クラウド事業がクラウドおよびソフトウェア売上と営業利益の見通しの最高値を上回る

(本リリースは、1月13日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2021年第4四半期業績の初期レビューの後、2021年12月31日に終了した第4四半期および通年の予備財務業績を発表しました。本発表の予備的な性質のゆえに、このリリースに記載されたすべての2021年の数値は概算値になります。

2021年第4四半期

  • 進行中のクラウドバックログが94億5,000万ユーロで32%増(固定通貨換算ベースで26%増)と急速に増加し、固定通貨換算ベースで4パーセンテージポイントと引き続き成長が加速しました。
  • 「RISE with SAP」の採用が順調に進んだことにより、SAP S/4HANA®の進行中のクラウドバックログの業績が84%増(固定通貨換算ベースで76%増)と好調でした。
  • クラウド売上は28%増(固定通貨換算ベースで24%増)となり、クラウドポートフォリオ全体の契約締結が好調だったことでさらに成長が加速しました。

2021年通年

  • 全社的に、引き続きクラウドの業績の勢いが加速し、想定を超える結果がもたらされました。
  • IFRSベースのクラウド売上が17%増、Non-IFRSベースのクラウド売上が16%増(固定通貨換算ベースで19%増)となり、修正後の2021年度の見通しの最高値に達しました。
  • クラウドおよびソフトウェア売上が4%増(固定通貨換算ベースで最大5%増)となり、修正後の2021年度の見通しの最高値を上回りました。
  • IFRSベースの営業利益は30%減、Non-IFRSベースの営業利益は1%減(固定通貨換算ベースで1%増)となり、修正後の2021年度の見通しの最高値を上回りました。
  • 営業キャッシュフローは60億ユーロを超える見込みで、フリーキャッシュフローは約50億ユーロの見込みです。
  • 2022年度の見通しでは、クラウドの強力かつ加速する成長を反映し、Non-IFRSベースのクラウド売上(固定通貨換算ベース)の目標を26%増としました。

SAP CEO、クリスチャン・クライン(Christian Klein)は、次のように述べています。「SAPのクラウドの力強さは歴然としています。ビジネスの変革を後押しするとともに、回復力に優れたサプライチェーンを構築し、クラウドに移行して持続可能な企業へと変貌することを目指し、SAPを選択する企業がますます増えています。この勢いを反映して、SAPの代表的なクラウドサービスである「RISE with SAP」が大きな成功を収め、SAPのポートフォリオ全体が高い伸びを見せました。成長が加速しているため、この先にはさらに大きな可能性が広がっています」

SAP CFO、ルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「我々のチームが想定を上回るほどの好調な業績を達成できたことを誇りに思います。クラウドの勢いを受けて3四半期連続でホームランを打った後に、今四半期も場外ホームランを打てました。第4四半期の進行中のクラウドバックログは2022年度も継続すると確信を持っています。このことを反映し、中期的な目標に向けて大きな進捗を見せたことで、2022年度のクラウド計画を前倒ししました」

2021年第4四半期最新情報

 世界中の企業が、ビジネスのやり方を変革するためにデジタルテクノロジーとクラウドを採用しています。サプライチェーンの混乱から新しい規制による制限まで、今日の予測不可能な現実により、これまでにないほどの柔軟性と適応力が必要になっています。SAPはあらゆる規模、あらゆる業界、あらゆる地域のお客様のミッションクリティカルなプロセスに携わった経験を持っているため、他社にはない強みがあります。それこそが、さまざまな企業がビジネス変革を目指してSAPを採用している根本的な理由です。

SAPの強みと戦略の実行は、SAPのクラウドポートフォリオ全体にわたってお客様からの引き合いが好調だったことや、財務パフォーマンスが市場の予測を上回ったことなど、さまざまな面に表れています。

あらゆる規模のお客様で「RISE with SAP」の需要が好調だったことから、お客様の採用率が高くなりました。このサービスにより、お客様は新しいビジネスモデルの開発、採用、自動化を行い、インテリジェントエンタープライズになることができます。また、お客様は世界最大のB2Bネットワークである我々の Business Networkからメリットも得られます。このネットワークは、より回復力のあるサプライチェーンを構築するのに役立ちます。

顧客満足度は、好調な更新率とともに、引き続き上昇しています。

SAPはこの好調な勢いが2022年通年にわたって継続すると確信しており、SAP S/4HANA® Cloudの強力な支持に後押しされて、クラウド売上の成長が加速すると見込んでいます。

 

財務パフォーマンス

 2021年度第4四半期

進行中のクラウドバックログは、32%増の94億5,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで26%増)と、想定よりも急速に増加しています。SAP S/4HANAの進行中のクラウドバックログは、84%増の17億1,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで76%増)でした。クラウド売上は、28%増の26億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで24%増となりました。SAP S/4HANAのクラウド売上は、65%増の3億2,900万ユーロ、固定通貨換算ベースでは61%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、前年同期比14%減の14億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで17%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、6%増の69億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増となりました。サービス売上は、前年同期比3%増の9億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは横ばいでした。総売上は、前年同期比6%増の79億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増となりました。

第4四半期の予測性の高い売上の比率は、前年同期比5パーセンテージポイント増の69%に達しました。

IFRSベースの営業利益は45%減の14億7,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は16.9パーセンテージポイント減の18.4%でした。これは株式報酬費用の増加(主にQualtricsに関連)によるものです。Non-IFRSベースの営業利益は、11%減(固定通貨換算ベースで12 %減)の24億7,000万ユーロでした。Non-IFRSベースの営業利益率は、5.8パーセンテージポイント減の30.9%、固定通貨換算ベースで5.4パーセンテージポイント減でした。前年のIFRSベースの営業利益には1億9,400万ユーロの売却益が含まれており、Non-IFRSベースの営業利益1億2,800万ユーロはSAP Digital Interconnect事業の売却に関連しています。

IFRSベースの1株当たり利益は、23%減の1.24ユーロ、Non-IFRSベースの1株当たり利益は10%増の1.86ユーロでした。

 

2021年度通年

 SAPは修正後の2021年度クラウド売上の見通しの最高値を達成し、クラウドおよびソフトウェア売上と営業利益の見通しの範囲を上回りました。

IFRSベースのクラウド売上は17%増で、Non-IFRSベースのクラウド売上は16%増の94億2,000万ユーロ、固定換算ベースで19%増の95億9,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで94億ユーロから96億ユーロ)の最高値を達成しました。SAP S/4HANAのクラウド売上は、46%増の10億9,000億ユーロ、固定通貨換算ベースでは47%増となり、想定していた10億ユーロのクラウド売上の目標を上回りました。ソフトウェアライセンス売上は、前年同期比11%減の32億5,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで11%減の32億4,000万ユーロでした。クラウドおよびソフトウェア売上は、前年同期比4%増の240億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで5%増の244億1,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで238億ユーロから242億ユーロ)を上回りました。総売上は、前年同期比2%増の278億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増の282億3,000万ユーロとなりました。

想定していたとおり、2021年通年の予測性の高い売上の比率は、前年同期比3パーセンテージポイント増の75%に達しました。

通年では、IFRSベースの営業利益と営業利益率は、主にQualtricsのIPOと通年にわたるSAPの株価上昇が原因で株式報酬費用が高額になったことの影響を受けました。IFRSベースの営業利益は、前年同期比30%減の46億6,000万ユーロでした。IFRSベースの営業利益率は、前年同期比7.5パーセンテージポイント減の16.7%でした。Non-IFRSベースの営業利益は1%減の82億3,000万ユーロ、固定換算ベースで1%増の84億1,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで81億ユーロから83億ユーロ)の最高値を上回りました。Non-IFRSベースの営業利益率は、0.7パーセンテージポイント減の29.6%、固定通貨換算ベースで0.5パーセンテージポイント減でした。

1株当たり利益は、通年にわたるSapphire Ventures社の好調な業績を反映し、IFRSベースで3%増の4.46ユーロ、Non-IFRSベースで25%増の6.74ユーロでした。

通年の営業キャッシュフローは60億ユーロを上回る見込みです。フリーキャッシュフローは約50億ユーロになる見込みです。

 

2022年度の見通し

 2022年度は、クラウドの成長が引き続き加速すると見込んでいます。SAPのクラウドの勢いのペースと規模のおかげで、SAPは中期的な目標に向けて順調に進んでいます。

2022年度通年の見通しは以下のとおりです。

  • クラウド売上が、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで115億5,000万~118億5,000万ユーロ(2021年度=94億2,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで23%~26%増に達する見込みです。
  • クラウドおよびソフトウェア売上が、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで250~255億ユーロ(2021年度=240億8,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで4~6%増に達する見込みです。
  • Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで78億~82億5,000万ユーロ(2021年度=82億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで横ばいから5%減となる見込みです。
  • 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計として定義)の比率が約78%(2021年度=75%)に達する見込みです。

SAPの2022年通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。第1四半期および2022年度の為替の影響の見込みについては下の表を参照してください。

202112月のレートを適用した場合の通年の為替の影響見込み(Non-IFRSベース)

単位:パーセンテージポイント                      2022年度第1四半期                  2022年通年

クラウド売上の成長                                             +3pp~+5pp                               +2pp~+4pp

クラウドおよびソフトウェア売上の成長          +2pp~+4pp                               +1pp~+3pp

営業利益の成長                                                      +1pp~+3pp                              +1pp~+3pp

 

2025年度目標

2020年第3四半期決算発表で公開した中期的な目標に変更はありません。

以上

 

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