエクスペリエンスとワークフローの効率向上を目指した設計になっています。
- ドイツ、カナダ、オーストラリア、オランダ、および英国向けの新しい公共セクター版の導入や、SAP 標準の 59 のローカル版の機能強化など、各地域の法規制や文化的規範に準拠するためにローカライゼーション投資を続けています。
- SAP Help Portal で、ID およびアクセス管理に関する文書に一元的にアクセスできるようになり、法令遵守とセキュリティ規制への準拠をサポートします。
- ビジネスパートナー・マスターデータに目的を割り当てることで、個人データを扱うほとんどのビジネスプロセスにおいて、データ管理者および目的属性(法人)とともにマスターデータのデータ分離がシンプルになります。
SAP S/4HANA Cloud Public Edition の詳細
2408 アップデートの詳細については、以下をご覧ください。
- SAP S/4HANA Cloud Public Edition リリース情報
- SAP Community の S/4HANA Cloud Public Edition
- SAP S/4HANA Cloud の最新リリースブログおよび過去のリリースハイライト
- YouTube プレイリスト: SAP S/4HANA Cloudの製品ビデオ
- 早期リリースウェビナーシリーズ
- 最新情報
- SAP Help Portalの製品ページ
- SAP S/4HANA Cloud Public Edition AI innovationsについて
- SAP Extensibility Explorer ツールで SAP のサンプルシナリオを使用し、拡張オプションの検討
- SAP Business AI
アルパン・シャー (Arpan Shah) は、SAP のパブリッククラウド ERP 製品管理担当 SVP です。