（本リリースは、4月22日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です）
SAP SE（NYSE：SAP）は、南ドイツ地域保健当局がCOVID-19症例確認後の接触者追跡の自動化と高速化のために、SAPが開発したクラウドベースのWebアプリケーションを採用し、2020年4月10日に稼動を開始したことを発表しました。
ロベルト・コッホ研究所によると、ドイツでは医師たちが毎週約40万人にCOVID-19の検査を実施しています。検査で陽性の結果が出た場合、医師は患者および地域の保健当局に報告することが義務付けられています。報告を受けた地域の保健当局は、German Protection Against Infection Act（ドイツ感染症対策法）の規定に準じて、過去2週間に患者と対面で濃厚接触を行ったすべての人の詳細な情報を記録する必要があります。
南ドイツのベーブリンゲン地区の首席行政職員であるRoland Bernhard氏は、同地区の地域保健当局とSAPの連携の協業について次のように述べています。「COVID-19患者との接触者を追跡するのは大変な作業です。ITソリューションを用いることで、この作業がはるかに容易になります。市と地区の事務所でプロセスを合理化したことで、最終的にはウイルスの拡大を防ぐことができます」
COVID-19患者との濃厚接触が確認された人には、ベーブリンゲンの地方自治体から、SAPが開発したWebアプリケーションへのリンクが記載されたメールが送られるようになっています。このリンクをワンクリックするだけで、どのデバイスからでも必要なデータを入力できます。ただし、これを行うには、ドイツ感染症対策法に従って、自分のデータが匿名化された形式で医療研究機関（ロベルト・コッホ研究所など）に利用、処理、送信され、例えば統計に使用されることに、濃厚接触者が同意する必要があります。同システムのほかのメリットとしては、重症化しやすい人に迅速に通知できるため、隔離への移行といった適切な措置をより早く実施できることなどが挙げられます。また、アプリの導入により、地域衛生局の職員がより重要度の高いほかの仕事に専念できるようになります。
このプロジェクトは、ベーブリンゲン地区の保健当局がSAPに働きかけたことによって始まりました。SAPチームは協力を惜しまず連携して、アイデアをきめ細かく調整しました。SAP® Cloud Platform上で動作する新しいソフトウェアが、2020年4月10日という早い時期にベーブリンゲン地区行政官の事務所で稼動を開始しました。SAP Cloud Platformを活用することで、ハードウェアやほかのIT要件の検討に時間を費やす必要はありませんでした。このソリューションはマルチテナンシーをサポートしているため、約400にのぼるドイツ全土の衛生局に利用を拡大できます。また、ドイツにおけるほかの集団感染の発生を未然に防ぐため、医師たちにはほかの感染性疾患（はしか、髄膜炎、サルモネラ症など）の報告も義務付けられています。そのため、コロナウイルスのパンデミックが終息した後も引き続き、本ソリューションによって重要な役割が提供されます。
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