(本記事は、4月28日に本社で掲載されたものです)

創立 125 周年を迎えるテクノロジー企業が、AI 時代に向けて自らを再定義するには何が必要なのでしょうか。NECはすでにその一歩を踏み出し、継続的な変革から、AI の全社規模での活用フェーズへと移行しています。

1899 年に設立された日本を代表するテクノロジー企業の一つである 日本電気株式会社(NEC)は、IT サービス、通信、デジタルインフラなど、グローバルに事業を展開しています。数十年にわたり、絶え間なく進化するテクノロジーの波に適応してきました。しかし、今日の変化はこれまでのものとは一線を画しています。AI は、単なる一過性のイノベーションではありません。組織のあり方そのものを根幹から問い直す存在です。

NECにとってこれは、単にテクノロジーを再考するだけでなく、業務の進め方、意思決定のあり方、そして価値創造の仕組みそのものを問い直すことを意味しています。

SAP SE のエクステンデッド・ボード・メンバーであり、カスタマーエンゲージメント&アダプション部門を率いるトーマス・フィスター (Thomas Pfiester) との対談において、NECの CIO である中田敏彦氏は、同社がこの挑戦にどのように取り組んでいるのか、なぜ AI ネイティブ企業への転換にはテクノロジー以上のものが必要なのかを語りました。

 

NEC が AI ネイティブ企業へと歩み出した道は、AI の導入から始まったのではありません。それは、企業のあり方に対する根本的な変革から始まりました。システム、プロセス、データ、および組織を一体のものとして再考することで、NECは継続的な変革のための土台を築き上げました。

それは、時間をかけて、強固なデジタル基盤の構築やプロセスの標準化、クリーンコア戦略の採用、透明性の向上などを進め、ビジネスのあらゆる場面において、部門の垣根を越えてデータをつなげ、会社全体で一貫した意思決定を可能にすることを意味していました。

この土台が整ったことで、NECはいち早く RISE with SAP を採用し、基幹システムの刷新に着手しました。その狙いは、単なるクラウドへの移行に留まるものではありません。長年にわたって蓄積された複雑なシステム課題を解消しながら、ビジネスニーズの変化に合わせて柔軟かつ迅速に対応できる、強靭な環境を構築することにありました。

「RISE with SAP への移行により、基幹インフラの刷新を進め、Jouleのような AI エージェントの活用を加速させるための基盤が整いました」と、中田氏は語ります。

こうした環境の簡素化は、経営上の優先事項となりました。NECはクリーン・コア・アプローチによって複雑さを解消し、迅速なイノベーションを可能にする環境を整えることで、基幹システムを単なる維持・保守の対象から、継続的な進化を支えるプラットフォームへと転換しています。

この強固な基盤の上に立ち、NEC は今、次なるフェーズである全社規模での AI 活用を加速させています。AI を単なる個別の活用事例として扱うのではなく、日々の業務の中に組み込むことで、従業員のサポートやプロセスの効率化を図り、新たなオペレーションのあり方を実現しようとしています。SAP とのパートナーシップを通じて、NECは SAP® Business AI や Joule といった機能をビジネスプロセスに直接統合し、意思決定が行われる最前線に AI を届けています。

将来を見据え、NECは AI を次なる企業変革を決定づける原動力と捉えています。同時に中田氏は、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、単なるテクノロジー以上のものが必要であると強調します。それは、絶えず変化に適応し続ける力であり、それこそが、NECの成功を支える礎なのです。

 


パナギオティス・ムータス (Panagiotis Moutasは、SAP のエグゼクティブコミュニケーション、カスタマーエンゲージメント&アダプション部門の所属です。